“遠足” だなんて、こんなふざけたタイトルをつけたら怒られるかもしれません。ただ、これは私がレース1週間前から自分に言い聞かせまくった呪文です。
大人の遠足、贅沢な遊び、最高の遊び。
この呪文のおかげで、STY91.5kmを無事、完走しました。しかも、すごく楽しく。すごく満喫して。そこへ行きつくまでのわたしの記録。
写真を交えてたっぷりとレポートするので、お暇な方はのんびりと読んでください(笑)
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今年に入って大雪が続いたことで、STYに向けてエントリーしていた三浦半島縦走トレイルラン(44km)、IZU TRAIL JOURNEY(74km)がものの見事にすべて中止になり、結局約1ヶ月半で追い込み練習をしました。とはいえ、練習が足りているのか、本当に不安いっぱい。やはり、しばらくはナーバスな気持ちにもなりました。しかし、運の良いことに、大会前に3つの良いできごとがありました。
1つは、六甲縦走キャノンボール。次に、チャレンジ富士五湖の応援。そして、STY直前にあったイベント“RUN with NON FLAT ATHLETE”。気持ちがついてこないと身体が驚くほど動かないこと。 いかに自分で楽しみを見つけるかが大事だということ。初めて山を走ったときの気持ち、 “登る”はずの山の中を“駆け抜ける”なんだか最高に贅沢な大人の遊び! それが楽しいのだと。
そして私は、1週間前にして「去年色々つらかった大会に出たから出られる!そもそも抽選だから来年当たるかどうかわからなくて、出られること自体ラッキー!エントリー費も遠征費も装備も行動食も怖くて計算できないくらいめっちゃお金かかってる!そうだ!これを、満喫しないわけにいかないじゃないですか!」ということに運よく、気づきました。
お金をかけて、時間もかけて、これだけ準備をして、楽しまないわけにはいかない。確かに乗り越える苦しさに快楽を感じるというMな遊びではあるんだけれども、楽しかったらもっと最高!雰囲気、景色、生き物、植物、人との交流、食、時間の流れ。それらを全部なんとしてでも楽しんじゃうことにしました。そう思ってから、当日までの一週間、毎日がワクワクして楽しみでたまりませんでした。準備もギアをカスタムしたり(前回のブログ参照)、ジェル以外のお楽しみ行動食を選んだり、まるで遠足前の小学生気分でした。それが私の心の準備でした。
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◆2014/04/25 15:00 PM スタート前日
初めての夜を越えるレース。眠気については諸先輩方からたっぶり聞いていたので、前泊してぐっすりたっぷり睡眠をとることに。富士宮駅の宿。素泊まり。とってもきれいで快適。当日朝は7時半出発、マイクロバスでこどもの国まで送迎していただけました。
富士宮駅の駅前に大きなイオンモールがあり、そこで夜ごはんを食べて、当日の朝・昼ごはん、追加の行動食やレース用の飲みものなどを買い足し。便利!来年もSTYがこどもの国スタートならとってもおすすめです。お風呂にゆっくり浸かって、ゆっくり落ち着いて当日の準備をして、ついでに私は朝バタバタするとスタートまでに緊張しやすいので、夜のうちにすべてのテーピングを施して、就寝しました。
◆2014/04/26 08:00 AM スタート地点前 こどもの国
宿のマイクロバスがこどもの国の駐車場まで送ってくれたのだけれど、駐車場から会場までが案外遠い!荷物の大きい選手は苦戦していました。私も同じく。
午前8時過ぎ、会場に着くと、気持ちの良い晴天!
ちょっとのんびりしてから、選手受付と必携品チェック。そこからじっくりと時間があり、芝生に足を投げ出して、ぽかぽか太陽にあたりながら、ちょびちょびと補給しつつみんなと笑いつつリラックスして過ごす。これもまた、よかった。
前日から寝ずにUTMFのサポートにあたっているメンバーが、合間を見て会いに来てくれた!うれしい!
スリーピークス八ヶ岳トレイル運営事務局の松井さんを発見!トイレ前にて。そう、この時トイレ3回目。スタート前の唯一の失敗はトイレ。何度も行ったのですが、なんとなくスッキリせず。結局スタートしてものの3分でトイレに行きたくなり、後々W1粟倉までかなり苦しみました(笑)
◆2014/04/26 12:00 PM STYスタート
いよいよ、スタート。今年から?こどもの国のクロスカントリーコースをぐるっと廻ってから、林道のコースに出る。いかにもクロスカントリーっぽい道や牧場みたいな場所、そしてもう一度スタートゲートのそばを横切って、旅立ちます。スタートゲートをくぐった直後と、廻ってきてゲート近くを横切る時の2回、応援の花道を通れるので良いなぁ。テンションあがる!ハイタッチ!ハイタッチ!
スタートからW1粟倉までは、とにかくひたすら林道です。多少のアップダウンはあるものの、おおよそ下り基調のロード。アスファルトも多く、周りはガンガン飛ばして走ってる。ふと時計を見ると5分/kmを切りそうな勢い。おいおいおい、これじゃあ全然足が持たない。そんなわけで6分~6分半/kmに抑えつつ、トイレを猛烈に我慢しつつ、走る。序盤で同じチームのキヨミさんが「下りだからね~止まらないよね~~~」と言いながらみるみる間に消えていきました。
◆2014/04/26 13:55 PM W1 粟倉 (Lap1:54)
念願のトイレ!!!結構並んでいて10分のロス。スルーするくらいの予定だったのに、ここで予定を少し押す。目標タイムでは結構走っても関門の20分前通過の予定。10分のロスでも痛い。うん、でも仕方ない。大丈夫、食料はすべてスタート時点で背負っていてギリギリで到着しても、エイドでの用事はさほどない。だから、安心。
粟倉を出るとさっそく。でた~!うわさの送電線ゾーン!これか!こいつか!と喜んで写真を撮っている場合じゃない。「アップダウンが意外ときついよ」と聞いていたけれどSTYはまだまだ序盤。とにかく走る。ロスした10分巻けるかな~?なんて思いながらも、前後の外国人の方とアイコンタクトや身振り手振りでコミュニケーション取りつつ、西富士中へ。なんか伝わってたかな。
◆2014/04/26 15:19 PM A8 西富士中(Lap1:24 Rest0:07)
1時間15分で到着したかったけれど、粟倉でのトイレ待ち10分は巻き返せず。沿道のスタッフいから「いい笑顔だね~!元気だね~!」そうそう。これが自分の戦略。そういわれると嬉しくなっちゃう。エイドに到着すると、心折れ部メンバーが!会えた~!「もうほとんどの人がスルーしてどんどん行ってるからすぐに出たほうがいいよ」とのアドバイス。
トレイル鳥羽ちゃんのところへ預けていたバッグから天子山塊用にとコーラのペットボトルを持って、すぐさま出発。エイドでの食べ物の補給はなし。ここでちょっと失敗したのはハイドレの補給。「ハイドレ追加しなくて大丈夫?」と言われたのだけど1L残っていたのでそのままに。しかし、日中ものすごく暑かったことと、想像以上の渋滞で時間がかかりコーラを除いて1.5Lは必要でした。
西富士中を出る時にスタッフの方に写真を撮ってもらおうとしたら、「僕も一緒に写りましょうか?」とふざけてくれて、この笑顔。断ってすいません。(笑)iphoneで写真をたくさん撮って楽しい気分をキープする作戦。
天子山塊へ
西富士中エイドでの補給を “予定通り” スルーしたので、持ってきた自作エナジーバーやブラックサンダー、ジェルなどを早歩きしながら、もぐもぐ、もぐもぐ。ちょっと想定外だったのは、口の中が少し脱水で水分不足。大好きなブラックサンダーがうまく飲み込めない。食べにくくて仕方なかったけれど気分が悪いわけではないので、麦茶で流し込んでサッパリさせて、お腹いっぱい食べて大満足。登山道まで意外と距離のあるロード。本当は走った方がいいのかもしれないけれど、気温が高くて暑いうえに補給したばかり。胃がひっくり返らないように、ゆっくりと進みました。
でた~!天子!でも、これ、登山に来ていたとしたら登山道入り口でテンション上がるシーンだよね。ヨッシャ行くぞ~って。だから『うわ~、天子だよ~、嫌だな~』と言っている方に、明るく『ここからやっと念願の山じゃないですか~!一番楽しめる山の醍醐味ですよ~!』と笑って言ったら想像以上に声が大きかったのか、周りにいたスタッフの方や選手がぶわっと笑ってくれた。
15時半くらいかな?すでにちょっと良い感じの哀愁ある日差し。影が出る、この時間の山が結構好き。いい景色だよなぁ、なんておもいつつ1枚。ここまで林道やロードだったから、やわらかい土の感触が気持ちいい。山が好きだなぁ。
ここから、天子ヶ岳山頂までは大渋滞で約2時間。歩みが止まるくらいの渋滞で、あまりにもゆっくりなので飽きてくる。みんな黙々と列をなしていて、時計ばかり見てる。よし、それならと、前後の人と話す作戦。どこから来たのか、普段どこで練習しているのか、これまでどんな大会に出たのか、西富士中で富士宮やきそばが売り切れていたとか、麓エイドで美味しいものが楽しみだとか。真後ろの方とそんな話でずいぶん盛り上がり、『話をしている方が時間が過ぎるのが早くて、いつのまにか着いちゃいますよね!』なんて言いつつ後半はすっかり楽しい登山になりました。イェーイ!天子ヶ岳山頂で写真撮りあいっこ!富士山のイラストがかわいい。
長者ケ岳までは比較的走れるコースなのに、ここでもちょくちょく渋滞。う~ん、もどかしい。UTMFの方々は一晩越えてきっと一番苦しい天子。STYの選手にガンガン抜かれるのはきっと苦だっただろうなぁ。私はと言うと、できるだけ走りながら植物の変化や空の様子を見ながら、空気が美味しいなぁ、晴れて嬉しいなぁなんて思いつつ楽しみました。
富士山が見える~!さきほどの方を見つけて再度撮りあいっこ。茨城から来ていて、いつも裏山で走っているそうな。いい環境でうらやましい!仲間の方と二人で写真を撮っていて楽しそう。JOGNOTE仲間です、と言っていました。
ちょっぴり登りがしんどい熊森山。やっと着いた~。もう天子も終盤。これからが大変だとは分かりつつ。暗くなる前にと、みなさんヘッドライトや防寒の準備をしていました。終始渋滞なので、山頂も人がたくさん。(たぶん熊森山の写真。)
陽が暮れて行く。遠くに見える夕日を楽しみながら、すこしずつ訪れる暗闇にわくわく。だけどここからは激下り激上り激下り。とにかく、文字のごとく 【 M 】すぎるコース、熊森山から雪見岳へ。とにかく滑りまくる。途中、足を踏み外し頭から2mくらい滑落した女性も。咄嗟に周辺の男性が引き上げて、おそらく大きな怪我はなくコース復帰。その他にも、足を滑らせてお尻を強打してうずくまる男性、変な転び方をして腕を押さえる女性(結構酷そうだった)、目の前で足を挫く男性。とにかく渋滞の中でだらだらペースなのに、怪我をする人が続出でした。あまりに進まない渋滞に目標時刻をはるかに超えてちょっとハラハラしながらも、おかげで相変わらず補給は順調。なんとか雪見岳を下りきって麓エイドへ到着しました。もう真っ暗でした。
>>大人の遠足STYへ(後半) に続く
5 コメント
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初めまして。
STYの完走、おめでとうございます。本当にお疲れ様でした。
中島さんのブログを読んで、1ヶ月前の記憶がよみがえる。また走りたくなりました。来年はUTMFを挑戦します。
ここの部分を読んだとき、すごく近くにいたのがちょっと不思議と感じました。
「途中、足を踏み外し頭から2mくらい滑落した女性も。咄嗟に周辺の男性が引き上げて、おそらく大きな怪我はなくコース復帰。」
の女性の2-3人前にいました。その後は大変の渋滞ですね。結局45分以上時間ロス。
大会結果を見たら、時間があまり変わらなかった(^-^)
僕は東京在中インドネシア人です。トレイルは去年の春から始めた。あれからすごいハマってしまった。まだまだ経験足りないですが、トレイルランを楽しく走っています。
これからもLet’s enjoy trail run!
タンさん、初めまして。コメントありがとうございます!タンさんもSTYを走っていらしたんですね。滑落した女性、無事だったか心配ですね。ちなみに、麓エイドを出て、竜ヶ岳の手前で男性と話たりしていませんか?実は、インドネシアの方とお話しました。眠くて寝てしまいそうだという男性(私のチームメイト)と話をしながら少し並走してて、、、もしかしたらと思ったのですが、人違いだったらすいません。またどこかの大会でお会いできるといいですね^^ Let’s enjoy trail run!
[…] 2014.04.24 ウルトラトレイル・マウントフジ STY 91.5km 累積標高差 4,715m スタートからずっと楽しくて、写真を取りながら、本当に楽しんで走ったSTY。最後の最後で足が痛くなったり補給できなくなったり、ゴール後に過呼吸になったりしたけど、今までで一番終始楽しく走ったのがSTYかもしれない。 21:35:13 44位 (RACE REPORT) […]
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