分水嶺敗戦記

お知らせしていた通り、
分水嶺トレイル Bコースに挑戦してきました。

結果は・・・DNF

そう、リタイアです。

しかも、完全に私が原因のリタイアとなりました。
チームで出ていたので、チームメイトの皆様には大変ご迷惑をおかけしました。
チームメイトの皆さん、本当にすみません。。。

なぜリタイアになったのか、どうしてリタイアしてしまったのか、
考えると悔しくて、実は帰宅した日はシクシクと泣いてました。
しかし、泣いていても仕方ないので、しっかり振り返っていこうと思います。

分水嶺Bコースは青梅を深夜0時にスタートします。
スタート前には、レギュレーションチェックがしっかり行なわれます。
1度パッキングが終わったザックから、荷物を1つ1つ取り出していきます。

暗闇の中手際よく装備チェクが行われて行きます。

暗闇の中手際よく装備チェクが行われて行きます。

そして、チェックが終わった順から、スタートまで横になって休んでいました。
これからの長い道のりを考えたら、寸暇を惜しんで寝たいですよね・・・当然です。

思い出してみたら、この時から私の精神状態は普通とは全く違って、
とにかくナーバス。
どうしよう、どうしたらいいんだろう。
不安でいっぱいで、楽しいゴールを想像すらできてませんでした。

スタート前にみんなで記念撮影

スタート前にみんなで記念撮影

さて、いよいよスタート。
まずは青梅高水山を目指します。
距離は短いのに、急坂が何度もあり、細かいアップダウンの繰り返し。
前回試走に来たときは、あまりの暑さにヘロヘロになった区間ですが、
今回は台風後の風がときおり爽やかな気持ちにさせてくれました。

何度も急登に心が折れました。

何度も急登に心が折れました。

軽く食事休憩を済ませ、先に進みます。
黒山、棒の嶺と進んでは少し休みを繰り返し、
蕎麦粒山まで、何度も急登と戦い、ヘロヘロになりながら一杯水までたどり着きました。
この区間、登り坂が長く急で、何度も折れそうになる心との戦いです。
重い荷物でペースは上がらず、ひたすら耐えるのみ。。。

気が付けばかなり水を飲んでいて、一杯水が出ていなかったらかなり危なかったです。

気が付けばかなり水を飲んでいて、一杯水が出ていなかったらかなり危なかったです。

一杯水は普段、水が枯れていることが多い場所ですが
台風直後だったので、とっても素晴らしい水量。
すっかりなくなりかけていた水を補充しました。

一杯水非難小屋で、スタートから始めての温かいお食事です。

それまで、ジェルやグミやナッツ等、コールドフードばっかりだったので
ここで、ご飯やスープが食べられたのは幸せでした。

予定していた時間より少し速く到着できたので、ここで30分程度仮眠を取ります。

 

ご飯を食べて、一杯水避難小屋で就寝

ご飯を食べて、一杯水避難小屋で就寝

気を取り直して、次の休憩ポイント酉谷避難小屋をめざします。

この区間はフラットなシングルトラックが続くので、ペースをあげて進み続けなければいけないのですが
荷物がとにかく重くて重くて、肩が痺れてきます。
上り坂なら、荷物は肩と背中で支えられるけど、フラットな道だと、肩と腰のみ。
何度も何度も、肩がちぎれるんじゃないかと思いながら進みます。

やっとのことで酉谷避難小屋。

bu12
とんでもなく綺麗な避難小屋で30分程度休憩。
痺れ切った肩をほぐそうと思うけど、なかなかほぐれず

ほぐれないまま再スタート。

 

美しい原生林の中を進みます。

美しい原生林の中を進みます。

その後も重い荷物が、登りになるとスピードを落とし、
平坦な道になると肩がちぎれそうなぐらいに痛くなりを繰り返します。

もののけ姫に出てきそうな森の中を進みます。 ふざけてますが荷物が重くて心は泣いています。

もののけ姫に出てきそうな森の中を進みます。
ふざけてますが荷物が重くて心は泣いています。

そして、雲取山へ向かうのですが、雲取山の手前にある
「芋の木ドッケ」で私の分水嶺が終わったと言っても過言ではありません。

そもそもこの「芋の木ドッケ(いものきどっけ)」が急登であることは事前にいろんな人から聞かされていました。

しかし、一度も訪れたことがありませんでした。
長い長い登り。
それまでの疲労も重なり、私はこの登り道でかなりペースダウンしてしまいました。
その遅さは、チームメイトにもガッツリ引き離されてしまう始末。
とにかくキツイ登りだから早く登ってしまいたいという気持ちと、
それに反して登れない身体、そして仲間に置いてかれているという不安がどんどんネガティブな気持ちになってきます。
追いかけても追いかけても追いつかない。
うっすら後ろ姿が見える状態から、全く見えない状況になったとき、
トレイルが全くわからなくなりました。

ちょうどyoutubeにこんな動画見つけました。
芋ノ木ドッケ先の長沢背稜分岐で遭難しないための動画

この映像の逆側から私は通過してきているわけですが、
気がついたら、自分がどこを歩いていいのかわからなくなってしまったのです。
距離にすれば5mぐらい、時間にすれば30秒ぐらいの出来事だったのですが

疲労と精神的な焦りだけでも、かなりの打撃なのに
そこにロストまで加わると、もう落ちるところまで落ちた感じで、
仲間に追いついてからも、全くこの気持ちが回復せず、
その気持ちのまま雲取山に到着します。

 

OMM相方キヨちゃんと偶然の再会。

OMM相方キヨちゃんと偶然の再会。

雲取山では、OMMの相方キヨちゃんが、なんとたまたま登山に来ていて再会を果たしてうれしかったなぁ~。

小屋で400円もするCCレモンを飲んだり、同じく分水嶺に出ている仲間にあったり、
予備関門なので、スタッフの方に会えたり、そして雲取山の避難小屋で温かいご飯を食べたり
小休止で30分ぐらい横になったり・・・

もう笑顔が引きつってます

もう笑顔が引きつってます。必死の笑顔です。

今思えば、ここで気持ちをしっかり切り替えて、次に進まなければならなかったのだけど、
自分が完全に足を引っ張ってるな・・・という思いや、
どんどん蓄積されていく疲労、そして眠気で、全く気持ちを切り替えることができず、
「行けるのかな?無理なんじゃないかな?」

そんな後ろ向きな気持ちのまま、再スタートをします。

雲取山には予定していた時刻より1時間半も早く着いたのだから
焦らずに、とにかく前に前に進まねばならなかったのに。
時間は19時半。
翌朝6時までに雁坂峠到着。

11時間、動き続けるのか・・・

既に19時間、休憩時間は合計で2時間あるかないか。
他の出場者に比べれば、十分休みを取っている方だとか
きっとこの調子の悪さも回復するはず!とか、前向きな気持ちに一切なれず
日が落ち、暗闇の中歩き続けることに、心底参ってしまっていました。

 

トレイルも、大きな岩がゴロゴロしていたり
ものすごい獣臭に包まれ、気が付けば周りに鹿がたくさんいたり、
ものすごい滑る木のはしごを何度も何度も渡ります。
そして、何度も何度も左足が谷に落ちて、ヒヤッとする時間が続きます。

 

まだまだ道のりは長いのに、飛竜山の山頂を横目に、フラフラな私は、
チームメイトの

「どうせ進むんだから、楽しく行こうね!」

とか

「足引っ張ってないから大丈夫だよ!」

なんて言葉が、まったく心に届かず、もう折れ曲がった心が全く復活できないまま

「眠くて限界なので休みたい」とお願いします。

 

時刻は22時。
雲取避難小屋を出て、既に4時間が経過しています。

 

予定では休む場所ではないし、
岩場だし、標高は1800mぐらいあるし、なんてったって周りは獣臭い・・・
それでも休みたくてたまらずお願いし、岩場の影に隠れて、15分座ろう・・・という話になりました。

15分の予定が、みんな疲れきっていて、気が付けばその場に30分程いた様子。

突然強くなった風と、風で木の葉が揺れ、葉の上に溜まっていた雨粒がバサバサと自分に降りかかり、目が覚めます。

 

あ、、、やばい。。。

目が覚めた瞬間思います。
完全に血圧が下がりまくってる。

疲労と冷えで私の血圧が完全に下がり、なにをしても息苦しい状況が始まります。

 

この血圧を上げるために、まずは食べようと、チョコを食べたり、ナッツを食べたり・・・
でも全く変わらない・・・
温かいお湯を飲むけど、変化もない。
むしろどんどん息苦しさは増すばかり。

 

こうなってくると、ただの低血圧なのに
あれ?こんなに苦しんなんてまさか不整脈なんじゃ?
このまま山中で苦しくて動けなくなったらどうしよう・・・

そんな不安な状況で、足がさらに進まなくなってしまいます・・・・

 

転ぶ回数もさらに増え
谷に片足が落ちる回数が増え

ペースがさらに落ち・・・

 

繰り返し言いますが、5人チーム。
こんなに調子悪くて、ネガティブモードに入り込んでいたのは、私だけです。

 

もうリタイアしようね。 と聞かされて、コーヒーを飲みます。

もうリタイアしようね。
と聞かされて、コーヒーを飲みます。

他のメンバーはみんな、何十時間も行動し続けることになれていたし
山間部での対応力も私よりはるかに上でした。
そして、精神力の強さも。
どんなに辛い状況でも、ずっと励まし続けてくれました。

そして、途中再度休憩を取りながら
深夜2時。
将監峠にてリタイアとなりました。

なんと、岩場のビバークから更に4時間、のろのろと山中を彷徨っていたことになります。

 

あまりにも私の顔色が悪いということで、
チームメイトが、ささっとツェルトを建ててくれて、将監峠にて緊急ビバークです。
ツェルトを立ててくれている間、気が付けば周りを鹿に囲まれ、
通常であれば、怖いだろうに、もう休める。。。という気持ちで、全く怖くありません。
そして、鹿だと思ってたらなんか1つ、ちょっと離れてところに明らかに、鹿っぽくない目が光ってました。
うん、熊だね・・・
でも、もう、つかれたよ。。。。

熊がすぐそこにいる恐怖なんて、ちっとも感じず、
ただただ促されるまま、ツェルトの中に入り、眠りに入りました。

 

みんなも悔しいだろうに、一言も言わずに、ビバークの準備を進めていました。

みんなも悔しいだろうに、一言も言わずに、ビバークの準備を進めていました。

具合の悪い私をツェルトに入れてくれたので、
チームメイトの男性2人とも、ツェルトを体にかぶって、完全野ざらし状態でのビバークとなってしまいました・・・

本当に申し訳ない・・・

 

2時間程たっぷり寝て、
将監小屋まで降り、そこで朝食を作り、食べて、6km先の三ノ瀬まで降りました。

三ノ瀬には、私の夫がお迎えに来てくれました。

 

行動距離にして、下山も含めれば68km。
行動時間は31時間。
累積標高は4158m。
長くて短い旅が終わり、本当に悔しくて泣きました。

 

もう今回、完全に自分に負けました。

 

どうしてあの時、気持ちを切り替えられなかったんだろう?

どうして、もっとしっかりと準備ができなかたのか。

どうして、もっと楽しむ気持ちを持てなかったのか。

考えても考えても、情けなくなるばかりです。

 

 

チームメイトのみんなが
「来年リベンジしようね」って言ってくれたから

来年こそ絶対に獅子岩ゴールを目指して、今から準備開始です。

分水嶺

38trail_yatsugatakeさんの29:10 時の (ハイキング/トレッキング) Move #SuuntoHike #Suunto #Ambit3Peak.

そんな私の行動記録。
スタートからリタイアした将監峠まで。ぜひご覧下さい。

 

明らかにレベルの違う私を仲間に入れてくれた、チームダブルヒルクライムのメンバーに感謝。本当に本当にありがとうございました。

明らかにレベルの違う私を仲間に入れてくれた、チームダブルヒルクライムのメンバーに感謝。本当に本当にありがとうございました。


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