UTMF、スタートから約157k地点のA10富士小学校。
関門制限時間は午前7時50分。
制限時間15分前の7時35分から、エイドの500mほど手前で関門を目指すランナーに声をかける。
エイド前はゆるい登りになっていて、走れない脚では500mでも5分以上はかかりそうだ。かける言葉は時間が経つにつれて、
「まだ間に合います!」
から
「急いでください!」
になり、
「ダッシュで進んでください!」
に変わっていく。
同じ場所に、数時間前から待っているタイから来たランナーたちがいた。8人でUTMFに参加して、7人がリタイア。最後の女性ランナーがA10を目指しているとのこと。みんな、祈るような顔でランナーが来るであろう先を見つめている。
前半の関門で多くのランナーがリタイアしたこともあってか、A10での制限時間ギリギリのランナーは少ない。そろそろエイドに戻ろうと思った7時48分に、タイの女性ランナーの姿が見えた。
しかし、もう間に合わない時間だ。
それでも女性ランナーと合流したタイのランナーたちは、8人全員で必死に関門に向かって走って行った。
その姿に心が震え、彼らの表情がずっと記憶に残っている。
関わった人の数だけドラマがある。ロングトレイルレースの魅力にはまったら、抜け出すのは難しい。
来年も絶対にこの場所に来ようと思った。
2 コメント
タイ人ランナー富士小学校で見てました。関門閉鎖の瞬間、一人のタイ人女性が嗚咽して号泣し始め、その数分後、タイ人女性ランナーがやって来ました。関門閉鎖を見て呆然としている顔が今でも忘れられません。リタイヤした7人分想いを背負って走って来たんでしょうね。
その場にいらっしゃったんですね。ぼくは撤収までいましたが、最後は気持ちを落ち着けて戻られたと感じました。実際はわからないのですが。。。フィニッシュもDNFも必然。そこから何を得られるかですよね。少なくとも彼らは揺らぎなき絆を確認した旅だったと思います。