そっと静かな変革

昨年まで書けなかったテーマがいくつかある。外資系スポーツアパレルの仕事をしていたので、会社との利益相反や、部分的に切り取られて炎上するリスクも考慮して、自社、あるいは他社の製品や活動に関しての記述はひかえてきた。今は自由な立場なのでいくつか書いてみようと思う。

「ぱー◯X△!!?*&?ド」

「は?」

「ぱーふる△!!?*&?ド」

「え?」

いや、もういいです(笑)PFCs  =パー・フルオル・コンパウンド(カーボン)= フッ素化合物の総称

(最初から日本語で言えよ!)

焦げ付かないフライパンの加工名称の中で聞いたことがある響きでしょう。そのPFCがなんかよろしくないらしいけど詳しくは知らない。なぜなら日本ではまだ規制されていませんし、欧米でビジネスをしている民間企業が、その削減に取り組んではいるものの、上記に書いたように、学術的な用語定義が化合物の「総称」であるため、どのPFCが人体に影響があるのか、どれが無いのか?PFCフリーと表現した場合、その定義が曖昧(残留物としてなのか、製造過程も含めてなのかという点でも)であること、そして未だ繊維業界として完全に解決できていないために、企業がPRとして打ち出しにくいということに起因しているかもしれません。

 

Author : Andrevan licensed under the Creative Commons Attribution-Share Alike 2.5 Generic license

フッ素加工(テフロン加工)のフライパンは空焚きしなければ安全とされています。 Author : Andrevan
licensed under the Creative Commons Attribution-Share Alike 2.5 Generic license

 

ざっくり言うと…

自然界でなかなか分解せず、食物連鎖を通じて地球上をぐるぐるまわって、北極のくまさんからも、そして我々人間の血液からも検出されてしまう物質、PFCsの1つ、PFOA =C8 が長年にわたって、DWRと呼ばれる耐久撥水加工(表面が水玉になるやつね)と、PTFEという透湿防水素材に使用されるメンブレーン(あの内側の薄い透湿皮膜ね)の製造過程で加工補助剤として使用されてきたということ。トレイルランナーならば、メンブレーンが外部から水の侵入を防いでも、表生地の撥水が効かないと表生地が濡れてしまい、体温が奪われ、そしてメンブレーンの透湿をブロックしてしまい、内側が結露し、さらに体温が奪われるという悪循環に陥るのは知っていることでしょう。

 

Author : Muramasa licensed under the Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported, 2.5 Generic, 2.0 Generic and 1.0 Generic license.

そういえばフライパンみたいですね。 Author : Muramasa
licensed under the Creative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unported, 2.5 Generic, 2.0 Generic and 1.0 Generic license.

 

 

C8 ?? なんかわからないけど、それは結構やばいんじゃないのか?ということで、素材メーカー、アウトドアブランド、そしてH&Mやユニクロといったグローバル展開をするファストファッションブランドが、DWR加工において2016年頃からC8を、結合の鎖が短い、つまりもう少し分解しやすい、C6に切り替えた。それまで、C6のDWRは撥水力の耐久性が落ちるとされてきたが、この2016年時点で、気づいた人はいるだろうか?あまりいないのでは?気づいていたとしても許容できる範囲だったのだと思う。

わかりやすい具体例として、

アークテリクス(リンク)

パタゴニア社クリーンネストライン(リンク)

を読んでみてください。

ここまでは、めでたしめでたしですね。ではもう少し話を進めよう。

「プリ◯X△!!?*&?$ル」

「は?」

「プリ◯X△!!?*&?$ル」

「プリプリ?」

いや、もういいです(笑)Precautional Principle = プリコーショナル・プリンシパル=予防原則

(最初から日本語で言えよ!)

というものがある。科学的な検証の確立を待たず、将来に良くないことがあると予見されるものは使用を避けるというもの。この予防原則に従うと、実はC6もやばいんじゃないか?ということになる。実際にC6が人間の肺から、C4は脳から検出されたレポートがある。科学者たちにとって、この予防原則は少しやっかいだ。なにせ立証を信条とする科学者にとっては非科学的なのだから。一方、世界最大の国際環境NGO、Greenpeace (グリーンピース)はこの予防原則に従って目標を定めている。このことが、環境対策、あるいはそれによって左右する株価を意識するような欧米企業に大きな影響を与えていることは間違いない。

 

Author : Andrevan licensed under the Creative Commons Attribution-Share Alike 2.5 Generic license

食物連鎖でここまで来ているということ。 Author : Andrevan
licensed under the Creative Commons Attribution-Share Alike 2.5 Generic license

 

さきほどの2016年から、少し時間を進めると、この2018年の秋というのが1つのターニングポイントだ。なぜなら透湿防水素材の最大手、GORE TEX社が2018年秋冬向けの製品からC6をも使用しないPFCフリーのDWR加工を市場に投入するからだ。

ーーーーーー 以下、ジャパンゴアテックス社の公式サイトより抜粋ーーーー

2016年、ゴアは新しい耐久撥水(DWR)加工を提供する計画を発表しました。DWR の新工程から環境への影響に懸念のあるPFCを除去します。新しい撥水剤は、一般的なアウトドア活動や現在使われている短鎖 PFC 系撥水剤が持つ性能や耐久性能をそこまで必要としない活動(日中のハイキングやリフト利用のスキー)のエンドユーザー向けにデザインされます。新しい加工を施した初の製品は、2018年秋冬シーズンからの店頭に並ぶ予定です。

ーーーーーーーーー 抜粋ここまで ーーーーーーーー

(短鎖PFC = 現行のC6のこと)

すでにいくつかのブランドがC6を含むPFCを使用しないDWR加工(フッ素化ではなくシリコン系)に切り替えることを宣言している。アウトドアブランドよりもファッションブランドの方が積極的に公表しているようだ。そこまでの撥水性能の耐久性を必要としないという前提があるからでしょう。

ファーストリテイリング社の広報資料へのリンク

「でも、DWR加工はいいけれど、メンブレーン(透湿防水の薄い皮膜加工)はどうなの?」という疑問は残るでしょう。

GORE TEX社、およびジャパンゴアテックス社のオフィシャルサイトではPTFEメンブレーンの安全性と優れた耐久性を説明している。耐久性が優れているということは、商品の買い替えサイクルも長くなり、環境負荷も減るという考え方です。そしてPTFE自体に残留するC8は皆無であるから、廃棄の際もC8の元になることはないと説明しています。確かにそうです。耐久性から得られる環境負荷軽減の考え方はパタゴニア社とも一致しています。しかしながら、グリーンピースが問題視している製造過程でC8が使用されることに違いはないわけで、GORE TEX®️でもPFOA(C8)を製造過程で使用しないPTFEを開発しています。2018年の1月に更新されたGORE TEX社のサイトにある2018年報告(英文)では2017年の後半に、いくつかの技術的問題点を残しながらもプロトタイプができたとある。つまり、どこのブランドであっても今すぐに解決できる問題ではなく、時間を要するものなのです。

(PTFEではない、つまりPFCを使用しないポリウレタンメンブレーンには、東レのダーミザクス®️、エントラント®️などがあります。)

その時間とは…

ーーーーーー 以下、ジャパンゴアテックス社の公式サイトより抜粋ーーーー

2020年までに一般消費者向けに出荷される最終製品(ジャケット、靴、グローブ、アクセサリー)の約85%相当分のラミネートから、環境への影響に懸念のある PFC を除去します。

2021年から2023年の間に、エンドユーザーの求める性能要件を満たす製品の販売を続けつつ、残りの一般消費者向け最終製のラミネートからも PFC を除去します。

ーーーーーーーーーーーーーー抜粋ここまでーーーーーーーーーーーーー

2018年秋冬から投入されるPFCフリーのDWR加工は、環境意識の高い北欧系のスキーブランドに採用されています。トレイルランナーが着眼するような大きなブランドではまだ採用に至っていないようです。それらのブランドでは、数量が大きく、加工のキャパシティーや安定性に慎重にならざるを得ないからだろうと私は推測しています。逆に、MMAぐらいの規模のブランドですと、加工の最小ロットに届かないという現実もあります。

長く時間のかかる研究開発は、決して派手なパフォーマンスを持って登場し、瞬時に人々にメリット、そしてその企業に利潤をもたらすものばかりではありません。こういった目立たない、地道な研究開発もしっかりと見守っていきたいと思うのです。

私たちのできること。

今はまだ、特に日本においては、全く興味を持たれない話題です。メーカー側も売上げに直接つながるわけではなく、ともすれば、性能が落ちるかもしれないわけですから、できれば今はそっとしておいてほしいというのが本音でしょう。PFCフリーとして着目されているDWR加工はシリコン系なのですが、初期の撥水性はフッ素系(C6)と変わらずとも、防汚、防油性能で劣るとされ、そのことが結果として撥水力の耐久性に差がでると言われています。

レインウエアのメンテナンス用洗剤、撥水剤の代表的なものであるNIKWAXはPFCフリーです。このPFCフリー化がアウトドア産業界が避けて通れない宿命であるならば、ユーザーはその撥水性能の耐久性の限界を認め、メンテナンスでそれを補うことの重要性を知り、実践していくこと。小売店や有力選手はその啓蒙役として期待されるはずです。

もし仮に、2016年以前のゴアテックスや他の撥水、透湿防水素材のウエアを持っているランナー、クライマーでも、素材が肌に直接触れたところで、有害なものではありません。(そうでなければ、フライパンなんてもっとやばいでしょ)製造過程で使用されることと、廃棄の際に大気中に放出されることが問題なのですから、手入れをして撥水力を維持し、できるだけ長く着用することが、私たちにできることでもあるのです。2020年〜2023年にPFC フリーが当たり前になった時代にこのブログをもう一度読み、なにを感じるか、ちょっとした楽しみなのです。

 

 


報告会やります。

 

プラニング中の地図

プラニング中の地図

 

本当に大切なものは、そっと隠しておくように、自分だけのものにしておきたい。このレースを一人で走りきったらそんな風に考えたかもしれません。ただ今回はいろんな人たちのサポートを受けながら、とても楽しい時間を過ごさせてもらったので、この体験はできるだけ多くの人に伝えたほうがよいだろうと考えるようになりました。ブログ(リンク)も長かったし(笑)今年のBigfoot200のエントリーリストを見ると、日本人の方が二人いらっしゃいました。そのうちのお一人が自分のブログを読んでくださったとのこと。とても嬉しく思います。

そんなことで報告会やります。200マイルに興味のある人だけでなく、海外ロングレースでの装備や補給の考え方、レースというより山そのものが好きな方、そんな方たちに有意義な時間となるように、Run boys Run girls の桑原氏との掛け合いで進行していく予定です。Ultra Gear Market3(UGM3) には、このサイトのご主人、MMAも出店するようなので、ぜひご来場ください。

200マイルのその先へ Bigfoot 200 完走報告会 @UGM3

日 時:2018/2/4(日)
場 所:世田谷ものづくり学校108教室(ULTRA GEAR MARKET3 のイベント内イベントです)
定 員:20名
費 用:1,500円
時 間:10:45受付 11:00開始(12:45終了予定)
ゲスト:釘嶋岳幸(2017 Bigfoot200 完走)
申 込:https://goo.gl/forms/tbBdXRyFOuGG3w3i2 もしくは以下のフォームよりご入力ください


2017年の終わりに(2つの富士山)

毎年、年の瀬に1年を振り返るようなブログを書いている。i-phoneの写真をブラウジングしていると、ふと気づくことがあった。トレイルランナーに限らず、山好きな方は、富士山を背景に写真を撮ることがとても多いということ。(西日本の皆さま、ごめんなさい)初めての山域を縦走するとき、なぜか富士山を探してしまう。新幹線に乗って西へ向かうと富士山を見てから惰眠に入る。そういう人も多いはず。左右対象(ほぼ)の円錐形の独立峰は、日本人の心に安堵感を与えるのだろう。今年印象に残った富士山に関わる写真をいくつかご紹介します。(ブログ未公開)

1つは本物の富士山ではない。アメリカ合衆国ワシントン州にあるレーニア山(4,392m)だ。シアトルへと移住した日系移民が、その昔、シアトルの港からもその裾野まで広がる雄大な姿に富士山を想い重ねたのだろう。当時の移民の方から「タコマフジ」と呼ばれていたそうだ。ネイティブアメリカンからはティー・スワークと呼ばれており、レーニア山からの改名運動もある。 下の写真はワシントン州の200マイルレース、Bigfoot200の後半、レーニア山が見えるトレイルからの風景だ。私自身はこのポイントを夜間に通過しており、自分のサポートクルーが撮影した1枚、夏の花々と万年雪をいただくレーニア山の対比が美しい。近くで見ると、富士山よりもぽっちゃり体型だ。私自身は夜明けとともに、180マイル地点から、もう少し遠目の美しいレーニアを見ることができた。(過去のブログへのリンク)

F19E3275-41D5-4F08-B89C-E740BE87B468

 

サポートクルーも200マイルとなると耐久戦になる。最後の夜を車中で迎えるとき、寝酒にクラフトビールが必要となったようです。(ドライバーを除く)カスケード山脈のレーニア山をバックにシェアラネバタ山脈のビールではあるが、PCTトレイルでつながっているのです。ピンボケですが臨場感がある大好きな1枚。

 

F9B73E58-8912-47AE-B2B3-D0F30DF4A870

 

もう1つは本物の富士山、11月の中旬に開催された甲州アルプスオートチャレンジ(リンク)での1枚。ボランティアでハイカーが多いと予測される稜線を巡回することに。麓の宿から、早朝にヘッドライトで一人登り始める。天気予報はは今年初めての大型の寒気が入ると言っていた。寒い。半端なく寒い。雪山の経験もあるが、雪がある方が暖かく感じることもある。標高がさほど高くない地点から、森林限界を超えて笹原なのは風が強いためだ。気温は氷点下10度前後で、さらに強い風が体温を奪う。動いていないとどうにかなりそうだ。それでもこの富士山を見た時には思わず立ち止まってシャッターを切った。

 

B85B7111-E846-4897-9A51-9FE2B9212B8D

 

夜明け前、空が紫色になる時間帯がある。ドーンパープル、胎児が産道を通る時に初めて見る色とも言われる。(誰か覚えていたのかい?)オーバーナイトのレースや縦走の経験がある方ならその美しさはご理解いただけるだろう。i-phoneのカメラではこれが限界、夏山ならば鳥がさえずり始める時間でもあるが、この時は、鳥はおろか、生物の気配はゼロ。オホーツク海からやってきた寒気団とかいう集団に、自分一人で対峙している感覚に陥った。それでも美しかった。

来年度は、富士山の麓で行われる100マイルレースが再スタートを切る。個人的には規模を追わず、環境に優しい運営で、継続することを主眼とした再スタートであって欲しいと願う。 そしてそれを走る(あるいは将来、走ろうとしている)貴方にとって美しい富士山であることを願ってやみません。

良いお年をお迎えください。

2017年年末

 


To go cups.

 

IMG_9733

IMG_0707

 

八ヶ岳と信越五岳に出場した方は、参加賞としていただいたはずのこのステンレス製カップ、これを使って試みた面白い動画を発見 !! このカップを製造販売しているメーカーの動画ですが、クスッと笑えて、でもちゃんと考えさせられるつくりになっています。

大手ファストフードのドライブインスルーで、「これに入れて」というオーダーに対しての店側の反応。Yesのお店もあるが、Noのお店もある。環境問題を株主にアピールしている企業が意外とNoだったりすると、化けの皮が剥がれますね。

https://player.vimeo.com/video/110810233?title=0&byline=0&portrait=0&autoplay=1&color=ffffff

スクリーンショット 2017-09-27 14.53.09

屋根の色からすると….(日本には入ってきてないと思うけど)

 

コーヒーショップにテイクアウトのカップがなかったら、お客さんはどんな反応をするのだろう??

https://player.vimeo.com/video/103381079?title=0&byline=0&portrait=0&autoplay=1&color=ffffff

スクリーンショット 2017-09-27 16.07.54

なにもそこまで悲しい顔をすることもないだろうというおじさんが印象的。。

 

それでは日本ではどうなのでしょうか?一番消費されると思われるコンビニコーヒーで試してみると…

コンビニA 「わかりません」「ちょっとそれは…移し替えてください」

コンビニB「あ、いっすよー」

コンビニC「はい、いいですよ」(セルフタイプではなく、店員が入れるタイプ)

コンビニCはスタバやタリーズと同じく、店員が入れるので問題ないようですが、Aは機械に入らないとか、壊れたら、とか。あるいはフランチャイズ内でマニュアルが徹底しておらず、本当は受け入れられるのかもしれませんが、私が行った店舗ではNGでした。紙カップには間伐材を使うなど、企業のIRページには環境に良いことをつらつら書いてあるのですがね。

コーヒーには蓋のあるタンブラーがいいとは思うけれど、八ヶ岳や信越五岳でいただいたカップにウエットスーツの廃材を上手く使ったホルダーをつければ、「あちち!」とはなりませんのでご参考まで。

 

image1

 

常に持ち歩くのも難しいだろうけれど、できるだけ持ち歩くことができたらと思う。こういうことは自然に、無理せずできることからでしょう。それでも、トレイルランニングレースで紙コップはもう時代遅れでしょ。


Used.

先日、使わなくなった山岳テントを知人譲ったら、まだ幼いお嬢さんとテン泊遊びをしている写真が送られてきた。私の家で使われずに場所を占拠しているよりずっといい。山行スタイルもかなりストイックなものからユルユル温泉付きまでと広く楽しんできたのだけれど、だいたい一定の範囲に収まるようになった。そうすると、どうしても使われないものが出てくる。「いつかまた使うだろう」というのはほぼ使わないものだ。使われずに焼却処分になるのは環境にも良くないことだし、必要になる時にはレンタルなり手段はいくらでもある。今回は厳冬期の雪山装備を中心に、使わなくなった山道具とウエア類を売り払う事にした。ヤフオクや流行りのメルカリでもいいのだけれど、色々と苦手な事もある。フリマに出店するマメさもなく、御岳へボルダリングに行く際に立ち寄る山道具の中古屋さんに持ち込んでみた。

 

IMG_0560

御岳のセブンイレブン前、ランナーだと北側か南側の稜線を通り過ぎてしまうのだけれど、多摩川源流の渓谷は美しく、ボルダリング、カヤック、ハイキングなどのアウトドアスポーツの拠点でもある。

 

雪山装備の象徴でもあるピッケル。赤岳、唐松岳などの思い出がある。ただ周囲も自分もそれ以上厳しいルートにのめり込むことはなかった。

雪山装備の象徴でもあるピッケル。赤岳、唐松岳などの思い出がある。ただ周囲も自分もそれ以上厳しいルートにのめり込むことはなかった。

 

厳冬期のみに使用していたのでソールの減りが殆どなくコンディションは良と査定された。一方、この靴と相性の良かったSimonの12爪アイゼンは少し傷んでいるという査定。登山靴はモデルチェンジのサイクルが長いためか、よい値段がついた。次々と新商品を投入して自らその価値を劣化させているランニングシューズ業界とは違うようだ。

厳冬期のみに使用していたのでソールの減りが殆どなく、コンディションは良と査定された。一方、この靴と相性の良かったSimonの12爪アイゼンは少し傷んでいるという査定。登山靴はモデルチェンジのサイクルが長いためか、よい値段がついた。次々と新商品を投入して自らその価値を劣化させているランニングシューズ業界とは違うようだ。

 

ウッドストーブを使った事もあったが、今はガス以外は考えたく無い(笑)

ウッドストーブを使った事もあったが、今はガス以外は考えたく無い(笑)

 

ほぼ全身をカバーする150cmのエアマットも使わなくなってしまった。快適ではあるが、やはりカサ高と重量を考えると90cmで十分になる。

ほぼ全身をカバーする150cmのエアマットも使わなくなってしまった。快適ではあるが、やはりカサ高と重量を考えると90cmで十分になる。

 

今回、残念だったのがGerminの山岳GPS。購入時は高額でしたし、純正の東日本山岳地図、オレゴン州、ワシントン州の山岳地図も入っている。ただ、電子機器類は日進月歩で、新しいものが出ると、どうしても価格は急落するそうだ。

今回、残念だったのがGerminの山岳GPS。購入時は高額でしたし、純正の東日本山岳地図、オレゴン州、ワシントン州の山岳地図も入っている。ただ、電子機器類は日進月歩で、新しいものが出ると、どうしても価格は急落するそうだ。

 

自分は何を勘違いしたのか(笑)多分、これはベースキャンプなどで、大きなテント設営時に特殊環境下で使用するもので、日本で使用する設定は思いつかない。ソロ-2人用テントでペグダウンできない下地ならば、石を利用すれば良いのだから。

自分は何を勘違いしたのか(笑)大きなテント設営時に特殊環境下で使用するもので、自分が日本で使用する環境設定は思いつかない。ソロ-2人用テントでペグダウンできない下地ならば、石を利用すれば良いのだから。

IMG_0550

鏑木モデル?

 

<番外編> これは売らなかった。

<番外編>
これは売らなかった。

 

チタン製コッヘルの値段が手頃になり、少し時代遅れの感があるアルミ製のコッヘル。これはなんとなく売るのをやめた。少し凹んだキズは派手に転んだ時のものだ。査定に出せば、わずかな金額でしかないだろうけど、このコッヘルは自分が初めて買った山道具の一つであり、プライスレスなのかもしれない。次々と買って捨てるという消費文化の中で生活し、自分もその産業の仕組みに加担している。ならば自分だけのプライスレスがいくつあるか、そうでないものなら焼却処分ではなく、次の使い手を見つけてあげるお手伝いをする。せめてそんな事ができたらと思う。

追記: 全部でいくらになったか?ウエア類と合わせると、自分が好きな手頃な値段のビオワインが2箱(24本)買える値段になりました。


ITRAについて

1年半前を振り返って

当時、自分はこういうポストをしていました。http://mountainma.com/kugishima/2016/02/10/free/

だらだらと長い文章で読みにくのですが、ポイント制という枠組みに対する違和感と、レースをこえた本来あるべきトレイルランニグの「自由」という点を言いたかったと記憶しています。私が今、当時の視点に付け加えるものがあるとすれば、レースというのは、その枠があるからこそ、多くの仲間と共有する楽しみがあるということ。素晴らしかった景色、辛かった登り、そういったことを共有できる仲間ができて、それが一生続く友人になれば、それはとても素晴らしいことだと思うのです。

最近の話題について、わからない方はじろーさんのブログで(リンク) 

さてさて、ここ数週間で話題になっている(日本ではあまりなっていない??)International Trailrunning Association(以下ITRAとHardrock 100他のアメリカトレイルレースオーガナイザーとのやりとりを見て、やはりねー、そうなるよ、というのが率直な感想です。前記のブログポストで紹介したITRAの活動目的は、大きな理念(競技の発展、医療、安全)では、もっともであるのですが、具体的な成果物となると釈然としなくなる。総会で医療、安全に関するガイドライン(リンク)が発表されているが、ITRAのポイントに反映されるわけでもなく、内容もごく一般的なものという印象です。

急増するアジア圏でのトレイルランニングイベントでこういった医療、安全面で対応できていないイベントがあるのであれば、それはそれで一定の意義はあるのかもしれませんが、日本のレース主催者がこれを熟読しているとも思えません。(何故か中国語、韓国語まで翻訳されているのに日本語がありません)

We need to quickly develop our ability to make sure that the guidelines are effectively respected by all race organizers. とあり、ITRA自身も改善が必要と考えているようです。

ワールドチャンピオンシップの開催はアメリカの伝統的なレースからすれば全く興味のないこと(野球で言えばWBCみたいなものかな)、世界ランキングの整備はプロランナーの評価とそれをスポンサードするメーカーにとっては意味のあることになるが、それこそが、Monetize (金銭化)であり、皮肉いっぱいのIronmanization という表現に込められた根本的な開催理念の違いでもあります。ここはどうしても埋まらない溝だと思うのです。Hardrock側が書いているように、アメリカでは国立公園内の自然保護の観点から参加人数の規模が大きく違うので、そこから生まれ出て来る理念やモチベーションは違って当然だと思うのです。そこをあえて埋める必要があるのでしょうか?

ITRAのバランスシートから見えるもの(リンク)

2017の仮予算では、レースの査定料は23,821ユーロ、レースオーガナイザーからの会費(実質査定される上で会員になった方が良いだろうというのが常識的な考えではないだろうか)が85,433ユーロ、両方合わせても110,000ユーロほどです。国際的な競技組織としては小規模であり、支出を見ても4人の専任従業員の給料を払ったら、あとはキツキツ、以上終了、というレベルだと思います。ましてや誰かが私腹を肥やせるような金額の大きさではありませんね。

ただ、パワーポイントに2016で2,200以上のレースの査定実績とありますが、計算が合いません。何かディスカウントシステムが効いているのでしょう。そしてこの数字が正しいならば、これでは大きなことはできないだろうなというのが読み取れます。

他のメジャースポーツでは各国の組織にスポンサー収入や個人会員の集金システムがあり、それが収入源となるわけです。少し飛躍した例えかもしれませんが、陸上だって公認記録をもらうには、団体、又は個人として日本陸連の会員になり年会費を払う必要がありますよね。私たちはそういった組織化、競技化をトレイルランニングレースの将来像として描くのでしょうか?この点においてはスカイランニングの国際組織の方が自然な流れの中で明確にしているように思えます。(賛同する、しないは別の問題としても)

様々な意見が見受けられる中、あるアメリカ人ランナーのコメントが頭を離れません。

「地球のもう片方に素晴らしいレースがあるのに、それに参加する人と、しない人でランナーが二分されてしまうのは悲しい」

もちろん、同じ走力があっての前提です。この意見はITRAに今起こっている事実として認識してほしいと思うのです。ITRAはUTMB と関係性はないと主張したところで、結果としてポイント制度がもたらしている現実だと思うのです。冒頭に書いたように、あの年あのレースのあの景色、すごかったよな、と酒が飲めないのは、ノスタルジーに浸る壮年ランナーのたわごとということでしょうか。残念ながら、私自身に結論や妙案はありません。ただ、このブログを読んでいただいているランナー、特にUTMB®︎、UTMFを目指すランナーのみなさんには、ご本人が意図する、しないに関わらず、このITRAの目指す方向性に沿ってレースを走っているということを理解してほしいと思うのです。

 


カタクリの花

IMG_9280

花が咲くまで7年かかるという。実際の片栗粉は芋の澱粉から作られるのでそれは別物。絶滅危惧種の希少性からか盗掘の対象となってしまう。トレイルランナーならば、ハセツネコースの山域にも群生地があるのを知っているかもしれません。そのように多くの場合、人に知られてしまい、保護管理の下にあるのだけれど、今日は年に数十人通るかな?というマイナールートの登山道脇に咲いているのを見つけました。この山の麓の集落に有名な群生地があるのだけれど、踏み跡薄いマイナールートの登山道に咲くカタクリを見て「おいおい、こんな目立つ場所に咲いてちゃダメだよ。人に見つからないようにな」と声をかけたくなった。


ここ走りてーな。

2回続けて動画の紹介です。これまで自分の見たことがない映像の美しさでした。アルプスのような荘厳さではなく、日本の神秘的な森の美しさでもない。見ていて気づいたのですが、これはランナーが走っている時に見ている風景とその流れだ。止まっていない。常に後ろへ流れていく。余分なナレーションは一切なし。ただただ美しいシングルトラックをレース展開とシンクロさせて撮影している。バイクから撮ったのだろうか?かなりのハイスピードだ。

 

 

私的な見所はKaciとMagdaの併走。登りでMagdaが引っ張り、下りでKaciがギアを上げる。KaciはNike、MagdaはHokkaだからチーム戦術ではなく偶然そうなったとインタビューで答えている。そして二人は手をつないで同着2位でゴール。このレースの上位2名はWestern Statesの出場権が与えられるゴールデンチケットレース、Western Statesは有名選手でも抽選なのだ。さすがにKaciは前年のWestern States優勝者だからチケットは必要ない。Magdaがチケットを手にいれてめでたしめでたし。男子の2位は後半に追い上げたDakota Jones、この顔を覚えている人も多いだろう。数年前のハセツネで優勝している。自分は応援で山中にいたので彼のタフさと、その後に聞いたレース展開や彼自身のブログから、聡明な選手だなと感じていた。今回の追い上げからの2位も冷静でタフな奴という印象だ。

もう、こんなレース走りたくなりますよね。Lake Sonoma 50、2018の要項はまだUltra Sign Upにも出ていないけれど、今年の登録と抽選は、12月、そしてレースは4月中旬、北米にしては人数も多めの400人だが、抽選倍率は高そうだ。あ、ルールが3つだけあるそうです。それが守れない人はダメよと。

1 ゴミ捨てるな

2 良い人であれ

3  楽しめ

1,2の違反は失格、3の違反はレース後のビール取り上げちゃうぞ。

以上

シンプルでいいな。

スクリーンショット 2017-04-27 23.50.13


「LIFE IN A DAY」国際女性デーに公開

Western States Endurance Run​ 2016を走った4人の女性アスリートのドキュメンタリーフィルム。字幕がないので英語がわかりにくいのですが、 Billy Yang Films​の動画は音楽のセンスが良く、カメラマンが走れるのでスピード感と躍動感があり、流してみるだけでも十分価値があると思います。

 

<私的な勝手な見所>

27′40 から  Devon Yanko が自分の悲しい過去を語り始めます。普段聞き慣れない単語が出てくるので、正直、内容を理解できませんでした。彼女の身に何が起こったのかは、彼女のブログ http://www.devonyanko.com/news/(リンク) のDec,17,2016 に書かれています。重いテーマであり、当初はアメリカの影の部分のような印象を受けましたが、これはもしかしたら世界中で起きていることで、声をあげられない女性もいるのではないかと思います。悪い奴は世界中どこにでもいるから。それでもトレイルランニングと出会い、回復していく自分を語るDevonにもらい泣きしてしまいました。走っている最中に、ライバルのMagdaがドロップしたことを知り、カメラマンに Is she OK ? と聞いている彼女に、人としての優しさを垣間見ることができます。

41′15 から Kaci Licteig の魅力

常に笑って走る。小柄で細い腕を大きく振りながら走る様はとても好感が持てます。この時も蛇を踏みそうになって騒いでいる(笑)

48′48  から Anna Mae は71mileでドロップしてしまいましたが、プランしても絶対にその通りにはならない100マイルレースを、女性が期待されるステレオタイプの人生と対比しながら振り返ります。

55′55から 2015の優勝者、Magdalena Bouletもドロップという結果でしたが、彼女も人生に例えて今回の100マイルを振り返ります。おそらくこの4人では年長者(失礼! )であろう彼女の語り口は穏やかで説得力があります。そしてわずか13日後のSPEEDGOAT 50Kで見事表彰台に上がっています。

もし、Billy Yangが日本の女性4人をフィーチャーしたら、誰と誰を選ぶでしょうか。それは貴女かも..

 


Dragon’s Back Race その後…

一昨年にこのブログであるレースの報告会をお知らせしました。

http://mountain-ma.com/kugishima/2015/09/04/dragonback/(ブログへのリンク)

http://www.mtsn.jp/journal/detail.php?id=436(mt.SNへのリンク)

2015年に館野氏が日本人として初めて完走したDragon’s Back Race です。

隔年開催にあたる2017年の今年、日本からTJAR完走者や女性一人を含む4人が挑戦するそうです。報告会の実行委員をさせていただいたこと(実質、呑んだだけのような…)がご縁で壮行会にご一緒させていただきました。

館野氏から地図の説明を受ける挑戦者達@炭や

館野氏から地図の説明を受ける挑戦者達@炭や

 

現在人気の海外レースも最初は必ず日本から挑戦する先駆者がいる。そういう人たちをリスペクトしたい。UTMBやTDGの最初の日本人参加者は誰なのでしょうか?UTMBのリザルトを開催開始の2003年から見ていくと、2005年の13位にやはりこの人、石川弘樹氏の名前がありました。近年になって、Dogs & Caravanのインタビューで当時は13位でゴールしても誰もいなかったというエピソードを話されています。TDGは調べられませんでしたが、イタリア語が読める方なら検索できるでしょう。

Screen Shot 2017-03-02 at 11.19.42 AM

人気レースに落選してもがっかりせず、自分が先駆者となって新しいレースを見つけにいくのもよいかもしれませんね。