ひさびさの奥武蔵エリア。
STYから一週間なので、疲労の残り具合を確認しつつゆっくりと体力を戻すべく、のんびり縦走ハイクに行ってきました。
前々から行ってみたかった武甲山。
【武甲山(ぶこうさん)】
武甲山(ぶこうさん)は、埼玉県の西側、秩父盆地の南端にある山で、秩父市と横瀬町の境界に位置する。標高は1,304メートル。日本二百名山の一つに数えられる。南方にあった火山島が活動を終え、浸食によって削られサンゴ礁を纏うようになる。サンゴによってできた石灰岩を載せた海山は、プレートの動きにより北上し、深い海溝に引きずり込まれる。そして大陸プレートに押しつけられはがれ落ち、やがて隆起し浸食されることで地表に現れた山が武甲山である。(wikipediaより)
石灰岩質の山の武甲山では、山頂付近まで石灰岩採掘が行われていて、その山容は無骨な横顔。だけどその裏側では色んな花が咲く自然豊かな森という不思議な山。繊細な肉食男子みたいな感じ?(笑)
今回計画したのは、芦ヶ久保駅から二子山、焼山、武川岳、大持山、小持山、武甲山と、山々を贅沢に繋ぐ縦走コース。山と高原地図のコースタイムを純粋に足し算すると、10時間。
7:00 飯能駅のロッカーに着替えやお風呂の用意を預けて、秩父鉄道で芦ヶ久保駅へ。芦ヶ久保駅はこじんまりとしているけれど、すぐそばに「道の駅 あしがくぼ」という施設があり、売店やトイレ、食事処、シャワー施設もあるという充実っぷり。芦ヶ久保~武甲山を往復するなら芦ヶ久保駅のコインロッカーに荷物をデポするのもあり。
二子山までの取りつきはちょっと頑張って標高300m強のぼります。新緑がまぶしく、心地いい森林。最高にハイキング日和。
どんどん急坂になってきて、しまいにはロープ登場。ハイカーさんはロープに縋り付きながら登っていて、確かにこりゃ大変だ。最初からいい上りのトレーニング場所発見です。
二子山 882.7m
奥武蔵といえば、特に飯能アルプス(大高山~天覚山あたり)など、ほぼ景観のない山頂や鬱蒼としたアップダウンのある森林をただただ進むイメージでしたが、まったく別のエリアに来たかのような最高の景色!武甲山が美しい。絵画のよう。
あれはどこの山かな~。こういう時に自分の上ったことのある山がわかるようになりたい。二子山から徐々に岩場が増えてきます。ちょっと手を使って登るような岩場が大好きな私。わくわくです。開けた景色の見える標高を保ちつつ、次のピーク、焼山へ。
焼山 850m
またも眺望のいい山頂。いままでの奥武蔵へのイメージは何だったんだ・・・!みんな来たほうがいいよ!(笑)
武川岳 1051.7m
岩場を辿って武川岳へ。伊豆ヶ岳経由や名郷バス停から武川岳までの往復の方も多いみたい。二子山を経由するよりも伊豆ヶ岳経由の方が登りは楽かもしれない。たしかにここまででも十分に楽しめます。武川岳から妻坂峠までは走れる気持ちのいいトレイル。ハイクのつもりだったけど思わず走っちゃう!桜がまだ少しだけありました。
妻坂峠から大持山までは、岩場と上り。一瞬「ん?これどうやって登ろう?」と思う場所もあってなかなかのアスレチック感。
コースではなく、コースの一角で見つけたぎりぎり落ちそうな岩。スリル満点~。高いところが苦手な人は通らなくても大丈夫。(笑)
小持山 1273m
ちょっと広い山頂。ここからも武甲山が見えますが、二子山から見えた山容とはうって変わって緑いっぱいの姿。見る方向が変わって、石灰採掘の無骨な表情が隠れるのです。そして、これから登る急登コースがまっすぐ真ん中に見える。これから行く道が見えるのってワクワクするから大好き。あんな遠くまで行くのか~!と。
小持山からシラジクボまではどんどん急坂を下ります。まだ下り?まだ下り?こんだけ下ったらかなり登るよね~!なんて言いつつ。後から標高を見たら200m程度でした。距離が短いから急坂に感じたかな。
ハイカーさんが「あそこはきっついよ~!がんばって~!」と言っていたシラジクボから武甲山までの最後の上り。写真ではわからないけど、そこそこの上り。
トレイル脇にはバイケイソウが群生していて一面緑のじゅうたん。“一直線の急登”と聞いていたので相当な覚悟で挑んだけれど、意外にも小刻みな九十九折に登ることができるので想像していたような辛さはなく、あっという間に登り終えました。
そういえば、武甲山は石灰採掘のため、武甲山の山肌を爆破する【発破音】が聞こえます。今も採掘を続けているそうで、姿を変え続けている武甲山。削られた山の形は一見なんだか美しいようではあるけれど、よく考えてみればこの豊かな自然の山を削り続けているわけで、ちょっと複雑な気持ち。
武甲山 1304m (日本二百名山)
GWなのにここまでは、奥武蔵らしくかなり人が少ない超快適なハイクだったのですが、武甲山山頂に着くと、驚くほど登山客の方々がたくさん!軽装の人、子供連れのピクニックのような感じの人、きっと車で途中までアクセスできる簡単なルートがあるのだと思います。トイレも水洗でキレイ。(冬季は閉鎖)ただし、茶屋はないシンプルな山頂です。
今回一緒に行ったゆうきさん。久々の山だと言っていたけど、さすが100マイラー、登りはさくさく登ってました。「芦ヶ久保~武甲山ピストン全然できるね~」と何度も言ってたけど、たぶん私はついていけません(笑)
武甲山からゴールの浦山口駅まではただひたすらの下り。少し人が増えて走れない部分はゆるりと歩きながら、人がいなくなったらものすごく雄叫びあげたくなる走れる気持ちいい下りもあったりして最後のご褒美。途中から林道、最後はアスファルトだけど、川の横を行くので涼しくて気持ちのいいルートで終えました。
浦山口駅手前の橋立鍾乳洞そばの比較的大きな茶屋。ここまで車で来れるようで混みあっていました。右の崖がかっこいい。帰りは浦山口駅から御花畑駅・秩父駅乗り換えだったのですが、この時期秩父は埼玉自慢の「芝桜」シーズンで大混雑。いや~すごい。山の中はあんなに人がいなかったのになぁ。まぁ、それが奥武蔵の山のいいところ。今回も十分に満足できました。
人が少なくとても快適な奥武蔵。伊豆ケ岳などが人気だけど、あと1駅足を伸ばすだけでこんなにも美しい景色と自然が広がっているなんて、より一層好きになりました。標高1000m前後を保ちながら縦走できて、それぞれの山にそれぞれの表情がある。どんどん変わるその様子は本当に飽きずに楽しめるルートでした。今度は走りに来よう。
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コースタイム:6時間30分(スピードハイク+たまにトレラン)
8:00 芦ヶ久保駅 9:05二子山 9:33焼山 10:16武川岳 10:40妻坂峠 11:30大持山 11:59小持山 12:50武甲山 14:30浦山口
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※芦ヶ久保駅すぐそばの「道の駅あしがくぼ」には売店、トイレなど充実。ただしそれ以降は下山まで水場なし。浦山口駅手前の「橋立鍾乳洞」に茶屋あり。山と高原地図のコースタイムでは10時間強。