前編はコチラ。
ここまで来る間、蚊取り線香氏がペース配分を指示してくれていた。3000m級なので、高山病の危険がある。体力があったとしても、速めのペースで体調を崩してはせっかくの登山が台無し。登山は速いことが正解ではなく、安全に行って帰ってくることが正解。
幸い、みんな絶好調というわけではないが、槍ヶ岳アタックには支障なさそう(斉藤さんだけお留守番。逆に言うとトレイルランナーに付き合って3000mまで登ってこれるのがスゴイ!)。
レインウェアなど必要最低限の荷物をウエストバッグに入れて出発。殺生ヒュッテから少々(というかけっこう)登り槍ヶ岳山荘へ。やっぱりすでにテン場は一杯だった。
槍ヶ岳山荘で一休みして、いよいよ槍ヶ岳へ。
シーズンの週末なので混んでいるかと思っていたけど、時間帯もあってか渋滞もそれほどでもない。岩場、はしごをマイペースに進む。高度感はあるが(高所恐怖症の方にはツラいかも)、三点支持と慎重さを失わなければそんなに難しい感じではない。
空いていたから下る時に撮った仕込み写真w
そしてみんな無事山頂へ!蚊取り線香塾&心折れ部、日本百名山・槍ヶ岳制覇!
憧れの山の山頂は思っていたよりも広く、天候のよさも手伝ってか景観も最高だった。小さいながらも夢がかなうのはうれしい。小さい夢がかなわなければ、大きい夢がかなうことはないわけだし(強欲なので夢はたくさんある)。
ケイティは今回が初めての本格登山とのこと。初登山で槍ヶ岳なんてうらやましいよw
そう考えるとガイドがいる安心感は大きい。岩場を降りる際にも、蚊取り線香氏は手や足の置き場所を丁寧に教えていた。
殺生ヒュッテまで戻って夕食の準備。のんびり登山はこういう時間が楽しい。ぼくの夕食はカップラーメン(中身だけジップロックに入れてカップは捨ててきた)。山のラーメンとコーヒーの美味しさは格別。
絵画のような空模様。その時、その場所でしか見ることが出来ない景色は心に残る。
テント泊は慣れていないので、ぐっすり寝たとは言い難い。山に行かなくても、近所の公園でテント泊の練習しないとw ライトを点けなくても、テントの中は月明かりで夜中ずっと明るかった。
翌朝は5時に出発。再び槍ヶ岳山荘まで登り返し、稜線を南岳・中岳方面に進む。槍ヶ岳から南岳方面に向かうのは北穂高岳、つまり大キレットを超えるハイカーがほとんど。ぼくらはそんな勇者を見送りながら、南岳手前で天狗原方面へ下山する。
ところがこの天狗原ルートに大苦戦。ハシゴはともかく、岩場が多くてルートが不明瞭。何度もコースを間違えてしまった。スミマセン。。。
浮き石も多く、慎重さが求められるものの、右手に穂高連峰、左手に槍ヶ岳を望む贅沢なルート。ハイカーも少なく静かなので、上高地からのピストンでは物足りない方にはオススメ。
またまた雪渓。雪解け水が出る場所でランチ休憩。この水が本当に美味しい!中岳山頂からここまで湧き水はなかったので、本当に純粋な雪解け一番水。
その後、無事槍沢ロッジへ抜けるメインルートへと合流し、前日に登った道を下っていく。
岩場を下り、下り、下る。足をリズムよく石に置き、次に足を置く石を瞬時に判断する。疲れてはいるのだけれど、無性に楽しい。山の大きさになんとなくシャモニを思い出したり、まだ経験したことのないロングトレイルを想像したり。
長い長い道を戻り、上高地に着いたのが15時過ぎ。バス組が16時出発なので、慌ただしく解散。楽しい二日間を無事に過ごせてよかった。参加されたみなさま、楽しい時間をご一緒していただきありがとうございました。
特にトレイルランニングをやっているわけではないのに、この行程(二日で約48k、累積高低2150m)で一緒に進んだ斉藤さんには驚愕!(しかも殺生ヒュッテではテントなし寝袋だけで寝るという超人っぷり)
まだまだぼくは山の初心者で、でも蚊取り線香氏と一緒に山に行く度に知識が増え、山の楽しさと怖さがぼくの中で蓄積していく。今回も昨年から学んだ知識とテクニックを随分と活かすことが出来た。
蚊取り線香塾白帯3本ライン(※)くらいにはなれただろうか。
(※)柔術は白帯→青帯→紫帯→茶帯→黒帯と昇格するのだが、昇格するまでに帯にラインを巻かれ、5本になると昇格する。