たまにレース会場で『あ、MMAの、奥武蔵の人ですよね』と声を掛けられるエマです。こんにちは。奥武蔵に住んでる人ではありません。
わたしはいつからか「第一回大会」に興味を持つようになりました。
特にミドル以上の第一回レース。
だけどそういったレースはたいてい・・・
●情報が少ない
●その上ギリギリまでわからないことだらけ
●コースもわりとワイルドな状態だったりする
●運営がちょっと心配
●どのくらいキツイのかわからない
●だいたい思った以上にキツイ
●伝説の第一回が生まれる
●だけど長い距離ってMな人が多いから結局はそのくらいがちょうどよくて意外と翌年にあれ出たいという話になったりする
ような気がするのです。
こういった「あるある」をきっと想定しながらも、エントリーした後に憤慨している方も見かけますが、わたしにとってはワクワクする要素だったりします。情報が少なくても自分で地図を広げてみたり検索したりして調べるのも面白いし、わからないことだらけでもどんな場面でも対応できて完走できることがきっと山力であり強いトレイルランナーなんじゃないかなと思ったり、思った以上にキツくても、色々トラブルがあっても、伝説の第一回に出れるのは光栄!と思ったり。第一回は一回しかないのだから。
そして今年わたしが興味を持ったのが、FunTrails100k。
どんなところが面白いんだろうかとちょっくら調べてみました。
■国内でも数少ない、4ポイントレース・・・という魅力?
いや、魅力というと語弊があるのはわかってます。誤解を恐れずに書いてみたけど、批判は怖い(笑)国内のトレイルレースではまだ100k以上は多くない。ましてや100mileレースはまだわずか。ポイントのために走るなんて、といった議論はさておき、一度は出てみたい100mileレースがあるならば国内外含めてやはりポイントが必要なことがあるわけで、例えば日本で一番知名度が高いだろう海外の大会UTMBなどは新たなポイント制が導入されたけれど、それでも必要なポイント数が年々上がっていて、長距離高獲得標高の大会が少ない日本国内だけでポイントを獲得するのって大変だなぁなんて思います。
そんななか、新たに4pointレースとなる(予定の)FunTrails100k。が、しかし、わたしの愛すべきホームトレイル奥武蔵もまだまだ知名度が低いのか、それとも地味~な山域だからか、エントリー開始当時はスロースタート。あれっ?と思っていたら、今年のUTMFの大量DNFの後に怒涛のエントリーがあり、一瞬で100kが締め切られたらしい。やっぱりポイントなのか云々の議論はそれでもさておき、今年のハセツネ10年越し優勝の奥宮さんプロデュースの大会。東京近郊の山では奥多摩や丹沢や鎌倉などに比べても劇的にマイナーで素朴で景観も少なく、よく“秩父の手前”扱いな奥武蔵だけど、わたしがトレイルランニングを始めた1年目からひとりで一生懸命通って練習してきた大好きな山域での大会。そんな大会にUTMFに出るくらいの強者が集うのだとしたらますます楽しみ。
分岐に現れる「山道」とか「登山道」という道標は奥武蔵でよく見かける。知ってるがな~、と言いたくなるオチャメな奥武蔵。
これ立てたら方向変わっちゃうんじゃないかと思うんですよね。そんな惑わせ上手な奥武蔵。(大会ではおそらくここは通りません)
■里山だと思ってナメてかかるんじゃないぜ的なコース設定
100kのエントリー条件は、「過去2年間で50㎞以上のトレイルランレースを2回以上、もしくは、100㎞以上のトレイルランレースを1回以上完走されている方。」。つまりポイントエントリー制ではありません。2年間で50km以上を2回であれば、意外とエントリーできる人は多いような印象。しかも、埼玉県なので、東京からも近く、関東圏のトレイルランナーにとっては、近場で開催される100kレースになる。
奥武蔵か。日和田山とか、伊豆ヶ岳とかね。里山っぽい低山?
そんな風に思っている人もいるかもしれない。(いないかもしれない)でもちょい待ちおじょーちゃん。奥武蔵って地味だけど、エグいんだぜ。こんなコンパクトな場所で100k作れちゃうんだぜ。たかが標高500m~1000mの山だと思ってちゃ痛い目あうぜ。その標高の低さで104km・累積7,617mもあるってーのはどういうことなのか、ほら、ゾクゾクするでしょ?
<参考>
UTMF:約168.6km、累積約8,337m
八ヶ岳スーパー100マイル:約160㎞ 累積約7024m?
おんたけ100マイル 約160km、累積6400mくらい?
信越五岳 約110km、累積4670m
ハセツネ 71.5km 累積4800m
変なキャラで煽ってすいません。いや~しかしよくも低山かき集めて(繋げて)7,617mも標高積みあがったなと思うんですけど(笑)、つまりは、めっちゃめちゃギザギザギザギザギザギザギザギザザザザなんです。最初に登る武甲山が5~6kmで標高約1,000mUPだけど、そんなどーんとでっかい登りがむしろ後半恋しくなるんじゃないかくらい、も~ギザギザしつこいんじゃぁあああ!!!って気分になる気がします。
私は何より、地図の中にさらりと潜んでいる「飯能アルプス」の部分が恐怖でなりません。高低図では危うく下り基調だと錯覚しそうな魔のゾーン。あれをどのくらいの時間巻けるんだろうかと・・・。
■後半では、MのためのどこまでもMなご褒美が待ち構える
我こそはMだという方にもうひとつ朗報です。
奥武蔵ウルトラマラソンってご存知でしょうか。真夏に開催されている78kmのロードレースで、奥武蔵の峠をどーーーんと標高上げるだけ上げて、くるっと折り返して戻ってくるという真夏のドM灼熱レースです。その、奥武蔵ウルトラのコースはロード脇にずっとトレイルが走っているんです。そう、FunTrails100kでは、その奥武蔵ウルトラのコース脇のトレイルが、70km以降にMなみなさんのためのご褒美かのごとく用意されています。ゾクゾクします。(背筋が)
奥武蔵ウルトラの高低図 (スポーツエイドジャパンのHPの案内から拝借)
■制限時間は厳しいのか
ここからは私の勝手な計算なので、あくまで個人の意見として適当に聞き流してほしいのですが・・・。今回のFunTrails100kのコースは、山と高原地図【奥武蔵・秩父】の中にすっぽり収まっています。つまり、登山コースタイム(歩きの場合の所要時間の目安)が判るわけです。これは、わたしのような関門に追われがちなランナーにとってすごくわかりやすい指標だと思います。なぜなら今回のレースのエントリー条件を満たすくらいのトレイルランナーにとって、練習の際にちゃんと地図を見て山を歩いて(走って)いれば、調子がいい時にはコースタイムの何%で、バテると何%くらいに落ちるといった風に、自分がだいたい登山コースタイムの何%くらいの走力なのかを把握しているはずだからです。一部ロードを通るコースは地図からわかる距離と高低図の傾斜をもとにおおよそ想定して算出するしかないのですが、関門の区間ごとにコースタイムを合計して、関門までの時間と比較することができます。
一定のペースを保てないわたしが100kでのペースを平均することなどほとんど意味をなさないと思うのですが、それでもあえて言うならば、(休憩時間を除いて=一切休まない状態で)平均してコースタイムの70%以下で走れなければ関門アウトになるんじゃないか、というのが私の予想です。
70%なら早歩き+下りの走れるところを走るでクリア?いやあくまで『休憩時間を除外した計算』なので、これにエイドやドロップバッグのポイントでの休憩が加わることを考えると・・・うーん。100k超のレースで、夜間や後半、どの程度のスピードで走れているか。歩けているか。トボトボ歩きは登山コースタイムを上回るはず。これを厳しいとみるか易しいとみるか。自分の作ったタイムスケジュールには、休憩時間も考慮して、前半~後半で傾斜をつけ、登りや下りも考えて各エイド間をざっくり何%くらいで進むべきかという計算をしました。
それをまじまじ見つめながら、やってみるしかないな~という心境です。正直、8月のTDSに1年のコンディションや気持ちを合わせ、そこから随分経ってしまった今、ここまで準備してもちゃんと完走できるのかは心配です(笑) ストック使えないからなぁ。わたしの場合、登りでどれだけ貯金を作れるかだなぁ。
どうせたいして見ないんだけど、地図やタイム表を作るのが好き。というかただ単に、作る工程が好き。ラミネートしてパンチングして、ザックからすぐ出し入れできるようにする。これはTDSの時のもの。
■コースの真ん中に、電車がドーン!応援にうってつけ?
もうひとつ、こりゃいいなぁと思ったことがあります。それは、もしかしてすごく応援しやすいんじゃないかということ。FunTrails100kのコースは、西武秩父線という飯能から秩父を繋ぐ沿線の線路をぐるっと囲うようにコース取りされています。奥武蔵の山々は、この西武秩父線の各駅を下りて比較的近いところにトレイルヘッドがあります。
Funtrailsのfacebookから拝借、線路に青、駅に黄色を入れてみました。
つまり、各ポイントまで駅からちょっとハイキングして、下山したら電車に数駅乗ってまた次のポイントに行くということができるのです。また、山と高原地図に載っている範囲内なので、応援ポイントまでの歩きのコースタイムやルートが判りやすい。これも便利です。ただし注意すべき点は、電車の本数はさほど多くないので(笑)、適当に下山すると時間帯によってはかなり電車を待つことになるため、ちゃんと時刻表を見て計画しておく必要はあります。(夜は当たり前ながら電車が終わってしまうので、夜の応援は車がないと辛い)
ちなみに、ちょっとアクセスが悪いけれど、名栗湖のさわらびの湯や、休暇村奥武蔵のこもれびの湯、横瀬の武甲温泉など温泉がいくつかあるので、1~2カ所応援して、温泉に入って帰るなんてこともできるかも。連休ヒマだわ~っていう人は遊びに来てみると面白いかもしれません。(選手への直接的なサポートは指定されたエイドなど場所が限られています。)
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このほかにも、実はコース上に結構見どころ・画になるスポットが多いとか(武甲山、名栗湖、竹寺、子の権現、顔振峠、高山不動尊、関八州、金昌寺)、エイドでカップラーメンやらお茶漬けやらフルーツポンチにミニシュークリームまで出るらしいとか、HPには載っていない魅力がたっぷりな予感がします。
100kの参加人数は約500名。おそらく、一人で走るシーンも多くなるような気がします。シングルトラックが多いけれど、制限時間を考えると渋滞しなければいいなぁ。そのへんは当日にならなければなんとも、ですね。
1人で山に登るのが好きですが、さすがに普段夜には行かないので、夜の奥武蔵をレースという恵まれた環境の中で走れるのも、行き慣れた場所の違う顔を見るようでなんだかワクワク。いや、夜走るのが怖い場所も結構あるな・・・。知っているだけに(笑)
書き連ねたFTR100の魅力、実際にはどうだったのか。走ってみてまたレポートします。(あ~完走できますように)
ギッザギザ~。累積7600mもあるように見えない。(FunTrailsのHPより。)
1 コメント
はじめまして。FTR100kmに参加させて頂く最所と申します。事前にほぼ全コース試走しました。感触としては、前半勝負、しかも、名栗から飯能までのギザギザハート笑(しつこいアップダウン)で心が折れない事をでしょうかね。
飯能から先は夜の登山のつもりでのんびり行こうと思います。どこかでお目にかかれましたら宜しくお願い致します。