2週間前の今頃はレユニオン島を走っていました。
結果は、152.3km(/172.6km)地点でDNF。
脚がやられたわけでもなく、胃がやられたわけでもなく、まさか幻覚でレースを終えることになるとは思いませんでした。
スタートラインから最初の直線は、「Run like the wind 〜風となって駆ける〜」の撮影でカメラを持って鏑木さんに併走。その後は壮大な風景や手厚いサービスが受けられるエイドステーション、至るところで応援してくれている島の方々とのコミュニケーションを愉しみながらゆったりと中盤まで進む。そして115km地点のエイドを過ぎてからは少しペースを上げ、大きな山を全てクリアして調子良く走っていた150km付近で突然・・・
その手前の144.6km地点のエイドステーションを過ぎて次の山に入って数キロ進むと、身体は前へ進もうとしているのに、脳が別の場所にある感覚になり、走るのをやめて歩いたり立ち止まったりして夜中のトレイル上で数時間ほとんど前に進まない状態であったことを覚えています。
そのとき何を考えていたのかを忘れないように、レース直後にメモしたFacebookへの書き込みを読み返してみると(原文そのままコピー):
夜間走行中に、突如として「身体と脳が分離していく感覚」が徐々にではじめ、夢の中と現実が錯綜してきて、「自分が一体何をやっているのかが分からない状態」になる。
いまでも覚えているのが、”レユニオン島で走っていること自体が夢の世界で、いま目の前にあるトレイルは何故かハセツネのコース。もう暗くなったので山を下りて家に帰ろう、ということを何度も思い、御岳から下りるのか、オオダワまで来てるから五日市会館まで行ってしまったほうがいい” とかいうことをグルグルと考えてはじめて、レースを続けたがっている身体と「夢の中で夢みる脳」とが葛藤を続ける。
そのうち身体は完全に止まって、ハセツネとレユニオンがグチャグチャに混ざりあいながら棒立ちのままなぜか山の中で数時間過ごし、朝方明るくなった頃にエイドに辿り着き、当然そこでレースは終わり。
「・・という、感じだったのですねえ。」と人事のように言ってしまうくらい、自分の魂が身体から抜けて外側から見ていたような感覚でした。
それにしても、まさかハセツネとのオーバーラップとは。いま思うと「目を覚ますために持っていたカフェインのジェルをとれば」とか「誰かと会話でもして」とか思いますが、その時は身体から魂が抜けてしまっているのでそのような思考もありませんでした。
これでわたくしのGrand Raid Réunion 2014:Diagonale des Fousは終ってしまいましたが、一言で振り返れば『集中力不足』。残すところ20kmになり、油断が生まれはじめていたのだと思います。
ということで、フィニッシュラインに立つことができなかったのは残念ではありますが、よい経験をさせて頂きました。レユニオン島に感謝したいと思います。
そして、日本から応援して頂いていたみなさま、ありがとうございました。全力で楽しめました。
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Grand Raid Réunion:Diagonale des Fousに関する記事は、この後もしばらく書き残していき、来年以降エントリーをお考えの方に、少しでも参考になる情報が残すことができれば思います。このブログの右側のカテゴリーより■ Grand Raid Re’union 2014を、クリックして頂ければ一覧表示されるように設定しておきます。