若いってことは、いいことだ。


こんにちは、藤岡です。連休終わっちゃいまいました。

さて先日の投稿でも触れましたが、お腹にいる赤ちゃんさえも参加し完走するトレイルランニング。サン・マウンテンではちびっ子が走る1キロの部も大盛況でした。
以前は平均年齢が比較的高かったトレイルランニングも、こうして裾野が広がっていくにつれてジェフ・ローズ(Geoff Roes)が言うとおり平均年齢が下がっているようですし、こちらの記事にもある通りトップランナーの年齢も下がってきているようです。

私が今年参加したレースでも10代のランナーが度々上位でゴールしていました。特に2月のオーカス島50キロで去年に引き続き優勝したオレゴン州出身のアンドリュー・ミラー(Andrew Miller)は、昨年17歳で同レースを優勝したことでアメリカ国内で一躍その名が知れ渡りました

アンドリューはサロモンのスポンサーを受けており、将来国際レベルでトップを競えるランナーとして4月に世界中の若い有望ランナーと一緒にイタリアでトレーニングをしていたそうです。その時のカッコイイ動画がこちら。(35秒くらいから走りながら一人ひとり自己紹介するシーンがありますが、三番目がアンドリューです。)

下の動画は今年のオーカス島50キロのビデオ。2分20秒あたりでインタビューに答えている人、2分47秒ごろのスタートシーンでスタートと同時に先頭に飛び出しているランナーがアンドリューです。むっちりとした下半身が印象的でした。(ちなみに私もこの動画にちらほら出てきます。)

他のスポーツ同様、トレイルランニングにおいても世界のトップで活躍する選手は、必要とされる体力と技術のうち特に技術の面で、育った環境が重要と言われています。ピレネー出身のキリアン・ジョルネや、ネパール出身のダワ・シェルパなどが下りで速いのは、やはり小さな頃から山に親しんでいたことが大きいようです。
確かに、年をとってから技術を頭で覚えようとするより、若い頃から体で技術を吸収するほうがよいのは想像に難くありません。

となると、私の様なおっさんランナーはどんどん太刀打ちできなくなって夢も希望もないかというと、必ずしもそんなことはありません。ある調査によるとやはり若い年齢のランナーのほうがピークは高いのですが、30代や40代で走り始めた人でも、練習を継続的に続ければ若いランナーと同じようにしばらくは右肩上がりの成長曲線を描き、4年程度でピークを迎え、やがてゆっくりとパフォーマンスを落としていきます。つまり早く競技を始めても遅く始めてもある程度伸びしろはあるし、若いランナーと同じくらいの期間競技生活を楽しめるはず。

説明。

Two Ocean Ultra-marathon完走者50000人のデータを元に、最初にレースに参加してからの経年ごとのスピードの変化を表したグラフ。縦軸がスピード(時速)、横軸が年数(年齢)です。上の図は各年代のグラフを重ねたもの。20代が一番山が高い(=スピードが速い)ですが、どの年代も4年を経過するとスピードが落ちてきます。
出典:Ultra-Trail : Plaisir, performance et santé
原典:Rae DE et al. The interaction of aging and 10 years of racing on ultraendurance running performance. J Aging Phys Act. 13(2):210-22, 2005


ということで、まだ速くなれることを信じて、おっちゃんは今日もトレーニングに行ってきます。


サン・マウンテン50マイル走ってきました。


こんにちは、藤岡です。今週末アメリカは正月以来の祝日となるメモリアル・デー。暦の上ではこの日を境に夏が始まりますが、すでに初夏の陽気です。

さて、前回のブログでお伝えしたとおりレインシャドウ・ランニング(Rainshadow Running)主催のサン・マウンテン50マイル(Sum Mountain 50m)を走ってきたので、今回の投稿ではレースレポートを書いてみようと思いますが、その前に先ずはレース当日の雰囲気を感じてもらうために、ぜひこちらのグレン・タチヤマ(Glenn Tachiyama)さん撮影の写真を見ていただければと思います。
グレンさんはトレイルランニング界では大変有名な写真家で、私がサポートを受けるセブンヒルズランニングショップの店員でもあります。
陽の光をあびながら、中にはキツそうな顔をしている人もいますが、多くの人は笑顔で本当に楽しそうに走っています。

でもって私の結果はというと、iRunFar.comの記事の「Other Races」の欄にちょこっと出ていますが、優勝(!)しました。

前回の投稿にも出てきたジェームス・ヴァーナーとツーショット。

前回の投稿にも出てきたジェームス・ヴァーナーとツーショット。


ということで、以下レースレポートです。


今回のレースが行われたサン・マウンテンは、シアトルからは車で北東に4時間のウィンスロップ(Winthrop)という西部の町を再現した小さな町の近くにあります。

シアトルから見るとノースカスケード山脈の向こう側の内陸にあり、シアトルと比べると冬は寒く夏は暑い気候です。レース当日は晴天で最高気温は25℃くらいまで上がりました。

シアトルから人気の小旅行先ウィンスロップは、観光客を呼ぶためにウェスタン調の町にしたそうです。

シアトルから人気の小旅行先ウィンスロップは、観光客を呼ぶためにウェスタン調の町にしたそうです。


比較的高低差が少なくテクニカルな場所も無く走りやすいコースで、昨年ウェスタンステイツ(Western States Endurance Run)で2位に入ったセス・スワンソン(Seth Swanson)が2012年に出した6時間08分32秒がコースレコードです。

レース前にエントリーリストを確認したところ、当初エントリーしていたゲイリー・ロビンスが直前で取りやめたため、上位を狙う可能性があるランナーはパタゴニア・ランニングチームのロッド・ビエン(Rod Bien)と、セブンヒルズのチームメイト、ケビン・ダグラス(Kevin Douglas)あたり。自分の走りをすれば十分チャンスはあると考えてレースに望みました。
ちなみに、ゲイリー・ロビンスは会場には来ていましたが、身重で25キロの部を走る奥さんをサポートするためにキャンセルしたようです。奥さんは無事に完走。お腹の子(0歳)も完走者に入ってました。

ベイビー・ロビンス(0歳)、無事完走です。最下位でもう一人ベイビー・ガイリー(0歳)が完走してます。

ベイビー・ロビンス(0歳)、無事完走です。最下位でもう一人ベイビー・ガイリー(0歳)も完走してます。

朝7時にレースはスタート。案の定、最初からロッドとケビンと私の3人が後続をあっという間に引き離して、比較的フラットな最初のセクションを進みます。

最初の15キロほどはロッドとケビンが前、すぐ後ろを私がぴったりと追う展開(グレンさんの写真[※万が一著作権の問題があるといけないのでリンク先の画像を御覧ください。])。前の二人が最近出たレースの話や今後のレース予定などを話すのを聞きながら走りました。途中私有地の牧場に入り、行く手にいる牛をロッドが威嚇して追っ払いながら走ったり、レースディレクターのジェームスにマウンテンバイクで先導されたりと、なかなかイベント感のある序盤でした。

中盤くらいまでこのままついていって後半勝負しようかなぁと漠然と考えていたところ、20キロ前後にある最初の山でケビンが「このペースのままいくのはちょっとキツイので先に行ってくれ」とスローダウン。続いてロッドにも「先に行きたかったらいってくれ」と言われ、流れで私が先頭を走る展開に。
私としては気持ちの良いペースで走っていたので、そのままペースを変えずに先頭で山を登り下ると、はじめは私についてきていたロッドの息遣いがやや荒くなり、やがて差がジリジリと広がってきました。後ろを振り返らずに自分のペースで走り続けると、やがて追いかける足音も聞こえなくなりました。


25キロ地点あたりからは単独走。朝早いうちは木陰が涼しくそよ風が心地よかったのですが、時間が経つに連れて気温が上がってきました。脱水症状やハンガーノックにならないように、いつもより頻繁に水分とエネルギーを補給しました。

ペースを大きく落とさなければ後続に追いつかれることはないだろうと思ってはいましたが、あまり先頭を走ることに慣れていないので、見えない影にすこし怯えながら、足の回転を落とさないことを意識してひとり進みました。木陰がないところはちょっと暑いけれど、花であふれて美しかった。


途中すこし苦しい時間帯もありましたが概ね順調に中盤をこなし、大きくペースを落とすことなく70キロ地点にある最後の山へと進みました。ここは山の頂上を折り返し地点とする上り下りのセクションで、後続との距離がわかります。それなりに傾斜があるためスピードは出ませんでしたが、小さなピッチで走って折り返し地点まで登った(グレンさんの写真)あと、来た道を誰ともすれ違わずに下り切りました(グレンさんの写真)。かなりの差が付いていることがわかり、ここで勝利をほぼ確信しました。リスクを侵さず無理せずクルージングでゴールへと向かいます(グレンさんの写真)。

最後はレインシャドウ恒例、ジェイムスとのハイファイブでゴール。タイムは6時間30分09秒。終始うまくペースをマネージできた会心のレースでした。

また、チームメイトのケビン・ダグラスが4位、50キロの部では同じくチーム・セブンヒルズのアダム・ヒューイ(Adam Hewey)が3位、セブンヒルズのオーナー、フィルが4位と、チームとしても素晴らしい結果でした。

クラフトビール注ぎ放題!

クラフトビール注ぎ放題!


ゴール後はビールとピザをたらふくいただきながら、ゴールしたランナーに拍手を送ったり、ランナーとおしゃべりしたりしてしばらく余韻を楽しんでいました。セブンヒルズのロゴが入ったシャツを着たランナーもたくさんいました。

Way to go Team 7 Hills!(チームセブンヒルズ、その調子!)


「他のレース走ってる場合じゃないでしょ〜♪」


こんにちは、藤岡です。だいぶ日が長くなってきました。雨の日も減って来て、いい季節です。

さて、明日(5月16日)レインシャドウ・ランニング(Rainshadow Running)が主催するサン・マウンテン50マイル(Sun Mountain 50m)を走ってきます。サン・マウンテンは初出場ですが、レインシャドウ・ランニングが主催する他のレースは何度か出場していてどれも最高なので今回も楽しみです。

ということで今回は、私も大好きなレインシャドウ・ランニングのレースをちょっとご紹介します。

レインシャドウ・ランニングはワシントン州とオレゴン州の各地でレースを主催しています。どのレースもとても人気があり、ほぼすべてのレースで枠がすぐに埋まってしまいます。エントリー枠はレースによって異なりますが、多くても300人ほどとちょうど良い規模。25キロから100キロまでの様々な距離のレースが開催されており、加えて来年2016年2月にはレインシャドウ史上初の100マイルレースがシアトルの北西にあるオーカス島(Orcas Island)で開催されます。

“Why run anywhere else?”

“Why run anywhere else?”

 
私も日程が合えばレインシャドウのレースに迷うことなくエントリーします。今年もすでに2月のオーカス島50キロ(Orcas Island 50k)、4月のヤキマ・スカイライン・リム50キロ(Yakima Skyline Rim 50k)はランナーとして出場しました。加えて前回の投稿でもお話したとおり3月に西城さんのペーサーとしてゴージ・ウォーターフォールズ(Gorge Waterfalls)を走りましたが、これもレインシャドウのレースです。

レインシャドウのオーナー兼レースディレクターのジェームス・ヴァーナー(James Varner)はパシフィック・ノースウェスト(=アメリカ太平洋岸北西部)のトレイルランニング・シーンの中心人物の一人。

ジェームス・ヴァーナー(James Varner)。

ジェームス・ヴァーナー(James Varner)。

 
彼は「みんなで楽しくパーティーするなかで、その一部として山を走ることを楽しもう」というアプローチでレースを企画していて、無理に煽って盛り上げることもなく、堅苦しいこともなく、常にみんなが自然体で楽しめるレースを作りあげています。

ジェームスがスプレーで線を引いたところがスタートライン。オーカス島50キロではスプレー缶を忘れて、かかとでスタートラインを引いてました。

ジェームスがスプレーで線を引いたところがスタートライン。オーカス島50キロではスプレー缶を忘れて、かかとでスタートラインを引いてました。

 
レインシャドウ・ランニングのレースの特徴をいくつか挙げると…

1. レースのあとのお楽しみ。
ゴールでジェームスとハイファイブしたら、ゴールの周りでレースの余韻に浸りながらビールとピザでピクニック。表彰式なんてやりません。周りの人と話してもよし、日陰で寝てもよし。ゴールする人に拍手を送りつつ、生バンドの演奏を聞きながら、気ままにのんびり時を楽しめます。

石窯ピザ!

石窯ピザ!

そしてミュージック!

そしてミュージック!

 
2. 走りごたえのあるコース。
レース後には楽しいひとときが待ってますが、レースは超本格派。オーカス島やヤキマはかなりの高低差、ゴージ・ウォーターフォールズはけっこうテクニカルとレースそれぞれに特徴があり、経験のあるランナーも十分楽しめるハードさ。その証拠にゴージ・ウォーターフォールズはモントレイル・ウルトラ・カップ(Montrail Ultra Cup)の一戦に組み込まれ、高いレベルのレースが行われましたし、それ以外のレースでもエリート選手が出場することも多く、例えばオーカス島50キロではゲイリー・ロビンス(Gary Robbins)や若干19才の超新星アンドリュー・ミラー(Andrew Miller)、ヤキマ50キロではマイク・フート(Mike Foote)が出場していました。

ヤキマのタフな登り。

ヤキマのタフな登り。

 
3. 最高のロケーション。
太平洋を望む海岸沿い(オレゴンコースト50キロ&30キロ)、コロンビア川渓谷(ゴージ・ウォーターフォールズ100キロ50キロとビーコンロック50キロ&25キロ)、ノースカスケード山脈の中(エンジェルス・ステアケース65キロ35キロ)、乾燥した壮観な峡谷(ヤキマ・スカイライン・リム50キロ25キロ)、緑豊かな閑静なリゾートアイランド(オーカス・アイランド100マイル50キロ25キロ)など、パシフィック・ノースウェストでも選りすぐりの風光明媚な自然の中でレースが行われます。

ヤキマのコースは周りに視界を遮るものなし。レーニエ山を望みます。

ヤキマのコースは周りに視界を遮るものなし。レーニエ山を望みます。

オーカス島では苔生す森を駆けまわります。

オーカス島では苔生す森を駆けまわります。

 
そんな楽しいレインシャドウ・ランニングのレースのキャッチフレーズは、“Why run anywhere else?”(「他のレース走ってる場合じゃないでしょ〜♪」)。本当にそのとおり!こちらのトレイルランニングレースの雰囲気を楽しみたい方、絶対おすすめです。

ということで、サン・マウンテン、楽しく走ってきます。

今回もゴールでジェームスとハイファイブしてこようと思います!

今回もゴールでジェームスとハイファイブしてこようと思います!


西城克俊さんがお話します。

西城さんがお話するイベントがあります。写真は、西城さんのペーサーとしてGorge Waterfalls 100kの最後の20キロほどを一緒に走ったときのもの。
こんにちは、藤岡です。頼まれてもいないのに勝手に告知です。

来る5月29日(金)19時30分から、パタゴニアの横浜・関内ストアにて、「Lifelong Trail ~トレイルランニングと旅と日常~」というタイトルでパタゴニア・トレイルランニング・チームの西城克俊さんが写真や映像を交えてお話をします。詳細はこちら

西城克俊さんは3月21日にワシントン州ベリンガム(Bellingham)で行われたチャカナット50キロ(Chuckanut 50k)と3月28日にオレゴン州で行われたゴージ・ウォーターフォールズ100キロ(Gorge Waterfalls 100k)に参加されました。私もチャカナット50キロはランナーとして走り、またゴージ・ウォーターフォールズ100キロは西城さんのサポートに行ってきました。当日はこの時のお話が聞けると思いますので、都合のつく方はぜひ参加してみてください。

告知ついでに、ちょっとゴージ・ウォーターフォールズ100キロについてお話をしましょう。

滝の裏も走れます。

滝の裏も走れます。

 
このレースが開催されたのはオレゴンとワシントンの州境に流れるコロンビア川渓谷。オレゴン州ポートランドからほど近い場所で、アメリカの国定景観区に指定されています。氷河期の氷河の移動で出来あがった渓谷のあちこちからたくさんの滝が流れ、景勝地としてたくさんの観光客やハイカーが訪れる場所です。

ゴージ・ウォーターフォールズは100キロのレースと50キロのレースがあり、100キロのレースは50キロのゴール地点からスタート地点へと向かったあと、折り返して帰ってきます。以下の映像は私が去年50キロを走った時のもの。こんな風に大きな滝の直ぐそばを走ったり、滝の裏を通り抜けたりと、すごい景色の中を走ります。

レースのホームページにあるコースプロフィールを見てみると、累積標高は12000フィート(3658メートル)と一見そこまで難しくはないように見えますが、実はかなりテクニカルな難コースです。私が昨年走ったときは、石が突き出るトレイルに風景を楽しむ余裕がなくなるくらい手こずりました。

今年の100キロはモントレイル・ウルトラカップ(Montrail Ultra Cup)の一戦として行われたこともあり、男女各2名づつに与えられるウェスタンステイツ(Westen States Endurance Run)のチケットを狙う有力選手が多数参加してハイレベルなレースになりました。こちらが主催者によるレース前のプレビュー記事です。西城さんの名前もありますね。

レースは途中だれかの悪質ないたずらでコースを示すマークが変えられ、先頭集団が全員まとめてミスコースするというアクシデントもありました。先頭集団のレース状況は以下の映像(英語)を御覧ください。

ちなみに男子はわがワシントン州のジャスティン・フック(Justin Houck)が優勝。昨年から本格的にトレイルランニングを始めた彼は、今年からサロモンチームに所属しています。私は昨年ジャスティンと三回同じレースを走りましたが、そのうち二度は彼がダントツの速さで優勝しました。上り下りが速く、今年のウェスタン・ステイツでも要注目ですよ。

私と妻はレース中、各エイドステーションに先回りして西城さんの補給等のお手伝い。最後の数キロはペーサーとして一緒に走りました。

レースやこちらの雰囲気についてより詳しい話をお聞きになりたい方、ぜひ横浜・関内に足を運んで直接西城さんに話を伺ってみてください。


スコット・ジュレクが帰ってきた。

こんにちは、藤岡です。シアトルはもうすぐ雨季が明けて、短いけれど最高の夏が始まります。

さて、先日(4月24日)の夕方、私がサポートを受けているシアトルのトレイルランニング専門店セブンヒルズ・ランニングショップ(Seven Hills Running Shop)で、スコット・ジュレク(Scott Jurek)を迎えてグループランが行われました。私も妻と一緒に参加してきました。

https://farm8.staticflickr.com/7659/17175496567_db9e8cc56f.jpg

ジュレクと走ってきました。

 
ウェスタンステイツ7連覇、スパルタスロン3連覇。アメリカにとどまらず日本やヨーロッパでも有名なスコットは、アスリートとして活動していくなかで、より良いパフォーマンスをするために菜食主義に変わっていったことでも有名です。現在ではさすがにレースの第一線で活躍しているというわけではありませんが、講演や国外でのアドベンチャーランなどの活動を精力的に行っています。

日本語にも翻訳されている「Eat & Run」は、「Born to Run」とともにベストセラーで、アメリカでもこれを読んでトレイルランニングを始めたという人も多いと聞きます。

スコットは現在コロラド州ボルダー在住ですが、1998年からしばらくのあいだシアトルを拠点に活動しており、今はすでに閉店したシアトル・ランニング・カンパニー(Seattle Running Company)で働きながら走っていました。セブンヒルズ・ランニングショップのオーナー、フィル(Phil)も当時シアトル・ランニング・カンパニーで店員として働いており、二人は旧知の仲です。

シアトルにゆかりのあるスコットはシアトルでも大人気。今回のグループランにはたくさんの人が参加し、ショップ史上最大規模のグループランになりました。

たくさんの参加者と夕方のディスカバリーパークを一列で走ります。

たくさんの参加者と夕方のディスカバリーパークを一列で走ります。

 
グループランでは足が速い人も遅い人みんな一斉にショップをスタートしたあと、ショップの直ぐそばにあるディスカバリーパーク(Discovery Park)をゆっくりと一周しました。
この公園はシアトルの中心地からも遠くないところにある住民の憩いの場。断崖の上や砂浜からピュージェット湾を望んだり、木々の間を通ったりと、いつ来てもとても気持いい場所です。

浜まで下りてきました。

浜まで下りてきた。

 
私は先頭付近を走ったり、後ろの方に回ってみたりと楽しみながら走っていました。途中、スコットの後ろにくっついてどんな走りをするのかをじっくり観察してみましたが、長身でありながら早いピッチで全く蹴りあげない走りは、エネルギーの消耗が少なそうな経済的な走り方でした。

後ろから走りを観察してみました。効率的な走り方でした。

後ろから走りを観察。効率的な走り方でした。

 
スコットは非常に快活で社交的。走りながらも誰にでも積極的に話しかけてくれますし、質問にもよどみなく応えてくれます。食に関する知識も豊富で、グループランのあとの質疑応答では「ベジタリアンが効率的にタンパク質を取るためには、アメリカ人にとってエキゾチックに思えるかもしれない味噌や豆腐やテンペ(Tempeh)を恐れずに試してみるといいよ」「ベジタリアンはエネルギー不足になりがちなので脂肪を取ることを恐れないように」「でもオリーブオイルをフラスクに入れて補給食にするのは止めたほうが方がいいよ」(「Eat & Run」を読んだ方は御存知のエピソードですね。)と体験を交えながら具体的にアドバイスしていました。数多くの講演をこなしていることもあって、とてもコミュニケーション能力に優れていました。

話すのも達者です。

話すのも達者です。

 
ちょっとスコットに魅了された夕方でした。


シアトルから、はじめまして。

こんにちは、はじめまして。藤岡です。この度、こちらでブログを始めさせていただくことになりました。ほとんどの方は私をご存知ないと思うので、まずは簡単に自己紹介から。

現在アメリカ・ワシントン州在住、シアトルのトレイルランニング専門店「セブンヒルズ・ランニングショップ」(Seven Hills Running Shop)のスポンサードランナーです。けっこう年齢がいってますが、若い人にまじって走っています。ショップのホームページ上の私のプロフィール(英語)はこちら。過去のレースの成績(英語)はこちらです。

こちらのブログでは、参加したレースやイベント、日々のトレーニングの話題などを通じて、アメリカはパシフィック・ノースウェスト地方のトレイルランニング事情や雰囲気を少しでもお伝えできればと思っています。

さて、最初の投稿となる今回は、私が日頃走っているシアトルとその周辺のトレイルランニング事情について紹介してみようと思います。

みなさんはシアトルと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?かつてイチロー選手が在籍し現在岩隈選手が所属するマリナーズを思い浮かべる方が多いですかね。企業ではスターバックスコーヒー、マイクロソフト、コストコ、ボーイング、任天堂アメリカ本社などが有名どころ。あるいは降り続く小雨やレーニエ山をイメージする方もいるかもしれません。

Starbucks Reserve Roastery & Tasting Room

スターバックスの高級店、Starbucks Reserve Roastery & Tasting Room。


これらに比べるとあまり知られていませんが、シアトルは1990年代から2000年代初め、アメリカトレイルランニング勃興期の中心地でした。スコット・ジュレク(Scott Jurek)、クリッシー・モール(Krissy Moehl)、ハル・コナー(Hal Koerner)が拠点としていたのがここシアトル。トレイルランニングやアウトドアにゆかりの深いモントレイル(Montrail)、REI、ブルックス(Brooks)、Outdoor Researchもシアトルの企業です。

近年、エリートランナーの多くはコロラド州ボルダーやアリゾナ州フラッグスタッフに活動の拠点を移し、必ずしもトレイルランニング文化の中心とまでは言えなくなってきましたが、それでも豊かな自然とカスケード山脈に囲まれたシアトルにはトレイルランニングのコミュニティが今もしっかりと根付いています。

カスケード山脈の最高峰、レーニエ山にて。

カスケード山脈の最高峰、レーニエ山にて。


このシアトルがあるワシントン州を中心に、北はバンクーバーを含むカナダ・ブリティッシュコロンビア州、南はオレゴン州までを含むアメリカ太平洋岸北西部一帯をパシフィック・ノースウェスト(Pacific Northwest)と呼びます。日本でも有名なランナーとしてはエリー・グリーンウッド(Ellie Greenwood)やマックス・キング(Max King)、ステファニー・ハウ(Stephanie Howe)、ゲイリー・ロビンス(Gary Robbins)などが現在この地域を拠点としています。コロラド、カリフォルニア、アリゾナと並んでアメリカでもっともトレイルランニングが盛んな場所です。

Cascade CrestやWaldoなど日本でも名前の知られているレースをはじめとして、毎週末どこかしらで大小さまざまなレースが開催されています。それぞれのイベントはオーガニックに形成されたコミュニティのボランティアによって支えられ、肩肘張らずに自然体なトレイルランニングを楽しむ事ができます。

…と、簡単な概要はこんな感じですが、百聞は一見にしかず、実際に来ていただくと感じることが多いと思います。機会があったら、ぜひこちらの雰囲気を味わいに来てください。

パーティータイム!

3月に行われたGorge Waterfalls 100kのゴール周辺。最高の雰囲気です!