久し振りの更新です。
相変わらずテキトーにゆっくりと山を楽しんでいます。2008年からレースに出続けること6年、その後の2年はすっかりレースとはご無沙汰しています。特に思うところあってレースに出ないわけではないですが、レースに出なくなって見えてくるものもあります。
いきなり極論ですが、日本でのトレイルラン文化って、鏑木さんのUTMBがNHKで放映されたところから広がりはじめ、その後UTMFができて爆発的に(?)大きく広がったと思います。そんなボクも2008年UTMBでの鏑木さんの激闘に心打たれ、いつかあの舞台を体験したいと思いやってきました(2012、2013でその思いは叶いました)。トレイルランをはじめてからUTMBを完走するまでというのは、苦しくも楽しい、最高の想い出です。
しかし同時に、自分も含めて日本のトレイルランは「自然に親しむ、山を楽しむ」というより、「レース、挑戦」という側面が強すぎるのではないか、と常々感じていました。考えてみると、UTMBは特殊すぎる舞台です。たまたまツール・ド・モンブランという素晴らしいロングルートが既存していて、大規模なトレイルランのレースを文化として受け入れてくれる周辺地域の理解がある。これはある意味で奇跡なのかもしれません。山を走ることについて日本より遥かに寛容であるヨーロッパでも、他のレースでは参加者がもっと少ないです。時にUTMBと双璧で語られることも多いアメリカのWestern Statesなんかは参加者わずか300名。欧米でのトレイルランは元々自然に親しみ山を楽しむ文化があり、それに付随する形でレースもトレイルランの一部として存在しているわけです。でも、日本では「UTMB、UTMF」が文化の発端となりメインストリームとなり、結果、トレイルランが欧米とはまた少し違ったストロングスタイルになっているのかもしれません。
もちろんレース・挑戦が悪いと言っているのではありません。むしろ自分は部活大好きで、終生部活宣言したいくらいです笑。ただ、長距離レースをやってみて思うのは、これを趣味として末永く続けるには、あまりにも身体への負担と家族・仕事などとの時間の兼ね合いが厳しいということです。また、一旦やり終えたときの燃え尽き感も半端ありません笑。更に、人によると思いますが、「周りもやってるから自分もやらなくては」という強迫観念みたいなものが生じてきて、とにかくがんばる、やってやるみたいになって、趣味なのに精神的に辛い(汗)、なんて人もいるんじゃないでしょうか。他にも、周りががんばり過ぎてて色々な意味でついていかれず、山に行かなくなってしまう人なんかも結構いると思います。もちろん自然体で楽しく激しく挑戦している人もいますし、単純に楽しんでいる人もたくさんいますし、一概には言えないですけどね。
まぁそんな感じで無理やり話を進めると、やっぱりレース・挑戦のトレイルランというのは、遅かれ早かれ、区切りとか一休みしたいとか、そういう時期が来るような気がします(ボクには来ました)。そしてそのときに、なるべく多くの人がトレイルランをやめないで、今度はライフスタイルや趣味の一部として、自然な形でトレイルランを自分の中に残してほしい。なんというか、がんばりすぎず、各々のペースでトレイルランと向き合う時期が来たとき、トレイルランが自分の中で一層大切なものになったら最高だな、と。で、もしかしたらそこら辺からが、日本にトレイルランニングの文化が根付くかどうかのほんとのスタートなのかもしれないな、と。最近はそんな風に思っています。
まだまだ行きたい山、走ってみたい山がたくさんあります。山の近くにある温泉も楽しみたいし、麓の地域文化にも触れてみたい。山走るついでに行ってみたい国もたくさんあります。あとは何より、単純にフラッと山を走りに行きたい。山は美しくて気持ちよいから。で、たま~に部活を思い出してちょっと気合い入れて準備して、レースにも出られれば…。
まだまだ日本のトレイルランニングは黎明期です。みんなで一緒に素晴らしい文化を作っていけたら最高ですね!
3 コメント
仰ること解ります。私自身も同じように感じています、と言っても私はレースに出たことがありません。レースに出たいと思わないので、同じように感じるのかも知れません。
先日ランニングクラブが主催するシティ・トレイルのイベントに参加して、公園内の傾斜地を利用してインタバールランをして、8年間続けてきたにも拘らず嫌になって辞めた陸上の練習を思い出しました。
私は25年以上も前に短距離選手で長距離が苦手で、長距離を走る練習や体育などが嫌で嫌で仕方ありませんでした。
こんな私がトレランを始めたキッカケは、体力づくりで始めた2年前に始めたジョギングの単調さや走り続けることの精神的な負担を感じていた時に、あるアウトドアショップの方から「トレランはずっと走らなくてもいいんです。登り坂で走れなかったりしますし」と言われたことでした。
実際にトレイルを走ってみると、ロードのような単調さは皆無で、走り続ける必要がないことにより精神的な負担から解放されました。ですから、以前では想像も出来なかった20kmや3時間走ることが出来るようになりました。
レースに興味が持てない理由は様々ありますが、一つには、自然と戯れるとか自然への挑戦と言いつつも、とてつもない大量の人がコースを走り、ジェルやバーなどど言った工業製品を大量に持参しないとレースを完走できないことや、タイムという時間に追われるような気持ちで走っていることが、自然の中にいながらも通勤の混雑や時間に追われる仕事のように、自然から離れていってしまっていることであると感じています。
もう一つ挙げるとすれば、SNSでトレランの特に男性の書き込みを読んでいると、ある区間を走ったという事実や掛かった時間を読んでも、走ることの楽しさが伝わってこないことです。
こうやって書きながら自分自身のことについて振り返ってみると、EAT&RUNを書いたスコット・ジュレックが選手としてレースの表舞台に出てこなくなった理由が理解できるような気がします。
はじめまして、いつもMMAさんたちのブログ拝見しています!
今回のこと、僕も常々思います。僕は憧れだった去年のUTMFを完走したあと、特に思いました。
一区切りついて「僕の大好きな山遊びやトレイルランはこんなカンジだったっけ?」
よく考えてみれば仕事や生活、家庭などけっこう犠牲にしていたと思います。
もちろん目標に向けてガンバれることは素晴らしいし、ステキなことだと思います。
しかし最近は僕の周りでも特に「トレイルラン≒レース」みたいな風潮やイメージがかなり強くなってきているようにも感じます。
そんなレースを意識しすぎるあまり、タイムやトレーニングを求めるがあまり…
◎山で挨拶をしない。
◎登山道で無理な追い越しをする。
◎他の一緒に山を楽しんでいる仲間たちに気遣いができない。等…
といった悲しい事例が、レースの影響なのか多少影響されていると思います。(ホント少数だと思いますが…)
僕たちが心惹かれたトレイルランの本当の楽しみの本質はやっぱり、もっと別のところにあると思います。
それは素晴らしい景色を見ることだったり、野生の動物たちとの出会いだったり、走った後の達成感や疲労感。温泉やおいしい食事。
人によっても違いますが(笑)
もちろんレースは楽しみのひとつでもいいし!
ただこの風潮がトレイルランに悲しい影響を及ぼしていることも多少あるかと思います。
レースだけではないトレイルランの楽しみ方。
ファストパッキング、スピードハイク的なことトレイルランに絡めてでもいいし、いろんな楽しみ方を自分の仲間たちにももっと提案していけたらと思います。
…と、そんなことを今回の記事、読ませていただいて思いました(笑)
これからもMMAがんばってください!!
失礼しました~。
コメントありがとうございます。トレイルランは部活的に頑張る楽しさ、趣味的にゆっくり堪能する楽しさ、その両方があるから面白いのかもしれませんね。人それぞれ気分や時期に応じて楽しめればよいのかなと思います。ボクはもう身体にガタも来る年齢なのでw、部活はほどほどに、趣味として末永く続けていければ最高です!