それでもカレーは食べたいよねという話

SNSでJADA(日本アンチドーピング機構)による使用禁止物質の追加例(ヒゲナミン)が一部の方たちで話題となりました。ヒゲナミンは丁子に含まれることがあり、丁子の英名はクローブです。「ん?じゃあ、のど飴やカレーも食えないのか??」 私自身も含めてミスリードも多く、SNSでのリテラシーの必要性を再認識するとともに、このようなドーピング規定が話題となる違和感と必要性の両方を感じました。興味のある方は下記JADAによるサイトを参照することで正しい理解を深められることと思いますが、今回のヒゲナミンに関しては、香辛料として用いるのであれば検出されないレベルなのか、熱分解されるのか、全てNGなのか、私自身は理解できておりません。お叱りを受けるかもしれませんが、ドーピングという観点ではなく、食事と身体の事には興味があるから後日分かったら教えてくださいというレベルです。

JADAアスリート向けサイト PLAY TRUTH(リンク)

自分のようなドーピング検査対象には成り得ないランナーは自分の倫理観に照らし合わせて決めれば良いと思っています。ただ、この倫理観というものは、主観ですから、規則をつくる側からすれば正しい知識とは言えないわけです。例えば、筋肉痛を和らげるためにロキソニンを服用して走るランナーもいます。東京マラソンの制限時間に近いランナーがそういう話を普通にしていることに驚いたことがあります。自分の感覚では薬であるロキソニンの服用はドーピングという意識ですが、実際には使用可能な一般薬のリストとしてJADAのサイトにはあります。まあ、副作用のデメリットが大きいのであえて使用する必要もないわけですが。カフェインの錠剤はドーピングという意識がありますが、コーヒーは食品という意識です。同じ成分なのに矛盾していますね。日本のプロ野球界で公言されていた、にんにく注射と言われるビタミン剤の点滴も、疲労回復目的では医療行為以外の静脈への注入になり、使用禁止物質でなくともドーピング行為にあたります。また、我々が普段食品(サプリメントを含む)として食べたり飲んだりしているものが、国によってはその成分が薬として販売されているケースもあり、私が倫理的な基準としているもの、薬か食品かといったものは、あくまでも私個人の感覚であり、自分が走る上で自分が満足するだけのためのものなのです。自分だけの事であれば、それでいいと思っています。ましてや他人に押し付けるものでもありません。

トレイルランニングが普及、発展するにあたって、幾つかの方向性、選択肢があるとすれば、競技としての商業化、選手のプロ化というのもその一つ。様々な財源から競技の普及、発展が促進されること。そこには職業としてのトレイルランナーが集まることになり、個人の倫理観を超えた国際的な透明性と公平性が担保されることが絶対条件となるわけですから、他のスポーツ競技と同等のドーピング規定と検査が求められるのは当然のことだと思います。このあたりはITRAが意図するものと一致しており、ITRAの公認レースで上位入賞を意識する人であれば、当然、個人の倫理観をこえたテクニカルな検査の枠組みの中に取り込まれることになる覚悟が必要なはずです。ご本人が意識されていなくても、そのレベルにある方が自分の周囲には結構いらっしゃいます。そして将来、それを目指すユース世代には正しい知識と倫理観の育成が必要なはずです。

一方、トレイルランニングは競技ではなく、自然の山を走るアクティビティーであることを原点と考えれば、そう言った競技化、商業化が本当に必要なのかと疑問を持つ方、あるいは違和感を感じる方もいらっしゃるでしょう。自分もその一人です。従来の陸上競技としてのランニングに対してのカウンターカルチャーとして成熟してきたトレイルランニングコミュニティーに対して、この「競技感、統一感の押し付け」は如何なものかと。伝統的な北米レースや、日本でも一部のレースコミュニティーが熟慮の上、ITRAポイントの申請を取りやめているのも理解できます。

私の意見はさておき、これまで発展してきたアウトドアスポーツを考えると、両方のアプローチが必要なのかもしれません。競技人口が増加したパターンを考えると、統一ルール下での競技化、プロ化、そしてワールドカップの転戦によるメディアへの露出が有効である一方で、そこに露出されるアスリートたちが、本来のアウトドアスポーツとしての視点から、レース競技以外の魅力を伝えることで、両輪の輪のように発展していく可能性も感じています。スノーボードはオリンピック種目にあるような競技に特化した側面を持ちますが、一方でバックカントリーという素晴らしいアクティビティーがあります。クライミングも人工壁での競技は次の東京でオリンピック種目化されますが、同じクライマーが外岩を登り、本来のクライミングの魅力を伝えていくことで理想的な発展を遂げていくことになると期待しています。素敵な動画を見つけたのでリンクを貼っておきます。

小難しいことを書いたら腹が減りました。カレーでも食べますか…


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