大晦日なので、今年を振り返ります。まずはMMA編(※)
(※)トレランとは関係ないように思えますが(ま、関係ないんですけど)、そもそもぼくとエディ☆はプロレス&格闘技観戦仲間として知り合った。MMA(Mixed Martial Arts)はいわばMountain Martial Artsの原点。今後もまさかのMMA系コラボがあるかも?
MMA ベストバウト3
1.UFC144 ライト級タイトルマッチ
●フランク・エドガー vs ○ベンソン・ヘンダーソン
BJを二度破ったフランキーにWECライト級王者だったベンヘンが挑む。体格的にはベンヘンが上回るが、変幻自在のフットワークを持つフランキーの敵ではないと多くの格闘技ファンが思っていたはず。
日本で行われたこの一戦。日本人にはそれほどの知名度がなかったであろうこの二人の試合で、最終ラウンドを前に観客はスタンディングオベーション。ぼくはこの瞬間を一生忘れないだろう。作られたドラマではなく、ケージ内でのハイクオリティな試合で日本人の心をつかんだ二人。これこそが現代MMA。
勝者はベンヘンだったが、どちらの手が上がってもおかしくない試合だった。
2.UFC155 ライト級
○ジム・ミラー vs ●ジョー・ローゾン
年内最終大会でファイト・オブ・センチュリークラスの名試合大爆発!
常にアグレッシブファイトの二人が魅せたこの試合は、「進化したMMA技術」や「UFCで勝つための闘い方」といったマニアの間で交わされる会話を一蹴するような決闘!
1Rから後先考えないようなラッシュをするミラー。パンチ、ひじ、ひざ、出せる打撃は全部出し、ローゾンを大流血に追い込む。そして、テレビで見てても戦慄が走るような大流血にも関わらず、まったく試合をあきらめないローゾン。最終ラウンド残り30秒で仕掛けたヒールからチョークへの流れは、いくつものファイト・オブ・ザ・ナイトとサブミッション・オブ・ザ・ナイトを獲得したローゾンの真骨頂!
勝敗はついたものの、二人とも称えられるべき一戦。格闘技の原点を垣間みた気がした。
3.UFC155 ヘビー級タイトルマッチ
●ジュニオール・ドス・サントス vs ○ケイン・ヴェラスケス
前回のタイトル戦では王者ヴェラスケスが初敗北を喫すると共に王座陥落。その敗北がヴェラスケスを強くしたことは間違いない。
シガーノ(ドス・サントス)の打撃を距離をアグレッシブな前進でつぶしていくヴェラスケス。口で言うのは簡単だが、シガーノのカウンターを恐れない勇気ある前進であり、体力的にも相当な練習が必要だっただろう。
そして1RにKO負け寸前になり、その後も一撃必殺のパンチを浴び続けたシガーノ。普通だったら心が折れてもおかしくはない展開だが、最後まであきらめずにパンチとひじを振るう。意識朦朧とした中での動きは、それもまた練習の賜物。
ブロック・レスナー、シェーン・カーウィン、アリスター・オーフレイム。MMAヘビー級はモンスターの闘いのような趣があったが、この一戦でフィジカルもテクニックもハートも世界最高峰の名に相応しい王座であることが証明された。
MMA ベストファイター
1.ベンソン・ヘンダーソン
接戦だったフランキー2連戦をギリギリの判定で勝利したものの、体格的に優れていたこともあり実力がまだ未知数とも思われていたUFCライト級王者。しかしジム・ミラー、ドナルド・セラーニに圧勝して挑戦してきた難敵ネイト・ディアスを一方的な判定で下したことにより、まぎれもなく世界最高のファイターであることを証明した。それほどフランキーとの闘いはハイレベルだったのだ。
闘い方が自由奔放に見えながらも、きちんと戦略が備わっている。そして5R通してスタンドでもグラウンドでも淀みなく動き続けられるフィジカルとセンス。MMA新時代の申し子JJやMMA完成型のGSPとは異なるベクトルで現代のMMAを体現するベンヘン。UFCにこの3人の王者がいることこそ、MMAの可能性の証明でもある。
2.ジョー・ローゾン
勝ち続けなければリリースされてしまうUFC。しかし、勝ち続けることがプロの存在意義ではないことをローゾンは教えてくれる。勝っても一本、負けても一本。これまで多くのファイト・オブ・ザ・ナイトとサブミッション・オブ・ザ・ナイトを獲得し、毎試合期待感MAX!
「勝つこと=目の前の相手を倒すこと」。そんなシンプルな答えを持っているローゾンは、MMAがポイントゲームではなく闘いなのだということを試合毎にぼくらに教えてくれる。今年は1勝2敗と負けが先行したが、誰もローゾンがリリースされるとは思わないだろう。
3.チェール・ソネン
理不尽なまでのトラッシュトークがソネンの魅力ではない。試合時の佇まい。その雰囲気がかっこいいのだ。
実力者ブライアン・スタンを肩固めで一蹴し(その後マイケル・ビスピンに苦戦するも)、再び最強王者アンデウソンの前に立ったソネン。1Rで見せた圧倒的なテイクダウンには心底シビれた!
結局試合には破れたが、次戦への幻想は消えない。アンデウソンとの3度目の対戦とBBQの可能性は低いが、ソネンが誰を次のターゲットとするのか楽しみである(※)。
(※)JJを挑発しているが、さすがにライトヘビー級で実績のないソネンとJJは時期尚早と思う。
次点.ジョン・ジョーンズ、カーロス・コンディット。