先週末は某所へ地図読み講習に行ってきました。センセイは低山小道具研究家の森勝さん。(最新のPEAKSには“快適小道具研究家”と書いてあった)
モリカツさんの次々に溢れ出てくる大ネタ小ネタが大好き。低山のウラヤマ、探検、冒険が大好きなセンセイは、本当に山という生きものに詳しい。
だいたい高尾か奥多摩に通っていればそのうち会うんじゃないかくらい、山に住んでいるイメージ(笑)そんなモリカツさんの地図読みはちょっと個性的。配られる地図にはそもそもほとんどトレイルの破線がなく、印が書いてあるところへみんなで向かいながら色んなことを教わるのだけど、またこの地図がすごくわかりやすくていい。おそらく地形図にオリジナルの加工が施してあるのだけど、、、どういいかは、講習を受けてみて体験してください(笑)
そして、たいていガンガン藪にぶっこむのも特徴的で、今回もまた、トゲのある藪にイテテ!イテテ!なんて言いながら進みまました。だけど単に藪を漕ぐだけではなく、動物と同じくらいの低さになると当たりにくいし道も見えるよ、崖崩れなどがあった場所の“森が生き返ろう”とする植生に多いんだよ、などとその藪が森にとってどういうものであるか理解して受け入れながら通るのです。
あまりにセンセイの溢れ出る話が面白くて夢中になり、あれやこれやとここぞとばかりに質問しまくっていたら、どんどん先を進むチームと間隔が開いてしまって慌てて追いかけたりもしました(笑)
OMM RACEに向けて、本でも勉強し、地図読み講習も色んな方の色んなタイプを受けてみたりしているのですが、それでもやっぱりフィールドに出て動けるかどうかというとすごく難しい。いまだにどうも「???」となることが多々あります。講習でいちばん良くやってしまうダメなことは 『(あれ、いまここかな・・・違うかな・・・なんでこうなんだろう・・・)』なんて思いつつも、流れに身を任せてその「?」をスルーしてしまうこと。そしてそのうち、“なにがわからないかわからない” というような状況に陥ってしまう。慣れで覚えるほどの経験を積むには時間がかかるし、机上で頭を使って考えようとしても空間に対応できない。やっぱり山で、山の中で、疑問を解決しないことには、頭も身体も覚えないし、“感覚”も身につかないのだと反省し、今回はかなり食いつきぎみで挑みました。
そして、今回とっても大事な気づきがありました。
なぜこんなにも覚えられないのか。きっと地図読みは慣れもあるだろうし、経験を積み重ねるのみといのもあるけれど、そもそも 【山を理解できていない】 からじゃないかということ。ただ単にペラッとした紙の 『地図』 を読めても、その先の展開は読めない。判断に迷った時、ひとつの要素だけではとうてい確信など持てないのは当たり前だけれど、地図という紙の中だけの要素をいくつも挙げては必死に悩んで地図とにらめっこして、『よし、これだ!』と思ったのにその先で間違っていたりなんかした時には、途端にもう自分を信じられなくなるっていう。
地図はあくまで判断材料のベースとなるようなものであって、例えば植生をみたり、景色をみたり、その土地の特徴を考えてみたり、身体で得られるプラスアルファの情報が山にはたくさんるんだ!ということをセンセイの溢れる話から感じました。
また、あれこれ細かいことばかり考えては正確さを突き詰めねばとするわたしに、もうすこしざっくりと見た方がいい、というアドバイスをもらいました。そうだ、山って、どーんと大きいんだ。今いる場所を、山を、真上から見たらどうだろう?スライスしてみたらどうだろう?ここはどんなフィールドで、自分向かうべきところは、おおよそその中のどのあたりなのだろう。地図に必死になっているといつのまにか紙の中の世界に入り込んでしまって等高線の迷路で迷子になって(笑)、山そのものから意識が離れてしまい、それが混乱を生むひとつの大きな要因になっているのだと痛感しました。
つまりはきっと、地図読みは山読み。
紙を読むんじゃなくて、山を読む。植物の種類や森林の様子、植生、山容、虫や動物。土地の特徴やなんでここがこんな風になっているのか。この山はどんな山で、わたしは山の中のどこにいて、どこらへんに向かおうとしているのか。まさに生きている山には、きっと何かしらのヒントがある。記号や数字で公式のように地図を読むのではなく、いかに想像力豊かに山を読めるかが地図読みなんじゃないかな、なんて思いました。
ん?それってすごくむずかしくないか?(笑)でも理系なことが徹底的に苦手な私には嬉しい気づき!地図が面白くなってきた。いつか、その時いる山やフィールド全体を、頭の中でどんどん自由自在に3D化できたら最強だな。
ただただまっすぐ前も見て走るだけじゃなく、山を理解していくことで楽しさはぐーんと倍増する。目鼻耳口手足、全身で山を感じられた地図読みでした。OMM RACEはどんな山かな。どんな自然に出会えるかな~。
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ちなみに・・・OMM RACEに使うバックパックを悩み中。今回は、(荷物が少なくて上部がぺしゃんこだけど)久しぶりにBlackdiamondのRPMを背負ってみました。上部が大きく、重心が上の方にくるシルエット。26Lだけど、なんだかもっと入る感じがする。OMM CLASSIC32の背面長とおそらくそんなに変わらないのだけど(むしろPRMの方がちょっと短い)、やや腰が気になるんだよなぁ。背負い方かな。まだまだ楽しく悩みます。