2017年6月から『MUJIN100』という活動をしています。
InstagramとHPのみで活動報告をしているので、知らない方も多いかと思います。
これまで、MUJIN100の活動について、話をしたことは1回だけ。
今年2月に開催されたUltra Gear Marketにてプレゼンをしたのですが、その時も20名限定の予約制だった為、なぜMUJIN100を開催しているのか?何のためなのか?何を目指しているのか?など、細かいことはほとんど話をしたことがありません。
これは、MUJIN100を始めたころに決めていたことで、
「動機や目的を語ることなく始め、継続することで感じてもらえればいい」
という思いからでした。
でも、MUJIN100が始まってから1年がたち、ようやく「私たちがMUJIN100をするわけ」という話をしていこうという気持ちになりました。
映像や、写真で伝えられることが少ないこと。
思いが伝わり切っていないこと。
もっと知ってほしいこと。
それが今回ブログに書く理由です。
さて、MUJIN100とは何か?
HPには
MUJIN100
「MUJIN」とは「無尽」。
無尽とは、
信頼し合う仲間が集まること。
時代が変わり、形が変わっても、
古くから山梨に伝わる独特な文化であり、
人と繋がり助け合う集まり。無尽とは、
尽きることが無いこと。
という、説明文を書いています。
2017年3月に花見をしました。
その席に集まったのが、マイザック、RyuG、マツイの3人。
他にもたくさん人がいたのですが、たまたまこの3人が集まったと言いますか、引き合わされたと言いますか、お酒そっちのけで、いや、ちゃんと飲んだけど、すごい飲んだけど、飲みにも負けないぐらい熱く語り合ったのが、
自分たちが思うトレイルランニングの世界について
「死ぬまでに100mileを1本でも多く走りたい」というRyuG。
「トレイルランニングの楽しさはレースに出ることだけじゃない」というマイザック。
「トレイルランニングの魅力は走ることだけじゃない」という私。
結局3人が共通して言えることは、トレイルランニングが好きだという事。
でも、楽しむスタイルはそれぞれで、好きな距離も早さも山も違う。
なのに、雑誌やSNSで見る情報はなんとなくみんな一緒で、
トレイルランニングを始める
↓
レースに出る
↓
距離を延ばす
↓
レースのポイントを集める
↓
国内100mileレースに出る
↓
海外100mileレースに出る
というレールが敷かれていて、その通りに進まなければ
「トレイルランニングしてます」
と、言えないような雰囲気さへ感じていました。
でも、それぞれ生活がある中で、仕事があって、家庭があって、ローンも払ってて、長い休みも取れないし、レースの為だけに海外に行くなんていつかは出来るかもしれないけど、今は出来ない。
国内の100mileレースは、ほぼポイント制でエントリーも大変で、走りたいのに走れない。
言ってしまえば「ただの趣味」。
「ただの趣味」だけど、この何年も1番時間もお金も費やしていて、今後も楽しく続けていきたい。
楽しく続けるには、自分の体も、仕事も、家族も、取り巻く環境全てが無理なく楽しめなければならない。
勿論、準備やトレーニングで「無理」することがあっても、それは必要な「無理」で、「楽しめる無理」じゃないと、自分は納得できても、周りに納得してもらえなければ、結果つまらない事になってしまう。
そのどれもが充実していてもレースに抽選で落ちて出られなくて走れないことが、自分のせいじゃないのにモチベーションが下がって、普段の走りにも影響する。
だったら、背伸びせず、自分たちの出来る範囲で、楽しめる範囲で、トレイルランニングを続けたい。
「地に足がついた無茶をしよう」
それを合言葉に始めたのが「MUJIN100」です。
「地に足がついた」
夢も理想もあるけど、今はみんながそれぞれ抱えてる場所で。
それが、我慢してるとかではなくて、幸いなことながら、山にぐるっと囲まれた「山梨」に生きてる。
南アルプス、鳳凰三山、八ヶ岳、大菩薩、富士山、日本百名山として多くの方々に愛されている山だけでなく、顔を上げれば1000m以上の山で四方八方を囲まれ、里山だってどれも立派。
だったら山梨の山を繋いでオリジナル100mileコースを作って走ればいいのでは?
自分たちが、自分たちの里山で、オリジナル100mileコースを作って楽しむ。
それがMUJIN100です。
じゃあ、もうレースは出ないの?と言えば、そういう事ではなく、
レースはレースで、自分の力を試す場として楽しみつつ、レースで味わえない楽しみをMUJIN100で行うという意味。
レースを100%楽しむためにも、自分たちのホームグラウンドを作り、走り続けることを諦めない場所でもあったりします。
レースじゃないから、エイドも自分たちで用意する。
それなら、レースで出てこないような、驚くぐらいおいしいものを食べたい。
美味しい山ご飯といえば、私たちの仲間の中でトレイルコックとして大人気のクボヒデしかいない。
せっかく走るなら、序盤のペースや、気持ちを整えるためにペーサーが欲しい。
RyuGのムードメーカーと言えばゴミールしかいない。
そんな感じで、2人をスカウトし、MUJIN100は5名でスタートしました。
MUJIN100のMUJINとは、「無尽(むじん)」からとりました。
「無尽」ってなに?と思う人も多いかと思います。
無尽とは、山梨県ではわりと普通に行われている風習で、信頼できる仲間が集まって、
その集まる周期とかはそれぞれで、今は割とただの飲み会になっているものも多いですが、
元々は、無尽のメンバーで積立金を集め、メンバーが順番に使ったり、そのお金で旅行に行ったり、銀行の融資を友人関係でおこなっているものです。
お金を集めて使うので、無尽の仲間は信用できる相手同士でなければ成り立たない集まりです。
そして、この無尽という言葉には「尽きることが無いこと」という意味があります。
信用している仲間の集まりであること。
トレイルランニングを楽しむ思いに尽きることが無いこと。
山梨のフィールドで楽しむこと。
そのどれもがピッタリだと思い、MUJIN100という名前にしました。
さて、MUJIN100ができるまでの話はここまで。
次回(たぶん少し時間がかかると思いますが)は、MUJIN100の役割とか内容とかそういう話をします。