白山ジオトレイル 2016 -準備-

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若岡拓也さんが挑戦した石川県の白山麓エリアを舞台とした7日間250kmのアドベンチャーロングトレイルステージレース「第三回白山ジオトレイル」。前回より時間が空いてしまいましたが、参加レポート第2回目、準備編。

1. prologue
 

白山ジオトレイル 2016 -準備-
「軽さこそすべて」

走り出してからが長いステージレースは大会前の準備も長い。悩み抜く日々でもある。1週間分の生活の全てを担いで走るとあって、どうしても持ち物が多くなる。寝袋、食料、防寒具、レインウェア、大会前日に支給される熊スプレーなど。ものが多くなれば、必然的に重く、かさばってしまう。

装備品リストに従って、持ち物をそろえたところから、悪戦苦闘がスタートする。まずは力技で装備品一式をザックに詰めてみる。なんとか押し込めたものの、走っている途中で爆発しそうだ。ザックが破れたり、こぼれ落ちたりしては話にならない。そんな時限爆弾を抱えたままでは走れないので、いったん荷物を取り出す。そして軽量化できないかとにらめっこする。

当然のことながら荷物が軽ければ軽いほど、足腰や肩への負担が減る。スピードが出せるし、体力の消耗も軽減できる。重くなると、長時間の移動で、体への負担も大きくなる。何を持って行き、何を置いて行くかが重要になる。

悩みの種になるのは食料。荷物の中で一番のウエイトを占めていて、最低でも1週間分14000kcalを携行しなければならない。栄養価、満腹感、重さのバランスを考えることしばし。このトライアングルをどう保つに苦心する。

何度か詰め直した結果、今回の主食は手作りアルファ米。そこに粉末スープ、ナッツ、キューブタイプの粉ミルクなど高カロリー&高栄養価なものを中心にした。手作りアルファ米は布団乾燥機の熱風で炊いた米をひたすら乾燥させただけ。自作するメリットは食べ慣れた米を使えるし、市販のものより格段に安い。舌にも懐にも優しいのだ。
 

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白いキューブが固形のミルク。行動食にすると、お腹がゆるくなる可能性も。

持って行く食料が決まったところで、食品の包装紙を外してナッツ類などをジップロックにまとめて詰め直す。小分けにしづらいものは袋のいらない部分を切り落としていく。1枚は1gにも満たないが、丁寧にやっていくと意外とバカにならない。1食分くらいにはなる。少しでも軽く、少しでも小さく。ちょっとした重さであっても1週間という長丁場だと後々に大きく響いていく。レースはすでに始まっているのだ。ちなみに、迷った末に毎日キャンプ地で使うサンダルを荷物から外してしまい、熱く焼けたアスファルトや砂利の上を悶絶しながら歩くことになるのは後の話。

ほかにもあれこれと軽量化につとめ、最終的にザックの重さは7kg台に。2年前に初めて参加したステージレース「ジャングルマラソン」が11kgだったことを考えると、なかなかの進化である。
 

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PaaGo WORKSのRUSH28にすっぽり収まった。

準備を整えて、住んでいる福岡県東端にある上毛町から、大会の行われる石川県へ電車で移動。軽くなったとはいえ、荷物は多い。ザックに加え、直前で入れ替えられるようにと、外した装備品も念のため持って行くからだ。2、3日がかりで荷物と格闘していたためか、移動中にも無意識で軽量化を果たしてしまった。

気がついたのは、乗り換えの駅だった。ポケットの切符を取り出したところで、なにやら違和感。あるはずのもの、財布がない。少し動揺して荷物の中をあらためてしまう。もちろん入れてないのだから、あるはずはない。元々1〜2年に1度は財布をなくしてしまうので、仕方ないのだが、なにもここで落とさなくとも。むぅ、やってしまった。身軽になりたいとはいえ、懐具合を軽くしてどうするのだ。スタート前から油断大敵である。
 

-TO BE CONTINUED-
 

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若岡 拓也

1984年生まれ、石川県金沢市出身。
新聞記者として現場を走り回っていたが、2014年に思い立ってランニングを始め、ステージレースに出場するようになる。現在は福岡県東端の上毛町でライター、地域おこし協力隊として活動中。11月には上毛町でトレランの大会(https://www.facebook.com/SyugendoTrail/)を開催。戦績はジャングルマラソン3位(2014 ブラジル)、サハラレース4位(2016 ナミビア)、白山ジオトレイル優勝(2016 日本)など。