MMAプロデューサーのエディ☆とは10年来の付き合い。お互いコアなプロレス&総合格闘技ファンで、もともとは観戦仲間だった。
そのうちエディ☆が柔術をはじめて(紫帯)、ぼくも運動神経もないのに格闘技を好きな気持ちから柔術をはじめて(いまだ白帯。。。)、格闘技観戦仲間→柔術仲間となった2009年から2010年にかけてのことだったと思う。
エディ☆が「目指せハセツネ」という、わけのわからないブログを始めた。当時のぼくにしてみれば、「ハセツネって何?」というレベル。そして「ひつじさん、BSでトレランの番組やるんで録画してもらっていいですか?」と頼まれた。
トレラン???
その時は深く考えず、頼まれるがままに録画。録画しているついでに観ていると。。。
号泣。
素晴らしい。トレランって素晴らしすぎる。
書くまでもなく、その番組は「激走モンブラン!」。UTMB(Ultra-Trail du Mont-Blanc)を舞台としたドキュメントで、鏑木さん中心の前半もよかったのだが、後半の市民ランナーの話がかなり心に響いた。
166kmという距離、モンブランという厳しい自然の中を走るトレイルランナーたち。ぼくが感動したのは苦難に立ち向かうランナーの姿だけではなく、家族がサポートし、子供たちは厳しいレースに立ち向かう親に尊敬のまなざしを贈る物語。これはただのランニング競技ではなく、ヒューマンドラマなのだ。
番組前半の最後、表彰式の時に最後のランナーが戻ってくる。65歳初出場のおじいさんだ。初出場にして初完走。当時の自分にとっては想像すら出来ない166kmの旅だけど、20年後には完走できるかもしれない!(当時40代中盤)
と何故か思って、トレランをはじめることにした。
とはいえ、運動歴ほぼなし。ランニングはダイエットのために週1〜2回ジョギングする程度。しかも二ヶ月間くらいしかやってない。トレランの知識は「激走モンブラン!」だけ。
距離が短ければなんとかなるかもしれないと思い、いまでは幻となったトレランレース「ハセツネ17k」に突如エントリー。生まれて初めてのトレラン=生まれて初めてのトレランレースとなった。
これがまたひどい経験をしたという記憶しかなく、登りは辛い、後ろから速いランナーは来る(出た方はわかると思うけど、32kと同じコースなので、遅いと後ろから速い32kのランナーが追いついてくる)、ハンガーノックになって手足はぶるぶる震えるし、なんとか制限時間内ギリギリでゴールした後は、「二度とないな」と真剣に思った。
しかし「こんな自分でもギリギリ完走できた」という喜びと「もう少し頑張ればもっと速く走れるかも」というかすかな希望が入り交じった複雑な気持ちから、心の中からトレイルランニングが離れなくなっていく。
そもそも、ぼくの「二度とないな」はアテにならない(※)。
(続く)
(※)STYに出た時も、ハセツネに出た時も、ずっと「二度とないな」と思っていたが、数日経つと次も出る気マンマンになっている。