「富士登山競争」と「富士登山駅伝」

山梨に長らく住んでいるけれど、実は昨年まで富士山に登ったことがありませんでした。

見るもので登るものじゃない。

登っても車でいける5合目まで。

そう心に決めていたはずですが、気が付けば富士山がだいぶ身近な存在になりました。

 

今年は2回富士登山をしました。
目的は

「富士登山競争」と「富士登山駅伝」

どっちも、富士山を全力で駆け抜ける大会です。

 

両方共に言えることなのですが、

現在巷で騒がれている「トレイルランニングネガティブ問題」が全く感じられず、それにまず感動しました。

 

登山者優先ではなく、完全にランナー優先でしたし、
それを富士山に来ているすべての人が受け入れているような気がしました。

山小屋の方々もいつ選手が上がってくるのか、ワクワクしてましたし、

ツアーをガイドしている方もゼッケンをつけている人に

「すごいねー走ったの?ひゃーすごい!」と声をかけ、その日行われている競技をみんなが楽しんでいたような気がします。

 

でもって、競技自体も目的がすごくシンプルだったと思います。

「富士登山競争」は1番早く山頂に着いた人が勝ちだし、

「富士登山駅伝」は1番早くたすきをつないだチームが勝ちだし、

そこに、

「自然を愛でる」とか「景色を楽しむ」とか「1人1人が喜びを見出せる」なんてものは存在しなくて

 

「強靭な体と心でとにかく戦う」といった、潔さがあったような気がしました。

 

どちらの大会にも沢山の知り合いの方がエントリーしていたり、応援にきていたので、そういった仲間に会えるのも楽しかった要因の1つです。

 

さてさて、

『富士登山競争』は、応援だったので、こんなものしてみました。

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みなさん知ってます??
焼印じゃなくて、スタンプラリー。

これ、5合目の佐藤小屋で2000円で板を買うと、あとの山小屋は全部タダでハンコをくれるのです。
あの有名な焼印は、棒が1000~1500円で、焼印は1つ300~500円。
全部集めたら・・・結構なお値段がするうえに、二度と使わない(笑)

なにか富士山の記念に・・と思うなら、頂上でお守りを買うか、スタンプラリーを楽しむか、どっちかがいいのでは??
もう1回やれば十分なんですけど(笑)、なんかほら、観光地に来ると、記念品欲しくなるでしょ?
その気持ちをくすぐってくれるナイスアイテムです。
(ただし、まな板ぐらい大きいので、荷物になりますが)

でもって、

「富士登山競争」は応援に行くまで

『いつかは出たいなぁ~』って思ってたんですけど、応援に行って核心しました。

絶対に出ない(笑)

なぜって、馬返しまでのロードが流すぎる。

ダラダラダラダラ・・・・

景色も代わり映えなく・・・
なぜこんなにも長い・・・

車だっていやだ・・・

ということで、あの大会に参加されている方、真剣に尊敬します。

毎年連続で出てる方・・・すごすぎです・・・

今回はまた、富士スバルラインが通行止めになっていたので、初めての吉田馬返しからのスタート。
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今まで、色んな方に、富士山は5号目までが楽しいよと言われていたのですが、その理由がよくわかりました。

5号目までと5号目より上ではまったく違う山なんだなということが良くわかりました。

 

 

「富士登山駅伝」は昨年もサポートとして、お手伝いさせていただきまして、

全力で大砂走りを転げ落ちてくる自衛隊員の皆さんの姿に胸が熱くなりました。

今年は、山頂区担当だったので、佐藤光子さんと砂走り館にお泊り。

なんと142人宿泊していて、女子3名。

わーお(笑)
大半が自衛隊の方々なので、マッチョ率高し。

わーお(笑)
1人1人が寝る幅40cm。隣見知らぬ男性。

わーお(笑)

どうしよう、緊張して寝れない!なんて思ったのもつかの間、
疲れもありまして、ものすごいぐっすい寝まして、たぶん隣で寝てらした男性の方のほうが

気を使って大変だったのでは??スミマセン。。。

でもって、この日は山小屋の方いわく、今年一番の夜景と朝日の日だったそうで、
本当に景色抜群。
あちらこちらで開催されていた花火大会をいっぺんに見ることができ、
夜景も星空もきれいで、実にロマンティック。

ついでに言うと、近藤敬仁くんが私の夜景鑑賞にお付き合いくださって、もっとロマンティック。
ありがとう、近藤君。

(あ、近藤君、絶賛花嫁候補募集中ですので、ご希望の方は松井までご一報ください。)

 

朝は4時ごろから、空がピンク色に染まっていき、ご来光は真っ赤で生命力にあふれ、その反対側には虹が現れるという、奇跡的な景色に心を奪われました。

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本当は佐藤光子さんをサポートするのが役目だったのに、富士山での生活をやたら満喫してしまい
きゃーきゃーと自分自身が楽しむことに一生懸命で、光子先生すみません・・・状態でした。

 

大会当日は本当に命がけで駆け上がり、また駆け下る選手の皆さんに心熱くなり、
とんでもなく楽しい時間をすごした2日間でした。
「富士登山駅伝」は競技レベルが非常に高いので、一生出る機会は無いと思いますが、

やっぱりすごい。
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そうはいっても日本一の山。

標高が3000m超えてくれば息が苦しく歩くので精一杯。

そこを走ろうって思う、その気持ちがまずすごいですし、この大会に向かって必死にトレーニングする皆さんも本当にすごいな・・と感動しました。

 

また、両大会期間中、本当に沢山の方々に

「松井さん」と声をかけていただき、中にはスリーピークスのTシャツを着ていた方もいたりして、

とってもうれしかったです。
ありがとうございました。

 

「富士登山競争」も「富士登山駅伝」も、来年も必ず応援&サポーターで行きます♪

まだどちらも見たことない方はぜひ、来年一緒に応援に行きましょう!!

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相馬剛さん

私が語るのは恐れ多いのですが忘れたくないのと
書くことによって生き続ける気がするので書きます。

私のブログの更新がパタリと止まってしまった原因は、
大会が終わった安堵感とか、色々と続く細かい作業とか、
あれこれあったから・・・なのですが、
大きな原因はそこではなく、7月末に飛び込んできた信じたくない情報が原因です。

相馬剛さんの遭難。

この事実を知ってしばらくの間、寝ても覚めても相馬さんのことばかりを考え、
そして今も、事あるごとに考えます。

私と相馬さん。

接点なんてそう深くありません。

でも相馬さんは、私がトレイルランニングに出会った頃から、憧れの人でした。

色々な大会で姿を拝見しては、
「私ごときが話しかけてはいけない」
と、遠巻きに見つめるだけでした。

なんかいつも相馬さんの周りだけ、オーラの色が違って
レース当日いつも
「あーやばい練習してないよー」と右往左往している私のような雑魚は近寄れない存在でした。

ところがある日きっかけをもらいます。
友人の代田渉くんと飲んだときに、
「松井さん、きっと相馬さんと話をすると良いと思う。相馬さんに会ってみたら?」といわれたのです。
いやいや、恐れ多い、何をおっしゃいますやら・・・と思いつつ、
そうか、一度相馬さんにちゃんと面と向かってアタックしてみよう!そのとき初めて自分から勇気を出してアタックすることを意識しました。

憧れてるとか、尊敬してるとか、応援してるとか
いつまでも遠くから一方的に思っていても仕方ない。
ちゃんと近くで話をしたい!

それからしばらくした、2014年4月28日
「トレイルランニングの未来を考える全国会議」の会場で相馬さんにお会いします。
もちろん私は、相馬さんの存在に気が付きなんとか話をしたいと思いましたが、
プレゼンを担当していた私は、その日もご挨拶程度しか出来ず、相変わらず遠い存在で終わるはずでした。

でも、プレゼンという大役を勤めさせていただき、相馬さんの脳裏にも
松井という人間がまだ認識されているうちにお話をしたい!と思い、帰宅後すぐ相馬さんにメールをしました。

自己紹介をし、ぜひTrailheadのツアーにも参加したいですと。

突然かつ失礼なメールだったと思いますが、相馬さんからの返信は私の予想に反したものでした。

松井さん、今度の甲斐駒ツアー、地元の方ですし、コースも往復なので、今のところサブガイドでお願いできればと思います。
(中略)
もうすぐスリーピークスですね。
色々な方から素晴らしい大会と聞いております。
今年も楽しく盛り上がれると良いですね。
私もテルテル坊主を作って、晴れることを願っています。

こんなうれしいメールを貰えるとは思っていませんでした。
そして、大会当日のFujiTrailheadのfacebookにはこんなことまで。

そんな中でもやっぱり気になるのは“八ヶ岳THREE PEAKS”。
あのメンバーで、あの距離・・・しびれるなぁー。
岩佐さん、ありがとう!
こんなにソワソワ、ワクワクと気になるなら来年は絶対に出場しよう。

大会後、この文章を見たときの興奮は、今でも忘れられません。

実は、相馬さんにぜひ出場して欲しいと思っていました。
でも、きちんとご挨拶もしたことないので、急にお誘いしたら失礼なのではないか?
と思い、お声がけすらできなかったのです。
相馬さんにそんな風に思ってもらえる大会でよかった。
来年は絶対!そう心に誓いました。

結局、甲斐駒ツアーは全力でサブガイドを拒否し(当然です(笑)無理です)
スリーピークスのコース担当である小山田さんに託したのですが
松井さんもぜひという言葉に甘えて参加。
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しかし・・・というか、やっぱりというか予想通り何の役にも立たず、
相馬さんに「松井さんはまったく・・・」と呆れられつつも、
相馬さんという憧れの存在に近づけたことがとても幸せでした。

そして、7月15日。
相馬さんがスイスに旅立つ前日に、地図読みのツアーに参加します。
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地図もコンパスも苦手な女子3名。

座学のときから、はちゃめちゃなことばかり言う私たち。
西と東が分からないとか、尾根だと思ってたら谷だったりと、笑いっぱなし。

樹海でのフィールドワーク。
コンパス進行を学んだのに、「はい、スタート」という相馬さんの掛け声と共に、
全員バラバラの方向に突き進んで(笑)しかも全員誰にも合わせず(笑)
どんどん好きな方に散らばるから、何度も相馬さんに
「コンパスの北合ってます?」と心配される始末。
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どんなテントがいいのか、ツェルトのたて方から寝袋や防寒具の相談まで、
11月末のOMM参戦を目指す無鉄砲な私たちを、本当に楽しく指導してくれました。
走らないって言ったのに、走れるところは全部走らされたし、
急斜面も登らされて、あれ?話が違います・・・と言う余地もなし(笑)
藪こぎも「これは初級です」って言って、ガシガシ進むからついていくのが必死。
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みんなが言っているとおり、相馬さんのセミナーは楽しむためのものではなく
今の状態よりレベルアップするためのもので、そのために必要な厳しさを
相馬さんからでるオーラで「怠けたこと言ってる場合じゃない・・・」と意識させられるのですが、
なんだかそれが心地いい、素敵な時間です。

予定より1時間以上遅れて終了した地図読みセミナー。
明日からスイスに旅立つ相馬さんに、
「スイスから帰ってきたら、もう一回地図読みセミナーやってください」
と、お願いすると
「もういいでしょ、1回で覚えてください」
と、相馬さんらしい即答。
「そこをなんとか・・・」
「なんでわかんないの?」
「えっと・・・」
という押し問答を繰り返し(笑)
「スイス頑張ってください、応援してます。お気をつけて」
最後まで笑いながらセミナーは終了しました。
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それから10日後、遭難の話を聞きます。

そして、まだ相馬さんは日本に帰ってきていません。

日本中のトレイルランナーが相馬さんを待っています。

相馬さんについて書くとき、とても緊張します。
それは相馬さんの存在だけでなく、相馬さんの書く文章の力に圧倒されるからです。
相馬さんの選ぶ言葉1つ1つが、とっても素敵で、力があって、艶やかで、
それが、経験や体験に紐づいているものであり、付け焼刃の人間では選び出せない言葉だと
誰もが感じるからだと思います。

それに対し、全てにおいて陳腐な言葉しか選べない私。。。

でも、自分らしい言葉で書かせてもらいました。
(お前ごときが相馬さんを語るなと思う方もいるでしょうがごめんなさい。)

奥様を始め、関係者の方々、
落ち着かない日々と、日常生活を滞りなくすごす日々は
自分が思っている以上に疲労が抜けにくくなります。
また、残暑は思いのほか体力を削りますので、
お体には十分お気をつけてください。

相馬さん。

私は相馬さんとの約束を果たさねばなりません。

相馬さんに「夏までにヘタレは卒業」と約束したから、
いつ相馬さんが帰ってきても良いように、
帰ってきた時に「ヘタレ克服しましたね」って言ってもらえるように。
でも
「松井さん、いい加減にしてください」
って、笑ってもらうのもいいかな?(笑)なんて・・・