Backcounrty Rise

9月9日に初開催「Backcoutry Rise」の50キロの部を走ってきました。

コースは1980年に大噴火したセント・ヘレンズ山を望むエリア。「Backcountry(=奥地、へき地)」という名前の通り、ちょっとしたハイキングではあまり入ることのない、最低限の整備しか行われていないトレイルにも入ります。

こちらのビデオを見ていただくと分かる通り、景色が最高でした!

獲得標高がそこそこあって、なかなかの難コース。今回優勝したあのマックス・キングでも、フィニッシュ・タイムは4時間台後半でした。

それでも、次から次へと訪れる息を呑むような眺めに、スタートから…

Photo © : Pursuit Films

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ゴールまで…

Photo © : Pursuit Films

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終始笑みが溢れるくらいに満喫しました。おすすめのレースです。

人気のTeritory Run Co.製レース・ロゴ入りTシャツも素敵です。


煙たい夏

ご無沙汰してます。藤岡です。

今年のパシフィック・ノースウェストは山火事が多くなっています。

山火事防止啓蒙のキャラクター、スモーキー・ベアー


つい昨日(2017年9月3日)にもオレゴン州のコロンビア川渓谷で、花火の不始末が原因の森林火災があり、140人のハイカーが一時トレイルに取り残されるというニュースがありました。ブログで度々紹介しているGorge Waterfallsというレースはまさにこのトレイルで開催されています。

夏のトレイル・ランニング・イベントも多発する山火事の影響を受けていて、オレゴンの人気100マイルレースレースPine to Palmや、同じくオレゴン州のレースThe NUTは中止になりました。

8月5日にレーニエ山の近くで開催されたWhite River 50に、昨年に引き続きエイドステーションのボランティアとして参加してきました。

今年もWhite River 50マイルのエイド・ステーション・ボランティアに行ってきました。


このときは数百キロ離れたカナダはブリティッシュ・コロンビア州の大規模な山火事で発生した煙がワシントン州を覆い尽くし、さらにはオレゴン州やアイダホ州まで達したとのこと。いつもならコース上から拝めるすぐ近くのレーニエ山さえ望めない状況でした。

https://twitter.com/NWSBoise/status/893124336101359616

その翌週の8月12日〜13日には、Bigfoot 200を走るMMAブロガーの釘嶋さんの応援に行ってきました。風向きの影響もあってだいぶ状況は改善していましたが、それでもまだカナダの山火事の煙が残る状況でした。

8月26日〜27日に開催されたワシントン州の伝統の100マイルレースCascade Crest 100では、私はカリフォルニアからやってきたウィリーのペーサーをしに行ってきましたが、このレースもすぐ近くの山火事のせいで後半の50マイルを使うことができず、ループコースから前半の50マイルを折り返すコースへと変更されました。

そして今日ハイキングに行ったレーニエ山でも、やはり近くの山火事の煙が周囲一帯を覆っていました。

夏は好天が続くことが多いパシフィック・ノースウェストですが、今年は記録的に降雨が少なく乾燥していて、事態はまだしばらく収束しそうにありません。

雨乞いでもした方がいいですかね。


レッツ・パーティー!〜 Beacon Rock 50k

6月10日にビーコン・ロック州立公園で行われたBeacon Rock 50kを走ってきました。一昨年私の妻が25キロの部を走りましたが、私が走るのは3年ぶり。

ワシントンとポートランドの州境を流れるコロンビア川のワシントン側に位置するビーコン・ロック州立公園のシンボルは、ビーコン・ロックという巨大岩。コースから望むことができます。

コースからビーコン・ロックを望む。(2015年撮影)


スタート・ゴール地点はちょっとした野外フェスができそうな規模のグループ・キャンプ場で、レースがある週末は主催者のレインシャドウ・ランニングが借り切っています。参加者の多くはレース前日から会場入りしてテントを張り、ポットラック・パーティーを楽しみます。

また、レースが終わったらゴール地点を囲んで、音楽を聞きながら…

ビールを飲み…

ピザを頬張り…

また水遊びをして遊んだりと、ゆっくり思い思いに時を過ごします。

そんな、走るだけではなく色んな楽しみが詰まったBeacon Rock 50kは私のお気に入りの一つです。

さてさて、走りの方ですが、最初の15キロほどは昨年10月のレースなどで度々顔を合わせているポートランドの俊足ランナー、タイラー・グリーンと、今年のレーススケジュールなどについておしゃべりしながら進みました。

昨年のWaldo 100でも優勝しているタイラー・グリーンは私よりも実力が上で、15キロ以降に彼がペースを上げてからは差は開くばかり。夏にある目標レースに向けて無理して怪我をしては元も子もないので、私はリスクを犯さず自分の走りに徹しました。

結局、4時間45分41秒のタイムで2位でゴール。レースディレクターのジェイムス・ヴァーナーがいつものようにハイタッチで出迎えてくれました。この時期はだいたい好天が続くのですが、珍しく雨に見舞われてコースからの眺めはちょっと悪かったものの、少し気温が下がって気持ち良く走れました。

4時間18分のコース・レコードで優勝したタイラーもゴールで待っていてくれて、お互いに「一緒に走れて楽しかった!」と健闘を称え合いました。

今回のビール(ビーコン・ロック編)

こちらではトレイル・ランニングとビールは切っても切れない関係で、レース後はほぼ必ずといっていいほどビールが供されますし、強者になるとレース中にエイドステーションでビールを飲んでいるなんて場合もあります。

加えて、パシフィック・ノースウエスト(ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア北部の太平洋岸沿い)は、マイクロ・ブルワリーの宝庫。バラエティに富んだビールに出会えます。

ということで、レースのあとに振る舞われたビールのご紹介。今回頂いたのはビーコン・ロックから車を20分ほど走らせたところにあるバックウッズ・ブルーイングカンパニー「Gifford Pinchot Pilsner」と「Blueberry Wheat」

Gifford Pinchot Pilsnerはピルスナー・ビールが生まれたチェコのホップを使った、「花と香り」(spicy floral aroma)と「草原の風味」(grassy notes)が特徴のビール。

Blueberry Wheatは、ほんの少しだけブルーベリーのフレーバーがする、夏限定の白ビール。

どちらもクリスプで爽やかな飲み心地。軽快な夏にピッタリのビールでした。


新緑の森を走る〜McDonald Forest

アメリカでは5月最終月曜日の祝日であるメモリアル・デー頃から夏が始まると考えられています。夏を目前に控えていよいよアメリカのトレイル・ランニングシーズンも本格化。各地で多くのレースが開催されています。

私も5月13日にオレゴン州で開催されたマクドナルド・フォレスト50k(McDonald Forest 50k)に参加してきました。伝え聞く評判が良く、常々走ってみたと思っていたレースです。

マクドナルド・フォレスト50kは今年で22回目を迎えるクラシック・レース。シアトルから車で5時間ほどのコルバリス(Corvallis)の町のすぐ近く、オレゴン州立大学の敷地内にある研究用の森がレースの舞台です。オレゴンワインの産地でもあるウィラメット渓谷という肥沃な地帯に位置し、とても緑豊かな場所です。

出場者は例年200〜300人ほど。今回で15回目、あるいは20回目の出場というランナーもいます。通常のスタートでは制限時間内に完走する自信のない人は、一時間前にアーリー・スタートをすることができます。

歴代の優勝者にはスコット・ジュレク(Scott Jurek)、ハル・コナー(Hal Koerner)、マックス・キング(Max King)といったレジェンドや、ここコルバリス出身で昨年ウェスタン・ステイツで優勝したアンドリュー・ミラー(Andrew Miller)などの名前が並びます。

さて、レース。累積標高は2000メートル以上ありますが、一気にガツンと登るような場所はなく、一番長い上りでも300メートルほどの小さなアップダウンを繰り返すコース。非常によく整備された走れるコースで、ペースを落として休む暇はありません。

数日前から雨続きである程度はぬかるんでいましたが苦にならない程度。雨で新緑も映え、森の中は気持ちいい。

初めて走るコースだったので中盤以降まで自重していましたが、後半はギアを上げてランナーを追い抜くことができました。最終的に総合3位、マスター1位でゴールした私が、待っていた妻にかけた第一声は「楽しかった!」

ゴール地点は飾らずこじんまりとしていて、でも居心地がよい雰囲気。私のゴールをみんなが暖かく迎えてくれました。アメリカのトレイル・ランニングらしい、”Low Key”(ロー・キー=慎ましい・控えめな)で素敵なレースでした。また帰ってきます。


速すぎマックス! 〜 Chuckanut 50k

Krissy, Hayden, Max and Sage

Krissy, Hayden, Max and Sage


3月18日に開催されたチャカナット50k(Chuckanut 50k)。地元のクラシック・レースということで、もちろん私と妻も参加してきました。私は6回目、妻は2回目の出場です。

今年は25周年の記念大会ということで、本レースのレースディレクターを引き継いで10年目となるクリッシー・モール(Krissy Moehl)の力の入れようも例年以上。多くのランナーに楽しんでもらおうと参加枠が500人以上に拡大されましたが、さすがは人気レース、エントリー開始後間もなく一杯になりました。

当日は地元の友達だけでなく、アメリカ出張中のMMAブロガー、じろーさんと奥さんのさいこさんにもお会い出来ました。賑やかです。

エリートは超ハイレベル

このレースはIAUトレイル世界選手権のアメリカとカナダ代表選考を兼ねていることもあって、エリートランナーも半端なくハイレベル。

男子はこの距離のアメリカのランキング上位5人中3人が出場。私は飛ぶ鳥を落とす勢いのヘイデン・ホークスの総合優勝を予想していました。

  • ヘイデン・ホークス(Hayden Hawks)… 昨年のThe North Face San Francisco 50 mileでのザック・ミラーとの激闘で一躍有名に。
  • セイジ・カナディ(Sage Canady)…タラウェラやスピードゴート、レイク・ソノマなど50キロ〜50マイルの大きな大会で優勝してきた。チャカナット50kは2012年の2位が最高。
  • マックス・キング(Max King)…2014年のIAU100キロ世界選手権の覇者。同年にチャカナット50kも優勝。
  • デイビッド・レイニー(David Laney)…2013年と2015年にチャカナット優勝。UTMBでも一昨年、昨年と二年続けてトップテン入り。

女子も負けず劣らずハイレベル。

  • カミール・ヘロン(Camille Herron)…昨年数々のレースで優勝して名を轟かせ、今年もすでにタラウェラで優勝。
  • ユー・ワン(Yiou Wang)…昨年のレイク・ソノマ優勝をはじめ、数々のレースで優勝。

さてレースですが、マックス・キングが3時間33分11秒の大会新記録で総合優勝。雨季真っ最中でぬかるんだコースコンディションなのに加えて、コース変更により昨年より少し距離が伸びたにも関わらず、このタイムは凄すぎます。速すぎです。彼は37歳ですが、まだまだ若いものには負けませんね。また女子はダークホースの地元ランナーが優勝しました。

私はマスター上位争い

私はというと、3週間前にひどく足首を捻挫してしまい、十分回復せず痛みが残った状態でレース当日を迎えることになってしまいました。

私の目標はマスター(40歳以上)でトップ3。エントリーリストを見る限り、ゲイリー・ゲリン(Gary Gellin)が速そうです。

走り始めたらアドレナリンで何とかなる範囲かと思ってスタート。まっすぐで平坦な道や上り坂では足首はさほど気にならなかったのですが、細かい起伏とターンが続くややテクニカルなセクションでは危うく同じ箇所を捻挫しかけたため、スピードを落とさざるを得ませんでした。思ったように追い込めず歯がゆい走りを強いられます。前半は同じくらいの場所を走っていたゲイリー・ゲリンにも離される始末。

Photo by Glenn Tachiyama

Photo by Glenn Tachiyama


でも前半に力を温存せざるを得なかったことが幸いして、テクニカルなセクションが少ない中盤以降に盛り返し、30キロ過ぎにはゲイリーを追い抜き、その後もペースを保ったままゴール。タイムはここ4年で一番遅い4時間22分台でしたが、昨年に引き続きマスター優勝することができました。足首の状態を考えると、万々歳の結果です。

妻も無事完走

でもって妻も雨に打たれ泥濘に揉まれながら7時間35分で無事に完走。

ヨカッタ、ヨカッタ。

Photo by Glenn Tachiyama

Photo by Glenn Tachiyama


顔が見えるということ – Orcas Island 100 -

3週間前に行ったオーカス島に、今度は昨年に引き続き100マイルレースのボランティアとクルーをしに行ってきました。

シアトルから車で一時間半の場所にあるアナコルテスから車ごとフェリーに乗り込みオーカス島へ向かいます。

島に到着したら、さっそくレース前日のブリーフィングが行われるキャンプ・モラン(Camp Moran)へ。

今年の参加者は60人ほど。昨年からのリピーターや他の100マイルレースで見た顔、地元のレースでよく会う面々やレインシャドウ・ランニングのスタッフなどが賑やかに集い、和気あいあいとした雰囲気です。

アメリカのトレイルランニング・イベントは、しばしば「ロー・キー」(控えめな・慎ましい)と形容されます。エントリー可能なランナーの数は多くても300人前後。ごく少数のスタッフとボランティアで十分に運営可能な身の丈にあった規模で、自然に対するインパクトもある程度限定されます。

レース主催団体であるレインシャドウ・ランニングのオーナーで、レースディレクターでもあるジェームス・ヴァーナー(James Varner)が作るイベントは、ちょうどよい規模感でいつも居心地が良く、心から楽しいと思わせてくれます。

オーカス島は2006年にレインシャドウ・ランニングが初めてレース(Orcas Island 50k)を開催した場所。ジェームスが満を持して彼にとって初めての100マイルを開催したのが昨年で、今年は第二回のOrcas Island 100でした。

一周25マイル(40キロ)の周回コース。雨が多いこの地域ならではの、苔に覆われた神秘的な原生林の中を駆けめぐります。

レース開始後、私もトレーニングがてら軽くコースの一部を走ってみました。

普通シアトル周辺は緯度の割には冬もさほど気温は下がらず雪も少ないのですが、今年は例年と比べて低温で雪の日が多く、レースがあった週末も少し標高が上がっただけでトレイルを雪が覆い始めます。

たまにすれ違うランナーに「その調子!」と声をかけながら、うっすらと粉砂糖をまぶしたようなトレイルを進みます。

コース上で一番標高が高いコンスティテューション山でも730メートルほど。それでも登るにつれて雪の量が増していきます。

コンスティテューション山の頂上には約15メートルの高さの石の塔があります。塔の上からは、天気次第で周辺の島や、カナダやアメリカの町、カスケード山脈などが見渡せます。

この塔は公式なコースには入っていないのですが、登った人にはおまけが付いてきます。

ループごとに一回、計四回塔を登って頂上に置いてあるトランプを四枚すべて集めると「タワー・クラブ」のメンバーになることができます。クラブ・メンバーはカスタムTシャツが貰えます。

登りたくない人は登らなくてよいのですが、今回完走した45人のランナーのうち実に38人がタワー・クラブの会員になりました。

この塔がある山頂に設置されたエイド・ステーションは、私を含むセブンヒルズ・ランニングショップ関係者の有志がボランティアで運営していました。

中には初めからエイドステーションの閉鎖時間までいずっぱりの人も。かなり寒いので、飲んだくれながら自分たちも楽しんでやるのがこちら流。

ランナーが来たら声をかけ様子を見ながら対応します。ループコースではエイドステーションをランナーが何度も通るので、レースが進むに連れてボランティアとの一体感も増していきます。

どのエイドステーションもレース中は当然休まず運営。ボランティアの皆さん、お疲れ様。

妻もランナーのサポートで複数のエイドステーションを行き来していたので、休む暇も寝る間もほとんどナシ。ホントにお疲れ様でした。

二日目を迎えてレースも終盤へ。まだ走り続けるランナーの中には腰を痛めて上半身が完全に傾いた状態で走っている人も。それでも歩みを止める素振りは全くありません。強い。

レースを終えた人やその仲間たちは、ゴール地点で最高の生演奏の中、最高のピザと最高のビールをやりながらランナーを迎えます。宴は最後のランナーがゴールした後も続きました。

2日続いたレースの翌日は表彰式。会場となる町の映画館には「ウェルカム、オーカス島100マイルのランナー達」の文字が。

表彰式では、ジェームスが壇上に完走したランナーをひとりひとり迎え、各々にコメントを送って完走バックルを授与していました。

実はジェームスはこの表彰式で各ランナーに言葉を送るために、レース中寝ずにエイドステーションなどでランナーを迎えて話した内容や気づいたことをメモにとっていました。

この規模のレースならではの、それぞれのランナーを特別に扱う配慮に感心させられます。こんなのを見せられたら、わたしも走りたくなってしまいます。

楽しい週末も終わり、帰りのフェリーへと乗り込みます。

フェリーで座っていると、トレイルランニングの風景を撮り続けるカメラマン、グレン・タチヤマさんが私達の席にやってきたので、ちょっとおしゃべり。

お気に入りのレースは?という話になった時にグレンが挙げたのは、このオーカス島100マイル。その理由を聞かれたグレンの答えに、その席にいた誰もがその通りだと思ったはずです。

「小さいこのレースは、みんなの顔が見えるから。」


Why run anywhere else?

昨年優勝したOrcas Island 50kに今年も行ってきました。やはりこのレースを走らないと、シアトルのトレイル・ランニングシーズンが始まった感じがしませんね。

© Glenn Tachiyama

昨年走った時のブログ・エントリーに詳しく書きましたが、オーカス島は、シアトルから車で2時間弱の場所にあるアナコルテス(Anacortes)より、車ごとフェリーで行くことができます。

Orcas Island 50kでシーズンの幕開けを迎えるトレイルランナーも多く、レース当日の受付にはたくさんの友達の顔が見えます。

1月にH.U.R.T 100を走った私にとっては、早くも今年二本目のレース。

100マイルを走った3週間後に50キロを走るというスケジュールを組むのはよろしくなく、疲労の回復具合によってはキャンセルすることも考えていましたが、年始行事ということでやっぱり参加することにしました。

3週間前の暑いハワイとは打って変わって、オーカス島は前日に雪が降り、すこし標高があがると雪がかなり残っている状況。

スタートからしばらくは私が先頭を走っていました。昨年優勝したこともあってか、他のランナーは私の様子を見ているようです。

© Glenn Tachiyama

中盤では二人に先行されましたが、どこまで体が回復しているか見極めがつかなかった私は追走せず、慎重に自分のペースで走り進みました。

途中で一人を捕まえて、二番手で終盤にある最大の山場、”パワーライン”の激上りを迎えます。ここに来る前に足を使ってしまうと確実に失速し後続に捕まってしまいます。

慎重に走ってきた私は”パワーライン”まで来ても足が残っていたので、ギアを上げてパワー・ハイクでグイグイとのぼります。山の上はかなり雪が残ってすこし走りにくいですが、グリップのあるシューズを選んだおかげで、苦になりません。

最後の下りを迎える前に、ついに足を使いきり完全に失速してしまっていた先頭のランナーを捉えました。

© Glenn Tachiyama

踏み跡のほとんどない雪の上を進み、下りは心地よくクルージング。ゴールで待つレースディレクターのジェームスと、今年も一番にハイタッチできました。

天候のせいもあって昨年よりも30分ほど時間がかかりましたが、雪のレースを最高に楽しめました。

走ったあとは、レインシャドウのレースではお馴染みの音楽を聞きながら…

飲み放題のビールを飲みつつレース談義。

会場で売ってるグッズもカッコいいものぞろい。レースロゴをプリントした古着もお手頃価格で販売してます。

やっぱり来てよかったオーカス島、走ってよかったOrcas Island 50k。まさにレースを主催するレインシャドウ・ランニングの言うとおり。

「Why run anywhere else?」(”他のレース走ってる場合じゃないでしょ〜♪”)。

また数週間後にOrcas Island 100のボランティアとクルーをしに行きますよ。

See you very soon, Orcas Island!


準備がすべて〜2017年レース・スケジュール

先週サンフランシスコを走った12月第一週の週末は、ウェスタンステイツハードロック100の抽選が行われた週でもありました。全米の100マイラーは、この時期、みんな抽選結果に一喜一憂。

私も両レースの抽選に参加しましたが、あえなく落選。ということで来年のスケジュールがだいたい確定しました。中期目標、2017年の目標と合わせて、公開したいと思います。同じレースを走る方、現地でお会いするのを楽しみにしています。

中期ゴール

今年45歳を迎えました。幸い今のところ、走力については加齢による限界を感じてはいませんが、それでも体重が減りにくくなったり、疲労回復が若干遅くなったりはしているように思います。

年齢に最終的に勝利した人間は誰もいません。私もそう遠くない将来、結果を上げることはもちろん、維持していくことも簡単ではなくなってくると思いますが、なんとかパフォーマンスを劇的に下げないことで、中期的に達成したい目標があります。

それは「UTMBで50歳代でトップ3に入ること」です。今年の私のタイム27時間39分12秒なのに対して、ここ3年の50歳代の3位のタイムは以下のとおり。

  • 2016年…31時間45分34秒
  • 2015年…28時間11分39秒
  • 2014年…28時間20分31秒

そう簡単ではありませんが、実現可能性はそれなりにあるかなと思ってます。

2017年のゴール

2016年の目標は「100マイルレースを昨年以上に上手く走ること」でしたが、結果はザイオン100で優勝、UTMBでも自己ベストで総合40位と、望外の結果を残すことができました。

今年も、中期ゴールへむけて、引き続き「100マイルレースを安定して上手く走ること」を目標に据えたいと思います。

マイ・ルール

私がスケジュールを組むときは、走りたいレースをとりあえず片っ端からエントリー…ということはしません。

まず、一年のうち注力したいレースを1つないし2つ決めたうえで、疲労を残さないように以下のマイルールに従って計画を立てます。

  • レースはA〜Cの三段階に優先順位付け。
    • A…目標レース。年に2つまで。
    • B…Aレースを犠牲にしない範囲で結果を求めるレース。年に2〜3レースほど。
    • C…調整目的のレース。結果は気にせず怪我しないことが第一。
  • Aレース同士は3ヶ月以上離す。(基礎作りからピークに持っていくために最低3ヶ月必要なため。)
  • 100マイルレースは一年に2本が理想。3本が上限。
  • 100マイルレース同士の間隔は最低でも2ヶ月はあける。
  • 50キロ〜50マイルレース同士の間隔は1ヶ月程度はあける。
  • 年に一度は、2週間以上のオフをとる。
  • 100マイルの後は、必ず最低一週間のオフをとる。

レース・スケジュール

ということで、以下が私の2017年のレース・スケジュールです。

1.Hurt 100(100マイル1月14日/重要度A

【レース概要】
ハワイ・オアフ島ホノルル近くで行われる100マイルレース。一周20マイルのコースを5周します。場所柄、日本からの参加が多いですが、アメリカ西海岸のトレイルランナーにも人気のレースです。

【個人的な位置づけ】
私にとっては初めてのHurt 100。というか、これまでハワイには飛行機の乗り継ぎで一泊したことがあるだけで、ほぼ初めてのハワイです。
例年は12月にシーズンオフの休養、1月からを練習を開始していましたが、今年は変則的に8月のUTMB後に休養したあと、このレースへ向けて準備してきました。5位以内が目標です。高温多湿のレースはあまり経験がないですが、残り一ヶ月、良い準備をしたいとおもいます。

2.Orcas Island(50キロ/2月4日/重要度C

【レース概要】
オーカス島はシアトル近郊からフェリーで1時間ほどの週末旅行にもってこいの場所。地元トレイルランニングコミュニティが集まる年始行事のような大会です。

【個人的な位置づけ】
昨年優勝したので今年も、といきたいところでしたが、このレースにエントリーした後にHurt 100に当選したため、スケジュール的に厳しくなってしまいました。常識的にも経験的にも100マイルレースから3週間後に良い走りをするのは難しそうです。
年始行事としてみんなと挨拶して、怪我せずに完走すれば十分。疲労の回復具合によってはキャンセルすることも考えます。

3.Chuckanut(50キロ3月18日/重要度B

【レース概要】
シアトルから車で北に1時間ほどのベリンガム近郊で行われます。今年で25回めを迎えるクラシックレースで、クリッシー・モール(Krissy Moehl)がレース・ディレクター。毎年有力選手が参加し、ハイレベルなスピードレースになります。
今年は世界選手権のアメリカ代表・カナダ代表選考を兼ねているため、いつも以上にハイレベルな闘いになりそうです。現時点で既に先のThe North Face Endurance Challenge Championship で2位のヘイデン・ホークス(Hayden Hawks)と3位のデビッド・レイニー(David Laney)がエントリー済み。

【個人的な位置づけ】
私にとっては6年連続6回目の出場。年始の走力チェック的な意味合いもあります。おそらく例年以上のレベルの戦いになるので順位は下がりそう。ほぼパーフェクトの出来だった2016年ほどの走りをするのはそう簡単ではなさそうですが、マスターでトップ3を目指したいと思います。

4.[未確定]Sun Mountain(100キロ/5月20日/重要度C

【レース概要】
シアトルから見てノース・カスケード山脈の裏側で行われる、人気のレインシャドウ・ランニングが主催するレース。雨季も終わり、花が咲く丘を走ります。大きな山は少なく、走れるコースです。

【個人的な位置づけ】
夏の目標レースに向けたトレーニング的な位置づけ。順位やタイムはあまり気にせず、怪我に気をつけつつしっかり走り切るのが目標です。

5.Andorra Ronda Dels Cims(170キロ7月6日/重要度A

【レース概要】
フランスとスペインに挟まれた小国アンドラで行われる超級山岳レース。累積標高差は、距離が近いUTMBやハードロック100(約10000メートル)をかるく凌ぐ13500メートル、優勝タイムも優に30時間超えと、かなりな難易度のレースです。

【個人的な位置づけ】
今年は一度UTMBをお休みして、アンドラを楽しんでみることにしました。どちらかというと走れるコースが得意な私にとって、おそらく私向きとはいえないレースです。順位を気にしすぎず、未体験の難易度で完走を果たして、なにか新しい発見があればいいなと思います。

6.[未確定]Bear 100(100マイル/9月23日/重要度B

【レース概要】
ユタ州で行われる100マイルレースです。ハードロック100のエントリー資格を得るためのレースの一つに選ばれており、比較的難易度が高いレースです。ロッキー山脈で行われる4つの100マイルレースを一年で完走するロッキー・マウンテン・スラムに含まれています。

【個人的な位置づけ】
このレースについてはそれほどよく知らないのですが、走ったことのある人から聞く限り評判の良いレース。アンドラの疲労が抜けていれば、上位を狙って走ります。

7.[未確定]The North Face Endurance Challenge Championship(50マイル/12月2日/重要度C

【レース概要】
毎年12月第一週に行われる超高速50マイルレースは事実上の全米選手権です。サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡ってすぐのところで行われます。

【個人的な位置づけ】
年末の走力チェックという位置づけのレースです。その時点での体調次第ですが、今年と同じくらいのパフォーマンスができればと考えています。エリートランナーの雰囲気を感じながら、レースの雰囲気を楽しみたいです。

レースの結果は良い計画にもとづいて、どれだけしっかりと準備できるかにかかってるので、調子を見ながら柔軟にうまく調整していきたいと思います。


オレゴンへ小旅行(&ひとっ走り)

パシフィック・ノースウェストは秋真っ盛り。春まで続く雨季のまっただ中です。

天候が安定しないこの時期。私がエントリーしていた「エルク・キングス」(Elk Kings)は、暴風雨の影響で一週間順延になり、10月23日の開催になりました。

前の週と打って変わって、比較的安定した天気となったこの週末。妻と一緒に小旅行気分でお隣のオレゴン州まで行ってきました。

エルク・キングスが開催されるのは、オレゴン州ポートランドから車で1時間ほどのティラムック(Tillamook)という場所。

オレゴン州は消費税が0パーセントで、7%〜9.5%の消費税がかかるワシントン州に住む私たちにとっては買い物天国。せっかくなのでポートランドに立ち寄って、日本が誇るアウトドア・ブランド、モンベルでお買い物。モノにもよりますが、大体日本と同じくらいの値段です。

ポートランドを出ると、ティラムックへ向かう途中にオレゴン・ワインの産地が広がります。生産量ではカリフォルニア州やワシントン州には劣りますが、比較的高級なワインが作られることで有名です。多くのワイナリーでは気軽にテイスティングを楽しむことができます。

アメリカで随一の日本酒の酒蔵があるのもこの付近。妻はティラムックへと向かう道すがら、ぐびぐび楽しみます。なかなか最終目的地にたどり着きません。

ぼちぼちレースの話に移りましょう。エルク・キングスは25キロと50キロの部があります。私が走ったのは50キロ。

このレースを主催するゴー・ビヨンド・レーシング(Go Beyond Racing)は、他にもポートランド近郊を中心に幾つものレースを開催しています。私は彼らのレースに参加したことはありませんでしたが、こちらのランニング・コミュニティでの評判も良く、いつかは参加したいなと思っていました。

オレゴンはアメリカでもトレイルランニングのレベルが高い地域の一つ。ぱっと思いつくだけでも、今年ウェスタン・ステイツで優勝したアンドリュー・ミラー(Andrew Miller)や、UTMBで上位に入ったデイビッド・レイニー(David Laney)、マックス・キング(Max King)はオレゴンのランナー。

今回のレース当日も、なんとステファニー・ハウ(Stephanie Howe)が飛び入りで参加してました。

さて、私にとってはUTMBのあと一旦リフレッシュして基礎体力作りをしている只中でのレース。来年1月のHurt 100へ向けて、スピード練習的な位置づけで臨みました。

レースディレクターのスタートの合図とともに、私はハナから先頭に飛び出し、とりあえず行けるところまでプッシュ。結構なスピードで飛ばして、7キロ地点の最初のエイドステーションで後続に2分ほど差をつけたのですが、次のエイドステーションまでにタイラー・グリーン(Tyler Green)がしっかり差を詰めてきました。

彼は8月に行われたWaldo 100kで優勝した選手。脚が長く、しなやかなピッチで走ります。私が短い足で一生懸命山を登っているとき、彼はパワー・ハイクで付いてきます。うーむ、身体差はいかんともしがたい。

しばらく一緒に走っていましたが、中盤以降じりじり離され、結局は10分以上の差をつけられて総合2位でゴール。

タイラー・グリーンのタイム(4時間17分27秒)はコースレコード。私のタイム(4時間28分31秒)も歴代3位のタイムなので、まだまだピークから程遠い状態であることを考慮すると、まずまずよく走れたほうだと思います。

全体としてはかなり走れるコース。ただ、コース・プロファイルを見ると2つの山をのぞいて比較的フラットに見えますが、案外こまかな起伏もあってなかなか走りがいがあるコースです。色づく木々や落ち葉の中を本当に気持ちよく走ることができました。

ゴール後はタイラー(上の写真の左)や、続々ゴールするランナーと談笑。

怪我明けのステファニー・ハウも、きっちり女子一位でゴールしました。

同時開催の25キロの部で女子1位になったのは、チーム・セブンヒルズのペイジ。

ちらほら知った顔にも会えて、楽しい週末小旅行でした!


生ける伝説、登場 〜 Yakima Skyline 50k

こんにちは、藤岡です。

Zion 100を走った翌週の4月16日、レインシャドウ・ランニングが主催するレースYakima Skyline 50kのエイドステーション・ボランティアに行ってきました。

レースが行われたのはヤキマ渓谷はカスケード山脈の東に位置し、私が住む場所から車で南東に2時間半くらいののところにあります。乾燥していて気温もシアトルより高め。シアトル周辺の緑豊かで苔生すトレイルとは趣が全く異なります。

昨年はランナーとして参加しましたが、このレースは相当タフです。レースディレクターのジェームス・ヴァーナーがHardrock 100の練習場所を探すなかで出会ったトレイルだそうで、多くの人がこの辺りで最もきつい50キロレースと言います。

Photo © Glenn Tachiyama (tachifoto.net)

昨年走りましたが、暑くてタフなレースでした。 Photo © Glenn Tachiyama (tachifoto.net)


今日もたくさんの知っている顔が来ています。ゲイリー・ロビンス(Gary Robbins)も、奥さんがレースに出場するということで、お子さんと一緒に来ていました。先日惜しくも完走ならなかった世界一過酷なレース、バークレー・マラソンズ(Barkley Marathons)の感想を聞いたら、「想像してたよりキツかったよ」との返事。ちなみに、ゲイリーの奥さんは昨年、お腹に赤ちゃんがいる中、Yakima Skylineの25キロの部を無事完走しています。

午前8時にスタートしたランナーを見送った後、ランナーのドロップバックを積んでエイドステーションに向けて出発。

私が担当するのは、レースの折り返し地点にあるエイドステーション。このエイドステーションは、私がスポンサーを受けるセブンヒルズ・ランニングショップの有志が担当。更地の現地に到着したら、テントを立て、机を並べ、果物を切り、スナックや飲み物を机の上に準備し、ドロップバックを並べて、さくっと準備完了。

机の上のポテトチップスをつまみながら、先頭のランナーが来るのを待ちます。

10時半。レースが始まって2時間半くらい。先頭のランナーがやって来ました。後続のランナーもぼちぼちやってきます。余裕がありそうな人もあれば、若干お疲れ気味の人も。去年ほどではないとはいえ走るのには暑いので、みんなしっかり水分を補給していきます。

その後もどんどんとランナーは続き、中にはここで力尽きドロップする人も。12時半の関門時間も刻々と近づいてきました。

そして関門時間ギリギリに現れたのが、生ける伝説ともいうべきこの方。

昨年のウェスタン・ステイツで初の70歳代の女性完走者となったガンヒルド・スワンソンさん(Gunhild Swanson)です。

関門ギリギリに来たランナーの中ではダントツに元気で余裕もありそう。この時間に到着したのは予定通りという感じでしょうか。ガッシリとした体格にシャキッとした姿勢。ちゃんとした裏付けがあってはじめて、この年でもこのきついレースを走れるのですね。

ちなみに上の写真はハイドレーションパックの口が開かず、ボランティア総出で開けている様子。ちょっと手間取りましたが何とか無事に開けることに成功し、水を補給して出発していきました。その後、ガンヒルドさんは無事完走。素晴らしいの一言です。

スイーパーが通過して、もうエイドステーションに向かってくるランナーがいないことを確認したうえで、エイドステーションを撤収。ゴール地点へと戻ります。

ゴール地点でちょっと遅い昼ごはん。レインシャドウのレースでは、ランナーに加えてボランティアも提供される食べ物は無料で食べられます。私も今、焼き上がったばっかりのピザをいただきます。旨い!

ゴールの直ぐ脇には川が流れており、暑い中ゴールしたランナーは足を冷やします。

ゲイリーの奥さんリンダさん、ゲイリーとお子さんと一緒に、無事にゴール。レースディレクターのジェームスとハイタッチ。

いい天気の中、ボランティアをして、ゴールでのパーティーを楽しんで、有意義な土曜日でした。