今年も北丹沢12時間山岳耐久レースに参加してきました!
昨年、『“キタタン”って楽しいよ!』というレポートを書いたら、謎のアクセスを集め、「キタタン」というワードでgoogle検索をすると1ページ目、しかも4番目くらいに出てくるようになりました(笑)というわけで、今年も。というか、今年はなんといっても、キタタン大会史上なかなかの伝説レースとなったので、これはもう書くしかないでしょう!
今年はちょっと遅れてきた?梅雨の影響か、梅雨前線が停滞して大会前から連日の雨。もともと比較的脆いコースを通るキタタン。昨年も鐘撞山を超えた下りのあたりで落石騒ぎ?(みんな「ラーク!」「ラーク!」言いながら下っていた。笑)もあって、あのあたりは大丈夫かなぁ、どろんこ尻滑り必至だなぁ、なんて思っていたところ。まぁそれでも過去、どろんこレースも経験していて意外とキライではないので、汚れてもいいウエアを選んだりして会場に乗り込みました。
しかし、前日受付で貼り出されていた紙はこちら。
なぬ!まさかの鐘撞山がまるっとカット!
キタタンと言えば前半の渋滞は名物みたいなもんで、それを回避するために序盤のロードを多少突っ込んだりして、でも突っ込みすぎると後で潰れたりと、そのへんの “攻防戦” が面白いわけです。しかもそれなりの登り下りであるこの山はレースの前半のカギとなる部分です。昨年の私はWS立石建設までを結構良いペースで走り、この山の“早い渋滞”でうまいぐあいにペースを保ちつつ温存できたのが良いレース展開を導いたのですが、その山が、ない。
しかもその部分がまるっと1.5kmの林道になる。標高差もほとんどなく、つまり、「走らなければならない」。そして、第一関門の後は、少し登って、長~いダート&ロード。前半の疲れる要素がいっきに無くなったら、パワー有り余ってるランナーが爆走すること間違いなし。登りでじわじわ巻き返すタイプの私にとってとてもつらい報せでした(笑)
しかも相変わらず前日でもザーザー降りまくる雨。
会場横の青根キャンプ場のコテージ泊で、夜中降り続く雨に、朝起きたら大会が中止になっていた夢なんか見ながら(笑)大会当日を迎えました。
当日朝。
やっぱり降ってる~しかも結構な雨量降ってる~。
青根キャンプ場コテージ泊のいいところは、スタートぎりぎりまで屋根の下で待機できるところ。スタート位置を気にしないなら数分前に飛び出してそのままスタートできるくらい。ただし、この日はこれがちょっとしたミスでした。この日もできるだけコテージで待機をして、直前でスタートへ。30分も前から異様な闘志でメラメラと競り合うようにスタート位置前方を確保するランナー達。これもまたキタタン名物かも。
わたし達はできるだけ直前まで冷たい雨で体温を奪われないように、まぁ、後ろの方からでもいいでしょう、と屋根で雨宿りしつつスタートまでのんびりしゃべりながら待機。
ゲートに詰める前方とうらはらに、後ろの方は意外と6時半スタートでものんびりわいわい、楽しい雰囲気です。
スタートしてすぐ、きつい傾斜のロード登りから始まるキタタン。
これをちゃんと走れるかが勝負。同じ6時半スタートだった仲間にくっついて走る。だいたい全体の真ん中くらいで登山口に到着。がしかし、ちょっと誤算だったのは、ここでえらく渋滞に。足が止まるくらいの渋滞。あまりにゆ~っくりな行列で、「まぁ、このあと巻き返せる部分はあるしね」とか言いながら、2人でワ―キャー楽しく話してハイキング気分。
前にいる俯いた人たちとのギャップが激しい(笑)
楽しそうでしょ♪
レースは楽しくがモットー。連なるしかないシングルトラックの渋滞やつらい登りは、受け入れて、周りと話したりしながら楽しく進みます。うん、この時は「やっぱりキタタン楽しい~♪」なんて言いながら、ほんとに楽しかったわけですが、後からラップタイムを見ると渋滞の影響がきっちり出ていて、20分くらいのロス。もうちょい前方からスタートすべきだったか、去年は7時スタートで同じくらい最初走ればここはほとんど渋滞しなかったな、7時のほうが渋滞しないのかな?とか色々疑問と反省もあり。これが後々のちょっとしたサプライズに大きく影響するとはこの時は知る由もなく・・・。
最初のトレイルの後に待つ長いロード区間。意外とアップダウンがある箇所です。去年は今年よりも調子が良かったからか、そんなに長く感じなかったけれど、今年はずいぶんと長かった。それでも仲間にくっついて、たまに話たりしながら、WS立石建設、その後のコース変更部分の林道をいく。変更部分の「林道」と書かれたところは、まさにいたって普通の林道で、ゆるい登りとゆるい下りで10分くらい。(1.5km) あっという間に第一関門。降り続く雨のおかげであまり水分も減らず、ザックにはたっぷりの水。ほとんど登ってないからエネルギーもさほど減らず。エイドをスルーして次のパートへ。
「鐘撞山がカットとなると、あそこが渋滞するんじゃないか」
そんな予想通り、第一関門後の九十九折れの階段がみごとにゾロゾロ。追い越せる部分もほとんどないここも仕方なく身をまかせる。途中で「ブログ読んでます~」「ありがとうございます~」なんて会話で他のランナーと交流しつつ、林道に出る手前でコース誘導の方から一言。
『はーい!これがもう最後の登りですよ!楽しい登りを楽しんでくださいねー!』
ん?最後の登り?
もうすぐ林道に出るから登りがもうすぐっていうこと?なんかややこしい言い方だけどなんだろう??頭の周りに浮かぶ【?】マーク。そのまま登りを終えて、林道へ。よし、ここは姫次の登りでまたゆっくりになるから今年は去年よりももっとしっかり走ろう!そう気合いを入れ直し、軽く補給をしたところで4人くらいのスタッフの方とすれ違う。
「がんばってね~!」
「ありがとうございます~!」
「もうここから下りだけだね~がんばってね~!」
「えっ? いや、だって、姫つ・・・・」
『姫次?コース変更だよ!コース変更!』
えーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
「もうあとはこんな感じの林道下りだけだから、変更は残念だけど頑張ってね~!」
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!
ここで初めて知りました。
鐘撞山だけでなく、終盤のいちばんゾンビみたいな人が続出する、あの姫次もまるっと変更になったことを。えーーー!ここからぜんぶ、ロ、ロード?!姫次で序盤の渋滞分を巻き返す自信がちょっとばかりあったわたし。やっぱり多少は力を温存していたわたし。ロードがすこぶる苦手なわたし。ま、まじか~。姫次ないんだったら最初から突っ込むべきやったや~ん。下り?全部下り?ここからのレース展開どうすんだ~?頭の中ぐるぐる。
まぁとりあえず走るしかない。
全部下りなのだとしたら、もう、足を使い切るくらいまで走りまくっちゃえ!
そんなわけで、第二関門まで爆走。
あとからラップを見たらここだけやけに飛ばして走っていて、完全にやけくそ感出てます(笑) でも、なかなか脚がかくかくになるまでレース中盤から下りを爆走することも少なく、それはそれで面白い。結構抜いたんじゃなかろうか、それが良かったかどうかはともかく、雨の影響で応援もまばらな第二関門を通過。悲しいかな、本来の姫次の入口を横目にそのまま車の通る林道を走る・・・。
たまの緩やかな上りを挟みつつ、ずいぶん下ったところで、はっと気付く。これはもしかして、登ってきた林道?そう、必至こいて登ってきた林道に戻ってきてる。ななんんと。これはもしや・・・。
ぞわっとした予想的中、序盤の長いロードのアップダウンが再び。
『ずっと林道の下りだよ~♪』という言葉を安易に信じて爆走してきてしまったカクカクのわたしの脚。ごめんよ、わたしの脚ー!!!もうちょい残しておいてあげればよかったよー!!!後悔しても先に進めるわけでなく、なんとか気力振り絞って登りをちまちまと走り、来た道を戻る。
そして最後の最後でもう終わりかと思いきや、
『ハーイ!これが最後の山でーす!』
前後にいた5人くらいのランナーが漫画のように ギョッ としたのがわかりました(笑)
「や・・・やま・・・・・あったんですね・・・・・」
あはは、あはははははは。あはははははははははは。お互い顔を引き攣らせて空笑いしながら、すでに数千人が通って田んぼと化したトレイルへ。わりと皆同じ状況だったのか、アスファルトの長い下りを脚を使い切る勢いで下ってきたゾンビな同士達は、わずか数kmの小さい小さい山すらも、ぞ~ろぞ~ろ。あぁ!攣った!という声が聞こえては列が止まり、またぞろぞろ動き出す。そんな状況にやきもきしつつもロードに出たら、よし、解放だ!
「あと1kmです!」
突然スピードを上げ始めた周りと共に、ぶつかりそうな勢いで競り合いながらゴールへ。みんなおそらく感じている物足りなさをゴールまでの後数百mに込めるかのごとく1人でも抜こうと最後の力を振り絞ってダッシュ・・・!
去年の記録7時間42分を更新すべく7時間30分切りを目指していたのはどこへやら。なんだか数字だけ見たらとっても早そうな4時間40分というタイムでゴール。約37km、おそらく20km以上はロード。それにしちゃ、去年に比べてちょっとトホホな結果・・・。まぁでも、これはこれで面白かったかな、なんて。
熱中症続出!暑さとの戦い!灼熱のキタタン!がまさかのほぼロードレースと化した今回。きっと語り継がれる1回になったことでしょう(笑)そんな貴重な回に出れて良かったということにしよう。
奇跡的に「山」。
ちなみに、キタタンはスタート・ゴールが同じ会場で、ぐるっとラウンドするコース。しかも会場横がキャンプ場でものすごく近いうえに、会場施設には温泉や食事処もある。都心からも比較的近く、応援や私設エイドも本来なら多く、派手ではないけれど、楽しい雰囲気。 前日も当日もさほど慌ただしくなく、仲間と楽しめる、そんな環境が結構好きだったりします。
う~ん、まぁ、いろいろあったけど、やっぱりキタタンは楽しい!
(と私は思う)
そんなわけで、私の3度目のキタタンはイレギュラーにて終了。7時スタートと6時半スタートの2回経験してキタタン卒業だよ、と言われてエントリーした今回。今年もたっぷり楽しませてくれたキタタンに感謝して、これにて無事卒業!
と、言うことで来年は同時期開催の美ヶ原80kmにチャレンジします!
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