中国のトレイルをめぐるエトセトラ2

窓ガラスに頭をぶつけ、夢見心地で旅が始まった。突然の衝撃に驚くが、痛みはない。明るい光にとまどいながら、うっすらと目を開けた。周りからはにぎやかな話し声が聞こえてくる。

目が慣れてくるころには、通路に長い列ができていた。東京を飛び立った飛行機が上海に降り立ったことに気付く。やけに頭が重く感じられた。寝不足の頭を働かせて理由を思い出す。

出国前に終わらせようとしていた仕事の量を読み違え、出発前夜になってもメドがつかず。そこでようやく危機感を抱き、残った仕事を片付けようと夜を明かし、そのままフライトの時間を迎えた。すでに疲れきった頭で、ターミナルを間違えつつも搭乗。なんとか仕事を終えた安堵感から、席に着くなり眠り込んでしまっていた。

ぼーっとしたまま、同じフライトでやって来たウスイさんと到着ロビーに向かう。碓井さんの風貌はとてもインパクトが強い。15cmオーバーのヒゲが顔に沿って密集しているのだ。にもかかわらず「ウスイ」。立派なヒゲは、砂漠の民を思わせる。前年にサハラ砂漠マラソンを完走しているので、あながち間違いでもない。現地では日本人だと気付かれなかったに違いないと僕は推測している。

ウェルカムボードを持った人たちの間に、見知った爽やかな笑顔を見つけた。アスリート向けのサプリメントを手がける「スタミナ・スポーツ」の王さんだ。今回出場するUTGKのスポンサーあり、僕とウスイさんを含む6人のランナーを招待してくれた企業である。

王さんに案内されて、この日合流予定だった2人と合流する。名前と顔は事前に見知っていたので、すぐに一致した。石川弘樹さん、丹羽薫さんだ。もう1人は台湾のチンくん。チームサロモンに所属する台湾のエリートランナーだ。そんな3人と対面して、途端になんだか場違いなところに来てしまった気がしてきた。

車で上海から5時間ほど移動。中国は広い。途中で何度かサービスエリアに立ち寄った

車で上海から5時間ほど移動。中国は広い。途中で何度かサービスエリアに立ち寄った

僕とウスイさんは、昨夏のステージレース「白山ジオトレイル」で知り合ったスタミナ・スポーツの社長コンさんに招待され、ノコノコとやって来た、いわばその辺の野良ランナーなのだ。

自己紹介がてら、石川さんと雑談。

「いま中国はアツいんですよ」

「25℃まで上がるらしいですね」と僕。

「気温もですけど、トレイルシーンが熱いんです」

情報に疎い野良ランナーぶりを発揮してしまう。そういう熱さですね。ここ3年で中国のトレイルレースは300を数えるようになったそうだ。日本が10年かけて歩んできた道のりに、数の上ですぐに追いついたことになる。人口規模が違うとはいえ、トレイルランニングへの注目度はかなり高いようだ。

などなど親切に教えてもらい、ふと気付く。いくつものスポンサーのロゴが入っている石川さんのウェアに対して、僕はといえば、上下ともにキレイな無地。

同じように招待という土俵に乗っていいのだろうか、同行していていいのだろうか。などと一瞬考えるものの、徹夜明けで疲弊した脳はあまり考え事に向かない。ほどなくして思考を放棄した。

まあ、いいのだ。

来てしまったのだから仕方ない。走るしかないのだ。雑に結論づけて空港から大会の開催される臨海市に移動するべく車に乗り込んだ。


中国のトレイルをめぐるエトセトラ

延々と続いていく竹林がとても中国的だ

延々と続いていく竹林がとても中国的だ

市街地を抜けて山に入ると、どこまでも続きそうな竹林が広がっている。いかにも中国という雰囲気たっぷりで、藪からパンダがひょいっと出てきそう。

おっと危ない、そんなことを想像していると、細いトレイルの足元にはタケノコがにょきっ。行く先々で土から顔を出していて、気を抜いていると足を引っかけそうになる。

竹の葉を揺らしていた風が弱まり、しっとりとした空気がさらに重みを増す。空に向かって勢い良く伸びた竹林に霧が漂い始めた。やがて、白いもやが広がり、鮮やかな竹の緑を覆い隠すように景色をモノトーンに変えていく。水墨画の世界である。

夢と現実の狭間とも思える幻想的な森を走る。

風が止み、周囲が静けさに包まれた。足元の落ち葉を踏む音がやけに響く。湿った空気を吸い込むと、かすかに土の匂いがした。

はかなげな線描に満ちた水墨画の中で、自分の感覚だけが、ここが現実だということを示している。日本を離れて中国へ行ってきた。向かった先は上海から車で5時間ほど南に下った浙江省臨海市。UTGK(Ultimate TsaiGu Trail Kuocang)という100kmレースの出場が目的だ。普段の生活から遠く隔たった桃源郷のような日々が、そこにあった。

古城の城壁もコースの一部。写真は下見の様子、中央には石川弘樹さん。

古城の城壁もコースの一部。写真は下見の様子、中央には石川弘樹さん。

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というわけで、22日に中国で行われたUTGKをご紹介しつつ、短期集中で中国の旅を振り返ります。


ハワイで着るウェアといえば

気がつけばもう1カ月を切っていたのでした。5月にハワイで開催されるMauna to Maunaに向けて、準備のピッチを上げねばと焦っております。

準備というと、1週間ずっと担いで走る荷物が気がかり。1週間分の食料や衣類、寝袋などです。毎回ちょっとずつ軽量化を図っています。

今回は、昨年ナミブ砂漠で見かけた海外選手のウェアを取り入れることに。

タイベック

タイベックの防護服。軽量で丈夫、なにより安い!

透湿性はこの後試してみるとして、ともあれ安い!

ちょっと股下が長くてへこむけど、やっぱり安い!

1000円くらいです。用途としては、キャンプ地での防寒着とレインウェア。

1週間にわたってキャンプ地で着続けると、付着したホコリや砂やら汗に謎の男汁が化学反応を起こして、ニオイと汚れがしっかり残ってしまいます。ちょっとオシャレでお高いウェアだと、レースが終わってから着るのがためらわれることも。

これならガンガン使い倒せますし、買い替えてもあまり痛手はありません。
財布の中身も防護してもらえるのです!

 

 


マグネシウム足りてますか?

3商品

前々から気になっていた栄養測定サービス「Vita note」が近々始まるようです。

なんと、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルや、たんぱく質を測定してもらえます。しかも手軽に。

栄養バランスの検査結果が分かるスマホページのイメージ画像。この人はカルシウムが足りてません。

栄養バランスの検査結果が分かるスマホページのイメージ画像。この人はカルシウムが足りてません。

栄養バランスが分かるということは、食事の質を効果的に上げることができるだけでなく、トレイルを長時間走った後で、自分の体がどのように栄養バランスを崩すのかを知る、なんてこともできそうです。走行中の補給にも役立てられそうなにおいがします。

仕組みはというと、購入して郵送されたキットを携えてトイレにこもること数十秒。おしっこを採取してドアと社会の窓を閉めた後は、キットをポストに投函。あとはWebで質問に答えるだけ。1〜3週間待てば検査結果がスマホでみられるというシステムです。

キットの中身。ちゃんと撮影されていると、なんだかオシャレな印象すら感じます。

キットの中身。ちゃんと撮影されていると、なんだかオシャレな印象すら感じます。

イメージ的には自宅で検尿。。。

イメージ的には自宅で検尿。。。

一般販売は5月中旬だそうです。4月7日にキットの予約販売がスタートしているのですが、この日は世界で初めてビタミンを発見した鈴木梅太郎氏の誕生日とのこと。サービスを提供するユカシカド社のこだわりが感じられます。

血液検査だと、個別の栄養素について知ることをできなかったので、これを使えば、かゆいところに手が届きます。ミネラルなんかは、汗と一緒にドバドバ流れていく気がして、正直なところ摂取量が足りているのか、よく分かりませんでした。汗キツ系男子としては、試してみる価値ありかと。

おしっこも汗も成分は似たようなものですし。などと言っていると、話が妙な方向に行きそうなので、水に流してください!

Vita noteの購入ページ→https://vitanote.jp/?from=co_information

クラウドファンディングページもあるみたいです→https://readyfor.jp/projects/vitanote

ユカ・シカドさん(間に「・」を入れると人名っぽい)→http://www.yukashikado.co.jp/

画像提供:ユカシカド