コース中間、27.5k地点ののCP2を出発。気持ち的にはもう完走したも同然、だったのだが。。。
出発早々、111kに出ている堤さんにお会いする。堤さんはご自身で「GO ASIA TRAIL」というサイトを運営するほどのアジアトレイル通。前回(というか初めて)お会いしたのが香港のランタオ島。そして今回は韓国済州島と、日本で会ったことがないというw
しかし、アジアトレイルは身近ながらも日本と異なるトレイルの景色やカルチャーがあって、本当に面白い。国内のトレイルレースに出尽くしたとか、毎年同じレースに出ている方も、一度アジアに目を向けてもらえば、これまでとは異なるトレイルの楽しさを味わえると思う。
アジアはヨーロッパやアメリカに行くよりも予算も日数も抑えられるし、堤さんのやってらっしゃるアジアトレイルの情報発信は今後もっと需要が伸びてくると思う。
GO ASIA TRAIL 日本人のためのアジアトレイル情報
さて、話をレースに戻そう。ここからまた雰囲気の異なるトレイルに突入する。荒れているというわけではないけど、そんなに普段は人が通らないだろうというトレイル。足元に気をつけながら進み、そのトレイルを抜けると気持ちのよい林道が。ここで56kと111kが分かれる。聞いた話によると、111kはここから茨の道があるらしい。。。
ぼくら56kは上記のように気持ちのよい林道。道幅も広く、心地よい陽射しが降り注ぐ。ほぼフラットで、「ここはサービス区間だ」と思ったのだが。。
走れない。林道が走れない。
どうもハルラ山の下りで足を使い切っていたらしい。。。楽しく走りすぎてしまったようだ。。。
仕方がないので早歩きを織り交ぜながら、走れるところは走る。けっこう長く感じた林道を抜け、寺エリア(?)を抜けると、また林道。。。
そんなこんなで、けっこうグダグダな展開ながらも36.5kのCP3に到着。時間には余裕があるので、関門に引っかかる心配はなさそう。ただ、高低図だとフラットに見える後半部分も変化の大きいトレイルが続き、思ったより消耗している。
CP3を出ると、土管w
ここをくぐるらしい。上に大きな道路が走っているので、苦肉の策のようだが、おそらく土管がコースにあるトレイルレースは世界で唯一ではw
「ここをセバスチャンとか土井選手も通ったのかな」なんて思いつつ、土管に突入。「姿勢が変わるので足を攣る人とかいるんじゃないかな」と思ったら、自分が攣る始末w
土管を超え、木道を進む。途中からシングルトラックになり、何故かいきなり走り出す自分!走れるなら走りやすい木道や林道を走れよ!と自分自身で思うのだが、なぜか「木道や林道などのフラットなところを走れない病」らしい。周りのランナーに林道で抜かれ、シングルトラックで抜き返しを繰り返し、なんだか申し訳ない気持ちになってくるという。。。
そして最後の関門、45k地点のCP4に到着。残り11kだし、完走は間違いなさそう。ただ、思ったよりも時間がかかっていて、10時間代なんて到底無理。ここは当初予定の12時間30分を目標にする。
しかし、ここからのコースがまた不思議な雰囲気というか。。。深い森で、暗くなってきたこともあるし、ランナーがバラけて前後にいない時間帯もあり、油断するとロストしてしまいそう。マーキングは要所要所にあるのだが、トレイルが明確ではなく、ロストしないようにマーキングをしっかりと確認しながら進む。
この森、距離にして5kくらいなのだが、意外に時間がかかってしまった。よく言えば神秘的、悪くいえば不気味な森でw、独特の雰囲気。
完全に陽が暮れる。森の最後に200mほど丘に登るのだが、ここから見える月と島の夜景が本当に綺麗だった。
ようやく森を抜けて、行きも通ったJeju National Universityのロードへ。しかし、なぜかロードのマーキングが少ない!道が広いこともあって、交差点の度に止まって確認する。それでも不安なので、後ろにいた地元ランナーに先行してもらって、後についていく作戦。
ここは迷いそうだと思っていたら、下から登ってくる集団が。やっぱりロストしたランナーがいたのだが、そのうちのひとりがなんとソトアソ菊川さん!地元ランナー含めて、9名ほどでロストしてしまったとのこと。これもご縁なので、最後は一緒に進むことに。
この最後のロード区間のマーキングが少なく難儀したが、それでもようやくフィニッシュに辿り着いた。フィニッシュエリアのスタッフさんが素敵な笑顔で迎えてくれる。陽が暮れ、気温もかなり下がっている。フィニッシュするランナーも随分とバラけているのだが、それでもランナーが戻ってくる度に声援を送っている。素敵なスタッフさんたち。
タイムは13時間40分と大幅に予定を超えてしまったが、まずは一安心。一部の癖のあるコース、マーキングの少ないエリアでゆっくり進まざるおえないなど、コース図や高低図からはわからないトレイルレースならではの難しさを実感。トレイルレースはやっぱり奥深い。
逆にいえば、56kでも変化に富んでいるコースで、様々な楽しさと苦しさを味わえる。韓国最高峰ハルラ山、木道、林道、シングルトラック、土管w、深い森と、過去に出た中でもコースバリエーションの豊かさではナンバー1、面白さでも上位に入るレースだった。
完走賞は済州島にある石像「トルハルバン(石の爺さん)」を模したメダル。これはかわいい!さらにフィニッシャーTシャツではなく、THE NORTH FACE製のフィニッシャーパーカ。普段も着れるデザインで、日本と運営会社が異なるので、意外にレアかも。
さて、ここからホテルに戻るという最後の試練が。時間も遅いので、とりあえず来たバスに乗り、街方面に向かう。しかし、残念ながら旧済州方面だったので、途中で降りる。そこから新済州方面に行くバスがない。。。
ということで、バスで降りてから、さらに4k歩いてホテルに戻った。いい運動をした一日だった。
(続く)