「MMAで二十曲峠エイドを担当していただけませんか」
と事務局からご連絡をいただいたのは、春から初夏に季節が移り変わる時期だった。
返答に困ってしまった。エイド運営経験はなく、そもそもMMAにはスタッフがいるわけではなく、ぼくひとりしかいない。。。
そこで、「人が集まるようであれば是非担当させてください」と事務局に一旦ご返事をして、FBで「誰か手伝ってください!」と募集したところ、なんと15名ほどのラン友が手を上げてくれた!
心折れ部、IBUKI、トレランマンズと同世代のメンバーに加えて、蚊取り線香塾、フイナムランニングクラブからと世代を超えた混成メンバー。これは面白い科学反応が起きそうだ!
事務局に「やります!」と返答し、初のMMAエイドが決定。当日はぼくがスイーパーで細かく動けない可能性があるので、共同リーダーとしてFun Trailsで運営に関わっているJAMさんにお願いする。事前の現地下見からスケジュール管理まで、しっかりと役割を全うしてくれた。
また、ボランティアスタッフ経験値の高いメンバーも多く、ぼくの経験不足を補ってくれそうだ。みんな今はガチに100マイルレースを目指すという感じではないが、トレイルランニングに感謝して、恩返しをしたいと思っている信頼できるメンバー。精神的に随分と楽になった。
9月24日、スイーパー業務を終えた翌日。UTMFがなくなったことで予定より遅い時間に二十曲峠に到着。大雨の中、エイドの準備を進める。
STYのスタート会場のこどもの国は朝から雷雨らしい。各エイドからは状況報告がひっきりなしに行き交っている。個人的には「中止にしたほうがいい」と思っていた。二十曲峠にランナーが来た場合、その後は杓子を含む山岳パートが続くことになる。ランナーが多く通れば前日のパノラマ台のように普通のトレイルが一転して超難関コースになり、危険度が増すのは明らかだ。ボリュームゾーン以降の到着は暗くなってからだろう。
ちょうどエイドメンバーが最寄り駅に集合している頃、「各エイドで選手を止めている」という情報が入る。まだ正式な中止ではないので、みんなには現地へ集合するように伝える。
雨が弱くなることはない。みんなが二十曲峠エイドに到着した時、ちょうど正式に中止がアナウンスされた。
到着するなり中止と聞いても、残念という雰囲気はなかった。みんなトレイルランニング歴の長いメンバーだから、この状況がどんなに危険かわかっている。どちらかというと安堵感が漂った。
結局、集合写真を撮って解散。選手のみなさまをおもてなしするのは来年に持ち越しになってしまったけど、天気は運不運もあるし、極力安全な状況で選手たちをお迎えしたい。
「リベンジ」ではなく「楽しみは来年までとっておきます」。メンバーというか、ラン友のみなさん、集まっていただいて本当にありがとうございました。「集まらなかったらどうしよう」と本気で悩んでいたので、本当にうれしかったのだ。
(続く/next: 「UTMF/STY 2016(日本のトレイルシーンの未来)」)