朝、6:00AM、レーススタート。まずは大学構内とロードをひた走り、若干の渋滞を経て、トレイルにとりつく。
あらためてTrans Jeju 56kののレースについて。
距離56k、累積高低2500m、制限時間15時間。これまでいくつか50kクラスのレースに出てきたけど、この数字は難易度が高い感じではなく、制限時間にもゆとりがある印象で、完走難易度Bくらいだろうか(渋井比)。
高低図を見ても、序盤に韓国最高峰である「漢拏(ハルラ)山」を登れば、あとはほぼフラット。要するに勝負所はハルラ山にあり!と予想した。
いつものように事前に行動予定表を作り、12時間30分でフィニッシュと想定するも、がんばれば10時間台でいけるんじゃないかな、なんてこっそり思っていた。しかし、実際にはそうは問屋がおろさない。それがトレイルの奥深さ。
わりと気持ちよく走れるトレイルを抜けると、最初のチェックポイント(CP1)に到着。エイドの補給は果物やコーラ、スポーツドリンクなどで、日本とそう変わらない。果物が美味しい。
参加しているランナーも若い方が多い印象だけど、エイドのスタッフさんもみなさん若い。済州大学の学生さんが手伝ってるのかな?笑顔が多くてうれしい。
さて、CP1を過ぎるとこのレース最初にして最大の難関、標高1950mのハルラ山に突入。CP1が500mなので、一気に1450mほど登ることになる。なかなかの数字。ただ観光地だけに、急登の連続というわけではなく、木道や木の階段で整備されたトレイルが多く、マイペースに進めばそんなに厳しいという感じでもなさそう。
しかし、標高だけに気をとられてはいけない。CP1からCP2までは約18k。その間は水分の補給もできない、汗かきには厳しいデスゾーンなのだ。
登りはやっぱりツラい。SUUNTOの標高を確認しつつ、ヒーハー言いながら登る。ぼくは後方からスタートしたこともあって、周りのランナーたちは休み休み景色を見ながらのんびり進んでいる感じ。気づくと一人という時間帯が多くなってきた。もともと参加人数も少なそうで、おそらく56kで500人程度。ロストに気をつけるように心がける(ただ、この区間は一本道だったみたい)。
そこそこ時間はかかったけど、あっさりと山頂に到着した。なんというか、なだらかな山ということもあってか、いわゆる「山頂!」というイメージではなく、ランナーと観光客で賑わっていた。
韓国というか、済州島一番の高さ。海まで見渡せるさすがの景色だけど、止まっていると身体が冷えそうなので、一通り景色を堪能したら、早々に下山開始。木道と木の階段だから本来は走りやすいのだが、登ってくる観光客が多いので早歩きと走りを織り交ぜながら下っていく。
途中に大きな山小屋があり、そこから一気に観光客が減る。富士山でいう5合目みたいなもの? しかし、その先のトレイルのガレっぷりがハンパない。ただ、ガレを飛ばすのが面白かった。足を置くべき石を判断して、リズミカルに走る。ポールは持っているが、つかないほうが降りやすい。ポールを手に持ったまま、ぼくにしてはそこそこのペースで進む。これが後々響いてくることに。。。
ある程度下るとフラットになってくる。紅葉が綺麗な季節で、陽気も心地よく、景色を味わいながら気持ちよく進んでいく。
そしてほぼコース中間、27.5k地点ののCP2に予定通りに到着。気持ち的にはこれでレースも終わったも同然。あとはフラットなエリアを散策気分で進めばよいのだ。わりと飛ばしたので、10分程度休むことにする。案の定、1.1Lほど持っていたドリンクもデスゾーンで飲みきっていた。
CP2ではカップラーメンがあったのだが、ぼくは胃腸の調子がいまひとつでパス。果物と手持ちの補給をとっていると、「シブイさん!」とぼくの名を呼ぶ声が。
声をかけてくれた方が着用しているスリーブレスには胸に「OSAKA MOUNTAIN RUNNING CLUB」の文字。なんと大阪ソトアソのオーナー菊川さん!こっそり出ていて、嘘か誠か、ぼくをビックリさせようとしていたとのこと。まさか済州島でお会いするとは思ってもいなかったので、本当にビックリ。
(長くなったのでレース後半戦編へ続く)