顔が見えるということ – Orcas Island 100 -

3週間前に行ったオーカス島に、今度は昨年に引き続き100マイルレースのボランティアとクルーをしに行ってきました。

シアトルから車で一時間半の場所にあるアナコルテスから車ごとフェリーに乗り込みオーカス島へ向かいます。

島に到着したら、さっそくレース前日のブリーフィングが行われるキャンプ・モラン(Camp Moran)へ。

今年の参加者は60人ほど。昨年からのリピーターや他の100マイルレースで見た顔、地元のレースでよく会う面々やレインシャドウ・ランニングのスタッフなどが賑やかに集い、和気あいあいとした雰囲気です。

アメリカのトレイルランニング・イベントは、しばしば「ロー・キー」(控えめな・慎ましい)と形容されます。エントリー可能なランナーの数は多くても300人前後。ごく少数のスタッフとボランティアで十分に運営可能な身の丈にあった規模で、自然に対するインパクトもある程度限定されます。

レース主催団体であるレインシャドウ・ランニングのオーナーで、レースディレクターでもあるジェームス・ヴァーナー(James Varner)が作るイベントは、ちょうどよい規模感でいつも居心地が良く、心から楽しいと思わせてくれます。

オーカス島は2006年にレインシャドウ・ランニングが初めてレース(Orcas Island 50k)を開催した場所。ジェームスが満を持して彼にとって初めての100マイルを開催したのが昨年で、今年は第二回のOrcas Island 100でした。

一周25マイル(40キロ)の周回コース。雨が多いこの地域ならではの、苔に覆われた神秘的な原生林の中を駆けめぐります。

レース開始後、私もトレーニングがてら軽くコースの一部を走ってみました。

普通シアトル周辺は緯度の割には冬もさほど気温は下がらず雪も少ないのですが、今年は例年と比べて低温で雪の日が多く、レースがあった週末も少し標高が上がっただけでトレイルを雪が覆い始めます。

たまにすれ違うランナーに「その調子!」と声をかけながら、うっすらと粉砂糖をまぶしたようなトレイルを進みます。

コース上で一番標高が高いコンスティテューション山でも730メートルほど。それでも登るにつれて雪の量が増していきます。

コンスティテューション山の頂上には約15メートルの高さの石の塔があります。塔の上からは、天気次第で周辺の島や、カナダやアメリカの町、カスケード山脈などが見渡せます。

この塔は公式なコースには入っていないのですが、登った人にはおまけが付いてきます。

ループごとに一回、計四回塔を登って頂上に置いてあるトランプを四枚すべて集めると「タワー・クラブ」のメンバーになることができます。クラブ・メンバーはカスタムTシャツが貰えます。

登りたくない人は登らなくてよいのですが、今回完走した45人のランナーのうち実に38人がタワー・クラブの会員になりました。

この塔がある山頂に設置されたエイド・ステーションは、私を含むセブンヒルズ・ランニングショップ関係者の有志がボランティアで運営していました。

中には初めからエイドステーションの閉鎖時間までいずっぱりの人も。かなり寒いので、飲んだくれながら自分たちも楽しんでやるのがこちら流。

ランナーが来たら声をかけ様子を見ながら対応します。ループコースではエイドステーションをランナーが何度も通るので、レースが進むに連れてボランティアとの一体感も増していきます。

どのエイドステーションもレース中は当然休まず運営。ボランティアの皆さん、お疲れ様。

妻もランナーのサポートで複数のエイドステーションを行き来していたので、休む暇も寝る間もほとんどナシ。ホントにお疲れ様でした。

二日目を迎えてレースも終盤へ。まだ走り続けるランナーの中には腰を痛めて上半身が完全に傾いた状態で走っている人も。それでも歩みを止める素振りは全くありません。強い。

レースを終えた人やその仲間たちは、ゴール地点で最高の生演奏の中、最高のピザと最高のビールをやりながらランナーを迎えます。宴は最後のランナーがゴールした後も続きました。

2日続いたレースの翌日は表彰式。会場となる町の映画館には「ウェルカム、オーカス島100マイルのランナー達」の文字が。

表彰式では、ジェームスが壇上に完走したランナーをひとりひとり迎え、各々にコメントを送って完走バックルを授与していました。

実はジェームスはこの表彰式で各ランナーに言葉を送るために、レース中寝ずにエイドステーションなどでランナーを迎えて話した内容や気づいたことをメモにとっていました。

この規模のレースならではの、それぞれのランナーを特別に扱う配慮に感心させられます。こんなのを見せられたら、わたしも走りたくなってしまいます。

楽しい週末も終わり、帰りのフェリーへと乗り込みます。

フェリーで座っていると、トレイルランニングの風景を撮り続けるカメラマン、グレン・タチヤマさんが私達の席にやってきたので、ちょっとおしゃべり。

お気に入りのレースは?という話になった時にグレンが挙げたのは、このオーカス島100マイル。その理由を聞かれたグレンの答えに、その席にいた誰もがその通りだと思ったはずです。

「小さいこのレースは、みんなの顔が見えるから。」


Why run anywhere else?

昨年優勝したOrcas Island 50kに今年も行ってきました。やはりこのレースを走らないと、シアトルのトレイル・ランニングシーズンが始まった感じがしませんね。

© Glenn Tachiyama

昨年走った時のブログ・エントリーに詳しく書きましたが、オーカス島は、シアトルから車で2時間弱の場所にあるアナコルテス(Anacortes)より、車ごとフェリーで行くことができます。

Orcas Island 50kでシーズンの幕開けを迎えるトレイルランナーも多く、レース当日の受付にはたくさんの友達の顔が見えます。

1月にH.U.R.T 100を走った私にとっては、早くも今年二本目のレース。

100マイルを走った3週間後に50キロを走るというスケジュールを組むのはよろしくなく、疲労の回復具合によってはキャンセルすることも考えていましたが、年始行事ということでやっぱり参加することにしました。

3週間前の暑いハワイとは打って変わって、オーカス島は前日に雪が降り、すこし標高があがると雪がかなり残っている状況。

スタートからしばらくは私が先頭を走っていました。昨年優勝したこともあってか、他のランナーは私の様子を見ているようです。

© Glenn Tachiyama

中盤では二人に先行されましたが、どこまで体が回復しているか見極めがつかなかった私は追走せず、慎重に自分のペースで走り進みました。

途中で一人を捕まえて、二番手で終盤にある最大の山場、”パワーライン”の激上りを迎えます。ここに来る前に足を使ってしまうと確実に失速し後続に捕まってしまいます。

慎重に走ってきた私は”パワーライン”まで来ても足が残っていたので、ギアを上げてパワー・ハイクでグイグイとのぼります。山の上はかなり雪が残ってすこし走りにくいですが、グリップのあるシューズを選んだおかげで、苦になりません。

最後の下りを迎える前に、ついに足を使いきり完全に失速してしまっていた先頭のランナーを捉えました。

© Glenn Tachiyama

踏み跡のほとんどない雪の上を進み、下りは心地よくクルージング。ゴールで待つレースディレクターのジェームスと、今年も一番にハイタッチできました。

天候のせいもあって昨年よりも30分ほど時間がかかりましたが、雪のレースを最高に楽しめました。

走ったあとは、レインシャドウのレースではお馴染みの音楽を聞きながら…

飲み放題のビールを飲みつつレース談義。

会場で売ってるグッズもカッコいいものぞろい。レースロゴをプリントした古着もお手頃価格で販売してます。

やっぱり来てよかったオーカス島、走ってよかったOrcas Island 50k。まさにレースを主催するレインシャドウ・ランニングの言うとおり。

「Why run anywhere else?」(”他のレース走ってる場合じゃないでしょ〜♪”)。

また数週間後にOrcas Island 100のボランティアとクルーをしに行きますよ。

See you very soon, Orcas Island!


準備がすべて〜2017年レース・スケジュール

先週サンフランシスコを走った12月第一週の週末は、ウェスタンステイツハードロック100の抽選が行われた週でもありました。全米の100マイラーは、この時期、みんな抽選結果に一喜一憂。

私も両レースの抽選に参加しましたが、あえなく落選。ということで来年のスケジュールがだいたい確定しました。中期目標、2017年の目標と合わせて、公開したいと思います。同じレースを走る方、現地でお会いするのを楽しみにしています。

中期ゴール

今年45歳を迎えました。幸い今のところ、走力については加齢による限界を感じてはいませんが、それでも体重が減りにくくなったり、疲労回復が若干遅くなったりはしているように思います。

年齢に最終的に勝利した人間は誰もいません。私もそう遠くない将来、結果を上げることはもちろん、維持していくことも簡単ではなくなってくると思いますが、なんとかパフォーマンスを劇的に下げないことで、中期的に達成したい目標があります。

それは「UTMBで50歳代でトップ3に入ること」です。今年の私のタイム27時間39分12秒なのに対して、ここ3年の50歳代の3位のタイムは以下のとおり。

  • 2016年…31時間45分34秒
  • 2015年…28時間11分39秒
  • 2014年…28時間20分31秒

そう簡単ではありませんが、実現可能性はそれなりにあるかなと思ってます。

2017年のゴール

2016年の目標は「100マイルレースを昨年以上に上手く走ること」でしたが、結果はザイオン100で優勝、UTMBでも自己ベストで総合40位と、望外の結果を残すことができました。

今年も、中期ゴールへむけて、引き続き「100マイルレースを安定して上手く走ること」を目標に据えたいと思います。

マイ・ルール

私がスケジュールを組むときは、走りたいレースをとりあえず片っ端からエントリー…ということはしません。

まず、一年のうち注力したいレースを1つないし2つ決めたうえで、疲労を残さないように以下のマイルールに従って計画を立てます。

  • レースはA〜Cの三段階に優先順位付け。
    • A…目標レース。年に2つまで。
    • B…Aレースを犠牲にしない範囲で結果を求めるレース。年に2〜3レースほど。
    • C…調整目的のレース。結果は気にせず怪我しないことが第一。
  • Aレース同士は3ヶ月以上離す。(基礎作りからピークに持っていくために最低3ヶ月必要なため。)
  • 100マイルレースは一年に2本が理想。3本が上限。
  • 100マイルレース同士の間隔は最低でも2ヶ月はあける。
  • 50キロ〜50マイルレース同士の間隔は1ヶ月程度はあける。
  • 年に一度は、2週間以上のオフをとる。
  • 100マイルの後は、必ず最低一週間のオフをとる。

レース・スケジュール

ということで、以下が私の2017年のレース・スケジュールです。

1.Hurt 100(100マイル1月14日/重要度A

【レース概要】
ハワイ・オアフ島ホノルル近くで行われる100マイルレース。一周20マイルのコースを5周します。場所柄、日本からの参加が多いですが、アメリカ西海岸のトレイルランナーにも人気のレースです。

【個人的な位置づけ】
私にとっては初めてのHurt 100。というか、これまでハワイには飛行機の乗り継ぎで一泊したことがあるだけで、ほぼ初めてのハワイです。
例年は12月にシーズンオフの休養、1月からを練習を開始していましたが、今年は変則的に8月のUTMB後に休養したあと、このレースへ向けて準備してきました。5位以内が目標です。高温多湿のレースはあまり経験がないですが、残り一ヶ月、良い準備をしたいとおもいます。

2.Orcas Island(50キロ/2月4日/重要度C

【レース概要】
オーカス島はシアトル近郊からフェリーで1時間ほどの週末旅行にもってこいの場所。地元トレイルランニングコミュニティが集まる年始行事のような大会です。

【個人的な位置づけ】
昨年優勝したので今年も、といきたいところでしたが、このレースにエントリーした後にHurt 100に当選したため、スケジュール的に厳しくなってしまいました。常識的にも経験的にも100マイルレースから3週間後に良い走りをするのは難しそうです。
年始行事としてみんなと挨拶して、怪我せずに完走すれば十分。疲労の回復具合によってはキャンセルすることも考えます。

3.Chuckanut(50キロ3月18日/重要度B

【レース概要】
シアトルから車で北に1時間ほどのベリンガム近郊で行われます。今年で25回めを迎えるクラシックレースで、クリッシー・モール(Krissy Moehl)がレース・ディレクター。毎年有力選手が参加し、ハイレベルなスピードレースになります。
今年は世界選手権のアメリカ代表・カナダ代表選考を兼ねているため、いつも以上にハイレベルな闘いになりそうです。現時点で既に先のThe North Face Endurance Challenge Championship で2位のヘイデン・ホークス(Hayden Hawks)と3位のデビッド・レイニー(David Laney)がエントリー済み。

【個人的な位置づけ】
私にとっては6年連続6回目の出場。年始の走力チェック的な意味合いもあります。おそらく例年以上のレベルの戦いになるので順位は下がりそう。ほぼパーフェクトの出来だった2016年ほどの走りをするのはそう簡単ではなさそうですが、マスターでトップ3を目指したいと思います。

4.[未確定]Sun Mountain(100キロ/5月20日/重要度C

【レース概要】
シアトルから見てノース・カスケード山脈の裏側で行われる、人気のレインシャドウ・ランニングが主催するレース。雨季も終わり、花が咲く丘を走ります。大きな山は少なく、走れるコースです。

【個人的な位置づけ】
夏の目標レースに向けたトレーニング的な位置づけ。順位やタイムはあまり気にせず、怪我に気をつけつつしっかり走り切るのが目標です。

5.Andorra Ronda Dels Cims(170キロ7月6日/重要度A

【レース概要】
フランスとスペインに挟まれた小国アンドラで行われる超級山岳レース。累積標高差は、距離が近いUTMBやハードロック100(約10000メートル)をかるく凌ぐ13500メートル、優勝タイムも優に30時間超えと、かなりな難易度のレースです。

【個人的な位置づけ】
今年は一度UTMBをお休みして、アンドラを楽しんでみることにしました。どちらかというと走れるコースが得意な私にとって、おそらく私向きとはいえないレースです。順位を気にしすぎず、未体験の難易度で完走を果たして、なにか新しい発見があればいいなと思います。

6.[未確定]Bear 100(100マイル/9月23日/重要度B

【レース概要】
ユタ州で行われる100マイルレースです。ハードロック100のエントリー資格を得るためのレースの一つに選ばれており、比較的難易度が高いレースです。ロッキー山脈で行われる4つの100マイルレースを一年で完走するロッキー・マウンテン・スラムに含まれています。

【個人的な位置づけ】
このレースについてはそれほどよく知らないのですが、走ったことのある人から聞く限り評判の良いレース。アンドラの疲労が抜けていれば、上位を狙って走ります。

7.[未確定]The North Face Endurance Challenge Championship(50マイル/12月2日/重要度C

【レース概要】
毎年12月第一週に行われる超高速50マイルレースは事実上の全米選手権です。サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡ってすぐのところで行われます。

【個人的な位置づけ】
年末の走力チェックという位置づけのレースです。その時点での体調次第ですが、今年と同じくらいのパフォーマンスができればと考えています。エリートランナーの雰囲気を感じながら、レースの雰囲気を楽しみたいです。

レースの結果は良い計画にもとづいて、どれだけしっかりと準備できるかにかかってるので、調子を見ながら柔軟にうまく調整していきたいと思います。


【おバカ動画】ミステリー・ドロップバッグ・チャレンジ【映像あり】

9月23日から25日までの三日間にわたってシアトルで開催されたトレイルランニング・フィルム・フェスティバルに行ってきました。

合計40本近いフィルムが上映されたこのイベント。クリッシー・モール(Krissy Moehl)やジェイソン・シュラブ(Jason Schlarb)、ジェフ・ブロウニング(Jeff Browning)もゲストとして参加。エキスポではトレイルランニング関連のギアを扱うメーカーやショップが並びました。顔見知りのランナーも多く集まり、楽しいイベントでした。

現在アメリカ巡回中なので、機会がある方は是非。

私が鑑賞した約20本の映像の中から、面白かったものを何回かに分けて紹介していこうと思います。

今回紹介するのは、アメリカ的おバカ動画、「ミステリー・ドロップバッグ・チャレンジ」。

内容はというと、二人が周回コースを四周まわるレースをするというもの。ただし、このレースには特別なルールが一つ。

そのルールとは、ある実際のトレイルランニングレースのエイドステーションに預けられたものの、忘れ物として三ヶ月間持ち主が現れなかったドロップバッグを使用すること。

各周回のはじめに何が入っているかわからない「ミステリー・ドロップ・バッグ」を受け取り、中に入っているものが食べ物であれば食べ、飲むものであれば飲み、身に付けるものであれば身につけ、バッグに入ったものをすべて使ってから、次の周回に進み、早く4周した方が勝ちです。

アリゾナの炎天下の中、厚手のパーカーが中から出てきたり、三ヶ月のあいだ放置されてカピカピに乾ききったパンのようなものや、ドロドロになって原形をとどめないグミや、あるいは謎の白い粉が出てきたり…

ある意味、アメリカのトレイルランニングの奥深さがわかる映像かもしれませんwww

YouTubeで視聴可能なフルバージョンがこちら。(食事中の人は注意!)


コミュニティって素晴らしい 〜 Orcas Island 100

Photo © Glenn Tachiyama


Orcas Island 100の週末の体験は、一週間経った今でもじんわりと心地よく心に残っています。

オルカス島で開催された「Orcas Island 100」は、主催者であるレインシャドウ・ランニングにとって初めての100マイルレースで、今年が第一回でした。

オルカス島はレインシャドウが11年前に初めて50キロのレースを開催した場所。レースディレクターのジェームス・バーナーにとっても思い入れのある地で、彼曰く「今では色々な場所でレースを行うようになっているけれど、100マイルのレースは本当に大丈夫と思える今になってやっと開催できるようになった」とのこと。満を持しての開催です。

一周約40キロのコースを4周するループコースで、私が先日走ったOrcas Island 50kと同様、パワーラインという激坂が最大の難所です。

私は今回はランナーとしてではなく、エイドステーションでのボランティアや日本から来た西城さんのサポート、そして地元やその他各地からやってきたランナーの応援にやって来ました。

普段、自分のレースで感動することはあまりありません。レース前にちゃんと計画・準備し、レース当日には集中して冷静に走ってきっちりゴールに辿り着くことは、言ってみれば自分に課したミッションのようなもので、上手くいけばホッとするし、上手く行かなければ問題点を反省する、といった感じです。

一方、ランナーではない今回は、ランナーの様々な場面での様々な体験を共有し、感情の起伏を勝手に追体験させてもらいました。スタートラインでリラックスする人、集中する人、レースの場面場面で力を温存する人、スピードを上げて追い込む人、エイドステーションで低体温症気味で震える人、痛みを訴える人、リタイアを決断する人、ゴールして厳しいレースから開放される人など。他のランナーを見ている方が心が揺さぶられます。

さて、私の週末を簡単に振り返ると、金曜の朝にレースが始まってからしばらくはトレイルのあちこちに先回りして、先頭集団を走る西城さんや井原さん、その他のランナーの応援をしていました。

夜9時からはレースの最高地点となるコンスティチューション山のエイドステーションでボランティア。

今回のレースでは、全てのエイドステーションがシアトル近辺のトレイルランニングコミュニティによって運営されていました。私がスポンサーを受けるセブンヒルズ・ランニングショップのチームが担当したのは、長い上りのあとにある、ループの中で一番最後のエイドステーション。夜はかなり冷え、ランナーにとっては厳しい区間です。焚き火やハロゲンヒーターのぬくもりと、歌って踊るボランティアがランナーをお迎えしていました。ループコースでは同じランナーに何度か会えるのが良いですね。

私がエイドにいた頃、西城さんは3周目を終えたところで脚の不調でリタイア。良いポジションにつけていたので残念でしたが、来年また是非チャレンジするとのこと。来年は必ず木製のバックルを貰いましょう!

最初のボランティアのシフトが終わったら、スタート・ゴール地点に戻ってランナーをお出迎え。結構きついコースだと思うのですが、トップの二人は20時間を切るタイム。三位に入ったのは井原さんで、これで26回目の100マイル完走。流石の走りです。夜が明けるとチームメイトのジョーダンが女子一位でゴール。まだ一周残すランナーもいて、最後のループへ向けてスタートしていく後ろ姿に声援を送ります。

寝る暇もないくらい色々なことがあって、本当に充実しています。

土曜の昼から再びエイドステーションでボランティア。レース開始時間に遅刻して、30分以上も遅れてスタートしたシアトル在住の近内さんも無事、関門時間内に通過。

最後にやってきたのは地元の友だちビビアン。完走を目指す彼女をみんなで送った後、エイドステーションを撤収してゴールへと向かいました。

日曜日の表彰式は島の映画館で行われました。そこにいる誰もが笑顔だったことが、このレースが大成功に終わったことを物語っていました。

地元のランナーのみならず、アメリカ各地や国外からのランナーも参加したOrcas Island 100は、地域のトレイルランニング・コミュニティと合わさって、走ってない私にとっても本当に素晴らしい体験になりました。


シーズン開幕!〜Orcas Island 50k

こんにちは。藤岡です。

2月6日、レインシャドウ・ランニングのが主催する数々の人気レースの中でも最も歴史があり、レインシャドウの象徴とも言えるOrcas Island 50kを走ってきました。二年連続の出場です。私にとって今年最初のレース。結果は、自分の想定を上回る優勝(!)でした。以下、レースレポートです。

オルカス島
オルカス島(Orcas Island)はアメリカの左上の隅、シアトルから北北西に150キロほどの場所に位置し、カナダとの国境もすぐ近くです。サンファン諸島を構成する大小さまざまな島々の一つで、苔生す美しい原生林と、コンスティチューション山から望む島々とピュージェット湾が印象的です。

レースの魅力
50キロのレースの一週間前に開催されるOrcas Island 25kは、アメリカの雑誌「Competitor Magazine」が選定する「最も景色が素晴らしいレース」の一つに選ばれています。

したがって当然ながら自然も美しいのですが、それ以上にこのレースを素晴らしいものにしているのは、トレイルランニング・コミュニティがつくりだす雰囲気です。ワシントン州からはもちろんのこと、隣接するオレゴン州やカナダ・ブリティッシュコロンビア州、遠くはアメリカ国外からも、シーズンの幕開けを楽しみに待っていたトレイルランニング好きが、フェリーに乗って島に集まってきます。

コース
コースは、スタートから5マイル(8キロ地点)までの長い舗装路の上りのあと、湖沿いや原生林の中でさほど大きくない上り下りを繰り返します。21マイル(34キロ地点)から始まる悪名高い激坂パワーライン・トレイルが最大の難所。そのあと更に島の最高地点コンスティチューション山まで上ったあと、4マイル(6.5キロ)を下ってゴールします。

概ね走れるコースですが、例外はパワーライン・トレイル。基本ハイクで上ることになります。ちょっと雨が降っただけで道は泥でツルツルになり、四肢を使わないと前に進めなくなります。(以下の動画の5分27秒くらいからがパワーライン・トレイルです。)

有力選手
今年は海外で活躍する程のエリートの出場はなかったものの、パシフィック・ノースウェストの実力派選手が出場していました。特に注目は以下の二人。

  • ネイト・ジャカ(Nate Jaqua)…ポートランド在住で、元はメジャー・リーグ・サッカー(MLS)シアトル・サウンダースのプロサッカー選手。昨年はオレゴンの人気レースPine to Palmで優勝、私も走ったbighorn 100とOrcas Islandでどちらも2位。レース中盤以降にどんどん順位を上げていくスタイルで、常に安定して上位に入ってきます。
  • マックスウェル・ファーガソン(Maxwell Ferguson)…ワシントン州の最優秀トレイルランナーに選ばれたこともある、ツボにはまると手がつけられない韋駄天。Orcas Island 50kのコースレコード保持者。

私にとってのレースの位置づけ
私にとっては休養明けの初めてのレース。日々のトレーニングもまだまだ基礎を作っている段階ということもあり、今回のレースの目的は前回のブログで書いたとおり今の調子を確認すること。調子を図る目安としては昨年と同じくらいのタイム(4時間49分49秒)で走れれば良いと考えていました。先に上げた二人の選手は過去の実績からみて私より実力が上で、正直、先着するのは難しいかなと思っていました。

レース展開
雨季なのでレース前日までは雨が続いていましたが、当日は晴れ間ものぞく天気。走りやすい路面コンディションになりました。朝の気温は4度ほど。

レーススタート後、ハナを切る選手がおらず、自然と私が先頭に立ってしまいました。のっけから若干想定外の展開ですが、そのまましばらく舗装路の上り道を先頭で進みます。4〜5キロ上ったくらいのところで、それまで私の後ろについていた馴染みのない二人のランナーが抜いて行きました。まだまだ序盤で無理するところではないので、無理に追いませんでした。現在三番手。

舗装路を終え、原生林のトレイルに入って行くと、次第に先頭が見えなくなりましたが、自分のペースを守って三番手を進みました。

Photo © Glenn Tachiyama


中盤くらいで先行していたランナーの一人が失速し、私が二番手に。途中でマウンテンバイクの男性から「先頭と3分差くらい」と教えてもらいました。

その後、後ろから馴染みのない別のランナーが追いついてきて、私と並走。難所パワーラインの手前、20マイル(32キロ)地点のエイドステーションに一緒に入ります。エイドのボランティアによれば「先頭と1分差」とのこと。先頭のランナーはペースダウンしているようなので、どうやら捕まえられそう。あとは今、並走している人とのレースになりそうな気配です。

二人でパワーライン・トレイルをハイクで登り始めると、案の定、トップを走っていたランナーが見えてきました。ぐんぐんと差を縮め、上りの途中でそのまま追い抜きました。後ろから別のランナーが追いついてくる雰囲気はなく、あとはさきほどから並走しているランナーとの一騎打ちです。

パワーラインの上りで、並走しているランナーの様子を観察していると、上るに連れて疲れてきているように見えました。自分のペースを守って走ってきた私はまだ余力があったので、パワーラインを上りきった23マイル(37キロ)地点で、ここが勝負どころと一気にスパート。振り向かずに出来る限りのスピードで距離を離しにかかると、奏功。あっという間に差を作ることに成功しました。このあたりで優勝を強く意識しました。

とはいえ力を抜けば後続が追いついてくるので力を抜かずにプッシュし続け、またせっかくのリードが台無しにならないようにコースロストに気をつけて走り続けました。

Photo © Glenn Tachiyama


最後はふくらはぎが攣りそうになりながらも、後続に追いつかれることなく1位でゴール。やりました!加えて、ゴール後に初めて知ったのですが、4時間22分という記録はコースレコードまであと19秒に迫る好タイム。

Jumping finish! (Photo © Jeff Barber)


2位はパワーラインの頂上まで並走していたデイヴ(David Bresnahan)。

3位にはやはりネイトが入ってきました。ゴールラインで話していてわかったことなのですが、実はデイヴも昨年私やネイトが走ったBighornを走っていたとのこと。実はトップ3全員が既に同じレースを走っていたのでした。

あまり景色を見る余裕はなかったですが、思う存分レースを楽しめました。うまいレース運びができ、会心のレースになりました。またOrcas Island 50kという人気レースでの優勝は本当に嬉しい!

レースの全結果はこちら

勝因
順位的にもタイム的にも当初の目標を大幅に上回る結果になりましたが、考えられる主な要因を上げると以下の3つあたりでしょうか。

  • コースの知識…私は昨年既に同レースを走っており、後半のタフさを知っていたのに対し、レース序盤で先頭を走りながらもパワーラインで失速したランナーや、2位に入ったデイヴにとっては今回が初めてのOrcas Island 50k。私のほうが力の掛けどころ、抜きどころがわかっていたことが間違いなく結果に影響しました。
  • フレッシュな体調…昨年は数多くのレースをこなし、12月のレースでは疲労が完全に抜けない中でのレースになってしまいました。その後、数週間は完全にトレーニングを休み、12月後半からじっくり体を作ってきたので、疲労も抜けてよいコンディションでレースに望めたことが良い結果につながった可能性があります。
  • コア・トレーニングの導入…今年の10月には45歳。やはり若い人にくらべると筋肉が落ちやすいということもあり、今年初めからコア・トレーニングを取り入れました。結果として、筋肉系の怪我の予防と、バランス感覚の強化につながった可能性があります。

レースの後のお楽しみ
レースは終わりましたが、お楽しみはここから。

島内のブリュワリーIsland Hoppin’ Breweryのビールを飲みながら、一緒に走ったランナーやその家族とおしゃべりしたり、ゴールする選手に拍手を送ったり。レースは忙しかったのですが、レースの後はのんびりと時間が過ぎていくのでした。


Gorge Waterfallsがウェスタン・ステイツのqualifierに。


2017年のウェスタン・ステイツにエントリーする資格が得られるレースのリストが発表されましたが、その中に以前ブログでも紹介した Gorge Waterfalls 100k​が加わりました。(同じ週末に開催される50キロのレースではウェスタン・ステイツのエントリー資格はもらえません。)

ポートランドのすぐそば、コロンビア峡谷沿いのトレイルを、レース名の通りたくさんの滝を眺めながら走ります。高低差を見ると大したことないように見えますが、実際に走るとかなりタフ。

エントリーは10月22日開始、抽選になる可能性もあるようです。レースの日程はまだ発表されていませんが、例年通りだと3月末。私はいまのところ3月中旬に開催されるChuckanut 50k​に出る予定で、例年通りの日程で開催された場合はGorge Waterfallsには出ませんが、応援には行く予定です。

アメリカ北西部のレースの雰囲気を感じたい方にはおすすめです。


70歳の肝力

こんにちは、藤岡です。シアトルは熱波です。クーラーがない我が家にはキビシイ。

さて、今年のウェスタン・ステイツ(Western States Endurance Run)をインターネットで追っかけていた方はご存知の通り、フランソワ・デンヌ(François D’haene)をねじ伏せたロブ・クラール(Rob Krar)や、途中でコースミスをしながらもステファニー・ハウ(Stephanie Howe)を破ったマグダレナ・ブーレ(Magdalena Boulet)もさることながら、やはり今年のハイライトは、灼熱の161キロの道のりを制限時間である30時間の6秒前、29時間59分54秒で最後にゴールしたガンヒルド・スワンソンさん(Gunhild Swanson)でしょう。

初の70歳代の女性完走者となった彼女。最後の1マイルは優勝者のロブ・クラールが並走して励まし、その甲斐もあってか最後の1.3マイル(約2キロ)を16分で駆け抜けました。ゴールシーンの映像がこちら。周りのみんなが声援を送り、興奮しました。

ウエスタン・ステイツの直前に、定期購読しているウルトラランニングマガジンの最新号が送られてきたのですが、その特集の一つが三人のベテランランナーに関する記事で、そのうちの一人がちょうどガンヒルド・スワンソンさんでした。読んでみると、彼女が今回最年長での完走記録を打ち立てたのが偶然ではなく、しっかりとした裏付けがあり、彼女だったから成し遂げられたということがわかります。

ちなみに、彼女は私と同じくワシントン州在住で、私も大好きなレインシャドウ・ランニングのレースのファンだそうです。

以下、記事をざっと訳してみました。(いかにも翻訳した感たっぷりな文章ですが、お許しくださいませ。)同記事はウェブでも公開されているので、原文をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。


ガンヒルド・スワンソンの胆力

61回目の誕生日の一週間前、ガンヒルド・スワンソンは2005年のウェスタン・ステイツを25時間40分で完走し、60歳以上女子の最速記録を打ち立てた。彼女にとって二度目のウェスタンステイツ、五度目の100マイルレースだった。夫のジャックは由緒あるこのレースで彼女のペーサーをしたかったに違いない。しかし彼は直前に白血病と診断され、それは叶わなかった。

それから10年、70歳になったスワンソンはJavelina Jundredを27時間24分で完走した。おそらく100マイルレースを完走した最高齢の女性となっただけでなく、彼女は再びウェスタン・ステイツの出場資格を満たしたのだ。2008年に他界してしまったジャックが生きていたら、きっと興奮していたに違いない。

「走るようになってしばらくしてはじめて、自分に能力があることに気づいたわ。」スワンソンは、微笑みながらそう言う。彼女の人柄は、彼女の走りそのものだ。いつもは物静かだが、一度話を向けると、彼女の話は、その走りのように、いつまでも止まない。趣味の話になったかと思えば、レースの話になり、家族の話題に、というように。ドイツ出身、ワシントン州スポケーンに住んで数十年。快活でエネルギッシュで、いつも笑顔を絶やさず、何事も決して諦めない。いつもショートカットで、明るい色のランニングウェアが好き。ランニング以外の趣味は、編み物や孫のトゥーランについて冗談をいうこと。

実はスワンソンの2015年のウェスタン・ステイツ出場は一度主催者から却下されていたが、その数週間後に特別に出場が認められた。その知らせを聞いて俄然やる気になった彼女は、さっそくコーチを雇ったほどだ。高校や大学で走ってなかった彼女にとって、70歳にして初めてのコーチを受けることになったのだ。

スワンソンのお気に入りのレースは、人気のレインシャドウが主催する50キロのレースとクール・ダレンヌ・マラソン。それからジャックがブルームスデイ・ロード・ランナーズ・クラブの役員を務めていたこともあって、ブルームス・デイ・ランは39年間で走らなかったのはたった2回だけ。ヤキマ・リバー・キャニオン・マラソンも彼女のお気に入りだ。

そのヤキマ・リバー・キャニオン・マラソンの前夜祭で2014年に講演したのは、キャサリン・スイッザーだった。当時女性が走ることが認められていなかった1967年のボストン・マラソンを走っていたスイッザーは、途中でレースディレクターから止められそうになったのだが、ボーイフレンドのトム・ミラーがレースディレクターを押しのけてくれたおかげで、ゴールできたのだった。その時の様子を収めた写真は当時またたく間に世界に知れ渡り、50年近くたった今でも、スワンソンを含む多くの長距離ランナーに影響を与えているのだ。

その2014年のヤキマ・リバー・キャニオン・マラソンのあと、レースディレクターのレノール・ドルフィンは、スイッザーがボストン・マラソンでつけていたゼッケン261番を2015年ヤキマ・リバー・キャニオン・マラソンのゼッケンとして提供することをスワンソンに提案した。261番を提案したのには、もう一つの理由があった。2015年のレースまでにスワンソンがマラソンやウルトラレースを含め通算で260のレースを完走する予定だったからだ。たが69歳の時点で247のレースを完走したものの、あと1年で13のレースを完走するのはなかなか厳しいものだった。レノールともうひとりの友達リサ・ブリスがキャサリン・スイッザーにスワンソンの計画とこれまでの功績について話し、それを受けてスイッザーがボストン・マラソンでつけた261番のゼッケンのレプリカの後ろにメッセージを添えて、ブレスレットと一緒に2015年ヤキマ・リバー・キャニオン・マラソンでスワンソンに送ったのは、スワンソンにとってサプライズだった。

2007年のバッドウォーターに優勝し、バッドウォーターの殿堂入りメンバーでもあるリサ・ブリスはスワンソンについてこう言う。「ほとんどの人は知らないかもしれないけれど、彼女は怪我や挫折から何度も復活してきた人なの。普通、歳を取るごとに復活するのはどんどん難しくなってくるというのに。復活するのに時間がかかることもあるけれど、彼女は言い訳せず復活してくるの。そして常にベストを尽くして、結果を残すの。」そしてこう続ける。「それでいて彼女は走りながら、小さな野花を見たり、鳥のさえずりに耳を済ませたり、場合によっては立ち止まって、落ちているコインを拾ったりするの。彼女は勝負師だけれど、勝負することが彼女を駆り立てるのではなく、彼女の生き様が、彼女を勝負に駆り立てるのね。つまり、彼女には勝者のメンタリティーが生まれつき備わっているの。そのうえで、たまたま彼女はすばらいランナーとしての才能も持っていただけなの。」

2015年のウェスタン・ステイツは世界中のエリートランナー、記録保持者、年代別の強者ランナーが集う大会になる。でも、そんな中で、すでに年代別の記録をもち新たに年代別の記録を狙うガンヒルド・スワンソンは、おそらくもっとも肝のすわったランナーに違いない。


夏だ!ビーコン・ロックだ!

こんにちは、藤岡です。シアトルはすっかり夏です。

こちらの夏は湿気がなく、朝晩は涼しく最高気温も30℃を超えることも稀と、最高の季節です。そんな季節を満喫するのに最高なのがビーコン・ロック(Beacon Rock)50キロ/25キロ。以前ブログで紹介したレインシャドウ・ランニング(Rainshadow Running)のレースです。

いつもは私のサポートをしている妻が25キロの部を走ってきました。久しぶりにトレイルを走るということもあって、若干緊張気味?
一方、私は一週間後に別のレースがあるので未出走、妻の応援です。

会場は、ワシントン州とオレゴン州の州境を走るコロンビア峡谷のワシントン州側にあるビーコン・ロック州立公園。コロンビア川のすぐ脇にそびえ立つ岩山、ビーコン・ロックがシンボルです。レースではビーコン・ロック自体は走りませんが、コース途中でビーコン・ロックと渓谷の壮観な景色を楽しむことができます。ちなみに渓谷の対岸で行われるのが以前の記事でも触れたゴージ・ウォーターフォールズです。

コースからの眺め。真ん中の木の左に見えるのがビーコン・ロックです。

コースからの眺め。真ん中の木の左に見えるのがビーコン・ロックです。


コースは2つの山がある25キロのループを25キロは一周、50キロは二周します。比較的走りやすいコースですが、昼に近づくにつれ気温が上がり日差しも強くなってくるので甘く見ると痛い目にあいます。

スタート地点はキャンプ場。週末は貸し切りになっていて、レース参加者なら誰でも無料で泊まれます。私達もレース前日の金曜日に現地に着いてテント泊でした。

キャンプ以外にも、キッズレースやウォータースライダーなど、家族みんなが楽しめるイベントになってます。

キッズレース、スタート!

キッズレース、スタート!


さてレースの方ですが、25キロがスタートしたのを見届けたあと、私は先回りして景色を楽しみながら二つ目の山へと登り、青空と風景を楽しんだりランナーに声援をおくったりしながら、妻がやってくるのを待っていました。
多少温度が上がってきたので、暑さに弱い妻の調子はどうかなぁと思っていたら、意外にはやく(といっても全体でみたら真ん中より少し後ろくらいの順位だとおもいますが)、案外余裕の表情でやって来ました。私と一緒に週末山歩きをしている成果でしょうか。

余裕の走り。

余裕の走り。


山頂で妻に声を掛けたあと、私は再度先回りしてゴールへ。しばらくすると、無事に妻が戻ってきました。レースディレクターのジェームスから「どうだった?大変だった?」と聞かれて、「う〜ん、簡単だったかな?」と余裕のコメント。

レースディレクターのジェームスとハイタッチ。

レースディレクターのジェームスとハイタッチ。


レース後は恒例の石窯ピザを堪能しながら、ランナーのゴールに声援を送りつつ、音楽を楽しみつつ、のんびりとひなたぼっこです。

今日もピザがウマい!

今日もピザがウマい!


いやぁ楽しい週末でした。来年もまた来るだろうなぁ、きっと。

ゴール付近で。


若いってことは、いいことだ。


こんにちは、藤岡です。連休終わっちゃいまいました。

さて先日の投稿でも触れましたが、お腹にいる赤ちゃんさえも参加し完走するトレイルランニング。サン・マウンテンではちびっ子が走る1キロの部も大盛況でした。
以前は平均年齢が比較的高かったトレイルランニングも、こうして裾野が広がっていくにつれてジェフ・ローズ(Geoff Roes)が言うとおり平均年齢が下がっているようですし、こちらの記事にもある通りトップランナーの年齢も下がってきているようです。

私が今年参加したレースでも10代のランナーが度々上位でゴールしていました。特に2月のオーカス島50キロで去年に引き続き優勝したオレゴン州出身のアンドリュー・ミラー(Andrew Miller)は、昨年17歳で同レースを優勝したことでアメリカ国内で一躍その名が知れ渡りました

アンドリューはサロモンのスポンサーを受けており、将来国際レベルでトップを競えるランナーとして4月に世界中の若い有望ランナーと一緒にイタリアでトレーニングをしていたそうです。その時のカッコイイ動画がこちら。(35秒くらいから走りながら一人ひとり自己紹介するシーンがありますが、三番目がアンドリューです。)

下の動画は今年のオーカス島50キロのビデオ。2分20秒あたりでインタビューに答えている人、2分47秒ごろのスタートシーンでスタートと同時に先頭に飛び出しているランナーがアンドリューです。むっちりとした下半身が印象的でした。(ちなみに私もこの動画にちらほら出てきます。)

他のスポーツ同様、トレイルランニングにおいても世界のトップで活躍する選手は、必要とされる体力と技術のうち特に技術の面で、育った環境が重要と言われています。ピレネー出身のキリアン・ジョルネや、ネパール出身のダワ・シェルパなどが下りで速いのは、やはり小さな頃から山に親しんでいたことが大きいようです。
確かに、年をとってから技術を頭で覚えようとするより、若い頃から体で技術を吸収するほうがよいのは想像に難くありません。

となると、私の様なおっさんランナーはどんどん太刀打ちできなくなって夢も希望もないかというと、必ずしもそんなことはありません。ある調査によるとやはり若い年齢のランナーのほうがピークは高いのですが、30代や40代で走り始めた人でも、練習を継続的に続ければ若いランナーと同じようにしばらくは右肩上がりの成長曲線を描き、4年程度でピークを迎え、やがてゆっくりとパフォーマンスを落としていきます。つまり早く競技を始めても遅く始めてもある程度伸びしろはあるし、若いランナーと同じくらいの期間競技生活を楽しめるはず。

説明。

Two Ocean Ultra-marathon完走者50000人のデータを元に、最初にレースに参加してからの経年ごとのスピードの変化を表したグラフ。縦軸がスピード(時速)、横軸が年数(年齢)です。上の図は各年代のグラフを重ねたもの。20代が一番山が高い(=スピードが速い)ですが、どの年代も4年を経過するとスピードが落ちてきます。
出典:Ultra-Trail : Plaisir, performance et santé
原典:Rae DE et al. The interaction of aging and 10 years of racing on ultraendurance running performance. J Aging Phys Act. 13(2):210-22, 2005


ということで、まだ速くなれることを信じて、おっちゃんは今日もトレーニングに行ってきます。