(続き/前回はコチラ「準備編」)
レース展開
STYは距離91.5k、累積標高4715m、制限時間24時間のレースだ。個人的な印象としてはなんとも不思議なコースで、もともとのコンセプトが富士山をぐるり一周するために作られてるので、バラバラな印象のパートがツギハギになっている感じ。
第一関門(A8)の西富士までは林道とロード、送電線下の野原のゆるい下り基調(27k)。送電線下は若干の上り下りがあるものの、トレイルランという感じではない(しかし実は意外に大切なパート)。
その後悪名高き天子山地に入る。登ったり下ったりしながら、雪見岳から一度降りて麓エイドへ。そして竜ヶ岳を登って下り本栖湖エイド。山岳パートと呼べるのはコース中でここくらい(とはいえ34kほどもある難関)。
本栖湖エイドを過ぎると、あらたに設定された本栖湖を時計周りに周回するトレイルと東海自然歩道(樹海)、ロードで鳴沢へ。最後は紅葉台と足和田山。(完走できなくてなんだが)天子山地以外はそんなに難しいところがあるようには感じないのだが、それが実はこのレースの盲点だったりする。
START(富士山こどもの国)→A8(西富士中学校)
先日も書いたが、今回の最大の山場はここだと考えていた。ゆるく下り基調とはいえ、27kを4時間。鈍足ランナーにとっては脚を残しつつ、関門にかからないように走らなければならない。ここで脚を使い切ってしまうと、次に控える天子山地が。。。
12時にスタート。例によって後方からのんびり進む。ラン友や仕事仲間がたくさんいて気分もアガる。けっこう周りはいいペースだが、なるべくイーブンペースを心がける。実は今年に入ってから20k以上のロングランを一回しかやっていないので、体力的にちょっと不安。
なにしろ景色はよくないし退屈な区間。途中から何故か膝が痛くなり(ここ数年全然痛まなかったのに)「膝が痛くならないフォームを考えよう」「自分で作ったウェアで走れるなんて幸せだな」など、暇つぶしにいろいろと考えながら走る。
粟倉(17k)を2時間5分で通過。まあまあ予定通りで、結局西富士(27k)には3時42分に到着。3時30分目標だったので、10分程度後ろ押し。水分補給だけして、5分程度で出発した。その後ベスパの補給を忘れていたので、河川でベスパやらグミやらを詰め込む。天子山地突入前なので、しっかりとエネルギーをとっておかないと。
A8(西富士中学校)→A9(麓)/天子山地
第一関門(A8)をクリアして、これは完走いけそうと思ったのだが、そうは問屋が卸さない(最近あまり聞かない)。
天子山地にとりつき登り始める。昨年UTMF(逆回り)では脚痛&体調を崩し、この長いトレイルを苦しんで下ったことを思い出しながら進む。途中、UTMFの方(海老蔵似のイケメン)と話しながら進む。UTMFは二晩目を迎えようとしている。100マイラーを目指す方々は本当にすごいメンタリティーだ。
天子の800m登りはキツいはキツいけど、山は登り続ければいつかは頂上につく(ただしトレイルランレースの場合は時間も大切)。蚊取り線香塾テクを駆使し、2時間ほどで天子を登る。その後長者、天狗と経由、走れるところはなるべく走る。ひーこら登って雪見だと思ったらまだ熊森で、そろそろ関門時間が気になる始める。せっかく登った熊森から220m下り、雪見までまた200m登るのだが、急登のためか渋滞が発生。
実は熊森の手前あたりで水分が底をついてしまった(1.5L程度)。そういう時は「ダコタもハセツネの時に脱水だったから、がんばって乗り切ろう」とポジティブに考える。しかし、脚の攣りがひどくなってくる。登りも登るのが辛いというよりも脚が痙攣して困った。あたまは冷静なまま「この攣ったままの脚で竜ヶ岳は厳しそうだな」と考えながら登った。幸いというかなんというか、雪見の登り下りの渋滞によるスローペースで痙攣はそこそこ治まる。しかし関門時間が。。。
雪見を下りきるとスタッフの方が「エイドまであと800mでーす。急げば間に合いまーす!」と叫んでいる。この時点で残り5分くらいだろうか。「可能性は0ではない!」(※1)、攣った脚でとりあえず走る。エイド手前の坂を登ると「あと1分でーす!とりあえずエイドに入って出てください!」(※2)ということで、入ってすぐ出る。コーラが飲みたかったがそれどころではない。
A9関門を制限時間1分前にギリギリクリア。サラミさんやエディが食料やらドリンクやらを持ってきてくれる。完全枯渇だったので本当に助かった。サポート万歳&山は怖い!
(またまた続く)
(※1)先週富士五湖チャレンジを完走したかわむをサポートして励ました赤嶋選手の名言。
(※2)関門に到着した時間ではなく通過時間が制限を超えてしまうとアウト