<69.6km>富士宮A3エイド
今まで富士宮エイドといえば、西富士中だったのに、
今年から場所が変わりました。
変わったことは知っていましたが、完全に私の確認ミスで
駐車場とエイドがかなり遠く、バスでのピストン移動というところを見逃していました。
痛恨のミスです。
麓W1を出るとき、友人に教えられてびっくり。
えーーーそんな遠いのーーーー?
想定外のことが起きると気持ちが焦ってミスが生まれます。
思い出せば富士宮エイド事件はここから始まっていました・・・。
天子山塊越えなきゃならないから、どうせ時間かかるし、
麓から富士宮はそんなに遠くないからちょっとゆっくり休んでご飯と仮眠を・・・なんて思ってたら大間違い。
結局、サポート選手4名の進み具合が、思っていたより早く差が開いてしまい、麓滞在時間が長すぎたことや、次のA3がバス移動であること考えると、休む暇なく移動するしかありません。
22:00頃A3の駐車場に到着します。
麓から近いと思っていたのに、意外と距離があり、また迷ってしまい、タイムロス。。。
やっと到着したとき、駐車場に空きはあるものの、ほぼ満車状態でした。
このエイドから真太郎とクボヒデさんがサポートメンバーに入ってくれることになっていたので
二人に連絡し、場所がわかりにくいことやバス移動を伝え、できるだけ早めに来てほしいとお願いします。
私は、2人の到着を待つ間に、エイドに持ち込むサポートグッズを準備します。
エイドと駐車場が離れているため、忘れ物をすぐ取りに行ける距離ではありません。
なので、1つ1つ確実に支度をします。
飲み物も何が必要になるかわからないので、
水、オレンジジュース、お茶、お湯などなどを袋に詰め、
どんなものが食べれるかわからないので、お味噌汁やごはんなど、もしかしたら必要になるものを詰めたら、かなりの重量になりました。
お湯を沸かしたり、荷物を準備したり、次のサポート箇所への移動をスムーズにするために、車内の整理をしたり、あれこれしていたら、あっという間に1時間を費やしてしまいました。
時刻は23:00。
バス移動の時間は多く見積もって30分。
エイド到着後支度に約15分。
小山田さんの到着予定時刻は1:30でしたが、余裕をもって1時間前の24:30にはサポートメンバーは入っていたい。
逆算するとこの駐車場を23:45には出発したいと思っていました。
クボヒデさんが駐車場に到着し次第、エイドに移動しようという話になっていたのに、なかなか到着しません。
電話してみると、駐車場に入れなくて、駐車場待ちの渋滞に巻き込まれていると・・・。
その時初めて、駐車場がすでにパンク状態で、しかも、出たい車と入りたい車で大混乱になっていることを知ります。
入り口の警備員は1名のみ。こんな広い駐車場でなぜ1名?と警備員に確認してみると、もう1名は休憩に行ったきり帰ってこないと・・・。
とにかく大混乱の道路と駐車場・・・
何とかせねば・・・と、
ここから駐車場誘導スタッフを始めます。
順序良く、出る車、入る車を誘導し、駐車場内の混乱は収まりましたが、道路は駐車場に入れない車で100m以上の渋滞。
大会本部に駐車場誘導スタッフの増員依頼の電話をし、ブーメランサポートチーム一丸となって駐車場誘導を行います。
オーラーーーイ!
ストーーープ!
時には駐車場内で立ち往生している車を押す作業まで・・・
気が付けば時刻はすでに24:00を15分も過ぎていて、出発予定時刻を30分もオーバーしていました。
ようやく警備員1名が到着し、クボヒデさんも無事到着。
ここで任務完了。
しかし、今度はバスが来ない・・・
小山田さん到着に間に合わない可能性が出てきたので、私と真太郎の2名は、10kgのサポートグッズを持って、駐車場からエイドまで走って向かうことに。
距離にして1.6km、下り道。
15分もあれば着くでしょう・・・と必死で走ります。
9割真太郎が担いで走ってくれましたが、寝不足も手伝って、もう息が上がって仕方ない(笑)
もう荷物が重いとか、寝てないから走るのがつらいとか、言ってる場合じゃありません。
絶対に間に合わせる。その思いだけで駆け下ります。
とにかく必死・・・汗だく。
24:30 ようやく富士宮A3エイドに到着。
ぜーぜー息を切らして到着し、サポートエリアに入ろうとしたら・・・
もう人であふれていて入れない・・・
たまたま友人を見つけ、状況を聞いてみると
選手到着が予定時刻の1~2時間遅れている人が多く、選手を待つサポートであふれているとのこと。
また、サポートエリアがかなり狭くて、テーブルもなし・・。
サポートアイテムを椅子に置くしかないので、ただでさえ狭いエリアが荷物で埋まっているような状況でした。
選手到着予定時刻より、みんな1時間は遅れてるよ・・・と聞いていたけれど、
到着する選手の顔を見ていると、順調に予定通り到着している選手もちらほら・・・
麓での調子の良さを見ると、小山田さんはきっと予定通りこの区間5~6時間で到着するに違いない・・・。
そう思って、サポートグッズを広げようと確認して見ると・・・
ない!!
なーーーーい!
区間分にまとめた補給用のジェル忘れたーーー!!
車内にーーーーー!!
あんなに確認したのにーーーー!!
富士宮~粟倉~こどもの国までの約20km分のジェルとVESPAを全て忘れてきたのです。
当然予備も忘れてきた・・・
駐車場に停めた車の・・・中に・・・
繰り返し言います。
このエイド、駐車場からエイドの間の距離が長い。
距離にして1.6km。
バスでの移動・・・。
バスがないからさっきは走ってきた・・・
でも下り坂だったからがんばれた・・・
でも・・・取りに行くなら・・・1.6km登り・・・
もう絶望的・・・
ひーーーー
明らかに慌てる私、それに気づくエイドにいる友人たち。
「どうしたの?」
「小山田さんのジェルすべて忘れてきた」
「はっはっはっは・・・さっすがマツイ(笑)やると思った~」
みんなめっちゃ笑ってる。
すっごい笑ってる。
でも私・・・笑ってる場合じゃない。
真太郎が言います。
「俺が取りに行ってやるよ・・・」
真太郎、私より年上、山梨のアウトドアショップの老舗ELKの店長・・・
私の忘れ物のために、駐車場まで再度ランニング・・・ごめんなさい、、、
私はもう、小山田さんになんとかこのエイドに早くたどり着いて欲しい・・・ではなく、
ジェルが来るまでエイドに入ってこないで・・・と、祈るのみ・・・アーメン・・・
しかし・・・なんてことでしょう・・・
小山田さん調子良い・・・
ほかの選手が予定時刻の1時間オーバーしている中、きっちり予定通りでエイドにIN・・・
これまで元気そうだった小山田さんからも疲労の色が見えます。
天子山塊やはり相当なものだったようで、到着する選手はみな一応にぐったりしてます。
「なにか飲むものちょうだい。
この区間やばいよ、暑い、それに長い、水が無くなって死ぬかと思った・・・」
天子山塊は冷え込んで寒くなると予想していたら、
9月末でもまだまだ蒸し暑く、あっという間に水分を使い切ってしまったとのこと。
たしかに、エイドに入ってくる選手の何人か、フラフラで入ってきたり
「水が足りなかった・・・」
と言っていたのを思い出します。
小山田さんに調子を確認すると
・スポーツドリンク系はもう気持ち悪くて入らない。
・胃が気持ち悪くなってきた。
・でも補給しないと潰れちゃうから、がんばってジェルを飲んでる。
たしかに、エイドごとに用意し、ザックにいれたジェルが余ってる。
どんなものが食べられそうか?と確認してみると、ゼリー飲料ならなんとか入りそうとのこと。ジェルが入れば良いけど、入らなくなった時の保険に、用意しておいたゼリー飲料をこのエイドから入れて行くことにします。
そんな話を聞きながら、気持ち悪いだろうけどリゾットを食べて・・・と促し、手渡すと、笑顔でジェルを持った真太郎が到着します。
キタ━(゚∀゚)━!キタ━(゚∀゚)━!キタ━(゚∀゚)━!キタ━(゚∀゚)━!キタ━(゚∀゚)━!
もう・・・神・・・。
神でしかない・・・。
間に合った・・・。
ほっと胸をなでおろし、ジェルさえ届けばこっちのものと(どっちのものだよw)
余裕しゃくしゃくで、荷物の準備をしていると、
「松井さん、着替え持ってきた?」
と言われます。
「うん、持ってきたよ!」
って持ってきた着替えを出したら、小山田さん、深い沈黙・・・
「なんで・・・」
ようやく重い口を開き・・・優しく、
「なんで、これを・・・持ってきたの・・・?」と聞いてきます。
そう、私、、、全部、、、言われたものと違うものを持ってきた・・・らしい・・・
ある意味奇跡・・・
いや、そんなこと言ってる場合じゃない・・・
「おれ、もう暑くて着替えたいのに・・・なんで長袖しか・・持ってきてないの・・・」
う・・・ごめんなさい・・・
「暑いなら、もうほら、夜だし、アンダーシャツ着てるなら、それがノースリーブっぽいから、それで走れば?」
と、キラン☆彡とひらめいて提案。(苦し紛れの言い訳)
「え????うん・・・じゃあ、、、アームちょうだい」
あーーーーーーーー
言われたね。
言われてたね。
アーム持ってこいってね。。。
「わすれ・・ちゃった・・」
「え?あなた、僕が頼んだもの全部忘れるってどういうこと?」
「ごめんなさいーもうしませんー次のエイドにはちゃんと持ってきますー
私にチャンスをくださいーーごめんなさいーーーあーーーー」
「もーーーー慌てなくていいからしっかりしてよーー」
「ごめんなさいーーーあーーーー」
気が付けば、周りの方々に笑われている・・・
まったく松井ってもんだな・・・。
小山田さんかわいそうに・・・。
私のことを知っている方々は全員笑ってます。
でも当人同士は全く笑えない・・・
「次はちゃんとするので許してくださいー」
「もう、、大丈夫だから・・・うん・・・想定内・・・」
そう言って、次のサポートポイント「こどもの国A4」での再会を約束し(笑)
小山田さんは、暗闇の中に消えて行きました。
富士宮A3。
1:27out。
ここからはエイドごとの距離が短く、移動距離、準備時間を考慮すると、もうサポートチームはバラけるしかないという結論に達します。
五味くん、クボヒデさん、真太郎、ミツキにほかのメンバーのサポートを託し、
ここからは私一人で小山田さんのサポートに入ります。
そして、もうミスは許されない・・・
そう心に誓って、90kmポイントのこどもの国へ私も向かうのでした・・・。
続く・・・
1 コメント
笑っちゃいけないけど笑っちゃうなw このドラマの続きが楽しみデス。まだまだなにかありそう。