When 100miles is not far enough.. 1. 先住民クリッキタットの伝承

アメリカのパシフィックノースウエスト、ワシントン州にセントヘレンズ山がある。ご年配のランナーなら記憶の片隅にうっすらとある山名のはずだ。1980年に大噴火を起こし、山体が大きく崩壊、当時のアメリカ経済に大きな影響を与え、そのニュースは日本にも大きく報道された。2004年にも噴火を起こしており、独特の地勢と自然環境をもたらしている。そこにこんな伝承がある。

2015年10月、Big Foot120mile のレース前日に撮影。

2015年10月、Big Foot120mile のレース前日に撮影。

 

(以下、Wikipedia 参考引用)

大昔、偉大なる精霊がパートとワイーストという2人の息子を連れてコロンビア川を下ってきた。ところがパートとワイーストは互いに仲が悪く、喧嘩ばかりしていた。そこで偉大なる精霊はパートとワイーストをコロンビア川の両岸に分けて住まわせることにした。

パートは川の東岸に住み、クリッキタットという部族を創造した。一方ワイーストは川の西側に住み、ノマースという部族を創造した。やがて争いが収まったことから、偉大なる精霊は2つの部族が仲良くできるよう、コロンビア川に巨大な石橋を架けた。こうして、人々は川の両岸を互いに行き交うことが出来るようになり、この橋は「神々の橋」(ここは映画「WILD」邦題 「私に会うまでの1600km」のゴール地点として有名になってしまいましたね)と呼ばれるようになった。

それから数十年、川沿いにはたくさんの集落ができ、人々は仲良く暮らしていた。しかしながら中にはサケや果物が取れることに感謝もせず、欲張って喧嘩ばかり起こす人々もいた。偉大なる精霊は、そのような悪しき心を持つ人々がいることに激怒し、人々に罰を与えることにした。

ある朝、人々が目覚めると、空は暗闇に包まれていた。外には雪が積もり、人々は飢饉に襲われた。この惨状を見かねたルーウィットという名の老女は、人々を助けてくれるよう、偉大なる精霊の元を訪れた。偉大なる精霊はルーウィットの優しさに心を打たれ、人々を飢えから解放した。さらに偉大なる精霊はルーウィットに火を贈り、「神々の橋」の火を守る役目を与えた。ルーウィットがこの役目を熱心に果たしたことから、偉大なる精霊はルーウィットに褒美として若さと美を与えた。(いわゆる美魔女か? )

美しい乙女となったルーウィットを見たパートとワイーストはルーイットをいたく気に入り、熱心に求婚をした。(おいおい、美魔女だぞ、それでいいのか?)ところがルーウィットが曖昧な返事をしたことから2人はルーウィットを巡って争いを始めた。川の両岸から焼けた石を投げ合い、森林や家々を焼き払い、大地を揺すっては破壊の限りを尽くした。(それ見ろ、もはや竹内まりやの「ケンカをやめて♪〜二人を止めて♪〜」状態ではないか!)

これに憤怒した偉大なる精霊は、神々の橋を叩き壊し、パートとワイースト、そしてルーウィットを自分のもとへと呼びつけた。偉大なる精霊は巨大な腕を振りかざし、雷とともにパートとワイーストを山へと変えた。そしておもむろにルーウィットのほうを向き、ルーウィットも山へと変えてしまった。

クリッキタットの間では、パートはフッド山、ワイーストはアダムズ山になったと伝えられている。そして白いローブを纏っていたルーウィットは、雪で覆われたセント・ヘレンズ山になったと伝えられている。

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2015年10月撮影、PDX(ポートランド国際空港)に降り立つと、美しい独立峰 フット山(3,429m)が見える。

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セントヘレンズ山からアダムス山を望む < Courtesy of the U.S. Geographical Survey >

 

昨年10月に走ったBigfoot120mile(リンク)では、セントヘレンズ山の懐に入る手前で大自然の洗礼に会い、120km地点コールドウオーターレイクでドロップとなった。来月、再びこの地を訪れ、Bigfoot200を走る。昨年の120mileとは逆走方向で、セントヘレンズ山から、アダムス山方向を目指し、PCTトレイルの一部も走りながら、203.8マイル、制限時間105時間の旅をすることになる。前半の稜線からはオレゴン州のフット山、後半にはカスケード山脈の最高峰、レーニア山が見えるはず。自分も伝承にあるパートとワイーストのように、ルーウイット(セントヘレンズ山)に魅せられてしまったのかもしれない。美魔女にはくれぐれもお気をつけあれ。

Bigfoot200 オフィシャルフェイスブック https://www.facebook.com/bigfoot200/(リンク)

8/22追記

レース中にI-phoneのパノラマモードにて、この三山が収まるショットを 撮影することができました。左の遠くに見える富士山のようなシルエットがアダムス山、そして右の火口が大きく崩れている火山がヘレンズ山、そして写真では判りにくいのですが、下段の湖の中央付近から遠くへ視線を移すと、日本の槍ヶ岳のシルエットにも似たフット山が写っています。肉眼ですとはっきり見えていますが、i-phoneではこれが限界のようです。

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