〜諦めさせたら終わりだ〜
昨年の信越五岳トレイルランニングレースから1年が経とうとしてます。
ボクは上宮逸子のペーサーとしてこのレースに参加させて頂きました。
この時のボクと同じような気持ちの方が多くいるのではないかと思い筆を執った次第です(笑)それは、、、
ペーサーとは?
あれ?そんなに思っていない?(笑)
ボクは結構考えました。ペーサー発祥の地アメリカのレースに詳しい石塚二朗さん(ジロさん)に話を聞いたほどです。
ジロさんの話はわかりやすかった。メンタルを支える部分が大きく仲間や家族がペーサーをやりツラい場面も楽しく乗り越えさせるような役目だと。
だからボクはどんな状況でもポジティブな気持ちで行こうと決めます。
ペーサーが暗かったらヤバイし(笑)疲れてたら尚更ヤバイし(笑)
66k地点の5Aでペーサーは選手を待ちます。ペーサーはバスで移動するのでペーサー同士仲良くなるシステムです(笑)
昨年ボクはチーム逸子の監督ベスパ齋藤さんとメンタルサポート松井さんと5Aまで車で移動してたのでバスは乗りませんでした。
しかも、、なんか凄いバタバタしてギリギリ逸子を5Aに迎い入れるカタチとなってしまいます。
いよいよ出番!
逸子は丸腰の手ぶら状態。ボクが全部の荷物を背負います。このスタイル、メインランナーはだいぶ楽になると思います。
逸子の場合はボトル2つ。水とエレクトロライト ショッツ。
もしこのスタイルを実行される方がいたら是非気をつけて頂きたいのがペーサーのザック。
ボクはこの時何も考えず普段使っているウルトラスパイアのオメガを持っていきました。このオメガが悪いということではありません。このスタイルに適してなかったということです。
ロングディスタンスは時間が経てば経つほどストレスとの戦いになってきます。
水分補給、ジェルもそうですがメインランナーが要求したらすぐ渡せる状態にしておきたいのですが、、、
オメガには両サイドにボトルを入れられるポケットが付いているのですが、まずこのポケットが浅くてボトルを落とす恐れがあるのとボク自身が普段から走行中にそのポケットからボトルを出し入れできなかったのです。(ボトルのサイズが大きいと戻すのが困難)
そして自分の水も持っていかなければなりません。まー、自分の分はハイドレーションがあったので問題なし。
逸子の分をどうするか、、、
助かったのが逸子がハンドボトルを持っていたのでまずひとつはこれを使おうと。
もうひとつは、、、
ない(笑)解決策がない(笑)
なのでそのポケットに入れることに、、
頻度が高い水をハンドボトルに、ぶっ飛びそうな方にショッツを(笑)もうそのままぶっ飛んで頂き存在を消すことも軽く考えました。
ハンドボトルは本当に使えました。オススメです!
逸子がショッツを要求してきた時は怯えました。
きた、、きちゃった、、
水の方がいいんでない??
なんてこと言えるわけねーーー
ストレスを与えたくないので往年のマクラーレンホンダを彷彿させる受け渡し。
走りながらフロントフックを外し、クルッとザックを前方に回し、逸子さんにハイどーぞー、、までわずか2秒。
逸子は気づいてないはず、、
とにかくポジティブなレースがしたい。そんな思いしかありませんでした。
だから会話なんかもトレイルに関係ない話をしたり、ジョーダン言ったり。
てか、ほぼジョーダンだったかも(笑)
逸子は4Aまではトップでしたが腹痛もありその後抜かれてしまいます。
もちろん表彰台の1番高いところを狙ってます。でも大事なのは最後まで諦めず自分自身に勝てるかどうか。
信越五岳にはそれを試されるセクションがあります。
瑪瑙山の登り?
いや違います。
最後の最後、ゴール手前の6kの林道です。
走ったことがある方ならこの林道わかりますよね?疲労MAXで走りきろうかどうか悩むとこです。ゆっくりでも進めばゴールできるし。
ボクはペーサーとしてこの信越五岳においてこの林道6kを走りきることが凄く意味があると思ってます。
前年度のELK中込真太郎のペーサーをさせてもらった時も同じ思いでした。
トップとの時間差なんてわかりません。知りません。
心を鬼にして逸子がゴールした時に諦めないで走りきって良かったと思えるようにそれだけを願い煽ります。
逸子も相当苦しかったと思います。
でも逸子ならできる!いける!ゴールをした自分を想像しろ!
そんな言葉をひたすらかけます。
部活です(笑)
すべてが物語ってます。本当に頑張りました。
体調もイマイチだったのにやりきった逸子は凄かった!
ペーサーとしての喜びも爆発です。
ちなみボクのストレスは逸子から渡されたハンドライトがドラえもんのスモールライトぐらいのボリュームがあり腕が折れそうだったことです。
でも2人でゴールを目指すのは本当に楽しいし感動も2倍!
今年の信越五岳に参加されるペーサーの方々。是非メインランナーをゴールへ導いてあげてください!