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先日、使わなくなった山岳テントを知人譲ったら、まだ幼いお嬢さんとテン泊遊びをしている写真が送られてきた。私の家で使われずに場所を占拠しているよりずっといい。山行スタイルもかなりストイックなものからユルユル温泉付きまでと広く楽しんできたのだけれど、だいたい一定の範囲に収まるようになった。そうすると、どうしても使われないものが出てくる。「いつかまた使うだろう」というのはほぼ使わないものだ。使われずに焼却処分になるのは環境にも良くないことだし、必要になる時にはレンタルなり手段はいくらでもある。今回は厳冬期の雪山装備を中心に、使わなくなった山道具とウエア類を売り払う事にした。ヤフオクや流行りのメルカリでもいいのだけれど、色々と苦手な事もある。フリマに出店するマメさもなく、御岳へボルダリングに行く際に立ち寄る山道具の中古屋さんに持ち込んでみた。

 

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御岳のセブンイレブン前、ランナーだと北側か南側の稜線を通り過ぎてしまうのだけれど、多摩川源流の渓谷は美しく、ボルダリング、カヤック、ハイキングなどのアウトドアスポーツの拠点でもある。

 

雪山装備の象徴でもあるピッケル。赤岳、唐松岳などの思い出がある。ただ周囲も自分もそれ以上厳しいルートにのめり込むことはなかった。

雪山装備の象徴でもあるピッケル。赤岳、唐松岳などの思い出がある。ただ周囲も自分もそれ以上厳しいルートにのめり込むことはなかった。

 

厳冬期のみに使用していたのでソールの減りが殆どなくコンディションは良と査定された。一方、この靴と相性の良かったSimonの12爪アイゼンは少し傷んでいるという査定。登山靴はモデルチェンジのサイクルが長いためか、よい値段がついた。次々と新商品を投入して自らその価値を劣化させているランニングシューズ業界とは違うようだ。

厳冬期のみに使用していたのでソールの減りが殆どなく、コンディションは良と査定された。一方、この靴と相性の良かったSimonの12爪アイゼンは少し傷んでいるという査定。登山靴はモデルチェンジのサイクルが長いためか、よい値段がついた。次々と新商品を投入して自らその価値を劣化させているランニングシューズ業界とは違うようだ。

 

ウッドストーブを使った事もあったが、今はガス以外は考えたく無い(笑)

ウッドストーブを使った事もあったが、今はガス以外は考えたく無い(笑)

 

ほぼ全身をカバーする150cmのエアマットも使わなくなってしまった。快適ではあるが、やはりカサ高と重量を考えると90cmで十分になる。

ほぼ全身をカバーする150cmのエアマットも使わなくなってしまった。快適ではあるが、やはりカサ高と重量を考えると90cmで十分になる。

 

今回、残念だったのがGerminの山岳GPS。購入時は高額でしたし、純正の東日本山岳地図、オレゴン州、ワシントン州の山岳地図も入っている。ただ、電子機器類は日進月歩で、新しいものが出ると、どうしても価格は急落するそうだ。

今回、残念だったのがGerminの山岳GPS。購入時は高額でしたし、純正の東日本山岳地図、オレゴン州、ワシントン州の山岳地図も入っている。ただ、電子機器類は日進月歩で、新しいものが出ると、どうしても価格は急落するそうだ。

 

自分は何を勘違いしたのか(笑)多分、これはベースキャンプなどで、大きなテント設営時に特殊環境下で使用するもので、日本で使用する設定は思いつかない。ソロ-2人用テントでペグダウンできない下地ならば、石を利用すれば良いのだから。

自分は何を勘違いしたのか(笑)大きなテント設営時に特殊環境下で使用するもので、自分が日本で使用する環境設定は思いつかない。ソロ-2人用テントでペグダウンできない下地ならば、石を利用すれば良いのだから。

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鏑木モデル?

 

<番外編> これは売らなかった。

<番外編>
これは売らなかった。

 

チタン製コッヘルの値段が手頃になり、少し時代遅れの感があるアルミ製のコッヘル。これはなんとなく売るのをやめた。少し凹んだキズは派手に転んだ時のものだ。査定に出せば、わずかな金額でしかないだろうけど、このコッヘルは自分が初めて買った山道具の一つであり、プライスレスなのかもしれない。次々と買って捨てるという消費文化の中で生活し、自分もその産業の仕組みに加担している。ならば自分だけのプライスレスがいくつあるか、そうでないものなら焼却処分ではなく、次の使い手を見つけてあげるお手伝いをする。せめてそんな事ができたらと思う。

追記: 全部でいくらになったか?ウエア類と合わせると、自分が好きな手頃な値段のビオワインが2箱(24本)買える値段になりました。


200マイルの彼方に..Bigfoot 200 Endurance Run

「なぜアメリカの200マイルを走るの?」と聞かれるのですが、「走るのに理由いるか?」とはぐらかすこともあり、多くの人は誤解しているだろうなとも思う。見栄とかプライドとか、距離への呪縛など全くありません。自分の生活の中に山とクライミングとランニングが自然な形で存在している。その延長線上にレースがあってほしいと思うようになった。その範囲内でという事ではなく、ちょっとだけ背伸びが必要なもの。完走できるかできないかギリギリのライン。だから試行錯誤で身体を作る。その人体実験的なプロセスも楽しめる。そうすれば、レースが終わっても自然に走り続けられる。今年もUTMBを目指してモンブランへとみなさんが向かうことになるわけですが、超スーパー級のUTMBを走り終えて燃え尽きないで欲しい。人それぞれのやり方でトレイルランニングを続けて欲しいと願う。自分の走力レベルだと、二晩寝ないでプッシュし続けるタイプのスタート時間、累積標高のある100マイルレースでは、どうしても普段のランニングの延長にあるものではなく、ふらつく足で幻覚を見ながらでも歩くことになる。(危ないからストップした方が良い)一方、アメリカの200マイルはステージレースではありませんが、スリープエイドで仮眠を取り、回復させながら走ることができます。ペーサーをつけて安全に配慮しながら二人で進むこともできます。自分はこれからも一晩でゴールできるコンパクトでローカルな100マイルや、アメリカの200マイル、あるいは長短問わずナビゲーション競技、縦走、ファストパックなどを織り交ぜながら、多角的に山を走ることを楽しんでいくつもりです。

雄大な景色は昨年カメラにたくさん収めたこともあり、今年は自分でシャッター切ることはあまりありませんでした。去年はその素晴らしい山々の景色に感動したのですが、今回は、選手、サポート、ペーサーといった人々の優しさと、それを形成するランニングコミュニティーに心を動かされました。サポートクルーやプロカメラマンが撮ってくれた写真を中心に時系列的に紹介していきます。

 

レースチェックインでの撮影。マグショットと呼ばれる。周囲を見ると、アメリカのレースはヒゲ、タトュー、が必須装備?? Photo by Howie Stern and Scott Rokis

前日レースチェックインでの撮影。マグショットと呼ばれる。周囲を見ると、アメリカのレースはヒゲ、タトュー、が必須装備なの?? Photo by Howie Stern and Scott Rokis

 

googleさへあれば世界中どこでも行けるというのは誤りだ。GPSの補足が悪い林道に、特に今年は雪が多かったため、washout(土砂流出) slide(土砂崩れ)による閉鎖が多い。そしてここ数週間の高温乾燥による山火事防止にクローズとなる林道があった。サポートクルーは紙地図とGPSの両方を駆使してアプローチする。

サポートやペーサーは天気、道路状況の最新版を確認する。Googleさえあれば世界中どこでも行けるというのは誤りだ。携帯電波が届かないのでGoogleでは再検索ができない。特に今年は雪が多かったため、土砂崩れによる林道閉鎖が多い。そしてここ数週間の高温乾燥による山火事防止にクローズとなる道があった。サポートクルーは紙地図とGPSの両方を駆使してアプローチする。

 

コースマーキングは見やすく、申し分ないのだが、日本のように分岐以外にたくさんのマーキングはできない。0.5マイルに1つ、もしそれが動物に食べられたり、雨風で落ちれば、1マイルないことになる。不安を解消するためにもGPSは絶対に必要。昨年まではGerminのE-trex20を使用していたが、私が上手に使いこなせず、主催者が提供しているトラックデータを活用できなかった。今年コース上、サポートクルーの移動で活躍したのはスマホアプリGaia GPSだった。地形図として等高線も見やすく、画面上のコンパスで整置もできる。少し動くと進行方向が矢印の向きで表記されるので 、主催者の提供するトラックデータ上にあれば安心感を得られる。機内モードでも動作できるので、北米のトレイルでは絶対にオススメです。スマホの防水と電源を管理できれば雪山でもない限り十分だと思います。事前にWifi環境で地図をダウンロードするのがキーとなります。詳しくは Bigfoot 200のランナーズマニュアルにわかりやすく書かれていますので参照してください。https://docs.google.com/document/d/144kJI9kfIPp8XP3P7pauTWXKv7DqhquM0SVxEKn8558/edit

 

ほとんどのエイドにドロップバッグを置くことが可能です。その内、いくつかのバッグは2箇所を経由してゴールに向かうムービングドロップバッグというシステムが採用されている。

ほとんどのエイドにドロップバッグを置くことが可能だ。そして、いくつかのバッグは2箇所を経由してゴールに向かうムービングドロップバッグというシステムが採用されている。各エイドでは建物内に置かれるわけではないので防水処理は必須です。

 

エントリー数118 完走者78 同じレースディレクター、主催団体のTahoe200は130人の定員が埋まったようだ。Bigfoot200も今年からSALMONがスポンサーになり知名度が上がったが、これぐらいの規模感のレースが自分には合っている。採算収支の面からエントリーフィーが高くなるが、ヨーロッパとのレース環境の違いを考慮すれば、その金額も納得できる。

エントリー数118 完走者78 、これだけ長いレースだと、同じ走力レベルのランナーと何度も前後する。会話することも多い。それぞれの顔やその声を思い出す。同じレースディレクター、主催団体のTahoe200は200人の定員が埋まったようだ。Bigfoot200も今年からSALMONがスポンサーになり知名度が上がったが、これぐらいの規模感のレースが自分には合っている。採算収支の面からエントリーフィーが高くなるが、ヨーロッパとのレース環境の違いを考慮すれば、その金額も納得できる。Photo by Scott Rokis Howie Stern

 

ほぼ最後尾からスタートします。最初のセクションは昨年よりゆっくりと入ろうと考えていました。序盤の数Kmで、同じ位置どりでも、走りにムラがあり効率の悪い人は後ろから見てすぐわかる。一方、ご年配の方でも、一定の出力で序盤を切り抜けようという意思が明確にわかる走り方をする人がいる。そういう方々とパック(集団)で進むのが賢明だ。

ほぼ最後尾からスタート。最初のセクションは昨年よりもゆっくりと入ろうと考えた。序盤の数マイルで、同じ位置でも走りにムラがあるランナーと、見た目はご年配の方でも、一定の出力で序盤を切り抜けようという明確な意思が伝わってくる走り方をする人がいる。そういう選手とパック(集団)で進むのが賢明だ。Photo by Jeremy Gemez

 

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6マイル付近、セントヘレンズ山の火口に向けて標高を上げると、1980年の大噴火の影響から、すぐに森林限界を超えて岩綾地帯となる。本来であれば、バックに山々が映り、空気が澄んでいれば、遠くにオレゴン州のフット山が見えるポジションだが、今年は遠くの山火事の影響で霞がかかってしまっている。Photo by Howie Stern & Scott Rokis

 

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8マイル付近、このキャニオンクロッシング(渓谷横断)という聞きなれない単語がコースブリーフィングで説明される。日本で言うロープ場というのはこの部分だけ。Photo by Howie Stern & Scott Rokis

 

今年は水3Lにフィルター、いわゆる二等兵帽、アームカバー、首にはマジクール、そしてヒヤロンという冷却材をザックにしのばせて、ここぞというポイントで首に巻くようにして体温を下げた。雪解け水の沢があれば頭からかぶる。

12.2マイル Blue Lake Aid  次のセクションは長く暑い。水3Lに浄水フィルター、二等兵帽、アームカバー、首にはマジクール、そしてヒヤロンという冷却材をザックにしのばせて、ここぞというポイントで首に巻いて体温を下げた。雪解け水の沢があれば頭からかぶる。目から入る紫外線での疲労も考えてサングラスもしっかりと。Photo by Jeremy Gemez

 

去年はここでつまずいた。暑いのは理解していたが、対策が徹底していなかった。今年は水3Lにフィルター、いわゆる二等兵帽、アームカバー、首にはマジクール、そしてヒヤロンという冷却材をザックにしのばせて、ここぞというポイントで首に巻くようにして体温を下げた。雪解け水の沢があれば頭からかぶる。日本でのサウナ練もあってか、序盤のダメージを最低限で切り抜けることができた。

15マイル付近、セントヘレンズ火山の砂礫地帯をトラバースする。去年はここでつまずいた。暑いのは理解していたが、高温順化が徹底していなかった。今年は日本の暑さの中で走り込み、サウナ練も計画的に行った。

 

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39マイル付近、ここは撮影の定点ポイントではあるが、去年はここを日没前に通過できるイメージを持てなかった。今年は日没前に通過、そして身体に大きなダメージはない。Photo by Howie Stern & Scott Rokis

 

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日が落ち涼しくなると走りやすくなる。身体に負担がかからない程度にペースをあげた。Photo by Howie Stern & Scott Rokis

 

60マイル付近、私のFaceBookのカバーになっているポイント。昨年は日が高く上がり、絶景の連続でしたが、今年は夜明けの時間帯で雲海が一面に広がるセントヘレンズを見ることができた。

59マイル付近、私のFaceBookのカバーになっているポイント。昨年は日が高い時間だったが、今年は夜明けごろに通過、雲海が裾一面に広がるセントヘレンズを見ることができた。

 

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63マイル付近、初日と4日目の夜間セクションではポートランド在住の@trailinportland (twitterアカウント)さんにペーサーについていただいた。初日の夜をスリープエイドで仮眠するか、そのまま行くかの最初の選択が選手に求められる。今年は暑さのダメージも小さく、ペーサーがついてくれたことで、そのまま行くことを選んだ。写真はすでに日が昇り、私が前を走っているが、夜間は逆で、安定したペーシングで引っ張っていただいた。Photo by Howie Stern & Scott Rokis

 

66マイル付近、1980年の大噴火の影響で立ち枯れた木々の合間から幼木が育っている。死んだと思われた自然も、きっかけがあれば回復へのサイクルが始まる。

66マイル付近、1980年の大噴火の影響で立ち枯れた木々の合間から幼木が育っている。死んだと思われた自然も、きっかけがあれば回復へのサイクルが始まる。2015/10に撮影

 

火山から離れるにつれ、シダーウッドの原生林が深くなる。日本の場合、杉林のほとんどは戦後の木材需要をにらんだ人工林だ。ここパシフィックノースウエストのシダーのほとんどは原生林で1つ1つの幹が大きい。そしてその役割を終えて、土に帰っていく姿も、何十年と言う長いスパンで静かに進行していく。

70マイル付近、火山から離れるにつれ、シダーウッドの原生林が深くなる。日本の場合、杉林のほとんどは戦後の木材需要をにらんだ人工林だ。ここパシフィックノースウエストのシダーウッドのほとんどは原生林で1つ1つの幹が大きい。そしてその役割を終えて、土に帰っていく姿も、何十年と言う長いスパンで静かに進行していく。そしてその土壌の保水力は高い。2015/10に撮影

 

100マイル地点にある手作りのサイン。100とか200というのはただの数字だ。ゴールがどこかを、そしてそこへたどりつく決意を固めていれば、このサインに何ら感慨はない。

100マイル地点にある手作りのサイン。100とか200というのはただの数字だ。ゴールがどこかを、そしてそこへたどりつく決意を固めていれば、このサインに何ら感慨はない。Photo by Jeremy Gemez

 

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110マイル付近、ルイスリバーの大小連なる滝の連続は圧巻だ。雪が多かったためか、去年よりも水量が多く迫力がある。水の透明度が高く、キラキラと光る魚影が確認できた。

 

ルイスリバーの上流部の沢を高巻きしながら標高を上げ、レーニア山が見える北斜面に入ると、急激に冷え込んだ。昼は熱中症対策、夜はダウンを着て焚き火にあたり低体温対策というのがワンウエイの200マイルレース、Bigfoot200なのだ。

131マイル地点のエイドにて。ルイスリバーの上流部の沢を高巻きしながら標高を上げ、レーニア山が見える北斜面に入ると急激に冷え込んだ。昼は熱中症対策、夜はダウンを着て焚き火にあたる。これがワンウエイで広い山域をいく200マイルレース、Bigfoot200の醍醐味でもある。

 

 

<補給について> 今回はデキストリンのジェルは一切使用せず、リアルフードと糖質は低GI果糖ベースのアップルハニーを使用した。自分は普段から糖質を控える食生活をしてるが、Vespa OFM のプロコトルに従っており、レース中は糖質も有効に利用する。興味のある方は下記のサイトをご参考に。ただし、こういった諸説は賛否両論あるもの、最も大切にすべきことは、普段の家族やパートナーとの食事にストレスを持ち込まないことであり、それを犠牲にしてまでレースパフォーマンスを上げたところで意味などないはずだ。 http://www.vespapower.com/ofm/what-is-ofm/  写真はハンバーガーの肉部部分にベーコンを乗せていただいたもの。バンスはジップロックに入れて、エイドを出た後にトレイルバターと一緒にいただく。トレイルバターは1日1本を消化した。パン以外にはエイドのバナナに塗って食べるのが美味しくてオススメです。エイドは暖かい調理も出してくれるのですが、さすがに後半の深夜になるとボランティアスタッフもエンデュランスであり、必ずしも料理が提供できるとも限らない。そういった時は、ビバークレーションでバックアップとした。3週間前に日本ロゲイニング選手権でコンビニのお湯でも可能なことをテストしており、エイドでお湯をいただき、3つの味を全ていただいた。事前のテストではトマトキックが気に入り、お茶漬けはインディカ米の食感からか、パンチが今ひとつ足らず、甘みのない干し梅を厳選して付け加えた。写真はトマトキックに禁断のベーコントッピング(笑)

<補給について>
今回はデキストリンのジェルは使用せず、リアルフードと糖質は低GI果糖ベースのアップルハニーを使用した。自分は普段から糖質を控える食生活をしてるが、Vespa OFM のプロコトルに従っており、レース中は糖質も有効に利用する。興味のある方は下記のサイト(英文)をご参考に。ただし、こういった諸説は医学的にも賛否両論あり、何が正解かは自分の代謝特性を知ることが重要だと思っている。そして最も大切にすべきことは、普段の家族との食事にストレスを持ち込まないこと。それを犠牲にしてパフォーマンスを上げたところで意味などないはずだ。
http://www.vespapower.com/ofm/what-is-ofm/ 
写真はハンバーガーの肉部部分にベーコンを乗せていただいたもの。バンスはジップロックに入れて、エイドを出た後にTrail Butterと一緒にいただく。トレイルバターは1日1本を消化した。パンの他に、エイドのバナナに塗って食べるのが美味しい。エイドでは暖かい調理も出してくれるのですが、さすがに後半の深夜になるとボランティアスタッフもエンデュランスであり、必ずしも暖かい料理が提供できるとは限らない。そういった際にはULTRA LUNCH ビバークレーションをバックアップとした。3週間前の日本ロゲイニング選手権にて、コンビニのお湯でも可能なことをテストしており、3つの味を全ていただいた。事前のテストではトマトキックがお気に入り。お茶漬けはインディカ米の食感からか、パンチがもう少し欲しくなり、甘みのない干し梅を厳選して加えた。実際には、トマトキックにももう少しパンチが欲しくなり、禁断のベーコントッピング(笑)ミネラル類に関しては、持参した塩飴干し梅、マグネシウム、カルシウム、亜鉛のサプリを利用した。エイドには必ずスイカがあり、カリウム補給に沢山いただいく。海外ではエイドのテーブルにエレクトラバイトという電解質のタブレットが置いてあることが多いが、体質に合う、合わないがあるので慎重に判断すべきでしょう。後半の夜にリアルフードの繊維質が少し重く感じられた時は、エイドの暖かいチキンスープヌードルが胃に優しかった。水分は粉末のルイボスティーを中心に循環を意識し、大きなトラブルなく常時摂取できた。

 

 

スリーピングテントの中、暖かいエアマットと十分な毛布がある。大敵は隣のおっさんのいびきなのは全世界共通である。昼間は暑くなるので、皆、外でコットやマットを使い木陰や車の陰で寝てしまう。自分もOMM Adventuer Lite20 のザックから背面マットを取り出して熟睡した。

スリーピングテントの中の様子、分厚いエアマットと十分な毛布がある。大敵は隣のおっさんのいびきなのは全世界共通である。昼間は暑くなるので、皆、外でコットやマットを使い木陰や車の陰で寝てしまう。自分もOMM Adventuer Lite20 のザックから背面マットを取り出して熟睡した。

 

アメリカ人のサポートは大きなRVでわいわいとやってくる。みんなこんなの買える金持ちなのか?と思いきや、実際は夏の間だけ、レンタルして、こういった楽しみ方をするそうだ。レースはクルー、ペーサー、全員で楽しむもの。

アメリカ人のサポートは大きなRVでわいわいとやってくる。みんなこれが買える金持ちなのか?と思いきや、実際は夏の間だけ、レンタルして、こういった楽しみ方をするそうだ。レースはクルー、ペーサー、全員で楽しむもの。

 

 幾度となく渡渉がある。浅めで長いもの、短いが急流のもの。写真のポイントはコースブリーフィングで聞いてはいたので、手前のエイドで仮眠をとり、日が昇ってから渡った。自分の身長で太腿近くまであるのだから、小柄な女性では腰ぐらいまであったのではないだろうか?

< From Instagram by Scott Rokis > 幾度となく渡渉がある。浅めで長いもの、短いが急流と様々。写真のポイントは142マイル付近、コースブリーフィングで詳しく聞いてはいたので、手前のエイドで仮眠をし、日が昇ってから渡った。自分の身長で膝上近くまであるのだから、小柄な女性は怖かったと思う。Photo by Scott Rokis

 

昨年、Cutoff になった Klickitat Aid Stationに到着する。2日目の夜を中心にペーサーなしのソロで走ったセクションでもある。

158.1マイル、昨年Cutoff になった Klickitat Aid Stationに到着する。3日目の夜を中心にペーサーなしのソロで走ったセクションのあと。ここから先は自分にとって未踏の地なのだ。Photo by Jeremy Gemez

 

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夜間の冷え込みに備えて長袖と、ブリーフィングでOvergrown (やぶこぎ)があると聞いていたのでゲーターも着用する。サポートクルーの顔をみると、ここは八ヶ岳スリーピークスか?と一瞬錯覚する。

 

アメリカ先住民クリキタット族が使っていたKlickitat trail#7 は倒木とブルーベリーの薮深い原始的なトレイルだった。

アメリカ先住民クリキタット族が使っていたKlickitat trail#7 は倒木とブルーベリーの薮深い原始的なトレイルだった。Bigfootの目撃証言が多い山域に入って行く。さて、Bigfootは本当にいるのか? 野生動物の危険は?と、コースブリーフィングの質問時にレースディレクターが「リスが一番凶暴」と答えていたが、ブラックベアーの糞が等間隔にあるトレイルは少し緊張した。Photo by Jeremy Gemez

 

ポンペイピークから見えた朝焼けに染まるレーニア山とアダムス山は美しく神々しいものだった。

180マイル付近、ポンペイピークから見えた朝焼けに染まるレーニア山とアダムス山は美しく神々しいものだった。

 

日系移民からはタコマフジと呼ばれたらしい。それも納得できる。4,392mで万年雪を抱え、ピークを踏むにはどのルートからでも相応のアルパイン技術が必要であることが富士山との大きな違い。

レーニア山、4,392m 日系移民からはタコマフジと呼ばれたらしい。それも納得できる。万年雪を抱え、ピークを踏むにはどのルートからでもレベルの高いアルパイン技術が必要だ。

 

最終エイドにて、メディカルスタッフに足裏の手入れをしてもらう。できるだけ清潔に、ドライに足裏をキープしていたため、他の選手に比べると、相当綺麗な足裏だったらしい。それでもやはり足裏は痛い。

193.5マイル、最終エイドでメディカルスタッフに足裏の手入れをしてもらう。できるだけ清潔に、ドライに足裏をキープしていたため、他の選手に比べれば、まともな足裏だったらしい。それでもやはり足裏は痛い。Photo by Jeremy Gemez

 

「くぎしまさんですか?」少したどたどしい日本語で話しかけられた。Gene Dykes 69歳、今年の最年長完走者だ。「おくほだか..きただけ..あいのだけ..やり。ぜんぶのぼりました。ふじさんはじゅーがつにのぼったら、しにそうになりました。わはは。」座間の米軍キャンプに2年間駐在した経験があり、オートバイで日本中旅をして、山々を登ったと。3日目の夜間のエイドですれ違った時に、かなり憔悴ていたが、うまくエイドで回復させて完走を果たした。最後のトラックはキロ5 ?と思うほど、背筋の伸びた美しいフォームで周回していた。彼らの Ultrasign upを見てさらに驚いたことに、9月にTahoe200、10月にMoab200にエントリーしており、完走すればもちろんトリプルクラウン(同一年度に3つの200マイルを走ること)最年長者になることは間違いない。退役軍人おそるべし。

「くぎしまさんですか?」日本語で話しかけられた。Gene Dykes 69歳、今年の最年長完走者だ。「おくほだか..きただけ..あいのだけ..やり。ぜんぶのぼりました。ふじさんはじゅーがつにのぼったら、しにそうになりました。わはは。」座間の米軍キャンプに2年間駐在した経験があり、オートバイで日本中旅をし、山々を登ったという。4日目の夜に、エイドですれ違った際には、かなり憔悴ていたが、うまく回復させたようだ。最後のトラックはキロ5 か?と思うほど、背筋の伸びた美しいフォームで周回していた。彼のUltra sign upを見てさらに驚いたことに、9月にTahoe200、10月にMoab200にエントリーしており、完走すればもちろんトリプルクラウン(同一年度に3つの200マイルを走ること)最年長者になることは間違いない。Photo by Jeremy Gemez

 

田舎町の高校のトラックを周回する。最後の200m直線に入る。大観衆などない、レッドカーペットもない。ただ、レースディレクターとボランティアスタッフ、そして先にゴールしたランナー達が暖かく出迎えてくれた。喜びは大観衆に迎えられなくとも、自分自身の内面から湧きでてそして今でのじんわりと残っている。

206.5マイル、D+15,240mのラスト400mは田舎町の高校のトラックを1周する。最後の直線を走る。大観衆などいない、レッドカーペットもない。ただ、レースディレクターとボランティアスタッフ、そして先にゴールしたランナー達が暖かく出迎えてくれた。喜びが自分自身の内面から湧きでてそして今でもじんわりと心に残っている。

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Photo by Howie Stern & Scott Rokis

 

Bigfoot200のバックルカラーは1つではなく、選ぶことができる。自分は有名なレースでゴルドとかシルバーとか、その手のバックルを手にする才能はない。今回はサポート、ペーサーをしていただいた方々に選んでいただいた。こうしたことで、シルバーやゴールドバックルと違う意味合いと価値を持たせることができる。Photo from Bigfoot 200 Endurance run オフィシャルサイトより

Bigfoot200のバックルカラーは1つではなく、選ぶことができる。自分は有名なレースでゴールドとかシルバーとか、その種のバックルを手にする才能はない。今回はサポート、ペーサーをしていただいた方々に選んでいただいた。そうすることで、シルバーやゴールドバックルと違う意味合いと価値を持たせることができる。Photo from Bigfoot 200 Endurance run オフィシャルサイトより

 

今回のレースにおけるベストショット。レース日程が長いので、全員が揃ったのは76マイル地点のElk Pass Aidだった。エリートランナーで、シアトル在住の藤岡夫妻、ポートランド在住の@trailinportlandさん( twitterアカウント)、八ヶ岳スリーピークスのボランティアがご縁で知り合った方と、互いが全員の顔を知らなくても、ここに集まることができたからこそ自分の完走があったのは間違いありません。パシフィックノースウエストから日本にレースでいらっしゃる時は万全のサポートでお迎えいたします。

今回のレースにおけるベストショット。レース日程が長いので、全員が揃ったのは76マイル地点のElk Pass Aidだった。エリートランナーで、シアトル在住の藤岡夫妻、ポートランド在住の@trailinportlandさん( twitterアカウント)、八ヶ岳スリーピークスのボランティアがご縁で知り合った方と、互いが全員の顔を知らずとも、ここに集まることができたからこそ、自分が完走できたことは間違いありません。パシフィックノースウエストから日本にレースでいらっしゃる時は万全のサポートでお迎えいたします。感謝。

 

 


日本ロゲイニング選手権 !!

Photo by Hatamachi ©︎松本ロゲイニング

Photo by Hatamachi ©︎松本ロゲイニング

 

昨年、富士山麓12時間ロゲイニングについて書いたブログ(リンク)の最後を「海外ではスタンダードとなっている24時間ロゲイニング(村越先生談)がいつの日か日本で開催されて欲しいと願っています。」という一文で締めくくっています。そしてその僅か1年後、日本ロゲイニング選手権として24時間制限の大会が開催されました。来月に北米の200マイルレースを控えて、高温順化と夜間行動、装備チェックを兼ねて参加してきました。

MMAウエア 率 

低い(笑)。ユーザー属性が違うといえばそれまでだが、街でのロゲイニングのようなロードランナースタイルだけでなく、トレイルランナー、アドベンチャーレーサー、オリエンティア(TRIMTEX、nonameといったブランド)など様々であり、異種混合競技の様相を呈していて面白い。オフトレイルで何かに引っ掛けて穴が開くのは日常茶飯事なので、藪漕ぎ戦闘態勢と、この季節の市街地でも熱中症を防ぐ通気性という背面両立が求められるウエアリングも、それぞれの経験値から導き出すもので答えは1つではない。

先は長い。ゆる〜くスタート。気温が高く、ウエアリングに工夫が必要。自分はゲーターを下ろして履き、首部分に保水剤を巻いて熱中症対策を施した。中央に自分が写っている。

先は長い。ゆる〜くスタート。気温が高く、ウエアリングに工夫が必要。自分はゲーターを下ろして履き、首部分に保水剤を巻いて熱中症対策を施した。中央に自分が写っている。Photo by Hatamachi ©︎松本ロゲイニング

 

開催地

松本市、安曇野市、これだけですと、北アルプス槍ヶ岳から穂高まで全部が入ってしまいますから(笑)、最高標高1530m と要項に記載されています。それでも広い。広大な範囲へのチェックポイント(以下CP)設定、マップ修正は膨大な作業であったと思います。フィニッシュ後、プロディユーサーの木村氏にお礼と労いの言葉を申し上げに行ったら、「これまでの積み重ねもありますから」というお話しをされていた。松本ロゲイニングとして8回の積み重ねがあるわけで、その蓄積ノウハウがなければ成立しない規模であろうかと思う。来年も松本なのか、あるいは Orienteering.com(リンク)のサイトに?マーク付で記載があるように菅平となるのか、いずれにせよ楽しみです。

競技エリアを首都圏に移し替えるとこうなる。ここに最低標高520m、最高標高1530mという山の標高差が加わる。

広さの実感が湧くように、競技エリアを首都圏に移し替えるとこうなる。ここに最低標高520m、最高標高1530mという山の標高差が加わる。(松本ロゲイニング公式FaceBookより抜粋)

 

マップ

全体を俯瞰できる1/50K 1枚と、ナビゲーション用の1/25K 4枚の計 5枚、国土地理院の地形図をベースに修正を加えたもの。自分の通過した場所では、地図と現地が違うという場所はなかったが、1箇所だけ荒れ方が酷くて迂回した場所があるぐらいで、CP周りの修正は丁寧に施されているように思える。CPのディスクリプションは日本語による記載(尾根、沢、人工特徴物など)作成はオリエンテーリング界では有名な山川エンタープライズの制作で、色のコントラスト、道の表現など、私のROU-GANでも見やすい。

ナビゲーションとプラニング

フォトロゲと異なり、電子カード方式ですので、地形の特徴を生かしたオフトレイルへのCP設定も可能になる。ただし、今回のほとんどのフラグはトレイル脇にあり、設定難易度としてはオリエンテーリングのB(中級クラス)あるいはN(初心者)の難易度ですが、一部オフトレイルの沢地形に設定されたCPは夜間だと難易度はそれなりにあったのかもしれません。ですので自分たちはそのリスクを避けたプランにしました。また、一筆書きしにくい位置関係にあり、登り下りによるピストンが必要だったり、複数ルートから高低差を考慮してのルート選択が必要だったり、また、パートナーの体調、モチベーション変化、気象状況によって修正プラニングをしていくといった ロゲイニング本来の戦略性という醍醐味は味わえたのではないかと思っています。下に書いた反省会にて優勝者の柳下さんのお話を聞き、自分に不足している点はこのルート選択の最適解を早く見つけ出して後半の余裕度を作り出していくこと、そしてその余裕から生まれる修正プラニングの引き出しの多様性にあるのだと感じました。100Km 100Mi の経験のあるトレイルランナーであれば、12時間ロゲイニングでも最初のプラニング通りに突っ走ればそれで高得点が得られるかもしれませんし、ソロのオリエンテーリングなら自分のことだけを考えればよいわけですが、 24時間のチーム競技は、プランの保留、修正、決定を、疲労した状態の脳で考え、チームの合意として進めていく必要があり、OMMを含めてもこれまでに経験した競技とは別物でした。

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帝王柳下さんとペアを組む山田慎也選手。フルマラソンやロードのウルトラから、ロシアのエルブレスなどの難易度の高い海外山岳レースの経験を持つ。PTLの日本人初完走チームのメンバーでもある。チームで走る時の他人への気遣い、視野の広さなど、帝王がパートナーに選ぶのも理解できる。Photo by Hatamachi ©︎松本ロゲイニング

 

仮に菅平や朝霧高原のように、里山とオリエンテーリングのテレインが隣接するエリアであれば、積極的にオフトレイルのCP設置も可能になるのかもしれません。オリエン地図ではなく 1/25Kの地形図で表現が可能な難易度がどこまでのものなのか わかりませんが、OMO(奥武蔵マウンテンオリエン)のエリートレベルがもし設定されたとしたら、参加者の夜間の戦略は大きく変わることでしょう。それが現段階で適切なことなのかどうかは私にはわかりませんが。

 

Photo by Hatamachi ©︎松本ロゲイニング

 

ルートプラニングの戦略性に関しては、優勝チーム、柳下さんブログ(リンク)をご参考に。 その柳下さんや、女子優勝チームもお誘いして反省会(という名の呑み会)を催しました。優勝チームと言えども、24時間の中に、それぞれ揺らぎや迷いもあり、レベルは違えども、同じ競技を戦ったという実感が湧き嬉しく思えました。

今回の男子の上位陣は130km D+4500mほど、女子優勝チームは90kmと距離は短いが、ほとんどのCPを山岳エリアで稼ぎ、D+は4000m以上、混合クラスの入賞ラインは100km D+3500mほど。私のチームは混合中位程度(16位)で80km、D+2800mほど。ロゲイニング競技としての基本的なプラニングとナビゲーションスキルを身につけることが大前提ですが、そのプラニングを実行する為に必要となる山岳走力の目安です。この数字を24時間で地図を読み、考えながらこなしていく。さて、あなたもやってみたくなりませんか?


ITRAについて

1年半前を振り返って

当時、自分はこういうポストをしていました。http://mountainma.com/kugishima/2016/02/10/free/

だらだらと長い文章で読みにくのですが、ポイント制という枠組みに対する違和感と、レースをこえた本来あるべきトレイルランニグの「自由」という点を言いたかったと記憶しています。私が今、当時の視点に付け加えるものがあるとすれば、レースというのは、その枠があるからこそ、多くの仲間と共有する楽しみがあるということ。素晴らしかった景色、辛かった登り、そういったことを共有できる仲間ができて、それが一生続く友人になれば、それはとても素晴らしいことだと思うのです。

最近の話題について、わからない方はじろーさんのブログで(リンク) 

さてさて、ここ数週間で話題になっている(日本ではあまりなっていない??)International Trailrunning Association(以下ITRAとHardrock 100他のアメリカトレイルレースオーガナイザーとのやりとりを見て、やはりねー、そうなるよ、というのが率直な感想です。前記のブログポストで紹介したITRAの活動目的は、大きな理念(競技の発展、医療、安全)では、もっともであるのですが、具体的な成果物となると釈然としなくなる。総会で医療、安全に関するガイドライン(リンク)が発表されているが、ITRAのポイントに反映されるわけでもなく、内容もごく一般的なものという印象です。

急増するアジア圏でのトレイルランニングイベントでこういった医療、安全面で対応できていないイベントがあるのであれば、それはそれで一定の意義はあるのかもしれませんが、日本のレース主催者がこれを熟読しているとも思えません。(何故か中国語、韓国語まで翻訳されているのに日本語がありません)

We need to quickly develop our ability to make sure that the guidelines are effectively respected by all race organizers. とあり、ITRA自身も改善が必要と考えているようです。

ワールドチャンピオンシップの開催はアメリカの伝統的なレースからすれば全く興味のないこと(野球で言えばWBCみたいなものかな)、世界ランキングの整備はプロランナーの評価とそれをスポンサードするメーカーにとっては意味のあることになるが、それこそが、Monetize (金銭化)であり、皮肉いっぱいのIronmanization という表現に込められた根本的な開催理念の違いでもあります。ここはどうしても埋まらない溝だと思うのです。Hardrock側が書いているように、アメリカでは国立公園内の自然保護の観点から参加人数の規模が大きく違うので、そこから生まれ出て来る理念やモチベーションは違って当然だと思うのです。そこをあえて埋める必要があるのでしょうか?

ITRAのバランスシートから見えるもの(リンク)

2017の仮予算では、レースの査定料は23,821ユーロ、レースオーガナイザーからの会費(実質査定される上で会員になった方が良いだろうというのが常識的な考えではないだろうか)が85,433ユーロ、両方合わせても110,000ユーロほどです。国際的な競技組織としては小規模であり、支出を見ても4人の専任従業員の給料を払ったら、あとはキツキツ、以上終了、というレベルだと思います。ましてや誰かが私腹を肥やせるような金額の大きさではありませんね。

ただ、パワーポイントに2016で2,200以上のレースの査定実績とありますが、計算が合いません。何かディスカウントシステムが効いているのでしょう。そしてこの数字が正しいならば、これでは大きなことはできないだろうなというのが読み取れます。

他のメジャースポーツでは各国の組織にスポンサー収入や個人会員の集金システムがあり、それが収入源となるわけです。少し飛躍した例えかもしれませんが、陸上だって公認記録をもらうには、団体、又は個人として日本陸連の会員になり年会費を払う必要がありますよね。私たちはそういった組織化、競技化をトレイルランニングレースの将来像として描くのでしょうか?この点においてはスカイランニングの国際組織の方が自然な流れの中で明確にしているように思えます。(賛同する、しないは別の問題としても)

様々な意見が見受けられる中、あるアメリカ人ランナーのコメントが頭を離れません。

「地球のもう片方に素晴らしいレースがあるのに、それに参加する人と、しない人でランナーが二分されてしまうのは悲しい」

もちろん、同じ走力があっての前提です。この意見はITRAに今起こっている事実として認識してほしいと思うのです。ITRAはUTMB と関係性はないと主張したところで、結果としてポイント制度がもたらしている現実だと思うのです。冒頭に書いたように、あの年あのレースのあの景色、すごかったよな、と酒が飲めないのは、ノスタルジーに浸る壮年ランナーのたわごとということでしょうか。残念ながら、私自身に結論や妙案はありません。ただ、このブログを読んでいただいているランナー、特にUTMB®︎、UTMFを目指すランナーのみなさんには、ご本人が意図する、しないに関わらず、このITRAの目指す方向性に沿ってレースを走っているということを理解してほしいと思うのです。

 


菊桜と松と東屋と。

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1,000mクラスの里山の中腹、800m地点の東屋の横には、菊桜(?) でしょうか、明らかに他の山桜とは異なる桜が1本、満開で迎えてくれた。そこは松の巨木の名勝として知られるところで、昔から人が集まる場所のようです。その日も地元の方々が登山道整備を行っていました。挨拶をすると、我々のようなタンクトップとショーツスタイルに嫌悪感を示されるわけでもなく、すぐに立ち話が始まった。東屋には整備活動終了後の一杯に、一升瓶とビールが並べられている。時間があればお仲間に入りたい気分だが、そこは我慢して立ち去ろうとすると、東屋に登頂者名簿があるので是非書いてほしいと言われた。登山届は出すように心がけてはいるが、よく山頂にある登頂者名簿に記名したことはなかった。遭難件数の多い山であれば、そのルートを追うための手がかりにはなるかもしれないし、信仰の山であれば登頂回数が宗教的な意味を持つのは理解できるが、これまで多くの里山になぜ登頂者名簿 があるのか少し不思議に思えていたのだけれど、この地元の方々の笑顔と歓待に会えて理解できました。「おらが里山」そしてそれは素晴らしいものだから、自分達で独占すべきものではなく、できるだけ多くの人と共有したいと思うもの。だからボランティア整備にも入る。登頂者名簿はそういった方々のは励みにもなっているのですね。昨今は個人情報を残すことに抵抗を感じる人も多いだろうから、東京都XX(名字のみ)でも良いと思う。登山届とは違った意味を持つ里山の登頂者名簿にほんわかした連休最終日、朝の里山バーチカルD+730m一気登り、長野県千曲市五里ケ峯にて。


カタクリの花

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花が咲くまで7年かかるという。実際の片栗粉は芋の澱粉から作られるのでそれは別物。絶滅危惧種の希少性からか盗掘の対象となってしまう。トレイルランナーならば、ハセツネコースの山域にも群生地があるのを知っているかもしれません。そのように多くの場合、人に知られてしまい、保護管理の下にあるのだけれど、今日は年に数十人通るかな?というマイナールートの登山道脇に咲いているのを見つけました。この山の麓の集落に有名な群生地があるのだけれど、踏み跡薄いマイナールートの登山道に咲くカタクリを見て「おいおい、こんな目立つ場所に咲いてちゃダメだよ。人に見つからないようにな」と声をかけたくなった。


ここ走りてーな。

2回続けて動画の紹介です。これまで自分の見たことがない映像の美しさでした。アルプスのような荘厳さではなく、日本の神秘的な森の美しさでもない。見ていて気づいたのですが、これはランナーが走っている時に見ている風景とその流れだ。止まっていない。常に後ろへ流れていく。余分なナレーションは一切なし。ただただ美しいシングルトラックをレース展開とシンクロさせて撮影している。バイクから撮ったのだろうか?かなりのハイスピードだ。

 

 

私的な見所はKaciとMagdaの併走。登りでMagdaが引っ張り、下りでKaciがギアを上げる。KaciはNike、MagdaはHokkaだからチーム戦術ではなく偶然そうなったとインタビューで答えている。そして二人は手をつないで同着2位でゴール。このレースの上位2名はWestern Statesの出場権が与えられるゴールデンチケットレース、Western Statesは有名選手でも抽選なのだ。さすがにKaciは前年のWestern States優勝者だからチケットは必要ない。Magdaがチケットを手にいれてめでたしめでたし。男子の2位は後半に追い上げたDakota Jones、この顔を覚えている人も多いだろう。数年前のハセツネで優勝している。自分は応援で山中にいたので彼のタフさと、その後に聞いたレース展開や彼自身のブログから、聡明な選手だなと感じていた。今回の追い上げからの2位も冷静でタフな奴という印象だ。

もう、こんなレース走りたくなりますよね。Lake Sonoma 50、2018の要項はまだUltra Sign Upにも出ていないけれど、今年の登録と抽選は、12月、そしてレースは4月中旬、北米にしては人数も多めの400人だが、抽選倍率は高そうだ。あ、ルールが3つだけあるそうです。それが守れない人はダメよと。

1 ゴミ捨てるな

2 良い人であれ

3  楽しめ

1,2の違反は失格、3の違反はレース後のビール取り上げちゃうぞ。

以上

シンプルでいいな。

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「LIFE IN A DAY」国際女性デーに公開

Western States Endurance Run​ 2016を走った4人の女性アスリートのドキュメンタリーフィルム。字幕がないので英語がわかりにくいのですが、 Billy Yang Films​の動画は音楽のセンスが良く、カメラマンが走れるのでスピード感と躍動感があり、流してみるだけでも十分価値があると思います。

 

<私的な勝手な見所>

27′40 から  Devon Yanko が自分の悲しい過去を語り始めます。普段聞き慣れない単語が出てくるので、正直、内容を理解できませんでした。彼女の身に何が起こったのかは、彼女のブログ http://www.devonyanko.com/news/(リンク) のDec,17,2016 に書かれています。重いテーマであり、当初はアメリカの影の部分のような印象を受けましたが、これはもしかしたら世界中で起きていることで、声をあげられない女性もいるのではないかと思います。悪い奴は世界中どこにでもいるから。それでもトレイルランニングと出会い、回復していく自分を語るDevonにもらい泣きしてしまいました。走っている最中に、ライバルのMagdaがドロップしたことを知り、カメラマンに Is she OK ? と聞いている彼女に、人としての優しさを垣間見ることができます。

41′15 から Kaci Licteig の魅力

常に笑って走る。小柄で細い腕を大きく振りながら走る様はとても好感が持てます。この時も蛇を踏みそうになって騒いでいる(笑)

48′48  から Anna Mae は71mileでドロップしてしまいましたが、プランしても絶対にその通りにはならない100マイルレースを、女性が期待されるステレオタイプの人生と対比しながら振り返ります。

55′55から 2015の優勝者、Magdalena Bouletもドロップという結果でしたが、彼女も人生に例えて今回の100マイルを振り返ります。おそらくこの4人では年長者(失礼! )であろう彼女の語り口は穏やかで説得力があります。そしてわずか13日後のSPEEDGOAT 50Kで見事表彰台に上がっています。

もし、Billy Yangが日本の女性4人をフィーチャーしたら、誰と誰を選ぶでしょうか。それは貴女かも..

 


Dragon’s Back Race その後…

一昨年にこのブログであるレースの報告会をお知らせしました。

http://mountain-ma.com/kugishima/2015/09/04/dragonback/(ブログへのリンク)

http://www.mtsn.jp/journal/detail.php?id=436(mt.SNへのリンク)

2015年に館野氏が日本人として初めて完走したDragon’s Back Race です。

隔年開催にあたる2017年の今年、日本からTJAR完走者や女性一人を含む4人が挑戦するそうです。報告会の実行委員をさせていただいたこと(実質、呑んだだけのような…)がご縁で壮行会にご一緒させていただきました。

館野氏から地図の説明を受ける挑戦者達@炭や

館野氏から地図の説明を受ける挑戦者達@炭や

 

現在人気の海外レースも最初は必ず日本から挑戦する先駆者がいる。そういう人たちをリスペクトしたい。UTMBやTDGの最初の日本人参加者は誰なのでしょうか?UTMBのリザルトを開催開始の2003年から見ていくと、2005年の13位にやはりこの人、石川弘樹氏の名前がありました。近年になって、Dogs & Caravanのインタビューで当時は13位でゴールしても誰もいなかったというエピソードを話されています。TDGは調べられませんでしたが、イタリア語が読める方なら検索できるでしょう。

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人気レースに落選してもがっかりせず、自分が先駆者となって新しいレースを見つけにいくのもよいかもしれませんね。

 


コンパスの怖い話

IMG_8305いやいや、そんなことって本当にあるんですね。話には聞いていたのですが….

コンパスの針が南北逆を指す。ロゲの一斉スタートでチーム内のひとりだけ逆を向いて走り出すとか。それなら笑い話だ。ソロ山行でコンパスを使用しようとした時に南北が逆だったら….怖いですね。

オリエンに出てみましょ、って方がいらしたので、ロゲに出ていた頃のコンパスを引っ張りだしてきた。それでもって皇居で整置((地図上の北とコンパスの北を合わせて地図の向きを整えること))してみましょう、と整置すると、あれ?お堀が逆だわwww

こういう現象は百均のコンパスとかで発生するものかと思いきや、この方のコンパスは有名S社製、高い安いは全く関係ないそうだ。磁気を帯びたもの、例えば電化製品などの近くに保管しておき、それを動かした時に針の上を磁気方向が動くと、南北が入れかわってしまうそうだ。なるほど。ちなみに、微妙に狂うというのはないそうです。磁気が弱くて不安定になるということはあるかもしれませんが。

直し方は以下のリンクで。その方のコンパスも直りました。

 

もうひとつ。コンパス内の気泡の話…高い標高や低い気温になると、オイルの中に気泡が入ってしまうケースがある。ある程度は仕方のないことらしい。ただ、その気泡のせいで針が変な方向で止まっていないか注意をする必要があり、それがストレスになるようであれば、もう1つ買おう、ということになる。ナビゲーション競技をされる方なら必ず予備コンパスは持っているだろうから、そちらを予備にするとか。ちなみに私のモスクワコンパスは標高あげたり、気温が1桁になると気泡がコロコロしています。普段は上の写真のように何もない状態ですけれど。

皆さんのコンパスも一度チェックしてみてください。

追記: この写真を撮ろうとスマホを近づけると針が動きますね。当たり前なんでしょうけど。