トレランのシューズ選びというのは考えはじめると難しい。距離や路面の特徴によって、いくつかの手持ちのシューズを使い分ける人も多いだろう。また、人から薦められたシューズでも、それが必ずしも自分に合うとは限らない。おそらくシューズはトレランギアの中でも、最も当たり外れが多いアイテムじゃないかと思う。
ただ、シューズで大きく外さない方法というのはあって、それは「自分の足型に合うかどうか」、これに尽きる。具体的には「ワイドとサイズ」。これさえ自分に合っていれば、重くても軽くても、ヒールが高くても低くても、レースでそう大きなトラブルを抱えることはないように感じる。
自分がこれまで愛用してきたのはmontrailのmountain masochistシリーズで、今でもメインシューズ。甲が幅広で典型的日本人足型の自分にはなかなか合うシューズがないのだが、これはワイドも広く、多少重いが適度なクッションとプロテクションもあり、色々な意味でバランスがよい。そして何より、UTMFでもマメの一つもできないくらいに足に合う。ソールがすり減ったらロードのLSDなどでも使い、ボロボロになるまで使い果たす。既にこれまで6足履きつぶしている。難点は、ここ何シーズンか微妙な色しか発売されないことくらい(笑)。
次に出会ったのは、厚底で有名なHOKAのStinson Evo。これは昨年UTMBの路面の硬さと距離に不安を覚え、現地でレース前日に購入。脚入れの感覚が以前のモデルより窮屈ではなく、一か八かで本番使ったが(よい子は真似しちゃダメ)、結果大きなトラブルはナシ。クッション性も予想以上でダメージも少なかった。ただ、日本の木の根っこの多い繊細なトレイルではやや足裏感覚がアバウト過ぎて走りにくく、ハセツネで使用した際も最後までしっくりこなかった。またmasochistほどバッチリ足に合うわけではないこともマイナス。よって今後は使用するシーンを選ぶことになりそうだ。主に超長距離レースでダメージ回避を最優先したいとき、あるいは縦走系の長めのトレランや登山などでの投入を考えている。
3つ目は最近出会ったmontrailの新作Fluid Flex。これもmasochist同様ワイドが広く自分の足型に合う。最大の利点は軽いこと。片足200gを切る。これまでの2足はどちらかというと重いシューズだったので、これで一気にバリエーションが広がった。ロード併用でヘビーユースしていて、既に2足目(笑)。中長距離程度までのレースならこのシューズで行けそう。IZUでもそれが実感できた。難点を敢えて言えば、プロテクションが弱いこと。特につま先はペラペラなので、障害物にあたるとダメージは大きい。
ということでそろそろまとめに入るが、実は来月のUTMF、この3つのシューズを全部履いてやろうと思っている(笑)。子供は分け隔てなく可愛がらなければいけないのだ(笑)。もちろん脚は2本なので同時には履かないが、パートで分けて履くのはアリかなと。具体的には、「スタート~本栖湖=Fluid Flex」、「本栖湖~西富士=Stinson Evo」、「西富士~こどもの国or太郎坊=Fluid Flex」、「太郎坊~ゴール=masochist」のようなイメージ。フラットや登り中心区間では着地によるダメージはそれほど心配ないのでFluid Flex、それ以外はダメージを考慮し他の2足を使い分ける感じ。しかし、これは「細かくこだわって戦略を立てて…」という神経質な話ではない。どちらかというと、たまにシューズを変えることで気分転換したり、リラックス感がほしいのだ。あとはシューズ毎のヒールの高さ等が微妙に変わり、筋肉の負担部位を分散させられるのではないかという期待もある(実際にゼロドロップとヒールのあるシューズを使い分けてLSDをした際、その効果を実感できた)。まぁ、なんでもモノは試しというわけだ。
最後になりますが、以上は全て自分の個人的見解。そして所詮シューズは「その人の足に合うか」に尽きる。ということで、あまり皆さんの参考になりそうもない話で失礼しました<(_ _)>