日常にある100km

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とつぜんですが、ひとりで100km走ってみるという遊びをしてきました。

わたしのはじめての100km越えは2014年の上州武尊120kでした。
いつもロングの前はドキドキして、不安で、そのわりにはあんまり練習してなかったりして。あれから数回100km以上の距離を走っているわけですが、向き合い方も変わってきたことでだいぶ100という数字が(と言うか文字列が)遠い存在でなくなってきました。
慣れなのかあるいは麻痺してるっていうやつですかね。

さぁ初めてロードのウルトラに挑戦しようと野辺山ウルトラにエントリーしたんですが・・・
肉離れDNS。野辺山ウルトラといえば、ロードのウルトラマラソンの中でも厳しい部類と言われていて、アップダウンがトレランのように繰り返されるのに制限時間は14時間。
いまのわたしに走りきれたのだろうか・・・?

***

さて、この週末は北アルプスへ単独縦走へ行く予定でしたが、雨風、特に風が強い予報で、山へ行くのはさっさと諦めました。
命あってこそです。

ぽっかり空いた週末。
周りの仲間はSPAトレイルやサロマ100に出る準備をしていて
SNSで各々が決意表明をしたりなんかしていて。
わたし?
仕事を終えてクーラーの効いた部屋のベッドでごろごろしてる。

おもむろにランニングウエアに着替え、
気付いたらそこは空港の音だけが響く暗闇の大鳥居でした。
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ただただ気が済むくらいまで走ってみたらどのくらいになるだろう。
いつも仕事が忙しいことを理由に、走りたい、あ~走りたいとぼやいているんだから、も~満足した!もうじゅうぶん!というくらい走ったらいいじゃないか。

帰りたくなれば帰ればいい。足が痛くなればやめればいい。

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そんなことを考えたり考えなかったりしながら見たことのある多摩川沿いを走りはじめ、
淡々と、物思いに耽ってみたり、すれ違う人達を観察したり、歌を口ずさんでみたりして
そうこうしていると羽村でした。54km。

羽村近くのコンビニでお手洗いを済ませ、
野菜ジュースという名のお砂糖いっぱいのドリンクで血糖値があがる感覚に脳天痺れていたら、たまたまinstagramを見ていた夜更かしな友人が気まぐれにおやすみとメッセージをくれて声を発することなくおやすみと返します。
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夜が明けていく空にテンションも上がり、
そのままくるっと身体を半回転させて、
さわやかな朝の向い風をあびながら河原を走り出しました。

新聞片手に散歩するおじさんや元気いっぱいの野球少年
ウキウキしながらゴルフクラブを抱える人
まさか夜通し座っていたのかベンチでこの世の終わりのように俯く女性
朝からさわがしく犬と“2人”で会話を楽しみながら歩くマダム
幸せそうに手を繋いで歩く親子
の横を歩く疲れ果てたサラリーマンの休日出勤

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そうこうしているうちに時計はすっかり見慣れた「100」の文字を通り過ぎ
汗びっしょりで異様なわたしがさわやかな世田谷あたりの河川敷を通りすぎ
気付けばまたそこは明るくなった大鳥居でした。107km。

写真を撮るのが好きなわたしだけど、
カメラロールに残ったのは羽村のコンビニでのどうでもいい写真1枚と、
最初と最後の紅い鳥居の前での色気ない写真だけでした。

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総距離107km、多摩リバーを天空橋の大鳥居から羽村まで、羽村から大鳥居まで。
コンビニに2回。あとは脚を右左順番に前に出し、のんびりと前に向って進んでいただけ。つまんない?いやいや、たしかに長かったけれど、つまらなくなかった。孤独を愛したわけでもなく、メンタル鍛えねばと意気込んだわけでもく、たまたまその時思い立って、たまたまひとりで。でもそれがなんか妙におもしろかった。

これまでは、100km超える距離ってエントリーしたその日から何ヶ月も心の準備をして、練習をして、そうやって走ったことしかなかった。

それが、とくに何を考えるわけでもなく、トイレに行くくらいの感じでベッドを降りて、呑みに行くくらいの感じで電車に乗って、ぼっとテレビやYOU TUBEを見るくらいの感覚で自由で自然な感覚で走って、風景に溶け込んで。(は、いないか。)

もし、何してるんですか?って聞かれていたら、走りたいから走っているだけです、と答えるほかなかったと思う。得たもの?も特にないんですが。あえていうならばいまさらだけどわたし、走るのが、好きみたい。しかも、いっぱい走るのが好きみたい。
意外と100kmは日常にあるのかもしれない。

友達に話したらギョッとしていたけど、
『じゃあさ、夜から缶ビールでも片手にゆっくりしゃべりながら翌昼くらいまでだらだら歩くのはできそうでしょう?』
『うん、それならたしかに』
『それをね、ちょっと走ってみただけだよ』
『そっか』
意外とだらだら走って野辺山の制限時間14時間には収まったけれど、そこはほぼフラットな多摩川。やっぱりロードのウルトラは向いていないかもしれない。

でも、走り続けるのは好きらしいから、もっと色んなところを自由に走ってみよう。
道はどこにでもあるしね!