父に捧ぐ大田原マラソン

11月23日(木)マラソンシーズン初戦に選んだ大田原マラソンを走ってきた。

 これは栃木県北の大田原市で開催される制限時間4時間という競技性の高いフルマラソンレース。那須野が原という緩やかな傾斜地に設定されたコースは前半が緩やかな下り基調、後半が緩やかな登り基調となる。この時期特有の北風、那須おろしが強ければ後半は向かい風となり、レースはさらに苦しいものになる。
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私の出身高校がある地元のレースであるが、これまで走る機会はなく、今回が初めての参加だった。レースのついでに隣町にある実家に寄って両親の顔でも見ていこうと、軽い気持ちでエントリーした。

しかし、直前に親父が急逝。あまりに突然の出来事。受け止めがたい事実。訃報を聞いた直後は茫然自失の状態だった。通夜、葬儀など不慣れなことが続いたことや将来に対する不安など心的ストレスが大きく、精神的に疲れ切っていた。真面にレースに向き合えるメンタリティではなかった。

 ただ、逃げずにレースに向き合うことが自分にとって大切なことだと感じていた。結果はどうであれ完走だけはしよう。人生を生き抜いた亡き父親のためにも俺も走り抜かねばならない。そんな思いを持って臨んだレースだった。

 前半は抑え気味で脚を温存して、後半は粘って、3時間20分台前半を狙うというレース展開のイメージを抱きながら、陸上競技場のスタート位置に立った。

 午前10時のスタート時は小雨が降っていた。いつしか雨は上がり、レース後半にかけて予報通り天候は回復した。前半は走りに集中力があった。ハーフ通過は1時間37分台。ほぼイメージ通り。下り基調だからオーバーペースとならないようペースを意識した。25kmから集中力が途切れた。全く粘れず崩れ出した。どんどん抜かれていった。キロ7分までペースが落ち込んだ。

 苦しい終盤、心の中で亡き父親と対話を始めていた。親父よ、俺はいつまでたっても愚図愚図したままだよ。何度も厳しく言ってくれたのに素直に言う事を聞けずに御免な。素直になれなくて、いつまで経っても子供のままだったよ。毎晩のように酒を飲む親父の姿を見るのが嫌だったけど、俺も社会に出てから酒を飲みたくなる気持ちがよく分かるようになったよ。なんでもっと一緒に酒を飲んでやれなかったのかな。寂しい思いをさせて御免な。もっと親孝行してやれなくて御免な。本当、御免な親父。

 心の内面に意識が向いていたから、沿道の温かい声援を最後の踏ん張りに変えることも出来なかった。最後まで走りは復活することなくゴールを迎えた。

 結果は3時間41分台。失敗レースだった。過去3年間のワースト記録。

 心技体のバランスが崩れた状態では望むような結果は出せない。精神的な疲労の蓄積が後半の走りに影響したことは明らかだった。次回があるならばもっとマシな走りを親父に見せてやりたい。親父はすでにこの世には存在しない。しかし、親父は自分の心の中に思い出と共に生き続けることだろう。いつまでも。


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