シャモニー入り前から、UTMBウィークの天気は荒れそうという噂だった。
ここ数年は天候に恵まれ、参加したランナーの方々は暑さに苦しめられたという話をよく聞いていた。ぼくはハンパない汗かきなので、暑くなるのが不安だった。
つまり、雨は気持ち的には悪くない。
朝5時15分。シャモニーからスタート地点のOrsieresにオフィシャルバスで移動する。一時間ちょっとかかるので、バスの中で寝ても大丈夫。
OCCスタート地点のOrsieresはこじんまりとした街。やっぱり小雨が降っている。晴れて暑くなるよりはいいけど、標高が高いところでは気温が心配。2012年のCCCでは、標高2500mのGrand Col Ferretで猛吹雪に合い、死にそうになった。
悪天候の噂を聞いて、日本を出る前に装備を見直した。長袖を防寒タイプに、グローブも少し厚めのものに変更した。
さて、あらためてOCCというレースについて。UTMBはモンブランをぐるり一周するのだが、その後半部分、約1/3がOCCのコースとなる(一部UTMBとコースが異なるが、今年は悪天候のため同じになった)。
距離56.5k、累積高低3500m、制限時間14時間30分。ぼくの走力としては、完走ギリギリ予想。距離はともかく、ここ何年も累積高低3500mなんて経験していないな。。。
コースは高低図を見ての通りで、三回ドカーンと登って下るというシンプルさ。ひとつひとつの山が大きい。これぞヨーロッパ!(多分)
同じチームのナオキックスとスタート前にパチリ。トレイルランニングを続けている数少ないメンバー。でも「一緒に行こうよ」というわけではなく、同じレースにエントリーしていて、現地集合。こういうマイペースなスタンスが意外と長く続ける秘訣かも。周りに流されず、きちんと自分なりの楽しみ方を身につける。
Orsieresに着いて一旦雨が止むも、スタート直前にまた激しく降ってきた。一度脱いだレインを再び着る。レース終了まで、このレインウェアを脱ぐことはなかった。
8時15分、いよいよ56kの旅がスタート。ミュージックとナレーションが気分を盛り上げる。1600名のランナーが一斉にOrsieresを走り出す。
ぼくはいつものように最後尾付近からスタート。さすがにゲートを越えるまで数分かかり、そこから走り出すのだが、それにしても周りの飛ばしっぷりがハンパない!まだ56kもあるんだけど!
雨でも街のみなさんが応援してくれています。応援の多さもUTMBの特徴。UTMBの応援といえばやっぱりカウベル!Allez! Allez!!
最初のエイド「Champex-Lac」(10k)の手前の登りで渋滞。後ろを振り返ると10人くらいしかいないんだけどw(多分この時点でほぼ最後尾)
予定より押し気味で「Champex-Lac」に到着した。見たことのある景色。ここは2012年にリタイアした場所でもあり、5年ぶりに戻ってきた。感慨深い。
(「OCC_2017(レース中編 Champex-Lac-Vallorcine)」に続く)