先週末は(おそらく)世界でもっとも注目されるトレイルランニングの大会、Ultra-trail du Mont-Blanc(UTMB)がフランスシャモニーで開催された。
UTMBが最高峰と言われる所以は、コースの厳しさやロケーションの素晴らしさ、競技性に加えて、エンターテイメントとしてもトレイルランニングの最先端で、昨年からUTMB TVというインターネット中継を行っている。日本にいながら(DogsorCaravan.com 岩佐さんのナビゲーター付きで)UTMBのレース展開を追うことができる。
しかもメインカメラマンはセバスチャン・セニョーで、トップを争うパウ・カペル選手やグザビエ・テベナール選手のスピード感と臨場感溢れる映像は必見!また今回は調子の上がらなかったザック・ミラー選手のエイドでの葛藤する表情など、見どころたくさん。
と、そうしたトップランナーの姿も観ていて楽しいのだけれど、一般市民ランナーのフィニッシュシーンを眺めているのも楽しい。
約170kの旅路を終えてシャモニーに戻ってくるランナー達。性別、国籍に関係なく、みんな本当にいい笑顔なのである。心から湧き上がる喜びの笑顔。安心もあるかもしれない。
フィニッシュした途端、指輪を出してプロポーズしていたランナーがいた。周りからは祝福の拍手。その瞬間をイメージして指輪持って走っていたんだろうなと思うと、微笑ましい。
日本人の方だと思うけど、(多分)アジアの国々の国旗が描かれている旗を振ってフィニッシュしていた。トレイルランを楽しむ気持ちに国境や人種なんて関係ない。
ボーっと観ていたら、トランクショーでお会いしたお客様がフィニッシュしていたり(実力者!)、上下MMAを着てくださっている方も。大切な大会に着てくれるのは作り手として本当にうれしく思います。
フィニッシュする様は本当にさまざま。家族や仲間と喜びをわかちあったり、一緒に走ってきたランナー同士が手をつないでフィニッシュしたり、ひたすら観客とハイタッチしたり。みんな長かった旅の余韻に浸っているように見える。
今年のUTMBはパウ・カペル選手が前年王者のグザビエ選手を抑えて初優勝!、小原選手の8位入賞(素晴らしい!)、鏑木さんのNEVERプロジェクトも完走でハッピーエンドと、とてもドラマチックに感じた。
そうしたドラマは参加したランナーの数だけあって、それが形として表れるのがフィニッシュゲートなのだと思う(もちろん、残念ながらフィニッシュできなかった方達にもドラマがあるはず)。
UTMBを知ってトレイルランを始めたぼくは、そうした人間ドラマに惹かれたのかもしれない。だから見る度に感動して、またいつかシャモニーに行きたいと思う。
参加したランナー、サポート、関係者のみなさま、おつかれさまでした。うらやましー!(今年CCC落選)
※写真は2012年、CCCを早々にDNFしてシャモニーに戻り、フィニッシュするランナーに声援を送っていた時のもの。