トルデジアンで知り合ったお友達のこと

こんにちは。
奥三河パワートレイルの続きの前に、こちらを失礼します。

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2年前のTOR DES GEANTS。
尾骶骨骨折で悶絶していたわたしの前に突然現れ、親指をぐっと突き上げ、
「行くよ!わたしについて来な!」
と、次のライフベースまでわたしを鼓舞し続けてくれた小さなフランス人女性。

彼女の名前は、Claudine Bosio

その後わたしは残念ながらリタイアしましたが、彼女は見事完走したのです。

レース後、クールマイヨールのレストランで再会。お互いの健闘を讃え合い、またいつかTDGで!と約束をしたのでした。

そんな彼女が、去年はなんとカメラとマイクを抱えてわたしの前に出現!

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どうやらこれを撮っていたようです。

Claudine Bosio脚本監督作品。

【Au Pays de Marie 】

TOR DES GEANTSにまつわるドキュメンタリー映画とのこと。

それでですね、ドネーションを募っているようなのです。

フランス国内に限らず、国際映画祭や多くの映画館に配給したいそうです。

2015年6月まで以下のサイトで募っています。
英語の案内も載っています。

http://m.leetchi.com/c/projets-de-claudine-bosio

ドネーションの方法ですが、フランス語になっていますので、画面をスクロールしていくと国旗が並んでいます。左から2番目のユニオンジャックをポチッとすると英語になります。

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この写真と同じところにスクロールして、Contributeをクリックするとログイン画面になりますので、必要事項を入力、金額(ユーロ)を入力して進むとクレジット決済画面に移動します。

ご興味ある方、共感くださる方、どうぞよろしくお願いいたします!

表彰式の後で

表彰式の後で


奥三河パワートレイルに行ってきた①

こんにちは。くだりがこわかったりこわくなかったりの無限ループに陥っている、さいこです。

でも、高いところは大丈夫 @深草観音 in 甲府 photo by Yumi Matsui

でも、高いところは大丈夫 @深草観音 in 甲府 photo by Yumi Matsui

奥三河パワートレイル
石川弘樹氏プロデュースの第一回大会。
下り基調の63k。

弘樹氏プロデュースといえば、フカフカのトレイルと緩やかで走れるコースと思い込み、これは楽しく走れそうと気楽にエントリー。

エントリー後しばらくしてから、今年1番の目標と考えていたイベント「TDT(ツールドトモ)」と日程が丸かぶりと判明。あまりのショックに、しばらく寝込んだほど(笑)

とりあえずレギュレーションと地図と高低表くらい見ておくかと、思ったのがレースの5日前。

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ん?4000mアップの5000mダウンはわかってはいたけど、なんだ?この細いアップダウンは???
制限時間12時間???

ヤバい。新しいシューズがない。
裏は磨耗して、つま先が剥がれているようなシューズしかない…。
身体以前にシューズが壊れるかも。

エイドは?
あれ?20km以上水しかないところが。
しかも食べ物も何が出るかわからない。
いかん、補給食も買ってなかった…。

慌ててFacebookで呟くと、神様と女神様が降臨。
神様は胃腸が弱っても食べられ、しかも低GIのVespa Wasp Okanicを、女神様はもう何足も履き潰してきたinov8のX-TALON212の旧モデルの新品同様のシューズを、我が家まで届けてくれました♡

こういうお友達がいてくれることに本当に感謝です。走れない言い訳は絶対できなくなりましたが(笑)

去年のトルデジアン以降、どうしても身体の使い方が取り戻せず、長く走ることができなくなっていたわたくし。
パーソナルトレーナーの原澤さん、チームSOTAの小川壮太さんに根本から教え直していただき、なんとかこれなら長い距離もつかな?というギリギリの状態。
順位どころか完走も危ぶまれるくらいなので、まあ楽しんで来ようくらいに思うことにしました。

さて、レース前日。じろーさんとお友達2人と一緒に車で向かう道中も楽しく、夜の宴会も楽しみに。
都内から車で4時間ほどで無事会場に着き、先に来ていたお友達やスタッフのみなさんにご挨拶。

出てくる情報は、
「前半はロードが多いけど、後半のトレイルはハシゴや鉄階段や岩の激しいアップダウンの連続。」
「完走率は50%いかないらしい。」
「女子にいたっては、完走したら入賞確実らしい。」
そんな話しばかり…(汗)

ま、ここまできてジタバタしても仕方ない。
とにかく楽しむために来たんだから、ビールビール!
部屋に戻ってもビールビール!
夕飯もビールビール!
そして温泉!

…なんて、実は相当不安なまま、寝床へ。
どうなる?わたし…。

続く


次は何を目指すんですか?

こんにちは。 毎週やってくる地味な筋トレがこわい、さいこです。

先日筋トレの後に食べた麦とろごはんは格別な美味しさでした

先日筋トレの後に食べた麦とろごはんは格別な美味しさでした

「次は何を目指すんですか?」

最近、よく聞かれます。

スパルタスロン?」 「TJAR?」 「PTL?」

みなさん、よくそうおっしゃいますが、そんなことはありません。

この3年は確かにTDGの完走を目指していましたから、みなさん次はどんな凄いこと目指すんだろう?と思いますよね。

わたしとしては、完走したら燃え尽きやしないかと、そちらを心配していましたが、どうやらそれは大丈夫そうです。

そして、この何年かを通して、あらためて、自分のトレイルランを含めフィールドでの過ごし方、考え方がかたまってきた気がします。

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わたしがロングレースに出るようになったきっかけの中に、速く走ることが苦手、速く走るための練習をすることが苦手という点があります。

ゆっくりでいい。今より強く。もっと遠くへ。

確かに100kmを超えるレースは、そんなお気楽な気持ちだけでは楽しみきれないのも事実です。 ですから、最低限の努力はしてきましたが、50km前後のレースでは、それなりにヒトにもわかる結果が残せることがあっても、ロングでは完走がやっと。

「向いてないよ。」
「自分に向いている距離、もうわかったんじゃない?」

そんな風に知人に言われ、自分でもそうだなとは思いつつ、でも、なんだか釈然としなかったのです。

別にレースで上位をとることが目的ではないし、もちろん、前回の自分より強くなりたいとは思うけど、自分が楽しいと思う価値観と、他の人が楽しいと思う価値観は、違うことが多々あります。

速く走れるようになりたいなら、食事制限も考え、アルコールの摂取も控え、トレーニングも含め生活そのものをそこに向ければいいのです。 でも、それが楽しいと思うかは、その人次第。わたしは、それが楽しくないと思ってしまう、甘ったれなのです(笑)

好きなものを食べ、好きなものを飲み、好きなときに、好きなところへ。トレイルランが自分の枷になるのではなく、楽しみであり続けたい。

TDGの完走にこだわったのは、自分の中で完走していないレースをそのままにしたくなかったこともあるけど、長い長い時間の先にあるゴールゲートを越えると待っているキラキラを体験したかった。それはきっと素晴らしく楽しいことだから。

TDGの練習で始めた夏山登山も、いつの間にかわたしの中では練習ではなくなりました。 道具を揃えることも、山地図を見ながらルートを考えることも、重い荷物を背負って進むことも、どんどん楽しくなっていきました。

直近のレースとしては、「OMM」に出るのですが、これが決まってからというもの、実はTDGよりもこちらが気になって(笑)

装備を少しづつ揃えながら、それを試しに山に行くことは、本当に楽しい。地図読みも久しぶりにもう一度勉強し直して、何回か講習会にも参加し、あらためてその奥深さ、楽しさを実感しています。

先日の講習では、地図読みというのは、楽しいだけでなくて、自分の身を守るための知識でもあるんだなと、身を持って体感 -photo by Makoto Chida

先日の講習では、地図読みというのは、楽しいだけでなくて、自分の身を守るための知識でもあるんだなと、身を持って体感 -photo by Makoto Chida

もう一方では、みんなで100マイルを24時間以内で走るというイベントに参加。自分のペースではなくみんなと走る難しさと楽しさを初めて体験してきました。

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このイベントは、速い人も遅い人も同じようなペースで進むわけで、いずれにしてもかなりキツいのです。でも、普通のレースでは一緒に走れないような憧れの人たちと、お話ししながら走ることもできます。そんな人たちもゆっくり走ることを寧ろ苦しんでいたりする姿が見れて、そして、そんな方たちの強さを間近で見ることができて、ものすごく刺激的なのです。

参加資格はゴミ拾い!そんなところも共感

参加資格はゴミ拾い!そんなところも共感

これを通して、快適に走るためのウェアリング、パッキングなどをあらためて考えたり、自分のペースの作り方とか、女子としてはペーサーをつけたいなーとか運営についても色々考えたり、これまた新たな楽しみが見つかってしまい、またワクワクしています。

そんな感じで、わたしはこれからも、いかに楽しいか!を追求していきます。

そんな中で、もしかしたら、いつかはPTL!?とか、はたまたフルマラソンサブ3!?などと、いま思ってもみないことを目差すかもしれません。

それもまた、いつかこちらでご報告できるかもしれません。


トルデジアンでハネムーン

こんにちは。
ロードで転んで平地がこわくなったさいこです。

早いもので、TDGから帰国して、あっという間に一ヶ月が過ぎてしまいました。

今年のTDGも予期せぬトラブルが発生したのですが、そんなエピソードも含め、こちらで追い追いご報告していきたいと思います。

photo by Sergio Enrico

photo by Sergio Enrico

思い返せば2年前、メドックマラソンに向かう電車に乗り遅れてしまったじろーさんが、急遽予定を変更して、TDG参戦のみんなの応援に駆けつけてくれました。

そんなじろーさんと、昨年結婚。
まさか、今年のTDGに一緒に参加するなんて、思ってもみませんでした。

当初、じろーさんは100時間切りを目標にするとのことだったので、道中は別々に進み、ゴール後わたしのサポートに戻ってきてもらうというつもりでおりました。

ところが、スタート前にわたしは風邪を引きフラフラ、じろーさんもなかなか調子が上がらず100時間切りは難しいかもという事態に。

運良くドンナスのライフベースで会うことができたので、そこから一緒に進んでくれることになりました。

正直、身内同士でこの長い時間をうまく乗り越えられるのか、少々不安ではありました。
というのも、以前2回ほどレースでペーサー的に一緒に走ってもらったのですが、止まると怒られるし、歩くと怒られるし、エイドでモタモタしてると怒られるしで、もう二度とペーサーはお願いしないと約束していたのです。

六甲CBのゴール。じろーさん、ご立腹です(笑)

六甲CBのゴール。じろーさん、ご立腹です(笑)

風邪の影響もあり、第2セクションからお腹を壊してしまったわたし。道中何度も茂みや岩陰に隠れなければなりませんでした。
じろーさんは、その見張りから後始末など、すべて一手に引き受けてくれました。

エイドに着くと、すぐにわたしの食べものを運んできてくれましたし、お腹に優しいバナナなどをジップロックに詰めて行動食として用意してくれました。

寒くなると、わたしのザックから防寒着を出して着せてくれたり。
どんどんペースの落ちていくわたしを叱ることなく、常に一緒に走ってくれました。

そんな優しいじろーさんへ1番感謝していることがあります。

それは、「ビンタ」です(笑)

暗くなるとすぐに睡魔に襲われるわたしに、

「目ぇつぶって!行くよっ!!!」

『バシッ!!!バシーッ!!!』

っと何度も何度もビンタをお見舞いしてくれたのです。

(じろーさんの所属しているランニングチームでは、どうやらお約束らしいです。)

この愛のビンタのおかげもあり、無事2人でゴールゲートをくぐることができました。

photo by Junichi Seki

photo by Junichi Seki

なんだか凄い新婚旅行になってしまいましたが、世界でもなかなかこんな新婚旅行できる人はいないかなと。

そして、過酷な330kmを2人で乗り越えられたのですから、今後の人生の荒波も2人で乗り越えられそうです。

多分(笑)

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TDG 完走に足りなかったもの④〜最終回〜

こんにちは。
実は、くだりがあまりこわくなくなってきた(驚)、さいこです。

さて、希望を胸にオヤセを出発したわたし、実はスィーパー集団にずっと後をつけられていました。
わたしの通過した後のコースマーカーが、どんどん回収されていきます。
そう、わたしは最終ランナーなのです。

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あまりのプレッシャーに最後の下りをマジ走り。そして、またしても転倒…。スィーパーの陽気な話し声が、わたしをバカにしているように聞こえてなりません(そんな訳ないのに…)。

痛いけど、走らないと間に合わない。無我夢中で進み、這々の体で最終ライフベースのオロモントに飛び込みました。

するとそこでは、途中でレースをやめざるを得なかった日本人選手のみんなが待っていてくれたのです。

ワーワーと泣き出してしまったわたしに、テーピングをしてくれたり、荷物の整理をしてくれたり、ごはんを運んできてくれたり。
本当にありがたかったです。

一足先に到着していた松田さんともお互いを讃えあい、いよいよ最終ステージへと出発!

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日が暮れる頃、わたしたちはそれぞれのペースで進もうと、行動を別にすることにしました。

暗くなると、途端に睡魔が襲ってきました。まっすぐ進むことができません。
あっちにふらふら、こっちにふらふら、なかなか高度が上がりません。

そして振り返ると、下から数名のヘッドライトが…。

そうです。スィーパーと最終ランナーたちです。
神様、お願いです、この先進ませてください!叫びながら進んだのですが、とうとうスィーパー集団に追いつかれてしまいました。

もはやこれまでか。
絶望的な気持ちになったところで、彼らはわたしに言いました。

「僕たちはスィーパーだけど、今から君のフィニッシュペーサーになるよ。さあ、一緒に行こう!」

もう、彼らのペースについていけば、最終関門は越えられます!

わたしは彼らに、関門がサンレミになったと聞いてきたと伝えました。
彼らは、え?聞いてないけど?そうなの?と半信半疑。
どちらにしても間に合うよ、と彼らはあまりそこの点は気にしていないようでした。

道中どうしても睡魔に勝てず、彼らにお願いして仮眠を2回取りました。
彼らは時間を気にしていましたが、わたしの計算では関門の2時間前には到着するはずでした。

彼らと進んだ夜は、本当に楽しかった。たくさん話し、歌を唄い、彼らの持っていたアプリコットやナッツをたくさんいただいて、温かい紅茶をいれてもらったり…。

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夢のような時間を過ごし、とうとうサンレミに到着。
でも、関門はやっぱりこの先のメルドゥだったのです。

まだ関門まで2時間程ありました。
絶対に間に合わない、ここで終了だと宣告されましたが、絶対嫌だ!ゴールまで行く!と、わたしは泣きながら走り出しました。

新しいスィーパーもついてくれました、走って走って走りました。
ところが、日が昇り、後ろから強烈な朝日に照らされたとき、ふっと力が入らなくなってしまったのです。

スィーパーの彼は、メルドゥでみんなが待っているよ、何時間かかっても構わないから一緒にクールマイヨールまで行こう!と言ってくれました。

それなのに、もうわたしの実力はこれまでなんだ、これ以上人に頼るのはやめよう、やはり1人ではここにさえ来ることはできなかったのだ、という思いでいっぱいになってしまいました。

怪我をしたのだから仕方ない、関門の場所を間違ったのだから仕方ない。そんな風にも思ってしまいました。

ゴールしたい気持ちより、諦めの気持ちが勝ってしまったのです。

でも、同じ状況だった松田さんは、無事にゴールすることができましたし、常にわたしと同じくらいの位置を進んでいた、年配の女性もゴールすることができました。

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睡魔に打ち勝ち、予期せぬ出来事を跳ね除け、絶対にゴールするのだという強い気持ちさえ持っていれば、わたしにもゴールは待っていたはずなのです。

転ばなくても、同じようなペースだったかもしれません。
みんな、脚の裏がベロベロに剥けていたり、それなりにダメージを負っているのですから、辛さは、みんな一緒です。
自分だけが不遇な状況にいるわけではないのです。

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完走に足りなかったもの、

それは、強い心。

表彰式にて。スィーパーの1人がわたしを見つけて抱きしめてくれました。君は完走できなかったけど、僕たちの心の中に残っているよ。そう言ってくれました、多分、イタリア語だったけど(笑) -photo by Ayumu

表彰式にて。スィーパーの1人がわたしを見つけて抱きしめてくれました。君は完走できなかったけど、僕たちの心の中に残っているよ。そう言ってくれました、多分、イタリア語だったけど(笑)
-photo by Ayumu

弱い心に負けた瞬間、ここまで来るために準備してきたこと、努力してきたこと、そしてレース中の楽しかった出来事、すべてが無くなってしまいました。
こんな気持ちには、二度となりたくないものです。

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この後の1年、わたしには変化が起きました。
弱い心に強い心が勝てるようにもなってきました。
そんなお話しは、また今度…。


TDG 完走に足りなかったもの③〜予期せぬ出来事〜

こんにちは。
下りエスカレーターの一歩目もこわい、さいこです。

だいぶ間を開けてしまいました。
今年のトルデジアン参加前に、このシリーズは完成させようと思っていたのに…。
申し訳ないです。

えー、今年のトルデジアンは、なんと完走いたしました!
でもその話しの前に、このシリーズを仕上げますので、しばらくお付き合いくださいませ(汗)

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さてさて、前回からの続き。
いよいよあと残すところ半分。ちょうど100マイルまでやってきました。

コーダ小屋では、暖かいお部屋で2時間仮眠。
起床後は、有料メニューのローストポークと大量のマッシュポテトをガツガツ平らげ絶好調。
ここまで一緒に登ってもらったつるちゃんと外へ。

すると、そこには360度の大パノラマが朝焼けに染まっていました。

もう、美しくて美しくて、あぁ、これを見るためにわたしはこのレースに呼ばれたのかも!と、涙が溢れて止まりませんでした。
実は景色を見て泣いたのは初めて。
両親とか家族とか、友達とか、とにかく色んな人への感謝の気持ちが、ドバッと一緒に沸いてきて、こんな気持ちになったのは初めてでした。

もう大丈夫。絶対に完走できる!
スピードの違うつるちゃんにいつまでも頼るのは申し訳ないので、ここからは先に進んでもらうことにし、わたしはゆっくりゆっくり進み始めました。

石段を下り始めてしばらくしてから、それは突然起こりました。

あっ!と声を上げたのと同時に、身体が宙に浮きました。
そして、リカバリーできないまま、段差の角に尾てい骨を強打…。

うっすら砂が積もっていた石段に、うっかり後ろ加重で脚をついたため、スリップしてしまったのです。

あまりの痛みに息もできなくなりました。
呻いていると、前後にいた選手たちが集まってきてしまいました。

そのとき思ったのは、「ヤバイ!通報される!」でした。

通報は去年で懲りていますから(笑)、必死でゼッケンナンバーを隠し、「No problem! I’m OK! I’m OK!」と叫びました。

しばらくたって、なんとか立ち上がることができたのですが、ヒビが入っているような激痛でした。
それでも、ここで絶対にやめたくありません。

ペースが一気に落ちました。

封印していたロキソニンのお世話になることにしました。
それでも痛みは消えません。

下りは元々ペースが遅いので、さほど大差ないのですが、とにかく登りが踏ん張れない。

そして、転んだことが原因かは分かりませんが、この後はトイレに行くたびに血便が出続けたのです(涙)

追い打ちをかけるように、わたしにはもう一つ予期せぬ出来事が起こりました。

第6セクション途中、避難小屋で仮眠をとったのですが、そこで日本からの参加選手である松田さんと会うことができました。
松田さんは前半の体調不良が響き、だいぶペースが遅れていました。
ここで会ったのも何かの縁。
わたしたちは、お互い励まし合いながら、このセクションの最終エイドであるオヤセまで、一緒に進みました。

無事オヤセに着き、ホッと一息、補給をしていると、待機していたスィーパーが話しかけてきました。

「最後の関門はサンレミボス、そこに朝8時までに到着し、8時半までに出発すればOK」
そう彼はわたしたちに告げました。

実はこの年のパンフレットには、最後の関門が印刷されていませんでした。
でも、わたしは最後の関門はサンレミボスの先にあるメルドゥだとホームページで確認してきており、自分の行動計画にもきちんと書いていました。

「ということは、関門がメルドゥからサンレミに変更になったの?」
そう尋ねると、彼は「そうだ」と答えました。

おお!何という朗報!
今年はスタート時間が遅れたこともあるし、もう少しだけでも関門を緩くして完走率を上げたいのかも!

わたしたちは、このスタッフの言うことを真に受けてしまったのです!

しかし、本当の関門は…。

この僅かな関門の違いが運命の分かれ道になるとは…。

この僅かな関門の違いが運命の分かれ道になるとは…。

今となっては、彼が勘違いして嘘を教えてしまったのか、わたしたちが聞き間違ったのか、まったくもってわかりませんが…。

ケツ痛と大きな勘違いを抱えたまま進むわたしは、一体どうなるのでしょうか?!
次回をお楽しみに〜!


TDG 完走に足りなかったもの②

こんにちは。
ざれた急斜のくだりがこわい、さいこです。

さて、前回お話しした去年の失敗を踏まえ、今年は同じことを繰り返さないよう、なるべく標高の高い所へ練習に行き、わたしの弱点と対策を再確認しながら、準備をいたしました。

目標は、
「睡眠時間を確保しながら、150時間を目一杯使って完走する!」
です。

そのために立てたタイムスケジュールとその結果がこちらです。

スライド06

睡眠時間は、トータル21時間30分でした。1日4時間くらいです。20時間も寝たのか!という感じですし、最終セクションで呑気に仮眠を取っている場合じゃないように見えます。

でも、わたしは普段1日8時間は眠る自称ロングスリーパー。
毎日50km4000D+動き続けながら、1日4時間睡眠は、地獄の沙汰です。

スライド09

今年の優勝者、スペインのIker選手は70時間4分、3日目の朝8時にゴールしています。多分一睡もしていません。

これを補うために、眠りの質を高める必要がありました。
そこで用意したのが、これらの快眠グッズです。

スライド07

最初のライフベースは去年と同じ、外の仮設テントでした。
おまけに初日は雨でしたから、着ていたものは濡れて、泥だらけでした。
でも、これらのおかげで今年はぐっすり眠ることができました。

シュラフはデポバックの中でかさばりますが、それでも持って行って大正解。
濡れた服の上に透湿性の高いレインギアを着用し、そのままシュラフへ入れば、みるみる間に着ているものは乾いていきました。
シュラフが暑い場合は、インナーシーツにシュラフカバーをすれば快適に。
ライフベースでは、寒さに耐えるためにエマージェンシーシートを被っている人が多いのですが、結露で濡れる上、再利用も困難です。
シュラフカバーは結露もありませんし、片付けも簡単、何度も使えるのでとても便利です。

というわけで、快眠を手に入れたわたしは、起床後もしっかりごはんを食べることができ、毎回元気いっぱいにライフベースを出発することができました。

快眠グッズの他に、わたしを助けたのは、こちらの赤いデポバッグ。

じろさんがUSで買ってきてくれたBAREⅡ

じろさんがUSで買ってきてくれたBAREⅡ
右下はレースで支給される50Lのデポバック

中身を見やすく小分けできて、見た目よりも、ものすごくたくさん物が入ります。
大会側から支給されるデポバッグの中にもスポッと入り、この他にシュラフや着替え、替えのストックなどを入れてもまだ大丈夫。
おかげで、起床後の荷物の整理に焦ることもなく、気持ちに余裕を持つことができました。

行動中の装備をご紹介しましょう。

タイツは日焼け防止とニューハレ剥がれ防止に◎

タイツは日焼け防止とニューハレ剥がれ防止に◎

これらは軽量化もやや意識する選手の、標準的な装備だと思います。
寒暖差に弱いわたしとしては、これらをいつ、どのようにレイヤリングしていくかが重要でした。
また、ライトの準備のタイミングなども含め、とにかく先手先手の準備を心掛けました。

寒くなってからでは手遅れ、寒い場所で立ち止まることを回避する、と、常に意識していたので、去年のような失敗に繋がることはありませんでした。

それでも、胃腸が止まってしまうことが何度もありましたが、すりおろしリンゴが主成分の、果糖のゼリーをちびちび飲んで、腹膜をマッサージすることで、胃腸の動きを回復させ続けました。

このような対策は、去年の失敗からだけでなく、日本でのアルプス縦走などの実体験から多く得ることができました。
やはり、標高の高い山を多く経験して、自分の弱点を見つけて、それに対する対策をするというのが、トルデジアンのようなロングレースに役立つと実感しました。

あとは、焦りをいかに捨てて、自分のペースを楽しむかでした。

今年は自分のことではなく、家族、友人、選手、スタッフなど、とにかく「人」を思いながら進みました。
まあ、結構悪態もつきましたが、それでも、人を思って進んでいると、楽しいことばかり。

スライド11

ライフベースでは、わたしより速い選手にも、何度も再会できました。そして、色々なアドバイスをもらったり、時には一緒に行動してもらったりと、本当にお世話になりました。

100マイル地点のコーダ小屋へは、トルデジアン3年連続完走のツワモノ、つるちゃんに引っ張ってもらいました。
遠くに見える小屋の灯りを目指し、強風吹き荒ぶマイナス5℃の尾根を進みます。去年のわたしだったら、確実に具合が悪くなっていたでしょう。

スライド12

でも、今年は違いました。
コーダ小屋に到着したとき、正直、これは完走できる!という、確信に近いものを感じていました。

とはいえ、何が起きるかわからないのが、ロングレース…。

次回は、わたしに起こった予期せぬ出来事についてお話しします。
お楽しみに〜。


TDG 完走に足りなかったもの①

こんにちは、くだりだけでなく、トレッドミルもこわい、さいこです。

さて、前回予告した、トルデジアンのご報告です。

わたしは、去年は約100km、今年は約300kmでリタイヤでした。
実力不足と言ってしまうとそれまでなのですが…。

今回は、わたしの走力レベルがどのくらいか、そして、去年なぜ失敗してしまったのかをお話しします。

スライド03

わたしの走力は、マイナーなショートレースで何度か表彰台に上ったことがありますが、ロングだと、信越、おんたけ、UTMFなどを完走しているくらいです。

そして、登りは好きですが、ブログタイトル通り、くだりがとても苦手です。
登山は夏山のみ。南アルプス、北アルプス、富士登山、いずれもトレランスタイルのスピードハイクです。本格的なクライミング経験はありません。
海外レースは2010年CCCのみで、100マイルレースはUTMFのみです。
トルデジアンにはまだ早い?と思う方もいそうですね。

トルデジアンは、リタイアしたわたしでも、とてもとても楽しい大会です。
エイドのごはんは、素晴らしいイタリア料理の数々。チーズに生ハム、ターキーやローストビーフ、ビールにワイン、挙げたらキリがありません。

ライフベースは簡易ベッドがずらりと並び、まるで野戦病院のよう。今年は、カルフールとスーパーUが協賛となり、素晴らしい食事の数々が並んでいました♪

ライフベースは簡易ベッドがずらりと並び、まるで野戦病院のよう。今年はPellissiesというスーパーが協賛となったため、素晴らしい食事の数々が並んでいました♪

そして、人の暖かさ、おもてなしの心、助け合う絆の深さ、そういった、人の心との触れ合いは、このレースならではと言えます。

とはいえ、距離は336km、累積標高は24000mです。
わたしにとっては、やはりものすごく辛い大会でもありました。

去年、わたしが最初のライフベースに着くと、建物の中のベッドは全て埋まっていました。
外の仮設テントへ案内され、まあ、仕方がないと毛布に包まってベッドに横になりました。
すると、突然、ぶぅ〜〜〜ん!という音をたて、ストーブが壊れてしまったのです。
床はアスファルト、隙間風が吹き込みます。あまりの寒さに眠ることなどできません。周りの選手の荷造りの音や話し声も気になり、3時間ほどの滞在時間、一睡もすることができませんでした。
寒さで食欲も湧きません。
ライフベースでのせっかくの食事をしっかり取ることもなく、わたしは出発することに決めました。

そのあと、睡魔との闘いがはじまりました。
眠気は大幅なペースダウンに繋がります。一緒にライフベースを出た選手たちがあっという間に見えなくなりました。
焦りはどんどん増していき、エイドでの休憩や補給も疎かになりました。

トルデジアンでは、ビーバーク、野宿などコース上で眠ることは禁止されています。もし、そういった選手を見かけたら、大会側に報告をする義務があります。
でも、わたしは睡魔に勝てず、エマージェンシーシートを被って山肌で寝てしまい、すぐに通報されてしまいました。

また、焦るあまり、防寒着を着ること怠り、峠で低体温になりかけました。
峠のスタッフが毛布を広げて、わたしに向かって走ってきたことを今でもハッキリ覚えています。
自分では、越えてしまえばなんとかなると思っていましたが、スタッフから見て、既におかしい状態だったのでしょう。

峠の救護室は、レース前にヘリで運ばれます。わたしはこの透明な箱の中に捕獲され、毛布でぐるぐる巻きにされてしまいました。

峠の救護室は、レース前にヘリで運ばれます。わたしはこの透明な箱の中に捕獲され、毛布でぐるぐる巻きにされてしまいました。

わたしはそもそも寒暖差にすごく弱く、冷たい空気を吸い込み続けると、胃腸が止まってしまいます。
このときも、十分に補給もできていないうえに激しく冷え、胃腸の動きが止まり、結果激しい嘔吐につながってしまいました。

泣きながら嘔吐していると、わたしと同じペースで進んでいたイギリス人の選手が、一緒に次のエイドまで連れて行ってくれると言ってくれました。

ものすごい時間をかけて、彼はわたしと一緒に山小屋まで歩いてくれました。自分のフリースをわたしに着せてくれて、時間は気にしないでいいからと、わたしを助けてくれました。

そして、やっとの思いで到着した山小屋では、リタイア宣告が待っているのみでした。

「翌朝ヘリを呼ぶから、それに乗って山を下りるように。」
そう言われましたが、わたしはごねにごねました。
絶対に次のライフベースのコーニュまで自分の脚で行く!と喚き続けました。

山小屋では、行かせてやれ!いやリタイアだ!とスタッフが真っ二つに分かれて言い合いが始まりました。
その真ん中でわたしはしくしく泣くばかり。

結局、自分の脚で行ってもいい、でも、コーニュでリタイア決定だから、スタッフの指示に従うようにと言われました。
それでも、コーニュまで行けば、その先も行かせてくれるかもと思っていましたが、それは叶わぬ夢となってしまいました。

と、言う訳で、そんな体験をしたわたしが、今年はどんな準備をして行ったのか、次回はそのあたりをお話ししたいと思います。

お楽しみに〜。


愛しのトルデジアン

ごぶさたしております。
相変わらず、くだりがこわい、さいこです。

本当は前回予告していた、日本のビバッコ(避難小屋)について、お話ししようと思ってましたが、間が空いてしまったので、予定を変更します!

さて、もう、3ヶ月も前になるのですが、今年もトルデジアンに参戦してまいりました。

トルデジアン(Tor des geants)について、ご説明しますと、

トルデジアンとは、「巨人の旅」「巨人のレース」などと訳されます。

それは、ヨーロッパアルプス4大名峰の「巨人たち」

モンテビアンコ(モンブラン)4807m
グランパラディーゾ 4061m
モンテローザ 4634m
モンテチェルビーノ(マッターホルン)4478m

に、出会う旅の意味を持っています。

イタリア北西部のヴァッレダオスタ自治州。このアオスタ渓谷を150時間(6日間+6時間)以内に一周する、世界最大級のトレイルランニングレースです。

コースは、アオスタ渓谷のメジャートレッキングルートである、アルタヴィア1、アルタヴィア2をつなぐ全長約330km、累積標高24000m

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(アルタヴィアとは、イタリア語で 「天空の向こう」の意)

コースは7セクションに分かれていて、関門は全9カ所。 各セクションの終わりには、ベッドやシャワーを備えた、ライフベースと呼ばれる大エイドがあり、その他に山小屋などを利用したエイドが、43カ所用意されています。

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さて、わたしの結果は?

残念ながら、今年もリタイアです。

なぜそんなことになってしまったのでしょうか…。

話しは前後いたしますが、先月はトルデジアンナイトと称したパーティーが開かれ、つい先日も報告会が開催されました。

報告会では、わたくしの発表の時間もありました。
お題目は「完走に足りなかったもの」でした。

ということで、次回から、この発表の内容に、報告会ではお話しできなかったことも少々プラスしながら、何回かに分けてお話ししていきたいと思います。

お楽しみに〜。