ハセツネ完走を目指すあなたへ(装備編)

さて、引き続き、サブ10なんてとんでもない。
狙うのは15~20時間以内の完走だ!という方向けのお話です。
あくまでも初心者向けの文ですので、初心者じゃない方はスルーしてください。

今回は装備について。
まずはストック(ポール)について。
これ、必須です。
かなり走力がないと、ストックなしでは三頭山も御前山も戦えません(笑)
ストックは第1関門の浅間峠後から使用可能なのですが、本当にこれに支えてもらいました。
なんなら、御前山なんて半分以上寝ながら進んでいたので(笑)
このストックなしでは無理だったと思います。
私はブラックダイヤモンドの「ウルトラディスタンス」を使用しました。
選んだ理由は軽さでした。
一部で、すぐ折れるといったような話があるみたいですけど、今までこのポールであちこち行ってますが、折れそう・・・と思ったようなことはありません。
簡単に組み立てられるので、私のようなズボラ女子にもばっちりです。

つぎに、ザック。
皆さんお悩み度高いのではないでしょうか?
私もずいぶんと悩みました。
でも、ザックもう何年もロングレースの際には、サロモンのこのザックです。
なのでハセツネもこれを使いました。

たくさん入る、出し入れが楽、ポッケがたくさんある、値段がお手頃、丈夫で長持ちなのが理由です。

特に背中から脇にかけてのポッケの部分。
ここにジェルやら携帯やらゴミやら・・・何でもかんでもポンポン入れられるのがいいところ。
メッシュでかなり広がり、けっこうな衝撃でも落ちることはありません。

かなり荷物が増えることはまちがいないので、たくさん入って丈夫なザック、そして出し入れが楽なものを選んだ方が良いと思います。
意外と、荷物の出し入れが面倒で、ストレスになるので。。。

最近どのレースに出ても、選手のザックは
★サロモン
★ウルトラスパイア
★アルティメイトディレクション
を持っている方が多いですね。
私は残念ながらUDはもっていないのでわからないのですが、ウルトラスパイアはけっこう好きです。
同じくポッケが多い、収納しやすい、あと体にフィットしやすいところなんかが好きです。
ウルトラスパイアは、パーツをあれこれ組み合わせると、もっと使い勝手が広がるようで、私の友人がそれについてはブログに書いていたので、ぜひご参考に。
http://afcountry.com/?eid=5026
(A&Fなんばパークス店のブログ)

でもって、次は靴です。
ハセツネなど秋のトレイルランシーズンに合わせてか、各社いろんなシューズを出してくるので、更に悩みが増しますよね。

シューズ普段のレースの際は、靴に不安があったとしても、デポバックに予備を入れておいて履き替えるとか、サポートに靴をもらうとか、履き替えることが可能ですが、ハセツネではできません。

なので、自分が一番信用できる靴を履くのが一番です。
昨年度、とにかく悩み、悩み、悩み・・・結局「ウルトララプター」にしました。
ちょっと重いのが難点ですが、しっかり足を守ってくれた、いいお靴です。

ハセツネは特に舗装路が多いわけでもないですし、岩場やガレ場も多いわけではないのですが、バラエティに富んだトレイルが次から次へと出てきますので、足をしっかり守ってくれるような靴の方がいいのかな?なんて思ったりします。

特に、20時間代の人は、足の痛みとの戦いになると思うので、少しでも不安になるような靴はやめたほうが良いと思います。

私は最近、アルトラの「ローンピーク」やサロモンの「センスプロ」を履くことが多いです。
センスプロはたぶん、どんな人が履いても不快感が無い、軽くては履きやすい靴だと思います。
アルトラの靴はどれもつま先部分への圧迫感がないので、甲高バンビロな日本人にピッタリの形で、履いていてストレスがありません。

ちなみに私は、だいたい1cm~1.5cm大きめの靴を履きます。
トレイルランニングをする方は割りと自分のサイズより1~2cm上げる人が多いのですが、私の知っている超速いランナーさんは、ピッタリサイズを選ぶというので、これはやはり、何足か試してみて一番良い靴、サイズ感を選ぶしかないのかも。

当日のウェアについて・・・

 

ウェアウェアも靴と同様、途中で着替えるなんてことが出来ません。

なので、吸水速乾に優れたウェアを絶対に選んでください。

どんなに良いシェルをもっていても、下に来ているウェアがびしょ濡れでは意味がありません。
私は以前ブログに書いたのですが、大のodloファンです。
なので、昨年度は上下odloウェア&C3タイツで出ました。
アンダーウェアもodloでした。
アンダーウェアってかなり重要なのです。

私は以前、レース時横っ腹が痛くなって困ってました。
そのときはまだアンダーウェアの重要性に気が付いていずに、着ないときも多かったのですが
結局、汗で冷えてお腹がいたくなっていたんです。
特に、ウェスト部分でとめるタイプのザックを背負ってるときは、汗が必然的にそこにたまるので、無意識にどんどん冷えていたのです。
でも、アンダーウェアを着用するようになってから、そういったトラブルがなくなりました。
それに女性の場合、下着が透けなくて良いとか、いろんな利点がありますね。

 

それと・・・是非、完走していただきたいですが、もしかしたらリタイアするかもしれませんよね?
ハセツネ、実は完走するのも大変ですが、リタイアするのも大変です。

2012年に私がボランティアスタッフとして配置された、数馬リタイアテントですが、
一番近い西原峠からそのリタイアテントまで徒歩で1時間半程度かかり、自力で下山しなければなりません。

 

大半の方が西原峠に夜間に到着します。その際すぐ動ければ良いですが、夜間1名で下山はかなり大変で、何名かで束になって下山することになると思います。なので、なかなか動けないと、汗で体はどんどん冷えていきます。
また、リタイアテントに到着しても、搬送バスがすぐ来るとは限りません。
その年は1時間以上バスを待っていた人も大勢いました。

 

また、くたびれて、すこし座りたい・・そんな時も、しっかり着込まないと、山間部はかなり寒いです。
月夜見でサバイバルシートに包まって横たわっている方がかなりいました。

 

ということで、吸水速乾に優れたウェア、そして防寒具は必須です。
荷物がどうしても・・・という方はアームを忍ばしておくといいかもしれません。

ウェア類であと重要なのが、靴下。
私、トレイルランニングを始めた頃は、スポーツショップで売ってる3足1,000円とかで走ってました。
でも、やっぱり、いい物は違います。
最近は5本指にピッタリはまるのが気に入って、R×Lソックスをはくことが多いです。
指が自由になる感じと、指の間が蒸れなくてすきです。

装備に書いていいのか分かりませんが・・・
ニューハレテープとサポートタイツについて。

女子が良く履くサポートタイツですが、これは別にどこのメーカーのどれを履いてもそんなに大差ないのかな?なんて思います。
私の場合、トレイルレースで確実に転倒し、膝小僧やスネに消えない傷跡を残すため、それの予防の為に履いてます。
ハセツネの際は、夜間冷えることを予想し、タイツをはきました。
でも、タイツを履くと、テーピングが思うように出来ないので、それが難点・・・
足へのサポートとか、怪我の予防等の為に・・・と思っているなら、ニューハレでしっかりテーピングした方がずっと良いと思います。
膝や太もも、足首、腰や肩にいたるまで、あちこち使えるのがいいところ。
私もすべての大会で、ニューハレテープにかなりお世話になってます。
特にXテープ。
足首をぐきっとやってしまう、あの嫌な感じから開放されます。
それに、レース中うっかりザックの肩の部分が切れてしまった方がいて、その際もニューハレで補強してました。
予断ですが、しょっちゅう転ぶのでタイツにすぐ穴を開けてしまう私は、
タイツの穴隠しにニューハレさんつかってます(笑)
あ、ヘッドライトとハンドライトについてですが、ハセツネでは両方お持ちの方がとっても多かったです。
私も両方持ちました。
ハンドライトはストック使用時には本当に不便なんですけど、足元を照らすのには最適です。
速い方は、ハンドライトを腰やお腹辺りにつけている方もいました。
完走ペースの方なら、どんなライトでも別に大差ありません(笑)
ただ、安い電池は使ってはいけません。
私、ハセツネでケチって、やすい電池にしたら、電池交換を3回もしたのに最終的に電池切れになり、かなり困りました。
そのとき夜明け間近だったのでセーフでしたが・・・
気温が低いと電池の減りも激しくなりますので、ぜひしっかりした、電池にしてください。

とまぁ、装備についてはこんなところでしょうか??
あくまでも、完走を目指す方向けですので、俊足ランナーの方にはあまり意味の無い話ですが(笑)
次回は実際の昨年度のレース中に思ったことを、書きたいと思います。


ハセツネ完走を目指すあなたへ(補給編)

いよいよ今週末は、日本山岳耐久レース「ハセツネ」ですね。
71.5kmを、1回の給水のみで、あとは全て自分で背負って、一切の食事の補給はなし。
自動販売機や売店の利用は御法度。
同じ選手やボランティアスタッフから物資を提供してもらうのも、当然ながらNGという厳しい制限に合わせ技で厳しすぎるコース設定。
山頂や峠を20個以上超えていくという、本当の意味での耐久レースです。

私は昨年度このレース、
トレラン王国の「亀ランナー」として、DVDに出演しておりますので、詳しくはDVDをご覧下さい(笑)
(決してカメラつきヘルメットをかぶった瞬足カメランナーとは違います)
ハセツネ3
さて、今回私が書きますのは、サブ10なんてとんでもない。
狙うのは15~20時間以内の完走だ!という方向けに、勝手にハセツネ連載を始めます(笑)
あくまでも初心者向けの文ですので、素人じゃない方はスルーしてください。

まず、声を大にして言いたいのは、
もしあなたが、自分で思う「たいしたことないランナー」だと思うなら、
装備も補給食も完璧にすべき!
です。

早い人なんて、結局、何であろうとゴールできちゃいます。
でも遅い人は、どうにか、こうにか、這ってでも進まないと、完走はできません。
ウェア、シューズ、補給食、などなど、
「私、別に速いランナーなわけでもないから、なんでもいいか!」
ではなく
「私、速いランナーじゃないから、装備だけはしっかりしよう!」
という考え方にチェンジしてください。
さて、ロングレースの際、皆さんは補給食どうしますか??
おにぎりがいい、パンがいい、クッキー状のバーがいい、などなど
補給食は人それぞれだと思います。
通常のレースでは、何を食べても、何を持ち歩いても問題ないとおもうのですが、ハセツネはエイドでの補給が一切できないため、自分が必要となる水分、食料は全て持たねばいけません。
唯一、42キロ地点の月夜見にて、水orポカリを1.5リットルのみ補給できるのみです。

ということは・・・・

荷物は軽いほうがいいのです。

でも、ウェア等の装備を削るのは絶対にNG!
(その理由も後で書きます)

基本的に、ロングレースの際は、自分が食べたいもので、効率よく栄養に変わるものをどんどん補給していくのが一番いいのですが、荷物の重量があると、それだけでエネルギー消費は高まりますので、更に補給食が必要になってしまいます。
そこで、軽くて、持ち運びやすくて、エネルギー量も計算しやすく、胃腸に負担が少ないのが、ジェルです。

私は、そもそも日常生活を送っている段階で、過敏性大腸だったり、胃炎をすぐ起こしてしまったりする程胃腸が弱いので、レース中は固形物が一切受け付けられません。
受け付けられないというより、信用できないのです。
ジェルは消化にエネルギーをあまり使わずに、栄養吸収し行動エネルギーに変換してくれるので、胃腸が弱い私にとって最適です。
ただ、ジェルの場合、栄養の消化吸収が早いので、きちんと自分で補給のタイミングを逃さずに入れていかないといけません。

私の場合、30~50分に1本のペースで補給すると良いという結果が、これまでの経験&ベスパ齋藤さんが教えてくれた計算式で導かれていますので、必ずそのそのタイミングで、食べたい食べたくない、一切関係なく必ず摂取します。
計算式がわからなったり、経験がない方は1時間に最低1本ジェルを摂取することを決めていけばいいのではないでしょうか??

また、エネルギーだけでなく、足のツリ予防や、ガツンとパワーが欲しい!ということで、
ジェル摂取の4~5回に1回はベスパを合わせて摂取します。

ベスパは本当にパワーになります。
ちょっと高いんですが、足のつりや疲労時の回復にテキメンです。
何度も「やばい、つりそう・・・」という状況を助けてもらいました。

ということで、ハセツネに私が持ち込んだ食料はこちら
ハセツネジェルジェルだけで20本以上。
そして、ジェルが足りなくなった際など、念のためのグミを持って行きます。
上記写真は実際、昨年度私がザックに背負った食料です。
これに写真右上のヴェスパのりんご味のゼリー飲料をあと2つ持ちました。
これ、絶対におすすめです!
まず、このヴェスパのゼリー飲料は、味がめちゃくちゃ美味しい。
甘すぎず、さっぱりしすぎずの、別妙な味わい。
ヴェスパ製品ならではの、栄養◎
でもって、水分量も適度にあるので、ハイドレの水分を消耗せずに済むという、素晴らしい存在。
これ、まだ飲んだことない方、騙されたと思って飲んでみてください。
私はどのレースでもかならずお供に最低1つは持ちます。

ちなみに前文で書いたように、私は固形が受け付けなくなるので、グミをこれだけ持ちましたが、実際に食べたのは3粒?4粒?ぐらいでした。

補給がしっかり出来ていたおかげか、気温があまり低くならなかったせいか、胃腸の不調は一切ありませんでした。
気温が低下すると、胃腸がおかしくなる人がグッと増えます。
なので、腹時計ではなく、きちんと時計を見て、自分の消費量にあった補給を繰り返していってください。

ただし、今まで一度もジェルを試していない方がレースで突然使うのはやめたほうがいいかと、、、。

今まで使ったことない方は、重たいですが、いつも食べ慣れてる食料を持って行ってください。

ただし、肉体疲労と内臓疲労で消化吸収しにくくなってますので、必ずいつもより、よく噛んで噛んで噛んで、噛みまくってからゴックンしてください。

普段の調子で食べてたら、確実に内臓を痛めます。

次に、水分量。
これは、かなり難問です。
私は2012年に、ボランティアスタッフとして、西原峠から数馬のリタイアテントまで選手を下ろすという業務を行っていました。
西原峠は、三頭山手前なのですが、そこに至るまでに水がなくなりリタイアを余儀なくされる方がかなり多数いました。
2012年はあまり天候が良くなく、夜間は寒くて震える程でした。しかし、水切れリタイアがかなりいたのです。

2013年は日中かなり暑く、スタート前から太陽がジリジリと・・という感じでした。
なので、私は、ザック内ハイドレに1.5リットル、ボトル2本、ペットボトル1本の合計3リットルを背負ってスタートしました。

かなり重い・・・ほんと重い・・・でも、42キロまで給水ですら不可なので、自分が普段どのぐらい摂取するのが、知っておく必要があります。

本来は、体重を計って、走ってという、きちんとした計測が必要なのですが、ズボラな私は
「普段、水分摂取多いしなぁ」という安易な理由で3リットルを背負うことにしたのですが、結果正解でした。
月夜見で吸水を受ける際に、残りの水分は250mlしか残っていなかったからです。

ハセツネはかなりアップダウンが激しいので、心拍数が上がります。
心拍が上がるということは呼吸数が増えるということで、そうすると喉の渇きも強くなります。
なので、自分が思っているより多めに水分を持っていくことを進めます。

あと、同じ味の水分だけだと飽きますので、色々と混ぜたほうがいいです。
ちなみに私は・・・

ハイドレ内(1.5l)→MUSASHI
ボトル1→水(スパークリングウォーター)
ボトル2→オレンジ&アップルジュース
ペットボトル→コーラ

というラインナップでした。

余談ですが、STYに出た際に、残り10キロ地点で、どうにもこうにもスポーツドリンク系が受け付けなくなりました。口に含むだけで吐き気に襲われました。その時予備で持っていたコーラにめちゃくちゃ救われました。

なので、同じ種類の水分ではなく、色々と持っておくと便利ですよ!

ということで、今回はここまで。

次は、装備品について書きまーす。


サポーターの車窓から~信越編02~

前回に引き続き、2014年信越五岳で、上宮逸子さんをサポートした記録です。
あくまでも私目線の話なので、あしからず。

<A5>笹ヶ峰高原乙見湖(66.6km地点)

荷物をまとめ、エイドに到着するのと同時に、女子1位の高島さんが到着します。
前のエイドを約5分差で出ていたことを考えると、逸子が何時きても不思議ではない状況です。
A5からはペーサーも合流するので、沢山のペーサーでA5は大盛り上がり。
こんかいペーサー陣が本当に豪華。
トレラン有名人がA5に終結していて、既に大賑わい。

11時半すぎにエイドに到着してしまったため、逸子のペーサーをする小山田さんの準備がドタバタ。
着替えもしなければならない、逸子の荷物だけでなく、小山田さんの荷物もまとめなければならない、
逸子の補給や水分について話をしなければならない、小山田さんの水分も気にしなきゃならない、
もう、完全にこの時点で私の頭はパニック。

shin010

そんな私を見かねて、いろんな人が「大丈夫?」とフォローしてくれるも、もう完全に頭が回っていないのでどうにもならない状態。

エイドから車を止めてある駐車場まで、約100m。
階段あり。
それなのに車内に忘れ物あり。。。

発狂しながら、全力ダッシュで取りにいく・・・が、慌ててるからまた忘れる・・・またダッシュ・・・

 

 

とりあえず写真を・・・と思って撮ったけど、足元に散乱する荷物が、現場を物語ってますね(笑)

さて・・・

ドタバタドタバタを繰り返していると、ついに逸子が到着するのです。
到着してまず思ったこと。

とにかく顔色が悪い。真っ白。

これはかなり胃腸の調子が悪いよね・・と。
それでもここまで走ってきたことが本当にすごい。
きっと本人に体調のことや、顔色のことを言ったら、パワーダウンしてしまうかもしれない・・・
ここは何も言わず、ひたすら
「いいペースだよ、すごいよ」と励ますのみ。

A5では少し休憩したいと言っていたので、ここで初めて座って休憩。
用意していたもう1足のシューズにもこのタイミングで履き替えをおこないました。
調子悪いと言いつつも、当初このエイドの到着予測は13時10分だったのに対し、今はまだ12時30分。
予定より30分も早いペースであることを伝えると、少し安心した様子。

内臓の調子が悪そうで、とにかく心配だけど、ここからはペーサーもいるから、ペーサーの支えを信じるしかない。
きっと小山田さんなら、逸子をずっと元気付けてくれるはず!
二人で力を合わせて乗り切って!!
祈るような気持ちで、二人のスタートを見送りました。
shin011

A5はとにかく遠い。
なので、A6へもとにかく遠い。
しかも3連休のなか日で、戸隠は観光客でごった返していました。
なので、あちこちで渋滞に巻き込まれ、A6到着に1時間以上かかりました。
A6エイドは車が停められないので、その先の駐車場で待機。
選手はこの駐車場から再度トレイルに入ってきます。

A6エイドでいったん車道に出て、またトレイルに入るのですが、
前文に書いたとおり、観光客であふれていたため、選手が車とぶつかったりしないか?とちょっと心配。
でも、舗装路にはきちんとコーンが立ててあり、選手と車がぶつかり合わないための配慮がされていました。

信越五岳はどこのエイドも人が沢山いて盛り上げてくれるし、エイドの食べ物も豊富。
また分岐誘導をするスタッフも多く、選手のことをしっかり考えている大会なんだな・・・と思う部分が多かったです。
この長い距離を、こんなにも沢山のスタッフに支えられているんですから、選手はがんばれるんだな~と。

<A6>大橋(81.0km地点)

ここはサポートできない場所。ただただがんばって走ってる逸子と小山田さんを応援するのみ。
次のA7に車で進入すると、サポート可能なA8に迎えない可能性が出てくるため、
「A8で待ってるよ!」という声をかけと、二人の体調を確認するためだけに待ちます。

ここまでサポートをしていたBOSS齋藤さんも私も、まともな食事は1度も取れていず、私たちもシャリバテしてしまいそうなので
ここではじめての食事。
といっても、お湯を沸かしてカップラーメンを食べるだけだったけど、それでもがんばって走ってる逸子と小山田さんに申し訳ないな・・と思いながら、ラーメンをすすります。

しばらくすると、二人が笑顔で到着。
その前のエイドを青白い顔で出て行った逸子が、笑ってきてくれたことが本当にうれしかったです。
あぁ、小山田さんがなんだかんだ面白い話をして盛り上げてくれたんだな・・と思い、ペーサーを頼んでよかったな・・と実感しました。

どのエイドも、がんばって走ってる選手の姿を見えるのは一瞬で、その一瞬でサポートは次の補給を考えなければいけません。
逸子と小山田さんを見送った後、BOSS齋藤さんは次の補給に必要なジェルをせっせと作っています。
渡すジェルは飽きないように、どのエイドも違う味。
ただジェルを渡すのではなく、バーテンダーのように微妙なブレンドを加えたりと、今回の補給の種類やタイミングについて、すごい勉強になりました。

A7通過の写真をその後エマちゃんからもらいました。
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<A8>戸隠スキー場ゲストハウス岩戸(92.3km地点)

ここがサポートできる最後のエイドになります。
30分以上早いペースで来ているけれど、ゴール予測は19時。
そうなってくると、夜間になっている可能性もあるため、二人にライトを渡すという大事な役目がありました。
また、気温低下の可能性があるため、着替えを行なう、ノースリーブで走っている二人に、シェルやアームを渡すなどやることはてんこ盛り。
特に、ライトは逸子が持つハンドライトと小山田さんが持つハンドライト、そして小山田さんが頭にするヘッドライトの計3つを渡さねばなりません。
A7をパスしたため、速めにA8に到着した私。
さて、サポートエリアで渡すものをまずまとめてから、一休みしよう・・・

あれ・・・

ない・・・

ない・・・

ないーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
そう、大慌てでA5を出発したため、私は小山田さんから預かった荷物一式をエイドに置き忘れてきたのです。
(上のA5の写真でいうところの、小山田さんの足元に写ってる青い袋がそれです)

時刻は既に14時を回っており、今から取りに言っても往復2時間かかる為絶対に無理・・・
小山田さんから預かった荷物をもう一度思い出して見ます・・・

・ウィンドシェル
・ヘッドライト
・アーム
・念のための着替え

ハンドライト2個はかろうじて忘れずに持ってきていたため、ここはセーフ。
アームも天気がいいからたぶん要らないって言うだろう・・・
ヘッドライトも私のものがあるから、ささっと渡せば分からないはず・・・
ウィンドシェルも代替のものがある・・・
よし、ばれない(笑)これで行くしかない!そう決めてドキドキしながら待ちます。

ただ、頭によぎったのは、信越の準備をする際に小山田さんが度々言っていたこの言葉

「本番で変わったことをすると良くないから、いつもと同じで行こう」

あぁぁぁもぉぉぉぉ!!いつもと違いすぎている!!!

口が裂けても
「前のエイドに忘れちゃった★てへ」
なんて言えない・・・

私がそんなことに右往左往している中、次々とランナーが到着します。

ペーサーと言葉を交わし、エイドの食料を食べ、ゴールへと向っていきます。
どの選手も「やっとここまできた」といったような安堵感はなく、
むしろ「よし、やってやる!」といった挑戦者の顔でした。

それもそのはず。
ここまで90km走って来たのに、今からむかうのは瑪瑙山。
コース上で一番標高の高い山であり、A8からの高低差は500m。
みんなここが正念場だと確信している顔つきでした。

15:30すぎ。
逸子&小山田ペアがエイドに到着します。
到着すると、逸子はこれ以上体を冷やさないよう、着替えをはじめます。
顔色はA5出発時より良くなっているものの、まだ体調不良は続いている様子。

この人、体調不良を訴えてから40km以上も走り続けてるんだ・・・
ペースも自分が思っていたようなペースではないかもしれなくて、
痛みや不調を抱えながら、それでも前に進む姿にサポートも力がはいります。

そして、小山田さんに言われます。
「俺のアームとライトちょうだい」

あーー、アームいるってこの人言った・・・言ったよね・・今・・・

「うーん、ない!!で、ライトは、コレ!!」

「え?なんでないの?でもって、これ俺のライトじゃないけど?」

あーーライトも気が付いたーーーさすがーーー
(いや、普通気が付くよね・・・)

私:「とりあえず、何も聞かずにこのライトつけて、アームは必要ないから大丈夫」

小山田:「なんで?」

私:「いいから」

小山田:「え?不安にさせるなよ、何なんだよ」

私:「色々あるんだって!」

小山田:「だからなんだよ」

私:「忘れたの!ぜーんぶA5に忘れたの!!」

小山田:「え・・・・・」

その後、小山田さん、なれない私のヘッドライトをつけ、言葉少なげに出発の支度・・・
そんな小山田さんを、コースマーキング作業をしていたSUUNTO竹谷さんがフォロー。
エイドスタッフの半田くんまで「大丈夫!」と後押し・・・

そんなドタバタ劇を行ないつつ、最後のエイドを二人は笑顔で出発。
「がんばれ、待ってるからね、まだまだ行けるよ!」
そんな言葉で送り出します。

最後のエイドで、選手を支えるペーサーを不安にさせる・・・
もっともやってはいけないミスです。。。

そして私は、ゴール待機を齋藤さんと竹谷さんに託し、とにかく遠いA5まで忘れ物を引き取りに行きます。
逸子と小山田さんはゴールを目指してがんばってる!
私は、車で往復2時間半を2時間以内で戻らないと、ゴールに間に合わない・・・
もうとにかく猛スピード(笑)
もう鬼の形相で運転してるから、大概の車がどいてくれる(笑)

結果1時間40分という好タイムで往復完了しました。。。

ゴール地点はもう夕暮れ。
ライトが必要な時間帯に突入していました。
すでに女子1位はゴールしていて、逸子の優勝はなくなってしまったけど、
順位とかじゃなくて、とにかくゴールまで来て欲しい。
祈るような気持ちで待ちます。

実はレース前に逸子から
なかなか思うように走れないこと、体調がなかなか優れない日が続いていることを相談されていて
大会直前も
「私、はしれるかな?」
と不安な気持ちをずっとメールや電話で話していました。
私がいつも練習不足で
「あーもー完走できないよ、これ」
なんていう愚痴とはちがって、いろんな不安があったと思います。

上宮逸子という女子トレイルランナーはあまりにも有名で、レースに出れば必ず表彰台。
本人は一言もそんなこと言わないけれど、応援している仲間や、チームメイト、スタッフのことを考えれば
きっと大きなプレッシャーに押しつぶされそうになるときもあると思うのに、会場ではいっつも明るくてニコニコしてて
一緒にいるほうが元気もらえる、そんな人。
すっごい天然で、この日も何を着るかでずっと悩んでたけど(笑)
1人のかわいい女性が110kmもの壮大なレースに毎年チャレンジして、結果を出し続けるってどれだけ大変なんだろう・・・
逸子って本当にすごいなぁ、だからこそがんばって欲しい。
そんな気持ちでゴールで待っていました。

しばらくすると、ハンドライトの灯が2つ。
1つのライトはぐるぐると大きく円を描いて、帰ってきたことをお知らせしてくれているみたい。

「いつこーー!!」

大きな声で呼ぶと、逸子は泣きながら小山田さんと手をつないでゴール!

20140916222448169

その姿に私も思わず泣いてしまって、ゴール後二人で抱き合って泣いてしまいました。

女子二人大泣きのなか「チーム逸子」で記念写真。

shin012

まったくたいしたサポートは出来なかったけど、私の信越五岳サポートが終わりました。
信越五岳はエントリーするのも大変な大会。
その大会に少し触れることが出来て、なんでこの大会がこんなにも人気があるのか良く分かるような気がしました。
すべてのスタッフがこの大会を愛していて、参加者もこの大会出場できることを誇りに感じていて、
隅々までトレイルランニングに対する愛が詰まっているんだな・・・と感じました。

私も・・いつか・・・
いや、やっぱりサポートが良いかな。
今度サポートするときはもっときっとうまく出来るはず。
忘れ物はもう絶対しないでおこう。


サポーターの車窓から~信越編01~

トレイルランニングを始めたら、目標にしたい大会がいくつかあると思うのですが、
信越五岳はそのうちの1つではないでしょうか??
コースや距離がとっても魅力的というだけでなく、
石川弘樹プロデュースならではのかっこよさ、盛り上がり方、出場者の豪華さ、前夜祭、後夜祭などなど
他のレースにはない魅力が猛烈にあります。
特に、日本で唯一の「ペーサー制度」は、長い距離を仲間と協力し合ってゴールする華やかさがあると思います。

今回私は、このレースに出場する上宮逸子のサポートとして、参加させていただきました。

上宮逸子といえば、信越五岳の表彰台の常連さん。

そんな逸子から
「今年のペーサーまだ決まってなくて・・・」
という連絡を受けたことがすべての始まりです。

毎日メールやら電話やらしている私たち。
逸子の頼みならどんなことでもしてあげたいのが本心ですが、唯一できないこと。
それは・・・
逸子と同じペースで走ること(笑)

だから、代わりにペーサー探しを一緒に始めます。

何度かメールのやり取りをしながら、決めます。

「そうだ、小山田隆二さんが良いね!」と(笑)

逸子と小山田さんはSTSとBoomerungのセッションで一緒に走ってるし、
スリーピークスでも逸子がスタッフをやってくれていたので、
走りも分かるし、気心も知れてるから、安心でしょう!と。

その後、小山田さんに連絡。

「えー俺ーーー?!」

と、驚きながらも快く快諾。

その後、ベスパ齋藤さんをサポートBOSSに向かえ、
『チーム逸子』をスタートさせます。

栄養補給などに関しては、齋藤さんがすべて計算してくれるので
私の役目は・・というと、雑務全般と応援のみ(笑)

でも、前日から逸子と同室で、いろんな相談をしたり、一緒にお風呂に入ったり、
次の日がレースだというのに、修学旅行の夜のような楽しい気持ちですごしました。

レース会場には、いろんなショップが出ていて、トレラン有名人も沢山。
ニューハレ芥田さんの所でお茶をして、北原先生に肩をもんでもらい、
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スーパーフィート水口さんの仕事の邪魔をしつつ(笑)

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UTMBに出場していた並木夫妻やら、ネーチャーシーンの大塚さん、新潟トレイルのボス長嶋さんなどなど・・・

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あんな人もこんな人も状態で、会場にいるだけで楽しいのです。
私は近寄ることも出来ませんでしたが、スコットジュレクも来ていて、
参加者の皆さんとにこやかに写真撮影をしていました。

 

 

前夜祭会場は、ものすごい熱気で、乾杯の合図と共にみんな料理に一目散。
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カーボを気にしてか、パスタ類は大人気。
とてもバイキング競争に勝てる気がしなかったので、走らない私はビール片手に
ここでもお話に夢中。
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スタッフで参加していたエマちゃんや、リベンジを誓う元気印の恭子さんなど
本当に楽しそうな姿を沢山見れて、ヘベレケな私の前夜祭は終了します。
(あ、お腹いっぱいたべられましたよ!)

 

 

 

 

さて・・・

楽しんでばかりは居られません。
レースはスタートします。
天候は晴れ。まだ早朝肌寒い午前4時。
スタート会場では朝食サービスがあり、
選手、ペーサーの方はそこでおにぎり、パン、バナナ、スープなどなど、
今から110km走る準備を進めていきます。
前日の前夜祭と同じ会場でしたが、前日の和やかムードと少し変わって
レース前の緊張感漂う会場。
バタバタと各自レースに向けて準備をしています。
芥田さんは、朝から何人もの人にニューハレを施していて、とにかく忙しそうでした。
私もいそいそと食事を終え、スタートを応援します。

 

<5:30レーススタート>

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スタートの合図と共に、ものすごい勢いでスタートしていく皆さん。
原さん、琢也さんを先頭に、ぐいぐいスタート。
我らが逸子も快調に飛ばして生きます。

 

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事前の打ち合わせでA1はスルーすると言っていたので、
チーム逸子はA2からサポートスタート。
<A2>斑尾高原レストランバンフ(23.9km地点)

スタート地点とA2は車で行くと目と鼻の先。

早めに駐車場に到着し、周りにいるサポートクルーの皆さんと談笑しながら待ちます。
西城さんをサポートしているアルトラの福地さんにもここで会い、普段履いているアルトラシューズの相談をしたり
琢也さんのペーサーをする大瀬くんにUTMBの話を聞いたりと和やかな雰囲気。

でもそれがトップ選手の到着により、一瞬にして空気が変わります。

これまでトップ選手のサポートをしたことも見たこともなかった私。
ここでトップ選手のサポートクルーの手際の良さを目の当たりにします。
そう、トップ選手は1秒でも削りたい。
サポートが手間取ってはいけないのです。

選手到着と共に、水分、栄養の補給をてきぱきとこなし、
必要最低限の会話でGO!

原さん、琢也さん、西城さん・・などなど、優勝争いを繰り広げるチームの
手際の良さを目の当たりにし、できるのか?私・・・と不安になっていると
予定より30分以上も早く女子1位で逸子到着。

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予想タイムとの差、走りの調子などを、ささっと齋藤さんが確認。
(さすが、チームヤマケンのBOSS)

私がこのエイドでしたこと。
「逸子がんばって!」
の声かけのみ(笑)
曇りから雨の良そうだった天気が、晴れて熱くなりそうな予報になり、
ペースアップからの脱水にならないよう、塩熱サプリを口に2こ放り込んで、
逸子は次のエイドへ向かって飛び出しました。
私たちも遅れないように飛び出さねばなりません。

 

<A3>妙高高原兼俣(38.5km地点)

A3はサポートできないものの、A4でのサポートの状況確認の為、念のためエイドで待機します。
A3に到着したころには気温がぐっと上がり、脱水が心配になるほど。

shin008この大会のプロデューサーの石川さんも、次々にエイドに入ってくる選手に、様々な励ましの言葉や、アドバイスを送っていました。

我ら、チーム逸子も齋藤さんがハニースティンガーやヴェスパ、塩熱など微妙に数を計算しなおしていきます。

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A3にも逸子は予想タイムの30分前に到着。
このときも女子1位。
サポート禁止なので、逸子自らザックに水を補給。
足取りは軽やかなものの、なんとなく胃腸に不安を抱えてる感じがこのあたりから見えました。

 

さて、サポートクルーはA4に向かいます。
ここで私は計算ミスをします。
今までの想定タイムより30分以上早く到着していること、
まだ調子がよさそうなこと、車で向かうにはA3からA4は遠いことなどで気持ちが焦り、
水や食料といったものをコンビニで追加しようと思っていたのですが、
A4に向かう途中ではなく、A5に向かう際にしようとう決断にします。。。
が、結果それが大慌てのドタバタ劇を招く結果になるとはこのときには気が付かなかったのです。。。

A3からA4のエイドに移動する最中、ポツポツと雨が。
あんなに暑かったのに、山は雨で急に気温が下がります。
そうすると心配なのが逸子のウェア。
ノースリーブ短パンで、A3かなり汗をかいていたので、冷えてしまうのでは・・・?

 

<A4>黒姫高原第2駐車場(51.5km地点)

のぼりが続くここまでのセクション。
ここまでのレース展開はトップ選手はみなコースレコードタイムで続々と到着。
すでに、このエイドでトップの原さんや琢也さんたちに追いつけなくなっていました。
110kmも走るのに、ものすごいスピードレース。
前回1位だった西城さんも、エイド到着時に
「前回より5分早いペースで来てるのに」と何度もつぶやき、それが過酷さを物語っていました。

逸子が雨で体が冷えていないか心配していると、前のセクションで2位だった高島さんが先に到着。

DogsorCaravan岩佐さんが高島さんに確認すると、
「上宮さん、腹痛があるみたいで歩いてましたよ」と。
心配しながらも、サポートは信じて待つしかありません。

予想は的中し、A4に到着したときは、胃腸の調子の悪さ、体の冷えを本人も漏らすほど。
そしてエイド到着の手前で高島さんに抜かれ2位になったことで、若干落ち込んでいるのがわかりました。
まだ5分差ながらも、調子の悪さも手伝って、気持ちが弱くなってしまわないよう、
「大丈夫!大丈夫!」
そう言ってエイドから送り出します。
きっと応援が力になると信じて、パワーを送りました。
さて、A5へ移動する前にコンビニへ。
これが大誤算。
A4からA5、車で行くにはとにかく遠いんです。
いや、走ってももちろん遠いんですが、山をぐるっと回っていかなければならないので、
A4から一度コンビニのある国道に降りるのにも時間がかかり、
そこからA5に向かうのですが、とにかく細い山道で、先の車がのろいと、どうにもこうにもペースがあがりません。
くねくねの山道を必死で登り、道を間違い・・・そんなことを繰り返してようやくA5に到着したのは11時30をすぎていました。

つづく・・・