信越五岳トレイルランニングレース。
新潟から長野県に渡る、1)斑尾山、2)妙高山、3)黒姫山、4)戸隠山、5)飯縄山の5つの峰を総称して信越五岳。皆、口を揃えて、全般的に「走れる」レースと言い、エイドの充実、後半の約40kmを並走するペーサー制度などロングレースデビューには良いのだそう。とにかくそう、聞いていたわけです(笑)
2013年9月15、16日。
初めて山を走ってから、約半年強。
まだ両手で足りるくらいしかトレランをやっていない私が、みんなに背中を押してもらって信越五岳トレイルというレースに出てきました。憧れのロングレース。無謀だとはわかっていたけれど、「挑戦する」ことで学び得るということが大事だと思っているので、思い切ってエントリーしました。
【レース前~当日】
2月に靭帯断裂、5月に腸脛靭帯炎と故障続きだったけど、信越に初参加は絶対完走したいという想いでひとり地道にロードを走り、悲鳴激痛の鍼治療に耐えて当日を迎えた。さすが有名な内田治療院。悶絶の治療は、私にとってその効果絶大だったらしい。ほとんど山の練習はできていないけれど、ロード30~40kmを連日で走っても平気なまでに回復。当日までがすごく楽しみになっていました。
いろんなブログや周りのアドバイスを聞いて、初心者なりに今回の“自分ルール”として決めた5つのこと。
- 完走することが目標。ビリでも完走が目標。
- 腸脛が痛くなって走れなくなったらオワリ。今回は遅かろうが飛ばさない。
- 目標タイム表にそってペース配分する。
- 最後まで楽しく走る。
- こまめに補給する。
結果的には、「飛ばさない」意外は果たせなかったわけですが・・・。
新幹線で向かった私はずいぶん早く会場に到着し、レース前日のお昼から会場まわりでのんびり過ごしました。今思うと、それが緊張せずリラックスできたいい時間だったのかも。コースガイダンスを聞いて、前夜祭。カーボローディング天国にびっくり。(笑)み、みなさん、そ、そんなに食べるんですか、と・・・。わたしは夜食べ過ぎると朝、体が極端に重たくて苦しくなってしまうカーボローディング初心者なので、そこそこ食べて翌日の準備をして就寝しました。
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会場で朝食をたっぷり食べて、徐々にドキドキ。意外にも緊張していたのか、ホテルの冷蔵庫にボトルを忘れたり。だけど心配していた雨もほとんど降ってなくて、寒さもなく、最高のスタートです!
【スタート~1A〜2A】
トイレもちゃんと済ませて、さほど緊張することなくスタートゲートへ。石川弘樹さんのカウントダウンと合図で一斉にスタート。皆早い早い!
スタートから1Aまではとにかくフラットな中を淡々と走る。走り続ける。登りがないから歩くタイミングかない。走り続ける。皆が言う「最初は楽しくてたまらないよ」というのはこれか!10キロ地点まで本当にあっという間。ガンガンぶっ飛ばして抜いていく人達を横目に、「ゆっくり、ゆっくり」と唱えながら、膝に響かないように下る。そして目標としていたタイムよりも早く1A、そして2Aと順調に到着。
うんうん、順調。全然脚痛くなってないし心も身体も元気いっぱい。楽しくて仕方ない!そんな陽気な気分で数キロ進んだところで、係の人が叫んでいる。「この先で何人かがスズメバチに刺されたという情報が入っています!白いタオルや布を持っている人は頭にかぶってください!また、走らずに歩いて通過してください!」
持っていたバフを裏返して白にして被り、先へ進もうと思ったら何だか詰まってる。1kmくらい先で大勢の声が聞こえる。渋滞が動かないまま、しばらくすると女の人が駆け下りてきて「係の方~!これ以上危なくて進めません!」と叫んでる。
えっ、迂回?なんて思っていると次は
「みなさんそのまま逆走しておりてください」
「あ、やっぱりそのままで待機です!」
「係の人が駆除に来ます!」
選手たちがしばらく渋滞したままで、小雨の中約20分。関門ギリギリランナーにとって、20分はあまりにでかい。係の人が駆除を終えて(!)、渋滞が動き出した途端に皆同じように焦りを感じていたのか周りがぐんぐんスピードを上げて、あっという間に皆が見えなくなっていく。20分は重大だけど、まだ序盤中の序盤で飛ばす勇気もなく、時間にハラハラしながらも自分の目標タイムにちょうど20分ほど遅れて3A到着。
心折れ部サポートのかーむさんが、駆け寄ってきて「いま、ちょうどギリギリ22時間ペースだから。」淡々と言う。それから「ギリギリ完走できるけど、次の4Aまではがんばって走って!」と私の背中をポンッと叩いてくれた。急いで皆が片付けて移動を始めてる。「エマちゃんがエイドを出たらすぐ出発しよう」そんな声が遠くに聞こえる。そうか、1番遅い私に合わせてもらっているから、早い人はエイドでサポート隊に会えていないのかもしれない。急がなきゃ、と思ってトマトを手に取り、ヘタだけゴミ箱に捨ててトマトにかぶりつきながら走りはじめた。(べつにそんなにトマトにこだわらなくてよかったのだけど、なんだか必死だった。笑)
【3A~4A】
誰に聞いても誰のブログを読んでも必ず出てくるワード「関川」。昨年はたくさんの熱中症を出したらしい地獄の関川。走れるか走れないかでタイムが大幅に変わるらしい関川。いまの私には恥ずかしながら、たった38.5kmなのにすでに時間の貯金がほとんどない(泣)
だけれど、ここでへこたれたら、やっぱりあそこはしんどいからしょうがないね、で終わる。よくあるパターンでリタイアしたくない。持ってきたi podをセッティングして、大好きなpepe califolniaのさわやかな曲を聴きながら、足を引きずるようにして走った。ほんのすこし水分を取る時に歩いた以外は、ほとんど走った。そのあとのトレイルは自分でも不思議なくらい足がくるくると回転して、とにかく傾斜に身を任せて走った。何人かを抜いて、4Aに着いた時にはずいぶんぐったりしたけどとにかく時間の貯金を作って無事第一関門を通ることができた。この51.5km時点ですでに、走ったことのある距離の自己最長記録だった。
だけどこの区間でちょっとした失敗をしてしまった気がする。補給ミス。ほとんど走れる場所。いま食べたら気持ち悪くなる。いや、走らなければ!という思いで全然食べる気がしない。ほぼ何も食べなかったし、飲めなかった。この時から腕がザックに当たるとピリピリと痺れる感じがしてた。ずっとザックを背負ってるから鬱血してるのだと思って気にしてなかった。(そうだったかもしれないけど)
【4A】
4Aでペーサーのマエダさんが汗臭い私のザックを素早く外してハイドレに水を補給して、「5Aまでが結構きついと思うけど頑張って!待ってるよ!」と声をかけてくれた。マエダさんは、ほんの数週間前に海外レースのTDSを走ったばかりで、しかも両足を捻挫(!)しているというのにペーサーを引き受けてくれた。せっかく来たのに走らずに帰るなんて、申し訳なさすぎる。とりあえず5Aまで1時間前には着かないと。
コーラ、笹寿司2つ、ムサシを飲んだ。そんだけ食べられてたら大丈夫だよ、と誰かの声が聞こえる。だけど正直笹寿司の味なんて覚えてない(笑)食べないと倒れそうだと思って無理矢理押し込んだ。足は大丈夫?と言われて「痛くはないです。痛くは・・・ないけど」 「ないけど?」 「疲れました・・・。」 周りが笑って大丈夫大丈夫、と言ってくれた。(笑) もっと色々コンディションを言って対処法のアドバイスを受けるべきだったのかな。(?)
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