レース当日。
※レース前まで編はコチラ。
「上州武尊スカイビュートレイル60 2016(レース前)」
スタート前、なみねむさんとサラミさんにお会いする。スイーパーで参加しているらしく「会わないようにしなくちゃw」なんて話していたのだが、何度もお会いすることになる。。。
そもそもそんなにレースに出るほうではないが(今年3レース目)、周りのラン友と同じレースに出る機会がめっきりなくなってきた。だから、こうしてスタッフでも馴染みの顔を見ることができるのはうれしい。
6時に宝台樹スキー場をスタート。いつものようにほぼしんがりからのんびりと進み始める。いきなりゲレンデを登るのだ。
上州武尊60の高低図を見ると、登って下って登って下って登って下って登って下って(以下略)というコースであることがわかる。
宝台樹のゲレンデを登って下ると、いよいよ武尊山の登りが始まる。なんと1100m。しかも正規の登山ルート(?)ではなく、わりと急登のルート。序盤はそこそこ調子よく登るも、途中から動悸息切れめまい発汗が激しい。武尊山頂につく頃には重力5倍に感じるくらい身体が重い。。。
ここまで約11k、累積高低はおそらく1500を超えている。
そこからは気持ちよい稜線が少し続き、一気に600m下る。登りを苦労した分、下りで巻き返そうと思ったが、笹薮を無理やり刈って作ったであろう道や、ロープや梯子がなければ下れないような急な下り。。。とてもではないがペースを上げられない。雨が降ったら「下りられません」って人が出てきそう(ぼくは多分無理)。数回転んだ挙句に、左脚からぶちぶちとイヤな音が。。。
本格山岳レースと言われる上州武尊。たしかに数字には見えない難しさがある。。。
その後、正規ルートに合流すると、後方から「その後ろ姿は渋井さーん!ザックかっこいいね!」との声が。120に出ている望月さんがすごい速さで抜いていく。TJAR後なのに鮮やかすぎる走りだったけど、その後リタイアされたとのこと。
18k地点のA3ほたか牧場キャンプ場につく直前に、スイーパーのサラミさんに出会ってしまう。もうビリってこと?
A3に到着後にサラミさんに聞くと、なみねむさんとキャットさんコンビがもう少し後ろのグループについているとのこと。サラミさんはA3で終わりなので、次はなみねむさん達に会わないようにしないと。
このあたりからコース研究に長けたふたりの女性となんとなく前後しながら進むようになる。前日のブリーフィング内容を地図に書き込み、相当詳しい。コースの様子なども教えてもらえるので、少し気が楽だった。
A3からはゲレンデふたつ超え。400m登って、700m下って、300m登って、400m下る。しかも(逆から見たら)スキーで下ったら危ないだろう!と思わせる超直登。
このゲレンデふたつめで身体が動かなくなった。少し休んでいると120に出ているそーけんさんが抜いていく。ちょっと苦しそうだ。みんな苦しいんだよね。
体調不良、練習不足、体質、苦戦している理由は考えればいくらでも出てくるので、考えずに応援してくれた方たちや家のねこを思い出しながら、無理矢理進む。
A4片品高原スキー場に制限時間1時間前に到着。ゆるい制限時間だと思っていたのに、けっこう厳しくなってきた。15分ほど休み出発。
このあたりになると120に出ているランナーたちが颯爽と後ろから抜いていく。赤いFUJIYAMA UNITED Tの方、FB友達の方、デニムランパンを履いている方。「ファイト!」「渋井さん!」「ザックいいですね!」「がんばりましょう!」笑顔で声をかけてくれる。ここまですでに60k以上走っているのに、すごい人たちだ。
photo by naminemu
林道に入り、400mの登り途中でついにスイーパーのなみねむさんとキャットさんに追いつかれた。もはやへろへろ状態で、例の女性たちにももう付いていけない。なんとか次のWSに到着した。何人かリタイアするみたいで、気持ちがぐらつくが、再び応援していただいた方やねこを思い出して、先に進むことに。
しかし、本当に身体が動かないし、補給もとれない。いつかは復活するといわれるロングトレイルだが、何ひとつ復活しない。1kほど進んで座り込んでしまった。
次のエイドまで6k、600mの登り。この状態では無理だ。なみねむさんとキャットさんにリタリアを告げた。2013年のUTMF、2015年のvibram HK100。無理に進もうとして死にそうになった。トラウマであると共に、自力で下山する判断力の大切さを学んだ。上州武尊は40k地点で終戦。
結局WSまで戻り、そこからスタッフの方の車でA5オグナほたかスキー場へ。スタッフの方はみなさん親切で、「大丈夫ですか?」「休みますか?食事もあります」と声をかけてくれる。
A5から回収バスでフィニッシュ地点の川場村役場へ戻り、そこから車が停めてある川場村スキー場へ。待っている間、クワガタムシが足元に。自然のクワガタムシを何十年ぶりに見ただろう。
またもロングレースで敗北。練習不足はもちろんあると思うけど、それ以前に体質が合わない。向いていないのだ。
それでも懲りずに出続けるのは、ロングレースはぼくにとって大切なコミュニケーションの場。今回もサラミさん、なみねむさん、キャットさん、望月さん、そーけんさん、佐伯さん、井戸さん、そして声をかけていただいたみなさまとの時間は(たとえ一瞬でも)、記憶に残る大切な時間なのだ。
今回は応援に応えられない結果でしたが、次がんばります。お会いしたみなさま、ありがとうございました。またトレイルで会いしましょう。