富士山の周囲を1周するトレイルランニングレース “UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)” と、同じルートを半周する “STY(SHIZUOKA TO YAMANASHI)”。
今年で5回目の開催となるこのイベントには、毎年公式映像班の一員として参加させて頂いているが、夜間に宿舎の布団の中で朝まで寝たのは初めてのことであった。
すでにご存知のことと思いますが、今年のUTMFは44km地点の「道の駅あさぎり」までの短縮ルートでの開催。STYは、予定時間通りにスタートの号砲は鳴ったものの、それから凡そ3時間で、ルート上の安全確保ができない状況になったことから、各エイドステーションにて一時中断。そしてその後しばらくして、大会中止の宣言が告げられた。
この2つのレースのスタート地点に立つのは、簡単ではない。誰もが走りたい。海外からエントリーする割合もおそらく日本のレースの中で最も高く、地球の裏側から遥々来日し参加している選手もいる。
でも、これが日本の山そのものであり、特別なことではない。豪雨となれば人知れず自然の摂理としてあの濁流も流れているのだろう。あのような雷雨の中で、普段はなかなか山に向かって走り出さないから、あまり知らないだけのこと。
自然は自然で、自然は強い。
あれだけの選手から発する熱も簡単に冷ましてしまう。そして、STYの選手がバスに収容され河口湖に戻る頃には雨は上がり、初冠雪かと思ったら雲も切れ、霊峰富士は赤い夕景を背負って姿を現した。
自然は自然で、自然は気まぐれ。
来年は機嫌を直してくれるだろうか。
Ultra-Trail World Tour のUTMFの公式ハイライト映像が公開。その映像の中にUTMFの撮影カットを採用いただきました。
■ UTMF2016 公式映像のダイジェスト映像はこちらより:
【UTMF 2016】
【STY 2016】