前回「普段通り【第一関門〜第二関門】」
【第二関門〜第三関門】
第二関門で心折れ部Tに着替える。UTMFの際にもドロップバッグに入れておいたこのTシャツ。初めての実戦投入である。気合いが入る。
第二関門を過ぎても、ガレた道がひたすら続く。
どうもこのあたりでかなり調子が悪くなってきたらしい。ガクっとペースが落ちる。クラクラするのだが、「ロングレースではツラい時間帯があるが、必ず復活する」と聞いたのを思い出し、踏ん張ってみる。
昼近く。雲はとれ、陽射しが厳しい。木陰もなく、ガレた足下、ゆるい登りが笑っちゃうくらい続く(実際には笑えない)。身体を休めたいが、第三関門を過ぎれば時間的には絶対完走できるので、休むのは第三関門と決める。
Garminをこまめに見ながら、ひたすら前進。数百メートル程度しか進んでないこともあり滅入るが、その都度無理矢理ポジティブシンキング。絶対第三関門を通過しなければならないという気持ち、DETERMINATIONである。
Garminと実際の距離との差を3k程度とすると、Garmin 81k=第三関門 78kである。その数字をあたまに入れながら進むと、なんとGarmin 79k地点で第三関門出現!第三関門は76kに修正されていた!(なんですか、それ。。。)
でも結果オーライである。正直なところうれしい。あきらめずに前進したおかげで、14時25分頃に第三関門到着。制限時間35分前。これで完走はほぼ間違いない。
第三関門ではゆっくりと休む。横になり、そーめんをいただき、水を補給。そういえばおんたけのボランティアスタッフのみなさんは親切。積極的にボトルに水を注いでくれたり、なにしろ笑顔が素敵だった。
【第三関門〜ゴール】
14時55分に第三関門を出発。よほどの体調変化がない限り完走は出来るとわかり、ここでガクっとモチベーションが落ち、ペースが下がる。そのうち後方から車が近づいてきた。先行してもらおうとよけても抜かれない。よく見ると「最終ランナー伴走車」と書いてある。スウィーパーだよ。。。
そこで少しモチベーションがアップ。足裏が痛いということもあり、早くレースを終えたい気持ちも加わり若干ペースもアップ。
最後の下りに入るあたりで、サラミさんに遭遇。「ひつじさん、すごいね!」と声をかけていただき、颯爽と下っていった。サラミさんの他、100マイラー数人にも声をかけていただいた。自分たちはもう140k近く走っているのに他人を気遣うなんて、100マイラーすごすぎる!
そして、距離の問題があたまの中を駆け巡る。100kコースは「実は95kだった」「本当に100k」と距離に関しての情報が錯綜していた。95kであれば時間的に余裕で完走できそうだが、100kだったらギリギリになる可能性もある。そんな不確定な情報で後悔するようだったら、全力を尽くそうと(+サラミさんら100マイラーの疾走ぶりに刺激を受けて)、下りを走り出す!走る!!走る!!!
「トレランなんだから下りくらい走らないと」、そんな気持ちで走っていると、やっぱりトレランは楽しいということをじわじわ感じた。トレラン最高!
下りきったところで最後の小エイド。「残り8k」と書いてある。最後の力を振り絞り走って下ってきたぼくにはツラい事実ではあるが、例によって「8kなんて普段走っている距離だから全然問題なし」と無理矢理ポジティブシンキング。
残りの林道も走れるだけ走り、ロードに出たところで「残り4k」の表示!「え、4kも走ったかな」とも思ったが、Garminのバッテリー切れで真実は闇の中。
最後のロードは足裏が痛くで走れず。50m歩いて50m走ってを繰り返し、ようやくゴール地点が見える。スタッフの方や先にゴールしたランナーたちが拍手で迎えてくれる。みなさま、ありがとうございます。
最後の数百メートルは走った。予定よりも少し早く、18時間29分代でゴール。本当に全力を尽くしたレースだった。STYもハセツネも完走した安心感はあったが、おんたけは完走した喜びが大きかった。本当に感動した。他人には薦めにくい厳しいレースだけど、その厳しさに見合う大きな喜びを与えてくれる。
ゴールした後は、股擦れと足の水ぶくれが痛くて動くことが出来ない。喜びの後に、こんな身体でよくゴールできたなという安心感がようやくやってきた。
7月14日 おんたけウルトラトレイル100k
距離100k/累積標高約4000m/制限時間20時間
完走(18時間29分16秒)
総合順位 697位
男女別順位 637位
年代別順位 239位
(続く)