UTMBも来週末に迫ってきました。走力はともかく、装備の準備は着々と進んでいます。昨年出場し(悪天候100km代替コース)、準備の重要な点について色々考えさせられましたので、ここで皆さんと共有させていただこうかと思います。
1)ザックは小さい方?大きい方?
個人的には「大は小を兼ねる」。パンパンに詰め込んだ小さいザックより、多少余裕があっても大きいザックの方がよいと思います。小さいザックに全部詰め込めたときの喜びってあるんですが(なんかトップ選手っぽくてカッコイイ…わかりますよねw?)、パンパン過ぎて背中に違和感がある、モノが取り出しにくい、途中で壊れる危険性(UTMBはドロップポイントでのザック変更不可)など、軽さのメリットを消してしまうデメリットもあると思います。例えばキリアンザックであればトップランナーのように5Lでいきたいところですが、10L(または12L)でもそれほど極端に重さは変わりません。特に先日発売された新型は10Lでもかなり軽いです。普通に入れば小さい方でいいと思いますが、ムリしてなら大きい方にしてみてはいかがでしょうか?まぁ、そう言って自分はなんとか5Lに入らないか試しているんですが(爆)
2)ベースレイヤーは吸湿速乾が確かな性能のものを
トレランではいわゆる「チームT」というものをよく見かけますし、自分も好んで着ています。しかし、吸湿速乾の性能があまり高くない素材も多いようです。標高が低い、夜を越えないレースであればこれでもいいと思いますが、UTMBは標高が高く、2晩越える可能性があります。自分も昨年これで失敗し、アンダーでfinetrackを着ているもののベースが常に濡れていて(特に胃の辺り)、上にいくら着ても寒くて仕方なかったです。最後には冷たさで胃が固まり、下痢でもがき苦しみました(実にキジ撃ち7回!)。対策としては、やはり「信頼できるアウトドアブランドの吸湿速乾Tを着る」ことだと思います。特に低地から高所に上がり汗が引きはじめる頃、あるいは夜間に入ってから、性能の違いが実感されます。ベストはそういう素材を使ってチームTを作るのがいいですよね(UTMBにはもう間に合いませんが)。また、防寒対策全般としても「ベースが乾いた状態」というのは一番大事だと思いますので、「ベースの替えを持って行く」「薄手の腹巻を持って行く」などの準備も検討されてはいかがでしょうか?自分は今回mont-bellの腹巻を持って行きます。
3)ストックと手袋の防水対策
皆さんのストックの持ち手、硬いスポンジではありませんか?実は雨が降り続けているとこのスポンジに水が含まれてしまい、防水の手袋でも水との接地面積や圧の関係で浸水してしまうことが多々あります。昨年はこれに悩まされ、あまりの冷たさで霜焼けになるのではと心配するほどでした。対策としては、「手袋の素材はアウトドライ<ゴアテックス」、「ビニール製の簡易手袋を用意」、「ストックの持ち手が水で浸らないようサランラップ等で巻く」、「替えの手袋を用意」、「finetrackのアンダーグローブをしておく」など考えられると思います。
4)防水装備はメンテナンスを
これはUTMBに特化した話ではありませんが、雨具上下など、防水モノはこれを期に一度撥水剤等で機能を高めておくことをお勧めします。普通に洗濯しているだけではどうしても劣化しますので、本番悪天候で充分機能を果たさない、というのは避けたいですよね。参考までに、mont-bellトレントフライヤーのメンテナンス方法をリンクしておきます。
5)予想以上に寒いシャモニー、UTMB
特に朝晩や陽がない日はかなり寒いです(晴れたら結構暑いですが)。昨年は日本の真夏の感覚を引きずったまま防寒対策の準備をしてエラい目に遭い、現地でムダに装備を揃える羽目になりました。「念のため」の装備を各カテゴリー毎に1枚加え、日本から持って行くことをお勧めします。悪天候なら、それが現地での「必須」装備、場合によっては「最低」装備になります。
6)コースシュミレーションは4通り
UTMBは天候パターンにより事前に4コースが発表されました。もちろん基本はモンブランを一周する「本コース」。他に終始悪天候予報時の「代替コース(通称”里山コース”)」、後半天気が崩れそうな場合の「前半本コース+後半代替コース」、そして前半天気が悪い時の「前半代替コース+後半本コース」。一度MAPを広げてみて、各コースのシュミレーションを考えておいてもよいかもしれません(まぁ正式発表後でも間に合いますけどね)。注意しなければいけないのは、4つのうち後者2つはシャモニ~クールマイユール間の移動(バス)として諸々の所要時間が約2.5時間予定されているということ。この時間、身体が固まらないように(あるいは寒くならないように)、そして気持ちが切れないように、心と装備の準備は事前にしておいた方がよいかなと思います。
以上、参考になりましたでしょうか?やはりほとんどが「防寒」(「防水」)に関する点です。イコールそれが日本の通常のトレランレースとの大きな違いというわけです。晴れればそれほど気にしなくていいのですが、「備えあれば憂いなし」。でももちろん、晴れることを祈ります!!
See you in Chamonix!!