準備がすべて〜2017年レース・スケジュール

先週サンフランシスコを走った12月第一週の週末は、ウェスタンステイツハードロック100の抽選が行われた週でもありました。全米の100マイラーは、この時期、みんな抽選結果に一喜一憂。

私も両レースの抽選に参加しましたが、あえなく落選。ということで来年のスケジュールがだいたい確定しました。中期目標、2017年の目標と合わせて、公開したいと思います。同じレースを走る方、現地でお会いするのを楽しみにしています。

中期ゴール

今年45歳を迎えました。幸い今のところ、走力については加齢による限界を感じてはいませんが、それでも体重が減りにくくなったり、疲労回復が若干遅くなったりはしているように思います。

年齢に最終的に勝利した人間は誰もいません。私もそう遠くない将来、結果を上げることはもちろん、維持していくことも簡単ではなくなってくると思いますが、なんとかパフォーマンスを劇的に下げないことで、中期的に達成したい目標があります。

それは「UTMBで50歳代でトップ3に入ること」です。今年の私のタイム27時間39分12秒なのに対して、ここ3年の50歳代の3位のタイムは以下のとおり。

  • 2016年…31時間45分34秒
  • 2015年…28時間11分39秒
  • 2014年…28時間20分31秒

そう簡単ではありませんが、実現可能性はそれなりにあるかなと思ってます。

2017年のゴール

2016年の目標は「100マイルレースを昨年以上に上手く走ること」でしたが、結果はザイオン100で優勝、UTMBでも自己ベストで総合40位と、望外の結果を残すことができました。

今年も、中期ゴールへむけて、引き続き「100マイルレースを安定して上手く走ること」を目標に据えたいと思います。

マイ・ルール

私がスケジュールを組むときは、走りたいレースをとりあえず片っ端からエントリー…ということはしません。

まず、一年のうち注力したいレースを1つないし2つ決めたうえで、疲労を残さないように以下のマイルールに従って計画を立てます。

  • レースはA〜Cの三段階に優先順位付け。
    • A…目標レース。年に2つまで。
    • B…Aレースを犠牲にしない範囲で結果を求めるレース。年に2〜3レースほど。
    • C…調整目的のレース。結果は気にせず怪我しないことが第一。
  • Aレース同士は3ヶ月以上離す。(基礎作りからピークに持っていくために最低3ヶ月必要なため。)
  • 100マイルレースは一年に2本が理想。3本が上限。
  • 100マイルレース同士の間隔は最低でも2ヶ月はあける。
  • 50キロ〜50マイルレース同士の間隔は1ヶ月程度はあける。
  • 年に一度は、2週間以上のオフをとる。
  • 100マイルの後は、必ず最低一週間のオフをとる。

レース・スケジュール

ということで、以下が私の2017年のレース・スケジュールです。

1.Hurt 100(100マイル1月14日/重要度A

【レース概要】
ハワイ・オアフ島ホノルル近くで行われる100マイルレース。一周20マイルのコースを5周します。場所柄、日本からの参加が多いですが、アメリカ西海岸のトレイルランナーにも人気のレースです。

【個人的な位置づけ】
私にとっては初めてのHurt 100。というか、これまでハワイには飛行機の乗り継ぎで一泊したことがあるだけで、ほぼ初めてのハワイです。
例年は12月にシーズンオフの休養、1月からを練習を開始していましたが、今年は変則的に8月のUTMB後に休養したあと、このレースへ向けて準備してきました。5位以内が目標です。高温多湿のレースはあまり経験がないですが、残り一ヶ月、良い準備をしたいとおもいます。

2.Orcas Island(50キロ/2月4日/重要度C

【レース概要】
オーカス島はシアトル近郊からフェリーで1時間ほどの週末旅行にもってこいの場所。地元トレイルランニングコミュニティが集まる年始行事のような大会です。

【個人的な位置づけ】
昨年優勝したので今年も、といきたいところでしたが、このレースにエントリーした後にHurt 100に当選したため、スケジュール的に厳しくなってしまいました。常識的にも経験的にも100マイルレースから3週間後に良い走りをするのは難しそうです。
年始行事としてみんなと挨拶して、怪我せずに完走すれば十分。疲労の回復具合によってはキャンセルすることも考えます。

3.Chuckanut(50キロ3月18日/重要度B

【レース概要】
シアトルから車で北に1時間ほどのベリンガム近郊で行われます。今年で25回めを迎えるクラシックレースで、クリッシー・モール(Krissy Moehl)がレース・ディレクター。毎年有力選手が参加し、ハイレベルなスピードレースになります。
今年は世界選手権のアメリカ代表・カナダ代表選考を兼ねているため、いつも以上にハイレベルな闘いになりそうです。現時点で既に先のThe North Face Endurance Challenge Championship で2位のヘイデン・ホークス(Hayden Hawks)と3位のデビッド・レイニー(David Laney)がエントリー済み。

【個人的な位置づけ】
私にとっては6年連続6回目の出場。年始の走力チェック的な意味合いもあります。おそらく例年以上のレベルの戦いになるので順位は下がりそう。ほぼパーフェクトの出来だった2016年ほどの走りをするのはそう簡単ではなさそうですが、マスターでトップ3を目指したいと思います。

4.[未確定]Sun Mountain(100キロ/5月20日/重要度C

【レース概要】
シアトルから見てノース・カスケード山脈の裏側で行われる、人気のレインシャドウ・ランニングが主催するレース。雨季も終わり、花が咲く丘を走ります。大きな山は少なく、走れるコースです。

【個人的な位置づけ】
夏の目標レースに向けたトレーニング的な位置づけ。順位やタイムはあまり気にせず、怪我に気をつけつつしっかり走り切るのが目標です。

5.Andorra Ronda Dels Cims(170キロ7月6日/重要度A

【レース概要】
フランスとスペインに挟まれた小国アンドラで行われる超級山岳レース。累積標高差は、距離が近いUTMBやハードロック100(約10000メートル)をかるく凌ぐ13500メートル、優勝タイムも優に30時間超えと、かなりな難易度のレースです。

【個人的な位置づけ】
今年は一度UTMBをお休みして、アンドラを楽しんでみることにしました。どちらかというと走れるコースが得意な私にとって、おそらく私向きとはいえないレースです。順位を気にしすぎず、未体験の難易度で完走を果たして、なにか新しい発見があればいいなと思います。

6.[未確定]Bear 100(100マイル/9月23日/重要度B

【レース概要】
ユタ州で行われる100マイルレースです。ハードロック100のエントリー資格を得るためのレースの一つに選ばれており、比較的難易度が高いレースです。ロッキー山脈で行われる4つの100マイルレースを一年で完走するロッキー・マウンテン・スラムに含まれています。

【個人的な位置づけ】
このレースについてはそれほどよく知らないのですが、走ったことのある人から聞く限り評判の良いレース。アンドラの疲労が抜けていれば、上位を狙って走ります。

7.[未確定]The North Face Endurance Challenge Championship(50マイル/12月2日/重要度C

【レース概要】
毎年12月第一週に行われる超高速50マイルレースは事実上の全米選手権です。サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡ってすぐのところで行われます。

【個人的な位置づけ】
年末の走力チェックという位置づけのレースです。その時点での体調次第ですが、今年と同じくらいのパフォーマンスができればと考えています。エリートランナーの雰囲気を感じながら、レースの雰囲気を楽しみたいです。

レースの結果は良い計画にもとづいて、どれだけしっかりと準備できるかにかかってるので、調子を見ながら柔軟にうまく調整していきたいと思います。


OCCへの道、完結編

私がUTMBを走る前の日。まずは昨年からOCCへ向けて準備していたヨッシーこと私の妻が走る番です。

距離55キロのOCCは、スイスのオルジエール(Orsieres)をスタートしたあと、シャンペ湖(Champex-Lac)からしばらくUTMBとほぼ同じルートを辿ってシャモニー(Chamonix)にゴールします。言ってみれば全行程170キロのUTMBの短距離版。

毎年私のサポートをしてきた妻は、厳しいコースに多少不安な表情を見せつつも、UTMBと重複するコースを走れるとあって少し胸熱な様子。

一方、私と日本から駆けつけた妻の両親は、妻に声援を送るためにレンタカーで要所要所を先回りします。

まずは妻を送りにオルジエールへ向かいます。村のはずれにある臨時駐車場に車を止めてスタート地点へ。

オルジエール(クリックするとシャモニーからオルジエールまでの道順を表示)

オルジエール(クリックするとシャモニーからオルジエールまでの道順を表示)


小さなオルジエールの村の真ん中がスタート地点。すこし早めに着いたので最初は人もまばらでしたが、スタート時間が近づくとともに三々五々集まってきました。

過去にUTMB、CCC、TDSを制し、今年のOCCで個人レース全制覇を目指すグザビエ・テブナール(Xavier Thévenard)がスタートラインでひときわ周りの注目を集めています。

スタート

朝8時15分、レーススタート。狭い路地を一斉にランナーが進んでいきます。

妻は制限時間をたっぷり使って走るランナー。比較的後ろの位置からスタートしたところ、最初の上りは下の写真のとおり、すこし渋滞もあった模様。

私と妻の両親は、ランナー全員がスタートしたのを見送ったあと、最短ルートが通行禁止になっているのでちょっと遠回りしてシャンペ湖に向かいます。

シャンペ湖(クリックするとOrsieresからの経路が表示されます。)

シャンペ湖(クリックするとOrsieresからの経路が表示されます。)


湖畔の道沿いに車を止めた直後にグザビエを含む先頭集団が目の前を通過。スタートから一時間もたってないはずなのに。速い!

妻はグザビエから遅れること一時間ちょっとで到着。まだまだ元気そう。まぁ、まだ序盤ですからね。

私達が次に向かったフォルクラッツ峠は、トリアン村の直前にある観戦ポイント。ちょっとしたカフェや建物もあるので、ランナーは一瞬エイドステーションに着いたと勘違いする場所です。

フォルクラッツ峠(クリックするとChampex-Lacからの経路が表示されます。)

フォルクラッツ峠(クリックするとChampex-Lacからの経路が表示されます。)


私達がフォルクラッツ峠に到着した頃にはすでにトップ集団は通過した後。ランナーは大きな山を一つ越え、時間が進むに連れて気温も上がってきたこともあり、すこしずつ疲れが見えてくる頃です。

牛のフンがなさそうなところに腰をおろしてのんびり待機。目の前を進むランナーに声援を送りながら妻を待ちます。

妻がやって来ました。結構笑顔で思ったほど疲労の色もなし。私と比べてかなり胃の弱い妻ですが「しっかり一時間おきにジェルも摂ってるので大丈夫」、私がいつもしょっぱいと感じているエイドステーションのスープも「マジうまかった」との弁。案外逞しいですな。

急いで車に戻り、車道の上にかかる歩道橋を走るランナーを見ながらトリアン村まですすみ、向かって右側にある駐車場に車を止めて村の中へ。

トリアン(クリックするとCol de la Forclazからの経路が表示されます。)

トリアン(クリックするとCol de la Forclazからの経路が表示されます。)


間もなく歩いて村に入ってきた妻は、すこし暑そうだけど、笑顔で「濡らした手ぬぐいを首に巻いているのが効いてて大丈夫」とのこと。しっかり水分等を補給してエイドステーションを出る妻を見送ります。

妻から「明日UTMBがあるんだから、もう応援はいいから帰りなさい!」と心強いお言葉をいただき、トリアンを出た妻を見送った後、私たちはヴァロルシーヌを飛ばしてシャモニーへ。

車で行けばトリアンからヴァロルシーヌまではたったの10分ですが、ランナーにとっては長い道のり。(私はヴァロルシーヌへは向かいませんでしたが、ヴァロルシーヌの駐車場はシャモニーへと向かう道を左に折れたあと、正面に駅を見て左側のゴンドラ付近にあります。)

ヴァロルシーヌ(クリックするとTrientからの経路が表示されます。)

ヴァロルシーヌ(クリックするとTrientからの経路が表示されます。)


その後、妻は大きな問題もなく景色を楽しみながら着実に進んでいたようです。いつもはヴァロルシーヌで私の姿が現れるのを待ちながら見上げている山の上から、今回は自分が村を見下ろすことができて、感慨もひとしおだった様子。

ここまでくればシャモニーまではもうすぐ。線路沿いを少し進んだ後、最後の山へと入ります。

このセクションはOCCとUTMBで少しコースが異なります。コースプロフィールを見る限りではUTMBよりやや難易度が低そうに見えましたが、後で聞くと、どのランナーもこのセクションでかなり苦労した様子。妻も同様で、曰く「上りも下りも急できつかったし、フレジェールのエイドステーションも思ったより遠かった」。

なんだかんだで、制限時間より二時間近く余裕をもって妻はシャモニーへと戻ってきました。最後の数百メートルは、お母さんがゴールラインで待つなか、伴走者として私とお父さんを従えてゴール!

 
「息を切らして大変そうなお父さんのためにペースを落としたら最後にひとり抜かれちゃったよ」と、余裕の談。

夫の若干の心配をよそに、しっかり食べ、きっちりペースを守り、妻のヨッシーは難なく完走を果たしましたとさ。めでたし、めでたし。


UTMB 2016

こんにちは、藤岡です。8月最後の週末にUTMBを走ってきました。

2014年から続けて参加していますが、今年も例年通り妻がサポート、日本から来てくれた妻の両親が応援というチーム編成で臨みました。

今年の成績は27時間39分21秒で総合40位(男子36位)。タイム、順位ともに自己ベストで三年連続の完走を果たせました。

アメリカでも注目度が上がるUTMB
UTMBの知名度はアメリカでも年々上がっていて、今年は2015年のCCC優勝者ザック・ミラー(Zack Miller)や同2015年UTMBで3位のデイビッド・レイニー(David Laney)、2014年UTMBで4位、今年Hardrock 100でキリアン・ジョルネと同時優勝したジェイソン・シュラブ(Jason Schlarb)などのスーパーエリートが名を連ね、アメリカから初の優勝者が出るかとの期待もありました。

私が所属するセブンヒルズ・ランニングショップ(Seven Hills Running Shop)のチームからも私の他にジョンマットが参加しました。

UTMBまでの過程
前々回のブログにも書きましたが、今年の最大目標だったHardrock 100に出場できず、バックアップとして考えていたUTMBに目標を切り替えて臨みました。

最後に走ったウルトラディスタンスは6月初めに走ったコロラドのDirty 30という50キロのレース。そこからレース間隔が少し空いてしまったのに加え、このレース以降は1日に走った距離が長くても30~40キロ程とあまり長い距離の練習はしていませんでした。

それでもUTMBの10日前になっても足の疲れや重さが抜けないなぁと思って、普段あまり気にしていない月走距離をふと見たところ560キロ超。加えて普段ジムでやっているエリプティカル・トレーナーも考慮すると、なかなか疲れが取れないのも納得。それ以降はいつも以上にテーパリング期間の練習量を減らし、最後の一週間は6キロから長くても10キロほどのランにとどめ、足の疲れを取ることに重点を置きました。

目標
昨年は中盤以降、胃の不調で苦しみ、不本意な結果に終わってしまいました。

今年は、昨年の分を取り返すべく28時間での完走が目標です。

目標達成に向けたポイント
基本的に胃は強い方なのですが、昨年は途中で胃の調子を崩し、思うような走りができなくなってしまいました。走っている間に胃が揺れてしまったのが原因か、気温の変化でお腹が冷えてしまったのが原因か、はたまた途中の食料補給の仕方が悪かったのか、いずれにせよ今年はそうしたトラブルが起こらないように気をつけないといけません。

また、過去二年ともフィニッシュにたどり着く前に足を使い切ってしまい、シャモニーへと向かう最後の下りは走ることもままならない状態になってしまったので、今年は最後まで走れる足を残しておく必要があります。

レースプラン
周りのペースに惑わされることなく自分のペースを守ること。100位前後のポジションでスタートして、後半以降にじわじわ順位を上げていく展開を考えていました。

コースプロフィール(クリックして拡大)

コースプロフィール(クリックして拡大)


実際のレース・序盤
昨年に引き続き好天かつ猛暑となり、主催者から水分を余分に持つよう注意喚起が行われました。

夕方6時、熱狂の中スタート。アメリカのレースと比べて圧倒的に参加規模が大きく、お祭騒ぎの様相です。

シャモニーの街中は沿道の両側から声援が続き、多くのランナーはアドレナリンが出て我こそ前へ前へと速いスピードで駆けて行きますが、私は混沌を避けるためにエリート達が並ぶスタートライン前方から少し下がったところから出発、時計を見ながらキロ4分30秒前後のペースでレースに入りました。

序盤、私がいるポジションは最終的に今回のUTMBで2位に入ったアンドレア・ヒューザー(Andrea Huser)や、3位の「闘魂」のハチマキでお馴染みのウシュエ・フライエ(Uxue Fraile)など女子のトップ勢の姿が見えました。ロリー・ボシオ(Rory Bosio)はやはりトレイルに落ちているゴミを拾いながら走っていました。男子では上背があるマイケル・ワーディアン(Michael Wardian)やチームメイトのジョンも近いところを走っています。

レ・コンタミヌ(Les Contamines)までの31キロは比較的難易度が低いセクションで、日が暮れていくにつれ気温も下がってくるので、リズムよく楽しく走れます。

35キロ地点を過ぎ、コル・デュ・ボンノム(Col du Bonhomme)からコル・ドゥ・ラ・セーニュ(Col de la Seigne)を通ってコル・デ・ピラミッド・カルケール(Col des Pyramides Calcaires)へと連なる長い登り、その後66キロ地点から始まる美しい(はずだけど闇の中で望めない)コンバル湖のほとりを抜け、アレ・デュ・モン・ファーブル(Arrête Du Mont Favre)を越えるトレイルを順調に進み、79キロ地点にある中盤で一番大きなクールマイヨール(Courmayeur)のエイドステーションには過去二年よりずっと疲労が少ない状態で到着しました。とはいえまだ全行程の半分もいっていないので、その後もペースを上げすぎて足に負荷がかかることのないように進みます。

チームメイトのジョン @ Courmayeur

チームメイトのジョン @ Courmayeur

レース中盤
84キロ地点のベルトーネの山小屋(Refuge Bertone)を過ぎたころに空が明るくなってきました。ここから97キロ地点のアルヌーヴァ(Arnouvas)まではしばらく走れるセクションですが、昨年はここの後半で胃の不調を抱えてしまったので、体の上下動を気にしつつ楽に走ることを心がけました。

この辺りまでくると、ランナーの間隔は完全にばらけて、前後に誰も見ない時間が長くなってきます。

91キロ地点のボナッティ小屋(Refuge Bonatti)では、体調不良で外のテーブルに突っ伏して寝ている大瀬さんに遭遇。その後しばらく回復に時間を要したそうですが、それでもレースを再開しゴールした姿勢はさすがです。

私はここで例年通り紅茶に砂糖を多めに入れていただきました。まだまだ朝方で涼しい中、正面にモンブランを望みながらの一杯は格別です。

昨年、胃の不調を抱えて入ったアルヌーヴァに、大きなトラブルもなく到着。今年はまだ胃も元気で、オレンジを立て続けに食べていたらエイドステーションのボランティアに「お腹を壊すからもうやめときなさい」と言われてしまいました。

日も次第に高くなり、足の疲れも蓄積してくる中で迎えた大きなフェレ峠の登りではなかなかスピードがあがらなかったものの、なんとか頂上へたどり着きました。峠で一息つき、ジェルを飲み込んでカロリーをとると、110キロ地点のラ・フリー(La Fouly)への長い下りを駆け下りました。

ラ・フリーから124キロ地点のシャンペ湖(Champex-Lac)は毎年苦労させられます。最も気温が上がる時間帯で、恐らく35~36度くらいまで上がっていたでしょうか。水場を見つけるたびに頭から水を被ります。

なんとかサポートの妻が待つシャンペのエイドに到着。結構くたびれていたので、25分と長めの休憩をとりました。妻が後で言うには、その間私が発した言葉の9割は「暑い」という単語で、エイドに「暑い」と言いながら入り、「暑い」と言いながら出ていったとのこと。

シャンペ湖(Champex-Lac)

シャンペ湖(Champex-Lac)


そして今年最も苦しかったのがシャンペの後、135キロ地点のラ・ジエット(La Giete)へと続く登り。暑くて食欲がわかず、何も食べずに登った結果、スピードもダウンして最後はフラフラ。足も痺れたようになり、チームメイトのジョンにも抜かれてしまいました。なんとか登りを終えたところでジェルを一気に三つ摂ると、山の上は少し涼かったこともあり、やがて足色も回復し、下りではなんとかリズムを取り戻し、すぐにジョンを抜き返しました。
フォルクラッツ峠(Col de la Forclaz)

フォルクラッツ峠(Col de la Forclaz)

終盤

141キロのトリアン(Trient)から先は、少し雲が出て暑さも弱まってきたこともあり順調に巡行。途中、酷使した左足裏の皮がズリッと大きくめくれる感触がありましたが、今すぐ走りに影響してくるほどではありません。

トリアン村(Trient)

トリアン村(Trient)


バロルシヌまで着くと、残す登りはテット・オ・ヴァン(Tete aux Vents)のみ。今年はまだ十分に足も残っています。

「こんなに長かったっけかなぁ」と思いながら、ジョンをはじめ後続の選手に追いつかれないように必死にテット・オ・ヴァンまで登りきると、日が傾き始めました。毎年この時間のこの場所には、アルプスアイベックスやアルプスカモシカがあちこちに現れます。今年もたくさん姿を現してくれました。

やがてぽつぽつと雨が来て、続いて雷鳴が始まりました。幸い近いところに落ちていないようなので、早めにヘッドライトを装着して、ゴールへと急ぎます。

ラ・フレジェール(La Flégère)まで到着すれば、あとはシャモニーへの下りを残すのみ。普段なら全く問題にならないようなちょっとした石や根っこがあるトレイルですが、過去二年とも足が上がらず躓きまくりました。でも今年は足も残っているので大丈夫、と順調に駆け下りていたら途中で石だか根っこだかに躓きスッテーンと転倒。悶絶している間に女性の4位に抜かれてしまいました。

すっかり暗くなった中、転倒した拍子に何か落としたりしていないかヘッドライトで確認し、身なりと息を整えてから下りを再開。雨脚と雷鳴が強くなる中、シャモニーの街へと入ります。

シャモニーに入った午後9時半頃は、普段ならまだまだ街中にたくさん人がいる時間ですが、雷雨のせいで人はまばら。そしてゴール地点は停電中。

それでもだいたい思っていたような走りができたので、意気揚々とゴールへと向かいます。

最後はチーム・フジオカはじめ皆が待つゴールにジャンプしながらフィニッシュ!

終わりに
昨年は満足できる結果を残せなかったのですが、今年は難しい時間帯もなんとか乗り切り、細かいところではもうちょっと上手くやれたところがありつつも、全体としては満足できる走りができました。

当初のプランどおり、100位くらいからスタートして徐々に上げることができました。

当初のプランどおり、100位くらいからスタートして徐々に上げることができました。

2555人中1468人完走で完走率57.4パーセントという厳しいレースの中、チーム・セブンヒルズの三人は、
・私(40位、27時間39分21秒)
・ジョン(47位、28時間14分55秒)
・マット(83位、30時間32分06秒)
とみんな100位以内で完走。こちらも素晴らしい結果です。

サポートしてくれたチーム・フジオカや、中盤以降土井さんの近くを走っていたこともあってエイドごとに声援を送ってくださった土井さんチームの皆さん、その他現地で、あるいは遠くからインターネットを通じて応援していただいた皆さん、それからチームメイトとSeven Hills Running Shopには大感謝です。皆さんに変な結果は見せられないなぁという見栄を力に走りきることができました。

近年のトレイルランニングブームで世界中で数多くのイベントが開催されるようになっていますが、シャモニーという美しい街に世界中のランナーが集まって一週間続くお祭り騒ぎはやはり独特です。こってり濃厚でタフなレースなので、しょっちゅうこんな非日常をやっていたら堪ったもんじゃありませんが、一年に一回くらいなら、やっぱり楽しいもんですね。


OCCへの道

こんにちは、藤岡です。

2015年も残すところ一ヶ月ちょっと。今年の私のレースも残すところThe North Face Endurance Challenge Californiaだけとなりました。今年で5年連続5回目の出場です。

私が初めて出場したトレイルランニングの大会が2011年のこのレース。当時はトレランに関する知識も浅く、「なんでも日本の鏑木さんという有名なランナーがでるらしい」くらいしかわからないまま出場。無謀にもその鏑木さんにスタートから7キロほど付いていって前半で撃沈。後半の40キロを完全に終わった脚でなんとか完走するという、大変いい勉強をさせられたレースでした。

12月最初の週末にサン・フランシスコはゴールデン・ゲート・ブリッジのすぐ近くで開催されるこの大会。さまざまな距離のレースの中でも、50マイルはここ数年アメリカ国内だけでなく世界からもトップが集まる間違いなくアメリカでは最もハイレベルなレース。アメリカらしい走りやすいトレイルでスピーディーな戦いが繰り広げられます。

現時点で登録されているエリート選手の一部を挙げてみただけでも、男子ではフランソワ・デンヌ、セージ・カナディ、マックス・キング、ザック・ミラー、クリス・ヴァーゴ、アレックス・ヴァーナー、ダコタ・ジョーンズ、アダム・キャンベル、ダイラン・ボウマン、マイケル・ワーディアン、ホルヘ・マラヴィーヤ、ハル・コナー、カール・メッツァー、ジェズ・ブラッグ、ポール・テラノヴァ、ジャスティン・フック…、女子ではマグダレナ・ブレ、ロリー・ボシオ、エリー・グリーンウッド、メラニー・ボス、ラリッサ・デニス、アリッサ・エブラ、ダーシー・ピセウ、エマ・ロッカ、ジョディ・アダムス・ムーア、ミーガン・キンメル、ミッシェル・イェーツ…。日本からも鬼塚智則さんと宮﨑喜美乃さんのお名前が。

いやはや質・量ともにすごい顔ぶれ。私が総合上位を狙えるレースではなく、またレユニオンのあとどこまで体を戻せるかわかりませんが、せいぜい雰囲気を楽しんでこようと思います。

さてさて、今回のサン・フランシスコでは私だけでなく妻も走ります。妻が参加するのは50キロのレース。彼女がこれまで走った最長のトレイルレースは9月のクリスタル・マウンテン・スカイ・マラソンの42キロで、初めてのウルトラ・ディスタンスです。

Crystal Mountain Sky Marathon


妻の目標は、これを完走して来年8月に開催されるUTMBの短距離版OCC出場に必要なポイントを獲得すること。UTMBに出場予定の私と一緒に楽しくフランス・モンブランを満喫できればいいな。

Crystal Mountain Sky Marathon


UTMB2015


灼熱地獄となった#UTMB2015は、胃の不具合で失速、なんとか完走だけしました。

前半はうまく走れていたのですが、90キロ地点(Arnuva手前)くらいから胃の調子を崩してしまい、それ以降はエイドで休み休み、なだめすかしながら走る展開になってしまいました。胃は丈夫なほうで、こうした状況とはこれまで無縁だったのですが。

思ったようなレースにならず、全然満足行ってませんが、今回のレースから何かを学んで、今後のレースに役立てたいと思ってます。

応援してくてた皆さん、サポートしてくれた皆さんに大感謝!


明日はUTMB。

こんにちは、藤岡です。

本年も、やって来ました、シャモニーに。

昨年に引き続き、今年も妻の両親が日本から応援にきてくれました。ちょっと回り道してスイスの街々ちょっと観光。

昨日シャモニー入り。さっそく軽〜くひとっ走りしてきました。

シャモニーでは、フランスのアルビという街でフランス語を勉強していた時に一緒だった日本の方と、なんと15年ぶりにお会いしました。彼もUTMBを走るとのこと。ほんとに世界は狭い!

レースは明日の夕方からですが、私はまだリラックムード。UTMBでは過去数年のレース実績を元にゼッケンが割り振られます。私が上位入賞を狙えるレースではなく、50位以内も私には背伸びしたゴールになっちゃうので、周りを気にせず自分のレースを楽しみたいとおもいます。ゆっくり100番手くらいでスタートして、ゆっくじわじわ順位を上げるような展開でいって、結果的に昨年(28時間27分49秒、総合79位)以上で走れれば万々歳。