ランニング用パワーメーターを使ってみた

こんにちは、藤岡です。前回の投稿から少し間が空きましたが、いたって元気にしておりました。

唐突ですが、パワーメーターというものをご存知でしょうか?「人が一定の時間にする仕事の量」である「動力(仕事率)」を計測する機械です。ジムでエアロバイクを漕ぐとワット数が表示されますが、アレが動力です。

自転車用のものは以前からいろいろな種類のものが出回っていて、プロだけでなく愛好家の多くもトレーニングやレースの時にどれだけの力で漕いでいるのかを客観的に知るために活用しています。

人間の力がペダルからクランクやチェーンなどいろいろな機構を通じて地面に伝わる自転車と異なり、人の力がほぼ直接地面に伝わるランニング用のパワーメーターを作るのは技術的に容易ではなかったようですが、いよいよ昨年ごろから少しずつランナー用のものが出始めてきました。

今では自転車に乗る機会はめっきり減ってしまいましたが、以前は私もロードバイクに凝っていて、自転車用のパワーメーターの購入を検討したこともありました。そんな私向けに最近になってFacebook上にランニング用のパワーメーターに関する広告記事が。まんまと罠に引っかかり、さっそく購入してしまいました。恐るべしFacebook。

自転車乗り時代の私。

自転車乗り時代の私。

私が購入したのは胸バンド式の「Stryd」というもので、お値段は199ドル。心拍数もこのバンドで測れるので、別途胸バンドを付ける必要はありません。技術的には、当然ながら直接地面に伝わる動力を計算するのではなく、胸バンドに組み込まれた加速度センサーが上下、前後、左右の動きを把握し、動力を算出しているとのこと。

ということで、Strydを装着してさっそく走ってみました。

まずはSuunto Ambit2との組み合わせで、普段のトレーニングコースを結構一生懸命走った時のデータです。エレベーション(標高)と並べてみると、どこで力を使っているかが一目瞭然。(オレンジの線がパワー、白線がエレベーションです。途中、パワーが0になっているのは信号待ちで止まっているためです。)上り坂ではパワーメーターの数値はあがり、逆に下りでは下がります。上りは重力に逆らう動きになるので、より大きなパワーが必要になるためです。

心拍数と並べてみました。(オレンジの線がパワー、白線が心拍数です。)心臓は運動に反応して動くため、パワーからほんの少し遅れて心拍数が上下します。心拍数は体調や気温によって異なってきますが、パワーを見れば純粋にどれだけの出力が出ているかを知ることができます。

次はトレッドミル上を一定の速度で走った時のデータ。こちらはSuuntoではなくiPhone用のアプリを使ってみました。

下図がその時のグラフです。(オレンジがパワー、水色が歩数、緑がフォームの上下動を表しています。)途中、オレンジ(パワー)と緑(上下動)の線が大きく山なりに、水色(歩数)が谷になっている箇所がありますが、これはわざとストライド走法に変えてみた時のものです。ストライド走法によって歩幅が大きくなることで、上下動が増え、無駄なパワーを消費してしまっています。つまり、同じペースで走っても非効率な走り方をするとパワーが増えていくということを表しています。

パワーメーターで得るデータは、心拍計やペース、ケイデンス(一分あたりの歩数)など他のデータの代わりになるものではなく、むしろ他のデータと組み合わせて分析することで、さらに深い洞察を得ることができます。

パワーメータのデータがどのように役に立つのか、いくつか簡単な例を挙げてみると…

  • 単純に過去と現在のパワーを比較して、どれだけ動力がアップしているのかを見るというのも一つの活用方法です。特に伸び盛りのランナーにとっては、パワーの向上は一つの指標になるでしょう。
  • 同じ距離を同じタイムで走った時に、より低いパワーで走ることができれば消耗が少なくなります。つまり、いかに効率的な走りができているかをパワーメーターで知ることができます。私のように40歳を過ぎた中年ランナーになると、年とともに筋力が落ちていくので、走力を維持するには衰える力を技術的に効率的に走ることで補う必要が出てきますが、こうした場面でもパワーメーターが役に立ちます。
  • シーズンオフや怪我でしばらく休んだ後にパワーメーターで自分の動力を把握すれば、ピーク時と比べた現状を客観的に把握することが出来、練習計画を立てるときの参考になります。

身につけてすぐに走力がアップするツールではないですが、データを蓄積すればなかなか面白い発見がありそうです。しばらくパワーメーターで遊んでみたいとおもいます。