さて、前回に続き、分水嶺トレイルAコースに出場した時の話。
今回のチームメイトは、前年度ソロでAコースを完走した生山パイセンを筆頭に、
生山パイセンと色んな遊びのパートナー原さん。
その2人をしっかりまとめるカズさん、そして私の計4人。
チーム名は、生山パイセンと原さんが山で色んな人とすれ違うたびに言う掛け声
『はいっ!ど~も~!』
なんとも元気なチーム名です。
私以外の3人は、事前に3回ほど試走をしていましたが、私は分水嶺の直前にスリーピークスがあり、
その他いろいろな都合が合わず、結局1度も試走に行けませんでした。
いろんな方々のSNSを見ていると、分水嶺に参加されているほとんどの方が、試走を行っています。
それは不安なルートを確認する意味だったり、縦走の為の体力づくりだったり、行動食を試す為だったり、ウェアやギアのテストだったり、
ただ酒を飲みたかったり・・・(笑)
理由は様々ですが、約2~3日ずーっと行動するチームメイトなので、事前に試走ができるならしておいた方が良いと思います。
(初めて分水嶺に参加した前回は、チームメイトと1回だけですが試走をしました)
私の場合は前文に記載した通り、チームの試走に全く参加することはできませんでしたが、
以前Bコースに出場していたことや、別の機会にAコースで通過する山々へ行ったことがあったため、ルートに関してはあまり不安が無く、
あとは自分の走力とチームにうまくなじめるか?でしたが、チームになじめるかどうかについては、試走に参加できなかった時点で
「絶対文句言いません!」
と、誓っていましたし(笑)、そもそも、私以外のメンバーは最高な方々だったので、なんにも心配がなく、どちらかというと、私の気性の荒さでチームメイトに迷惑をかけないようにと
私の夫、SUNDAYの石川さん、道がまっすぐの小山田さん、などなど身近な人であればあるほど周りが心配しておりました。。。スミマセン。
試走が出来なかっただけでなく、事前の準備はそんなに満足するような準備はできませんでした。
前回分水嶺に出場した際に、動き続ける体力が不足していたこと、そして重たい荷物を背負い続けることが出来ずスピードが出なかったことを反省し、
スリーピークスのコース整備や東京への出張時など、重たい荷物を背負う訓練を普段の生活に取り入れ、
走ることだけでなく歩くことも、スピードではなく、長い時間動き続けることを目的に、満足とは言えないけれど空いた時間を利用して行うという感じでした。
さて、いよいよ当日。
2017年の分水嶺トレイルは7月15日~17日に開催されました。
前回のブログにも書きましたが、分水嶺トレイルは毎年『海の日』がある3連休に開催されます。
既に15日0時にBコースの方々が青梅鉄道公園をスタート。
我々Aコースは15日11時のスタートとなる為、スタート会場である、山梨県丹波山(たばやま)村へ。
ここ、私が住んでいる山梨県なのですが、県庁所在地の甲府からはかなり遠い場所にありまして、
いろんな山を回り込まなければならないので、甲府から約2時間程度かかります。
前回同様、うちの夫と娘が会場まで車で送迎&出発時の応援をしてくれました。
実にありがたい。
会場まで家族が送ってくれなければ、公共の交通機関で雲取山登山口のある「鴨沢」まで行かねばならず、
それは都内に住んでいる方が移動するよりずっと困難なのです。
7月15日は快晴。
もう、快晴すぎて、太陽の光がジリジリと肌を刺す、真夏のような暑さでした。
丹波山村について、休む間もなく装備チェック。
ほぼすべての持ち物のチェックが行われます。
装備チェック担当の方に、1点1点目の前に出してチェックをしていただきます。
せっかく家できれいにパッキングしてきても、この装備チェックでザックの中身をほぼ出すので、パッキングのやり直し。
これも、選手の安全を思ってこそのことで、むしろこんなに細かくチェックしてくれることが、ありがたいことです。
普段のトレランレースと違うのは、必携品に「三角巾」と「ツェルト」が含まれているところでしょうか?
参加者全員で主催者代表の武田さんから注意事項を聞き、
集合写真を撮った後、いよいよ出発です。
15日 11:00
丹波山村鴨沢の雲取山登山口からAコースソロ、チーム一斉にスタートです。
ここからまずは、第一関門の雁坂峠まで、気を抜かず、大きな休憩もせず、ひたすら動き続けることを要求されます。
雁坂峠の関門は16日の午前1:30。コースタイムだと15時間半程度。
本来は1:00が関門でしたが、途中が土砂崩れで大きく迂回が必要な箇所があり、関門が30分延長されました。
とはいっても、スタートの鴨沢から雁坂峠までコースタイム通りに歩いていたら、完全にタイムオーバーになってしまいます。
今回、チームリーダーの生山パイセンが事前に計画表を作成してくださり、おおよそその計画に沿って行動することになります。
15日 14:20 雲取山山頂到着。
灼熱の雲取山登山道をひたすら上り、ようやく到着すると、山頂には同じく分水嶺に参加している方々が沢山。
Aコースの方、Bコースの方合わせて20名近くは山頂で休憩をしていました。
予定は14:40だったので、ほんの少しですが、前倒しで到着。
暑さにより、体力消耗も思っていた以上だったので、ここで少し座って休憩。
ここから、将監峠までは、ほぼ横移動の為、早歩き~小走り程度のスピードで距離をどんどん稼いでいかねばなりません。
将監峠は忘れもしない、前回出場した時にリタイアした場所です。
前回は雲取山避難小屋を出発した時刻は19:30。
真っ暗の中、恐々と進んだ木の橋も、日中通れば怖いけどそんなに怖くないような・・・
あまり標高差は無いけれど、細かいアップダウンを繰り返し、ただひたすら黙々と進みます。
暑い、とにかく蒸し暑い。
水場は将監小屋まで無いからあんまり飲んじゃダメ・・・
わかってるけど、のどが渇いて飲んでしまう。
3リットル背負った水も、あっという間に少なくなり、次第に水が足りるのか?という不安の方が大きくなってくる。
日が落ちてくれば・・・いや、この暑さだと夜になっても蒸し暑いままなのかもしれない・・・
それより、暗くなる前に将監峠にたどり着きたい・・・
距離は20kmあるかないかぐらいなのに、その高低差なのか、暑さなのか、とにかく水が足りるかどうか・・・それが生命線ともいえる状況でした。
将監峠手前に1か所湧水があるのですが、湧いているかどうかは行ってみないと分からないというような状況。
水が湧いていますように・・・祈るような気持ちで進みます。
湧いてた!
本当にみずたまり程度の水場。
普段ならここの水飲まないかもしれない・・・(笑)
でも今ならどんな水でも欲しい!
もうすぐ将監峠で、将監小屋まで下りればジャブジャブ水が取れることはわかっていましたが、
そこまで我慢できない私は、ここで枯れ葉舞い散る湧水を確保し、パワーをもらいました。
15日18:00頃
目指していた将監峠に到着します。
予定では19:00到着目標だったので、
約1時間前倒しで到着できたことにより、日の入り前に夕飯を食べられることがとっても嬉しかったです。
それになにより、前回はここでリタイアとなった場所。
ここにたどり着き、そしてまだ進めることが本当にうれしかったです。
分水嶺に出場する人は、座ってゆっくりご飯を食べることはほとんどなく、
歩きながら食べるのが主流。
なので、調理時間も食事時間も行動し続けるために削るというのがセオリーです。
が。。。
前文に記載した通り、私は食事がもっとも大事なもので。。。
せっかくの食事を歩きながら・・・とか、冷たい物を食べるとかが、本当に嫌で、絶対に温かい物を座って食べたいんだ!!!
とお願い(ワガママ)し、希望通り温かいご飯を食べました。
メニューは「ヴィバークレーション 海苔茶漬け味」。
疲れた体を癒したかったので、胃に優しいヴィバークレーションと、塩分補給で持ち歩いていた「うめぼし」、行動食の「チータラ」を入れタンパク質をプラスしたお夕飯です。
エマージェンシーシートを広げ、その上に座りながら味わっていると
同じ分水嶺に出ていたメンバーから
「なんかピクニックみたいねー楽しそうだねー」
なんて声をかけていただきました。
約30分ここで休憩。
ご飯はおいしかったけど、完全に魂は抜けてます(笑)
日が落ちてくる前にライトの準備などをして、雁坂峠関門突破を目指し、再スタートです。
暗闇の中歩き続け、笠取山を越えていきます。
今回、笠取山を巻いても超えてもよかったのですが、
我々のチームは超えることを選択。
15日 21:20 笠取山山頂到着。
巻いた方がらくだったのか、超えた方が楽だったのか・・・それはわかりませんが、
意外としつこい登りと下りに足を取られ、ヘロヘロです。
そのまま休まず雁坂峠へ。
月の光に照らされ、暗闇の先にどーーーーんと見える山・・・
あれは何?まさかあれを登るわけじゃないよね・・・
嘘だと言って・・・
あれじゃないと言って・・・
ああ、、、やっぱりこの山登るのね・・・
割と古札山までがしつこかった・・・
16日 0:05雁坂峠<第一関門>到着
ヒーヒー言いながら登り、ようやく到着したころには、日付が変わっていました。
関門は午前1時30分だったので、少し余裕をもって関門をクリアでき素直に安堵・・・
それにしてもこんなところにもスタッフさんはいらっしゃって、我々参加者を温かく迎えてくれました。
ボードに到着時刻、出発時刻を記載します。
雁坂峠でビバークしている方、その先の雁坂嶺にてビバークをしているチームがとても多かったです。
確かに私も休みたかった・・・
が。。。しかし・・・
我々のチームは今後の予定に余裕を持てるようにと、もう少し進んでから休むことに。
私は、今回の分水嶺Aコースの中で、
この雁坂峠~甲武信小屋までの区間が唯一歩いたことがなく、わからない区間でした。
なので、リーダーが言う、頑張って甲武信小屋まで行こう!
という提案に「わかりました!」と言ったわけですが、甲武信小屋手前にある山がほんと・・・ほんと・・・
ほんと・・・ほんとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉにきつかった・・・・
破風山
東破風山と西破風山に分かれるこの山。
壁かよ・・・っていう上り坂を、登ったかと思えば、どこに足置けばいいんだよ・・・っていう石がゴロゴロした、石だらけの下り。
これが日中ならまだしも、時刻はすでに午前2時。
丑三つ時です。
分水嶺を応援に来てくださった方に、エールをもらうも・・・
もう石じゃなくて、平らな道を歩きたい・・・
土の上を歩きたい・・・
写真を撮ってくれるというので、頑張って笑顔・・・。
歩くのは嫌じゃないんだけど、石が凄すぎて、もう途中からお尻で滑り降りたりして。。。
転ぶし、足引っ掛かるし、滑るし、石ばっかりだし、眠いし、眠くてたまらないし、ほんと眠いし・・・
破風山をクリアするのに、全精力を使い果たし、目標の甲武信小屋まで行く力はすでになく、
破風山避難小屋にてビバークすることに・・・
16日 3:00頃 破風山避難小屋到着
すでに避難小屋は大勢の人でごった返し、人が入れるスペースが無かった為、私は避難小屋の外にツェルトを張って4時まで仮眠。
今回初めての仮眠。
ビバークだし、野営だし、標高2000mあるし、深夜だし・・
でもそんなこと気にしてられないぐらい眠い(笑)
文字通り倒れるように寝ました。
次の出発は4時30分予定。
それまで1時間半も休めることが本当にありがたい。
まさか1時間半も休めると思っていなかったので、横になれる喜びを噛みしめながら、ツェルトの中で、エマージェンシーシートにくるまり、眠りに落ちました。
勿論寝袋なんて持ってません。
7月とはいえ、標高2000m越えのところでのビバーク。
やっぱり寒いです。
フリース、レインウェア、エマージェンシーシートの組み合わせでは寒かった・・・
マットがあればもっと快適だったと思いますが、装備から削ってしまったので持っていず・・・でもあまりに快適だったら、きっと寝過ごしてしまうので、寒くてすぐに目が覚めるぐらいが丁度いいんだなと思いました。
ということで、2日目の様子はまた次回・・・
続く・・・