2014年11月22日(土)~11月23日(日)ちょい積雪期
大菩薩嶺 縦走&日の出HIKE
昨年秋に、母を関西から呼び出して(笑)、一緒に1泊2日でMountain Tripに行ってきました。奥秩父エリアの山、大菩薩嶺は都心からアクセスも良く、比較的登りやすい2000m級の山。(2,056m/山梨県)。今はもうすっかり雪深く真っ白だけれど、ぎりぎり雪が積もる前の秋の週末に、高山初心者でも記憶に残る絶景が見られる山として選んだのがここ。
幼い頃はよく黒姫山の麓のペンションに泊まって家族で山登りしていたらしいけど、それも小学校低学年くらいまで。最近母もトレッキングを再開して、ちょくちょく絶景写真が携帯に送られてくる。わたしも大会の写真を送ったりして、山に熱中するわたしのいちばんの理解者なのです。そんな母と一緒に山に行きたくて、自宅から電車でアクセスできる百名山、大菩薩嶺に行ってきました。
=DAY 1=
甲斐大和駅到着
電車がホームに着いて扉が開いた途端に登山客が走り出す。それを見て咄嗟に「あ、バスに座れなくなるんだ」と理解。改札を出て左側のバス乗り場まで小走りで向かい、なんとか小さなバスの補助席に座れました。バスに揺られること約50分。上日川峠バス停に到着。
目の前にはロッジ長兵衛。バス停の目の前だなんて便利!今日はここへ泊まるため、いらない荷物を置かせてもらいます。登山口もバス停の目の前、近くに公衆トイレもあって便利な場所です。(マイカー用の駐車場は大混雑でした)
上日川峠登山口からスタート。
ゆるやかな樹林帯を登り、福ちゃん荘へ。
朝は身体が重いなんて言いつつも軽快な母。福ちゃん荘から大菩薩嶺を目指すルートは2つ、ちょうど分岐があります。唐松尾根か大菩薩峠経由のルート。ほとんどの人は唐松尾根ではなく、大菩薩峠から大菩薩嶺を経由するらしい。走りたいならそっちが良さそう。この日は、大菩薩嶺~大菩薩峠~小金沢山(標高2014m)へのぐるっと縦走をしたくて唐松尾根へ。
これがなかなかの登りで、下ってくる人には次次会うけれど、登りは私たち以外に1組のみでした。色んな話をしながら、けらけら笑いつつ、たまに私なりに省エネな登り方をレクチャーしてみたり。母と私は背格好が似ていて、服装もわりと似ているし、笑い顔も似ているらしく、一緒に買い物をしたりしていると 『 “ トモダチ親子 ” ですね』なんて言われたりする。この日も偶然、同じようなパープルのアウター。何気なく貸した青のニットが、母が持ってきた青の短パンにまるでコーディネートしたようにばっちり合っていたりなんかして。そのハットも同じようなの持ってるわ・・・(笑)
雷岩着(標高2000m付近)
このあたりでは一番眺めのいい場所。
朝だからまだうっすら雲海。遠くに見えるのは南アルプスかな?
富士山も綺麗。
雷岩から雪の出てきた樹林帯を通って山頂へ。
山頂は景観がありません。ピークハントして雷岩に戻り、お次は大菩薩峠へ。大菩薩嶺(~雷岩)から大菩薩峠へ向かう稜線は最高。
これから向かう山々とその稜線トレイルが見えて、しかも右側には常に富士山が見える。この日は私よりずっとずっと晴れ女パワー全開の母のおかげで曇り予報はどこへやら、まぶしいほどの青空。
神部岩の切れた(風に見える)岩は撮影スポット
この季節だからか、数日前に積雪があったからか、日中の暖かさで溶けた霜がべちゃべちゃで足元はどろんこ。ニットのレッグウォーマーを履いていた山ガールが多かったけど、きっと泥だらけで災難ですね・・・。日中は温かくてTシャツ+アームウォーマー+稜線はサラッとした長袖一枚で充分でした。
賽の河原から大菩薩峠へ向かうところで少し雪。そろそろ雪が降り始め、日中には溶けるけれど日陰には残るようになるのだとか。一応チェーンスパイク持参です。
大菩薩峠(標高1897m)介山荘着
体力的に厳しければここで下山しようと思っていたけれど母はまるで元気。そんなわけで、このあたりで座ってお昼ごはん。ちょっと風はあるけど景色は抜群です。
ごはんを戻す時に乾燥コーンを一緒に入れると美味しくてオススメ。お湯を入れた後は保温ケースに入れると寒い日も少し早めにもどります。
チキンベジカレー/コーンライス 半熟ゆでたまごのせ
わたしの作った山ごはんをペロリと完食してくれました。母に私が料理を作るなんて、ちょっとこっぱずかしい。いつも山登りの時におにぎりがあまり食べられないと言っていたので、それは補給が少なくて突然お昼に食べるからじゃないか、ということで朝からすこしずつチョコやミックスナッツを口にしながら水分補給も心がけたら常に食欲たっぷりでした(笑)解決したね。
お次は大菩薩峠から熊沢山へ。
影になっているここは雪がたくさん残っていて、ところどころ滑ります。まだ軽アイゼンを装着するほどではないけれど、秋は携行した方が安心かもしれないですね。恐る恐る登る母。
熊沢山を抜けると急にこの景色!石丸峠です。この眺め最高。どろんこになった下りで足を滑らせながら、峠の分岐を越えて天狗棚山へ。
思いがけなくスノーハイクも味わえました。OMMのバックパックにストックはBlack Diamondのウルトラディスタンスというトレイルランナー的装備の60歳。(ニットは母も好きなブランドficture) OMM Classic32の背負い心地がすっかり気に入ったらしく、後日Run boys! Run girls! で買って送りました。走らなくても背負いやすさや安定感は大事だもんね。シニアこそ、【軽さ】が味方になるのかもしれない、なんて思ったり。
小金沢山への縦走はせず、天狗棚山までで終了。大菩薩湖が夕日に照らされて綺麗。大菩薩嶺や峠とはまた一味違ったこのあたりの景色も素敵で、縦走した方が満足感が大きいですね。石丸峠まで戻り、そこからロッジ長兵衛へ下山開始。
下山路も素敵な景色で、笹の間を歩いたり、トンネルを潜って渡渉をしたりして、1時間半ほどでロッジに到着しました。1日目の距離は11km。よく歩きました。ロッジ長兵衛はとても清潔・きれいな宿で、お風呂もあって、ごはんもすごく美味しくて(もちろんお酒もあって)、宿の方もとても優しくて居心地のいい場所でした。色々と希望も聞いてくださって、母を連れての初めての山泊にも安心でした。積雪期にまた行きたいと思います。(夏に雲取山からの長い縦走も楽しそう!)
=DAY 2=
4:00 起床 /4:40 小屋出発
お湯を沸かして保温ボトルに紅茶を淹れて、暗い中をヘッドライトを点けて出発。もちろんだけど、ナイトハイクなんて初めての母。稜線歩きに岩場にスノーハイクにナイトハイク。あれこれ詰め込みすぎかな?(笑)でもきっと同年代のトレッキングではやらないようなことを、私と一緒だからこそできるなら嬉しい。
昨日と同じ、福ちゃん荘から唐松尾根。2日連続で同じ道はつまらないかなぁと思っていたけれど 「昨日と同じだからこそ暗いと雰囲気が全然違っておもしろいね」 と言ってくれる。途中で鹿に遭ったりしつつ、とにかく日の出に間に合いたい一心で、ほぼ休憩なしノンストップ。無心で頑張る感じ、苦しくてもそれを楽しむ感じ、母の遺伝だったか、とその背中を見て思う。
ハードな唐松尾根を敢えて選んで良かったと思うのは、飽きない変化の多い道だということと、途中から星と街の夜景、富士山の影を望めること。徐々に染まる富士を見られれば、最後の急登も頑張れる。
朝っぱらから起き抜けにコースタイム90%くらいで進む60歳すごいわ。自慢のおかんだわ。
無事、神部岩に到着。
大菩薩周辺では、東側がばっちり見える場所。日の出スポットだと宿の人から前夜に聞いておいたその通りで、雲の間から徐々に真っ赤な太陽が顔を出す。
何度見ても日が昇るその瞬間は感動するものです。
振り向けば富士山。
気温はおそらく0度前後。風が冷たくてお湯を沸かして甘酒を飲む。私と母以外にたった2人の贅沢な日の出鑑賞でした。おふたりともソロで、1人は学生時代に70kmくらい歩いたことがある、もう1人はこの夏は穂高に行っていた、などと山行話に花が咲きました。
写真を撮りあいっこ。
日の出を見終えて、大菩薩峠へ。
連れ回してる私が言うことじゃないけど、若いよなー(笑)
さすがに稜線は冷え込んで、こんな状態に。
なんかのキャラみたいになってるよ〜おかあさん!大菩薩峠からは迷わず福ちゃん荘への下山道へ。ロッジの人に朝も唐松尾根から登ったと言ったら「えー!またそっち行ったの!すごいね」と言われた意味がやっとわかりました。大菩薩峠から福ちゃん荘までの道は、かなりきれいに舗装?されていて、登山道というかまるで林道。犬を連れてお散歩してる方もいました。そりゃみんなこっち登るわ。
福ちゃん荘手前でぶらんこ発見。
あっという間に下りてきて、もう終わりなのがちょっぴりさみしい。最後にはなぜか小走りになる母。走らなくてもいいよ(笑)でも軽快なステップは踊っているようで、音楽好きの母らしくて、楽しそうで、来てよかった~と嬉しくなりました。
ロッジに戻って荷物をまとめ、9:00のバスに乗り、そのまま東京駅まで。しょっちゅう周りから「アクティブだねー。」と言われるわたし流タイムラインでスケジュールを組んでしまったからきっと疲れたはず(笑)でもぎゅっと濃縮された充実の時間になりました。オトナのくせにいつまでたってもでっかいコドモみたいなわたしに、友達のように接してくれたり、心身参ってる時には新幹線に乗ってたった1時間でも話をしに駆けつけてくれたりする。
「おかあさんはえまちゃん応援団やで」
そんな優しい母にたいした親孝行もできないけど、もっと一緒にいろんな時間を共にしたいね。