俯瞰(ふかん)すること

OMMを前にして、読図トレーニングされていた方も多いと思う。当日のお役に立つかわからないが、自分が週末に経験したことをひとつ。

富士山の裾野に鳥追窪というオリエンテーリングを行うテレインがある。UTMFではこどもの国の北西側の林道、送電線下のトレイルとして試走禁止区間になっているが、オリエンテーリングではサマーチャレンジという名称で期間常設されている。きちんと手続きを行えば一部の立ち入り禁止区域を除いて森の中を走ることが可能だ。5m等高線で表現される片斜面の微地形は、日本代表の合宿も行われ、難易度が高いことで知られている。

 

さて、フラグはどこでしょう? 牛乳パックと園芸用の棒で作成された小さく低いフラグ。コンパス直進で、方向維持だけに意識がいってしまうと当たらない。調査時期が古く、植生も今ひとつあてにならない。最後はやはり地形ということですね。

さて、フラグはどこでしょう? 牛乳パックと園芸用の棒で作成された小さく低いフラグ。コンパス直進で方向維持だけに意識がいってしまうとまず当たらない。調査時期が古く、植生も今ひとつあてにならない。最後はやはり地形ということですね。

 

地図を読むにあたって、初心者から中級者、そしてエキスパートになっていく段階をわかりやすく例えた表現として、トレイルや林道といった線状物をトレースできる→人工物や岩、崖、など目標物を参照できる(街ロゲはここまで)→等高線を読める、とあるが、この「等高線を読める」というのは随分とざっくりした表現だ。ピーク、尾根、沢、といった基本は誰もがすぐにイメージできるようになるだろう。等高線の間隔が狭ければ急傾斜、広ければゆるい傾斜、鞍部などの特徴的な地形もさほど難しくはない。自分はそれで等高線が読めた気になっていた。正確に言えば読むことはできるが、常に頭の中で立体的にイメージすることはできていなかったはずだ。今回、オリエンティアの方から「傾斜変換を意識すると良い」というアドバイスをいただいた。用語として知っていたし、理解もしているつもりではあった。ただそれは自分が走っている中で受け身的に気づくだけで、頭の中でイメージしていたかと言えばそうではないなと。

傾斜変換 http://www.orienteering.com/magazine/2008/12/14_shidosha.pdf

オリエンテーリングの講習で、フラットになっているオープンスペースをを「面」で捉えると良いと教わったことがある。その面の辺を「線」、隅を「点」とすると、尾根、沢、植生界、トレイル、といった線状物につながってイメージできる。これも1つの傾斜変換であると気づいた。フラットな面だけでなく、傾斜地の中での傾斜変化を「線」で捉えて、その辺をつなげて「面」として捉えると(あるいはその逆の作業)、不思議と全体が立体的にイメージできる。今までの自分の頭の中の作業をよく考えてみると、ピークや特徴物を「点」、尾根、沢、トレイル、植生界を「線」として捉えてはいたが、その「点」につながっている範囲のみで等高線の間隔をみるという狭い範囲の3次元イメージであったように思う。目に入ってきた最初の情報処理として、傾斜変化を「線」で捉えて、変化しない傾斜を「面」でイメージすることで初めてその周囲の「点」や「線」とつながり、全体、あるいはルートプラニングが可能な広範囲の3次元イメージを得ることができるようだ。

そして片斜面「言うは易し、行うは難し」

終了時間が近くなり、途中のポイントから、楽をして破線の小道を走り、林道へ脱出しようとした。その際に、道の形状をトレースすることに意識がいってしまい、周囲の地形(この場合は片斜面の傾斜方向)を意識することをおろそかにしてしまった。街ロゲのような二次元トレースになり、走るが故に整置もおろそか。違う道に乗っていることに気づくも、ロストすると不安から慌てて傾斜に沿って下ってしまう。脱出はするものの随分と遠くまで下ってしまった。週末のOMMの野辺山は緩やかな片斜面でしょうか?そうだとしたら、一番高い位置の方角を意識して、全体を俯瞰(ふかん=鳥の目で見るように全体を見ること)することをお忘れなく。

自分がOMMストレートをなんとか完走したのは第一回のOMM JAPAN、その時はトレイルランナーは地図が読めないと揶揄されたこともあり、「なにくそ」と思うところもあった。でも、現在はナビゲーションを知れば知るほど自分の未熟さに気づき謙虚になれる気がしています。自分のOMMはしばらくお休み中ですが、オリエン、山ロゲの会場でお会いできたらお声がけください。