トレイルランニングを始めたら、目標にしたい大会がいくつかあると思うのですが、
信越五岳はそのうちの1つではないでしょうか??
コースや距離がとっても魅力的というだけでなく、
石川弘樹プロデュースならではのかっこよさ、盛り上がり方、出場者の豪華さ、前夜祭、後夜祭などなど
他のレースにはない魅力が猛烈にあります。
特に、日本で唯一の「ペーサー制度」は、長い距離を仲間と協力し合ってゴールする華やかさがあると思います。
今回私は、このレースに出場する上宮逸子のサポートとして、参加させていただきました。
上宮逸子といえば、信越五岳の表彰台の常連さん。
そんな逸子から
「今年のペーサーまだ決まってなくて・・・」
という連絡を受けたことがすべての始まりです。
毎日メールやら電話やらしている私たち。
逸子の頼みならどんなことでもしてあげたいのが本心ですが、唯一できないこと。
それは・・・
逸子と同じペースで走ること(笑)
だから、代わりにペーサー探しを一緒に始めます。
何度かメールのやり取りをしながら、決めます。
「そうだ、小山田隆二さんが良いね!」と(笑)
逸子と小山田さんはSTSとBoomerungのセッションで一緒に走ってるし、
スリーピークスでも逸子がスタッフをやってくれていたので、
走りも分かるし、気心も知れてるから、安心でしょう!と。
その後、小山田さんに連絡。
「えー俺ーーー?!」
と、驚きながらも快く快諾。
その後、ベスパ齋藤さんをサポートBOSSに向かえ、
『チーム逸子』をスタートさせます。
栄養補給などに関しては、齋藤さんがすべて計算してくれるので
私の役目は・・というと、雑務全般と応援のみ(笑)
でも、前日から逸子と同室で、いろんな相談をしたり、一緒にお風呂に入ったり、
次の日がレースだというのに、修学旅行の夜のような楽しい気持ちですごしました。
レース会場には、いろんなショップが出ていて、トレラン有名人も沢山。
ニューハレ芥田さんの所でお茶をして、北原先生に肩をもんでもらい、
スーパーフィート水口さんの仕事の邪魔をしつつ(笑)
UTMBに出場していた並木夫妻やら、ネーチャーシーンの大塚さん、新潟トレイルのボス長嶋さんなどなど・・・
あんな人もこんな人も状態で、会場にいるだけで楽しいのです。
私は近寄ることも出来ませんでしたが、スコットジュレクも来ていて、
参加者の皆さんとにこやかに写真撮影をしていました。
前夜祭会場は、ものすごい熱気で、乾杯の合図と共にみんな料理に一目散。
カーボを気にしてか、パスタ類は大人気。
とてもバイキング競争に勝てる気がしなかったので、走らない私はビール片手に
ここでもお話に夢中。
スタッフで参加していたエマちゃんや、リベンジを誓う元気印の恭子さんなど
本当に楽しそうな姿を沢山見れて、ヘベレケな私の前夜祭は終了します。
(あ、お腹いっぱいたべられましたよ!)
さて・・・
楽しんでばかりは居られません。
レースはスタートします。
天候は晴れ。まだ早朝肌寒い午前4時。
スタート会場では朝食サービスがあり、
選手、ペーサーの方はそこでおにぎり、パン、バナナ、スープなどなど、
今から110km走る準備を進めていきます。
前日の前夜祭と同じ会場でしたが、前日の和やかムードと少し変わって
レース前の緊張感漂う会場。
バタバタと各自レースに向けて準備をしています。
芥田さんは、朝から何人もの人にニューハレを施していて、とにかく忙しそうでした。
私もいそいそと食事を終え、スタートを応援します。
<5:30レーススタート>
スタートの合図と共に、ものすごい勢いでスタートしていく皆さん。
原さん、琢也さんを先頭に、ぐいぐいスタート。
我らが逸子も快調に飛ばして生きます。
事前の打ち合わせでA1はスルーすると言っていたので、
チーム逸子はA2からサポートスタート。
<A2>斑尾高原レストランバンフ(23.9km地点)
スタート地点とA2は車で行くと目と鼻の先。
早めに駐車場に到着し、周りにいるサポートクルーの皆さんと談笑しながら待ちます。
西城さんをサポートしているアルトラの福地さんにもここで会い、普段履いているアルトラシューズの相談をしたり
琢也さんのペーサーをする大瀬くんにUTMBの話を聞いたりと和やかな雰囲気。
でもそれがトップ選手の到着により、一瞬にして空気が変わります。
これまでトップ選手のサポートをしたことも見たこともなかった私。
ここでトップ選手のサポートクルーの手際の良さを目の当たりにします。
そう、トップ選手は1秒でも削りたい。
サポートが手間取ってはいけないのです。
選手到着と共に、水分、栄養の補給をてきぱきとこなし、
必要最低限の会話でGO!
原さん、琢也さん、西城さん・・などなど、優勝争いを繰り広げるチームの
手際の良さを目の当たりにし、できるのか?私・・・と不安になっていると
予定より30分以上も早く女子1位で逸子到着。
予想タイムとの差、走りの調子などを、ささっと齋藤さんが確認。
(さすが、チームヤマケンのBOSS)
私がこのエイドでしたこと。
「逸子がんばって!」
の声かけのみ(笑)
曇りから雨の良そうだった天気が、晴れて熱くなりそうな予報になり、
ペースアップからの脱水にならないよう、塩熱サプリを口に2こ放り込んで、
逸子は次のエイドへ向かって飛び出しました。
私たちも遅れないように飛び出さねばなりません。
<A3>妙高高原兼俣(38.5km地点)
A3はサポートできないものの、A4でのサポートの状況確認の為、念のためエイドで待機します。
A3に到着したころには気温がぐっと上がり、脱水が心配になるほど。
この大会のプロデューサーの石川さんも、次々にエイドに入ってくる選手に、様々な励ましの言葉や、アドバイスを送っていました。
我ら、チーム逸子も齋藤さんがハニースティンガーやヴェスパ、塩熱など微妙に数を計算しなおしていきます。
A3にも逸子は予想タイムの30分前に到着。
このときも女子1位。
サポート禁止なので、逸子自らザックに水を補給。
足取りは軽やかなものの、なんとなく胃腸に不安を抱えてる感じがこのあたりから見えました。
さて、サポートクルーはA4に向かいます。
ここで私は計算ミスをします。
今までの想定タイムより30分以上早く到着していること、
まだ調子がよさそうなこと、車で向かうにはA3からA4は遠いことなどで気持ちが焦り、
水や食料といったものをコンビニで追加しようと思っていたのですが、
A4に向かう途中ではなく、A5に向かう際にしようとう決断にします。。。
が、結果それが大慌てのドタバタ劇を招く結果になるとはこのときには気が付かなかったのです。。。
A3からA4のエイドに移動する最中、ポツポツと雨が。
あんなに暑かったのに、山は雨で急に気温が下がります。
そうすると心配なのが逸子のウェア。
ノースリーブ短パンで、A3かなり汗をかいていたので、冷えてしまうのでは・・・?
<A4>黒姫高原第2駐車場(51.5km地点)
のぼりが続くここまでのセクション。
ここまでのレース展開はトップ選手はみなコースレコードタイムで続々と到着。
すでに、このエイドでトップの原さんや琢也さんたちに追いつけなくなっていました。
110kmも走るのに、ものすごいスピードレース。
前回1位だった西城さんも、エイド到着時に
「前回より5分早いペースで来てるのに」と何度もつぶやき、それが過酷さを物語っていました。
逸子が雨で体が冷えていないか心配していると、前のセクションで2位だった高島さんが先に到着。
DogsorCaravan岩佐さんが高島さんに確認すると、
「上宮さん、腹痛があるみたいで歩いてましたよ」と。
心配しながらも、サポートは信じて待つしかありません。
予想は的中し、A4に到着したときは、胃腸の調子の悪さ、体の冷えを本人も漏らすほど。
そしてエイド到着の手前で高島さんに抜かれ2位になったことで、若干落ち込んでいるのがわかりました。
まだ5分差ながらも、調子の悪さも手伝って、気持ちが弱くなってしまわないよう、
「大丈夫!大丈夫!」
そう言ってエイドから送り出します。
きっと応援が力になると信じて、パワーを送りました。
さて、A5へ移動する前にコンビニへ。
これが大誤算。
A4からA5、車で行くにはとにかく遠いんです。
いや、走ってももちろん遠いんですが、山をぐるっと回っていかなければならないので、
A4から一度コンビニのある国道に降りるのにも時間がかかり、
そこからA5に向かうのですが、とにかく細い山道で、先の車がのろいと、どうにもこうにもペースがあがりません。
くねくねの山道を必死で登り、道を間違い・・・そんなことを繰り返してようやくA5に到着したのは11時30をすぎていました。
つづく・・・