わたしとしたことが1ヶ月もお休みしてしまった山から復活すべく、帰省に合わせて“おひとりやま”(おひとり様で山に行く)で滋賀の山へ行ってきました。
そもそも月曜日に名古屋出張があり、だけどもうすぐロングレースを控えていて練習せねばと思っていたところ。最初は静岡の山に行こうかとか、土日で鈴鹿山系をテント泊縦走しようかなど考えたものの、交通の便の悪さと日曜日の雨予報で、1DAYで行ける場所を考えました。
滋賀の山は、これまで雪の伊吹山、比叡山、箱館山、赤坂山、湖南アルプス、高島トレイルなどに登ってきました。それぞれに独特の雰囲気があって、標高を上げれば琵琶湖が望めて、なぜか安心する、そんな山々。
伊吹山山頂付近から
金勝(湖南)アルプス
そして今回は、『リトル比良』と呼ばれるエリアから尾根を繋いで比良山系縦走路の端、蓬莱山までを走ってきました。山と高原地図の【比良山系】を床にドーンと広げて、
『よし!端から端まで行っちゃうか!』
と、そんな感じです。
実家が県内だからこそできる早朝6時台スタート。近江高島駅(たぶん標高80mくらい)から旅路は始まります。
湖西線に乗ってのんびりと(ただし寝過ごすと大惨事)
海のように広く存在感のある琵琶湖
近江高島駅で下車。駅前にはローソンがあって、意外と便利。まぁひとっこひとりいないですが(笑)駅からはしばらくロードを走って、トレイルヘッドへ。神社の奥にトレイルがあり、入る場所はわかりやすい。かなりしっかりとした獣害対策の網を開けて入る。
えっ、なんかいるの?
リトル比良は、JR湖西線の北小松駅~近江高島駅を起点にした縦走路。シダがサワサワと脚に触れるような場所や白く大きな岩の山(湖に近い場所はほとんどこの様子に近い)、枯葉でふかふかのトレイルや、ちょっと怖いお寺跡?、意外と急坂もあったりと、10km程度でこじんまりした中でも楽しめる縦走路。最高地点が703m(滝山)、短い距離で標高を上げるので、走ったら結構心臓バクバク~。
シダふさふさの道
岩の隙間を通る
砂山に見えるけど白い岩
鎖場みたいなところもある
岳山って、「岳」と「山」おんなじ意味じゃないのか・・・な・・・
リトル比良縦走路には比較的新しい道標が立っていてわかりやすい。
だれにも会わず、走りまくり。調子に乗ると枝尾根に迷い込んで慌てて戻る。
5時間かかるリトル比良エリアを調子に乗って2時間で走ったもんだから、そのあとが案の定悲劇で、寒風峠というところで一度標高を下げてからの登りがゾンビのようだった。だれかと一緒だったら完全に笑われていたに違いない。寒風峠からはヤケ山、大石、タンヤマノ頭、ヤケオ山、フジハゲピーク、釈迦岳といくつもアップダウンを繰り返し、しかもニセピークが多すぎて真昼間に危うく幻覚を見るところだった・・・。
綺麗なトレイルだけど滋賀の山はぼーっとしてるとロストするので注意
ずっと東屋だと思って目指していたものが巨岩だった時のショックたるや
かつ、目指していたピークが結構地味で風に吹かれた瞬間孤独を感じたりなど
ヤケオ山というピークから釈迦岳の区間は『フジハゲ』というなんとも言えないネーミングで、だけど笑っちゃいけないほど爽快な稜線。細いトレイルの両脇の切り立った崖に足を滑らせないように気を配りながらも、ウヒョーと叫んでみたりして。
右奥のちいこく見えているのが比良山系最高峰の武奈ヶ岳。正直、遠い。
やっとのことで釈迦岳に着くと初めてハイカーさんに出会い、ひとときの交流。小屋などなく、水場も少ない滋賀の山。想像以上に暑かったため水をかなりセーブしていて、この後の水場の場所を確認していたら『自分はもうここで下りるから』とお茶をくれました。昔から滋賀の山に足を運んでいるのだとか。比良山系に行くならたいていの人が有名な「武奈ヶ岳」を選ぶのに、あえての釈迦岳を1峰だけ登りに来たらしい。釈迦岳自体は山頂に景観がないけれど、原生林の美しいエリア。その地味な山をちょっとマイナーなルートで登って下りる楽しみ方はその人がいかに山好きかを表している気がする。
釈迦岳から再びせっかく上げた標高をガツンと下げ、武奈ヶ岳の麓に到着。昔スキー場があったけれどもう廃れて無くなってしまった。武奈ヶ岳は比良山系最高峰で日本200名山のひとつ。標高は1214m。琵琶湖側ではなく、京都側からコースタイム2時間40分ほどで山頂まで登れるために、ハイカーの多い人気の山。
登山口からの4時間半、たった1人にしか会わなかったというのに、武奈ヶ岳の麓に着いた瞬間にどこからともなく人が湧き出てくるようにどんどん増えて、あっという間に人だらけ。半袖短パンの私は白い目で見られつつ、ランチタイムで盛り上がる麓からそそくさと登りに逃げ込んだら、焦りすぎて道を間違えた。がーん。
遠回りのルート・・・まぁトレーニングだな。と思ったら、怪我の功名、そこは滝のように水が流れる沢があって、天国のような場所だった!それまでカラッカラ、水の気配など一切しない山だったのが嘘のよう。まだあと5km以上先の沢まで今ある水でセーブしようと思っていたので、思わぬ水源に水を飲みまくり、固形物をもりもり食べました。ちょっとハンガーノックぎみだった身体が一瞬にして復活。あー、最高、染み渡る。
沢沿いを登り、ガレた岩場を通り、稜線に出たら武奈ヶ岳はもうすぐそこ。真っ白で何も見えないかと思っていた空も、曇ってはいるけど遠くの山まで見える。いや~ツイてる。
山頂はそりゃーもうすごい人だった
(他の山頂は超絶地味なのでいちおう撮ってみた)
ここまで10時間超のコースタイムを5時間くらいで来れて、かなり順調。だけどここからが途端に山が豹変することに・・・。
<前半>
近江高島駅 – 大炊神社 – 岳山 – 鳥越峰 – P693? – 岩阿沙利山 – 見張山? – 嘉嶺ヶ岳 – 滝山 – 寒風峠 – ヤケ山 – 大石 – タンヤマノ頭 - ヤケオ山 - フジハゲピーク – 釈迦岳 – カラ岳 – 次郎坊山 – 武奈ヶ岳
(後編へつづく)