大人の遠足 -Weekend Trail Trip-

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一年前から、蚊取り線香氏と一緒にロングトレイル講習会を始めた。ぼくは行かなかったのだが、講習会の打上げで「vibram® Hong Kong 100にみんなで行こう」という話になったらしい。
 

vibram® Hong Kong 100は香港を舞台とした100kのトレイルレース。1月中旬に開催され、Ultra Trail World Tourの開幕戦でもある。中国在住で中国や香港のトレイル事情に詳しい蚊取り線香氏によれば、香港は市街地の周りを山が囲み、香港の絶景を見ながら走ることが出来る素晴らしいレースとのことだった。

2015年から抽選になり、各々エントリーして参戦権を獲得した蚊取り線香塾生、心折れ部、四国T-mountainさんの合同チーム(?)で香港に乗り込むことになった。実はあまり香港事情に詳しくなかったのだが、航空券、宿泊、現地で使うお金を含めても、ちょっとした国内旅行なみの料金で行くことが出来る(蚊取り線香氏によれば、それでもここ数年の香港の物価高はすごいらしい)。

今回、現地では蚊取り線香氏とお友達の梁さんにアテンドしていただいたが、自分たちで調べて行動するのも楽しいと思う。現地では特筆して困るようなことはなかった。
 

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16日(金)午前便で香港入り、羽田から香港国際空港までは4時間程度。あっという間だ。香港国際空港からエアポート・エクスプレスで市街へ移動。市街地では地下鉄もあるし、タクシーも多い(しかも安い)。交通の便はとてもよい。
 

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ホテルにチェックインした後は観光を楽しむ。香港名物スターフェリーに乗り香港島の尖沙咀までゆらゆら揺られ、星光大道(Avenue of Stars)では香港ムービースターの手形やブルース・リーの銅像を楽しむ。なんといっても海沿いに見える夜景が美しい。
 

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前夜祭は香港の家庭料理で。蚊取り線香氏のアテンドということもあってか、日本人の味覚にあるお店だった。メンバー一同、明日の検討を誓い合う(なんて仰々しいものではなく、ただの飲み会の様相)。

ホテルに戻り、レース準備をして就寝。忘れ物をしても現地調達できるものは多いが、海外レースならなるべく普段自分が愛用するものを持っていくのが吉だと思う。なによりもロングレース前には充分な睡眠をとっておくことは大切。
 

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17日(土)、レース当日は暗いうちに起きて、レンタルしたバスでホテル前からスタート会場まで移動。前日にトレイルラン専門店「Racing The Plane」でも受付が出来るが、もちろん当日受付も可能。混み合うこともなくスムースだった。
 

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スタート前に記念撮影。わざわざ香港まで行って100kレースに参加する変人たち。でも、レース中に声を掛け合うこともあり、楽しい時間を共に過ごした仲間である。
 

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レーススタートは8時。最初に書いておくと、ぼくは完走できなかった。55kを過ぎた地点で体調不良になり、65k地点でリタイアした。言い訳なし、実力不足。ということで、詳細のレースレポートは参加者のリンクを貼っておく。

T-mountain 菅野さん

Vibram HongKong 100 UltraTrail Race に行ってきました~!Part.1
Vibram HongKong 100 UltraTrail Race に行ってきました~!Part.2

心折れ部 kyowさん

1/17-18 香港Vibram100K_走ってきました/その1 コース概要・ウェアと装備

100k、累積標高4500m、制限時間30時間という数字はそれほどハードルが高くないように思えるが、海外レースならではのトラップも隠されている。ロード区間とアスファルト、階段が多いこと。そして昼と夜の寒暖差。ここは気をつけておきたいポイント。しかし、事前にあたまに入れておけば問題ない。
 

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それでもリタイアするまでの65k、香港トレイルを充分に楽しんだ。海沿いのトレイル、海岸、ランナーを笑顔で応援してくれるスタッフ達(日本人とわかると「ガンバレー」と日本語で応援してくれる)。エイドでは子供たちが一生懸命トレイルランナー達のために動いているのがほ微笑ましい。別荘地では富裕層の方達がパーティーを開いていると思えば、廃墟も少なくない。香港の光と陰を感じたりもする。

ランナーのマナーも全体的によく、国内メジャーレースのほうがよっぽどトレイルのゴミが多い印象だった。途中観光地風のトレイルを一部通るが、観光客もトレイルランナーに理解を示してくれる。トレイルレースが多いと言われる香港では、ある程度トレッキング(観光客)とトレイルランナーの共存が出来ているのかもしれない。
 

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レースの制限時間は18日(日)の14時。ぼくはリタイア後にホテルに一度戻り、翌朝ドロップバッグを取りにゴール地点である大帽山扶輪公園(Rotary Club Park)に移動。完走するランナーに拍手を贈る。香港、中国、韓国のランナーが多いが、ヨーロッパ系、インド系、そして日本人も。この多国籍さが国際レースの魅力のひとつでもあり、カタコト英語くらい身につけておきたい。いろいろな国のランナー達とコミュニケーションをとれたら、もっと海外レースが楽しくなるだろう。

ゴール付近の空気はのんびりとしていて、Ultra Trail World Tour開幕戦というメジャーレースながら、どこか手作り感の残る雰囲気が好ましかった。
 

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その後、完走したメンバーと合流して、ランチやマッサージを楽しむ。リタイアしておいて楽しんでいる場合ではないが。。。(来年リベンジしたい)
 

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夜は打上げ。疲れた身体に四川料理でピリっと刺激を。完走されたみなさま、おめでとうございます!今回は現地サポートスタッフを兼ねていたけど(至らないところも多くスミマセン)、みんなが喜んでいる姿を見ることが、ぼくにとってはうれしい。
 

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またまた集合写真。遠足に集合写真はつきもの。週末を利用しての香港トレイル旅行は大人の遠足だ。みんないい歳したおじさんだけど、中身は子供のよう。そんな人種がトレイルランナーだったりする。
 

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太平山(Victoria Peak)からの素晴らしい夜景。レース後半は稜線から見ることが出来るらしいが、たどり着けなかった。。。観光と割り切ってバスで登った。

実は今回香港遠征を組んだのにはいくつか理由があった。ひとつは「一週間休んでヨーロッパのレースには参加できないけど、香港なら行ける」というトレイルランナーが少なからずいるのではないかと思ったこと。今回のぼくらの日程は金曜日出発、月曜日戻りの3泊4日。金曜日と月曜日は休みをとらないといけないが、一週間休むよりはハードルがぐっと低くなる。無理すれば日曜日戻りも可能かもしれないが、せっかく香港まで行ったのなら、街も楽しみたい。

もうひとつの理由は、ぼくのラン友にも多いのだけれど、国内100kや100マイルレースは完走している実力派市民トレイルランナーの次の目標として、アジア圏のトレイルレースは充分視野に入るのではないかと思ったこと。国内ロングレースはいまや抽選やクリック戦争という人気レースばかり。リピートするのも否定しないけど、まだチャレンジしたことのないランナーに機会を譲り、自分たちは新たな目標を持つ。そんなサイクルが生まれればよいと、一市民ランナーながら考えていた。もちろん、初の海外レース、初の100kレースにも香港はお薦めできる。
 

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翌日(19日)は夕方出発。集合時間までは各自自由行動。ぼくは香港の街を感じたくて、ひたすら歩いた。
 

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ぼくは香港の知識もなかったし、今回のレース参戦がなければ来る機会もなかっただろう。しかし実際に体感した香港はとても魅力的だった。街には活気があり、日本では味わえない社会感を街から感じることが出来た。昨年は日本でも話題になったデモ(雨傘革命)があったが、それを含めても、いろいろな経験をして成長していく街なのだと思う。

ぼくにとって、いや、(おそらく)参加したメンバーにとっても、週末を利用した大人の遠足は楽しく充実した経験となったに違いない。完走という宿題を残してしまったぼくは、来年も参加するだろう。でも、人気が出て抽選に落ちたらちょっと困るかな。

参加していただいたメンバー、現地でアテンドしていただいた蚊取り線香さんと梁さん、本当にありがとうございました。香港、また行きます。