あの熱狂のUTMBから早一週間。
とはいえ、シャモニーには行ってません。
今年も多くのトレラン仲間がシャモニーに行っていたので、レース中はUTMBオフィシャルサイトのLive trailやWEB TVでチェックしていた。レースを走っている仲間の位置や順位がほぼ即時にアップデートされる。なんとも便利な時代です。
さて、ラン友はとりあえず置いておき(スミマセン)、なんといっても今年はトップ争いが白熱していた!
スタートから引っ張ったのはご存知ジュリアン・ショリエ。序盤は10分以内に80人以上の混戦!その中でなんといっても注目だったのはトニーことアントン・クルピチカ!序盤は集団に巻き込まれていたものの、一気に順位を上げて中盤のクールマイヨールからはトップでレースを引っ張る!長髪にBuff、上半身裸と独特の雰囲気はまさしく北米トレラン界のカリスマ!
トップ争いはトニー、ジュリアンの他、2011年のサロモン編隊の一角を担っていたミゲル、そして新鋭グザビエ・テベナール。4人が10分差以内で順位を変えながらレースは進む。
レース終盤、このまま伝説を作るかと思われたトニーがまさかの失速!というよりはグザビエがペースを上げて、トニー、ミゲル、ジュリアンはついていけない。その後、残念ながら脚を負傷したトニーはリタイアしてしまう。
シャモニーに真っ先に戻ってきたのは25歳、初の100マイルレースをトップで走りきったグザビエ・テベナール。鏑木さん曰く「まだまだ走りが粗い」にも関わらず、コースレコードでフィニッシュした恐るべきポテンシャル。
そして2位はミゲル。2011年はキリアン、イケルと共にレースを引っ張るも終盤にリタイア。「今回は完走するという気迫を感じた」と鏑木さんが言うほどの熱い走りだったようで、見方によっては予定調和と思われても仕方がない2011年のレースのリベンジを見事に果たした。
3位は市民ランナーのハビエ・ドミンゲス、4位はWestern States 100の2012、13のウィナーでありコースレコードを持つティモシー・オルソン。5位には昨年のUTMB3位のマイケル・フート。100マイルでも実力を発揮した。
オルソン、フート共にTeam The North Faceで、出走しなかった鏑木選手、序盤でリタイアしたセバスチャンに変わる活躍だったと言っても過言ではない。共に北米からの刺客であり、トニーと共に今後の活躍が楽しみである。
ジュリアンは6位でフィニッシュ。家族と楽しそうにゴールする姿が印象的だった。安定して上位でフィニッシュする実力は本当に素晴らしい。
結果的にリタイアしてしまったが、今年のレースを盛り上げたトニー。来年も是非参戦して欲しい!(ちなみにシューズは序盤はM110、中盤以降はM110v2だったらしい)
そしてもうひとりの主役がローリー・ボジオ!女子選手ではUTMBで初めてトップ10に入り、コースレコードを打ち立てたローリーは歴史に名を残したといえる。その驚異的なパフォーマンスとは裏腹に、愛嬌のある表情と動きは今後の人気爆発を予感させる。
と、拾った情報からでもこれだけ語り甲斐があった2013年のUTMB(いつものごとくDogsorCaravan.comに超詳しく載ってます)。
ただ、少し残念だったのは日本人選手の活躍が見られなかったこと。もちろん選手のみなさんが苦しい状況の中で最善を尽くした結果だということはわかるのだが、「やるスポーツ」ではなく「見るスポーツ」と考えると、やはり表彰台に日本人選手がいないのは寂しい。
世界最高のトレイルランニングレースと言われるUTMB。近年では“世界選手権”とも呼ばれ、世界中からトップランナーが集まった結果として、急激にレースの高速化や世代交代をしているように感じる。特に今年の優勝は男女共に20代、そしてコースレコード樹立というのは印象的な出来事だった。
その舞台で活躍する日本人選手が現れることを、こっそり祈ります。